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2024-04-22

anond:20240421235302

一所懸命に語ってるけど、お前の本性を言い表せば「自分が殴りたい相手に対して便利に使える武器を強くするためならそれを妄想で補強して大丈夫と思ってる異常者」だよ、そこに一切の誤解はない

正直これ以上「ワタシ正義!」な人にまともに語るのも時間メンタル無駄からこれで最後にするけど、世の中の事件はお前のオナニーのための材料じゃねえんだわ

中立気取ってるようだけどはたから見れば「もしなにかがあって状況がひっくり返ったときに、自分が叩いてたことをごまかすためのテキトー中立ごっこ」でしかない

「私は脳天気なので」とか言ってるけど最後の「みんな大好きだよねぇ?」のあたりに突っ込まれて揺れてるのが出ちゃってるよ、上から目線ドヤ顔雑語りさん

2024-04-21

anond:20240421231923

ちょっと誤解させちゃってる。すまん。

私はそもそも店主の態度はよくないと思ってる。

増田(20240420191507)にも書いたけど、日本語しか対応しないのは自由なんだけど、私が思い描く理想的な店主なら、ニコニコしながら「ごめんなさいねぇ、うちは海外のお客さんだと難しいんですよねぇ」と伝えてほしい。

これはちょいと尊大表現だけど、仮に相手傲慢カップルだったとしたらなおのこと、むしろ太陽のような日本人の柔和で温厚な品位を見せつけて、なんなら相手自分たち傲慢さを恥じ入るレベルにまで感化してほしいとさえ思ってる。

私は脳天気なので、登場人物が全員温厚で平和理想の世界が大好きで、店主もお客さんも善良であってほしい。

でもあいにく、店主のツイートの、特に後半の「日本語で答えてやった。ここは日本だ。俺も英語の国に行ったら英語を喋る。日本では日本語を喋る努力しろ。無理なら通訳を連れて来い。」からは、善良な人物像は描けなかったんだよ。

でも、あなたの言う「さんざん迷惑外国人に苦労させられた挙げ句可能性」は、店主に対する思いやりを持ったあなたの立派な解釈だと思う。

それでも、「ひどい仕打ちを受けてきたから、それを他の外国人にもぶつけてしまう」ストーリーより、「ひどい仕打ちを受けてきたのに、それでも外国人に親切に接しようとする日本人ホスピタリティってなんてすばらしいんだ」みたいなストーリーのほうが、みんな大好きだよねぇ?(それはそれで卑屈な奴隷根性だと批判するのかもしれないし、その気持ちもわかるけど…)

2024-03-26

雨漏りする傘に増田おでこ濡れる玲ぬこで御出す魔に盛るスリもまあ(回文

おはようございます

雨漏りのする傘ってどうよ?って思わない?

傘を差しているのににおでこに雨の玉が落ちてきて

その都度ぴしゃ!ってなるんですけどー!

これって傘の役目果たして無くない?って思うし

雨漏りする傘ってそれはそれでいいんだけど、

どこを貫通して雨の玉が落ちてくるのかしら?ってその瞬間を見届けていないので

どこから貫通して雨漏りしているのか謎なのよ!

謎いわ!

でも正直分かってるの!

たぶん傘って1枚の布じゃないじゃない。

いくつかの布を縫い合わせて作られているので

その縫い目から雫がそうよ雨の玉が落ちてきて

その都度おでこにぴしゃ!ってなるんだわ!って推測でしかないけれど、

そこの縫い目の雨が漏れない強化対策!ってないのかしら?

今日でこそ雨脚は強く雨音はショパン並の中の雨量って感じなんだけど、

まだ小雨なら耐えられたかも知れないこの雨音のショパン

この強さ程度の雨には耐えられないショパンなのよ。

頑張れショパン

ご覧よほら!はるかに輝くあの峰を!

ってそれはジョリー

誰を応援しているかからなくなってきたけれど、

ビニルの雨傘あれ買うけれど

いつもどこかにいっちゃうのよね。

誰が持って行っちゃうのかしら?って常々日頃からその都度都度思うわけだけど、

たぶんおおかた私がどこかで雨がそんなに強くなくでも傘が必要なぐらいの雨脚で、

何処かのお店に入店した際、

もちろん飛び込み前転で入店することは忘れていないわ!

そんで買い物などし終えてお店から出た際にみんな大好きドリカムの歌のように空が晴れていたら

傘忘れちゃうじゃん!

うそれ忘れていたこともすら忘れる!ってぐらい。

でもまた翌朝その同じお店に行くと傘立てに私の傘がそのまま残っていて無事回収できるってことあるじゃない。

ショパーン!って

この奇跡的な再会を得てそういうケースはマルコが3000里離れたお母さんに会いに行くって

話の内容は1行だけしか知らない『母をたずねて三千里』は肩にリスみたいなサルみたいなキャラクターが鎮座していることしか

その2行しか知らないぐらい、

感動の例えとして現されるぐらいちょうどいいぐらいの感動を覚えたときに使うべく

かさー!ショパーン!って

銭形平次のとっつぁんが

お店の人にさっきこの顔と同じ顔の男が来なかったか?なーにー!そいつルパンだー!の勢いの

ルパンの言い方でショパーン!って私は傘との再会を喜ぶの。

でもいつもまた気付いたら

あなたそばに居なかった。

失ってから初めて気付くあなたの大切さ。

そう雨降ってから傘が無いことを思いだして井上陽水傘がない。

それまでは無邪気に過ごしていて脳天気文字通り天気の晴れ空だから

急にそういう天候が急転して雨が降ってきた場合

それまで忘れていたあなたのことを思い出すのショパーン!って

そんで

また私はコンビニで新しいショパンを買うの。

店員さんは気を利かせて、

今お使いですか?って包装されているビニルを剥がしてくれる優しさがまるで、

今日はいいことあったんですか?ってバーマスターみたいな感じで、

私がうつむいていてしばらく顔を上げられない様子でやっとの思いで顔を上げマスターを見ると

マスターは夢中でトムクルーズさんばりの

お酒の瓶とカクテルを作るステンレスカップくるくるお手玉のようにジャグリングしていて、

もう私に優しい声をかけてくれたことなんてすっかり忘れているの

ワールドカクテルチャンピオンシップスか!って私のツッコミもむなしく。

頼んでもいないピーチリーフィズと餃子がきたの。

正確に言うと私が頼んだのは餃子

頼んでいないのはピーチリーフィズ。

ちなみのこのバーが入っているテナントビルの1階は町中華屋さんでそこからこのお店に出前が取れちゃうスタイルなので、

本格的なカクテルが楽しめるバーと言えども本格的な中華も楽しめるでお馴染みのお店なの。

慣れたお客さんはお店のマスターに言って下から出前を取ってもらっているのよ。

私はそのピーチリーフィズと餃子をとで一緒に食べることで

なくなっていた元気も取り戻せたよう。

マスターありがとうね!またくるわ!

でも私はマスターに呼び止められたの。

え?なに?

餃子代お支払い忘れてます

そっかー

ここカクテル餃子は一緒のマスターに払えば良いけれど伝票は別々でややこしいシステムだったんだー!って思い出して、

私は慌てて餃子代を払ってお店をあとにしたわ。

もちろん

そんなご機嫌さんのションテン爆上がりの模様だったので、

傘のことなんてすっかり忘れて

またショパンを置き忘れてきたのよね。

ショパーン!

でもまだ私はそのことにすら気付いていない、

雨が降ってから失ってから彼のことに気付くの

そうショパンってね。

雨漏りしない傘買ってくるわ!

うふふ。


今日朝ご飯

夜「重湯」を作って飲んでお腹を落ち着かせているんだけど、

その副産物で出来るご飯的なものあるじゃない。

お粥でもなく炊飯ちゃんと炊いたご飯でもなく

なんか中途半端中間の食べ応えのお米の粒のやつ。

それをもう朝ご飯納豆玉子ぶっかけて出てきたわ!

最近また重湯研究家として活路を見出しそうなので、

また別の機会に書くとするわ。

デトックスウォーター

ホッツ白湯ウォーラーしました。

ちゃんと真っ当に朝家でご飯を食べたのは珍しいぐらい、

それならデトックスウォーラー

ホッツ白湯ウォーラーにせず

ホッツお味噌汁ウォーラーにすれば良かったとも思えたわ!

ホット味噌汁存在最近すっかり忘れていたわね。


すいすいすいようび~

今日も頑張りましょう!

2024-03-20

テレビに笑い声いらない

テレビ脳天気な笑い声が嫌い

聞いてて不快

笑い声いれなきゃいけないルールでもあるのか?

2024-01-30

妹が自殺して2年[追記しました]

追記

 

いっぱい見てくれてありがとう

気遣ってくれたブクマカたち、ありがとう

もちろん、事実真実も今俺がどこでどんな暮らしてるかも全く知らないくせに、書いてもないことを妄想憶測曲解邪推で補完して膨らまして、

俺を批判したり同情したり憐憫したりアドバイスしたりしてくれたブクマカたちにも、ありがとう

それを無意識のうちにやっている人も、自覚的にやってる人も、いるなと思いながら目を通した。

でもまあ、それはいいんだよ。

それが欲しくて増田に書いたし、

俺は生きてるから

俺の言動意図ねじまがった形で波及して、求めてもいない影響をどこかやだれかに及ぼしてしまって、

自身が誤解されたり損害をうけたりすることがあっても、

自身が弁明や訂正をできるから

俺は生きてるから

 

死者にそれをやるのは卑怯だよね。だって死者は、裁判で訴えることも言い返すことも説明することも訂正することも弁明することも謝罪することも、できない。

死者は憐憫してほしいのか称賛してほしいのか忘れてほしいのか助けてほしいのか居なかったことにしてほしいのかも、もう確かめるすべもない。

 

自死について、テロ行為と書いたことで苦しませた人は本当にごめんね。

漫画家さんの自殺テロ行為だなんて言うつもりはなかったんだよ。

自殺者の自死テロ行為にしないために、生きてる人が気をつけるべきことがあるんだって話をしたかったの。

 

俺んとこで言えば、俺は、妹のせいで母が壊れたと思うべきではなかったし、壊れた母から悪影響を受けるべきでないし、母にも妹のためにこそ壊れないでほしかった。

だってこれが成立すると、あの自殺が俺たち家族にとってテロ行為とも呼べるシロモノになってしまうじゃない、って話をしたかったの。

 

こういう現実が、こういう思想自殺メリットを感じる価値観と地続きと思う。

https://anond.hatelabo.jp/20230715095602

 

妻子を気に掛けたくれた人もありがとう

俺の妻から苦しみを聞かされたわけでもない、なんなら妻の顔も名前もしらないのに、妻の気持ちを代弁してくれた人も、ありがとう

これ以上自殺呪い(と言い換えますテロは強すぎたね)の悪影響をひろげないために、妻と子供には、より誠実に向き合って、より大切にしていこうと、あらためて強く思いました。

 

人の心なんて、生きてようと死んでようと、絵にかいて見せることも形づくって触れさせることもできない、言葉を尽くしても伝わらない、どうやっても想像の域を出ないものから、切ないね

無意識のうちに、自分妄想憶測を、事実と同列に取り扱ってしまう人は、「人とは自分が見たいように物事を見てしまう生き物だ」ということ知ってほしいな。知ってて損はないし上手く使えば得になる。なんなら知らないと損してしまうこともある。

俺もまだまだ勉強中だから、偉そうに言る立場じゃないのだが。

 

追記ここまで

 

はいわゆる境界性パーソナリティ障害っぽいところがあって、思春期はまあ大変だった。

気に入らないことや思い通りにならないことがあれば、ヒステリーリスカハンスト家族を萎縮させる。

妹以外の家族、俺と父と母は割りと温厚というか事なかれ主義というか淡白だったものから

最後の方はYESマンに徹していたな。

とにかく言うことを聞く。「これして」「あれちょうだい」全てその通りに。

心によりそうのは2の次いや3の次、もっと後回しだったかも。

そうすればとりあえず刃物しまってもらえたから。

 

勉強は中の下、外では外交的でないまでもヒスも起こさず我慢だけしてるから、人付き合いは良好でなくても不穏でもなくて、

まり社会生活不具合がなかったから、幼いうちに医療にかかることがなかったのは心残りだ。

 

大学は県外へ行き実家を出た。

卒業と同時に、大学出会った彼氏地元に嫁いだ。

俺たち家族はほっとした。実家環境が合わなかっただけで、家族以外との生活には問題ないんだ。

の子は変な子でも変わった子でもなかったんだ、と。

 

妹が嫁いでまもなく、俺も結婚し、2世住宅を建て、両親を呼んだ。

実家は取り壊した。妹がヒステリーを起こしたとき痕跡が生々しくのこる実家は、みんなにとって黒歴史だった。

妹が壁に書き込み続けた呪詛言葉。蹴ったり殴ったりして開けられたいくつもの穴。食器を投げつけた傷。包丁が刺さったあと。拭いても拭いても落ちない血痕。

リノベーションするにも、業者のひとに見せるのすら憚られたから。

今思えば、何て書いてあったのか、あの子の心の叫びを知っておけばよかったな。

 

新居に引っ越しから一度、妹は旦那さんと一緒に遊びに来た。

旦那さんは、気さくで温厚でいい人だ。嫁の実家なんて気を使うだろうに。

俺ら家族に対して不穏な態度を隠しもしない妹に不満をみせることもない。

一晩泊まって、翌朝になっても客室から出てこない妹とは対象的に、旦那さんは一人早くに起きてきて、朝食の支度を手伝い、妹抜きで朝食を囲んだ。

今思うと、もしかして欠陥品かもしれない妹を押し付けた俺ら家族と、もしかして欠陥品に今現在虐げられる暮らしをしているかもしれない旦那さんと、何も知らない俺の嫁さんで、なんとも言えない緊張感はあったかもしれない。

妹にとって、自分実家とは言えないが自分の両親と兄が暮らすこの家は、居心地がイイとはいえないだろうが、

自分親族の家に来ているというのに朝になっても起きてこない妹に、何も言わないし様子も聞かない俺たちは、旦那さんの目にはどう映ったんだろうな。

 

嫁いで何年経っても、妹に子供はできなかった。

なにかの機会で、旦那さんのご両親と俺と俺の嫁と俺の両親で一緒に食事をした際、

先方のご両親からそのことに触れられたが、俺の両親はなんとも煮えきらない反応をして、話題を変えた。

この頃には俺の嫁も、俺の妹の不穏な雰囲気を察していたかもしれないな。

 

妹が嫁いで8年くらいの頃かな。

仕事から帰ったら母親が血相変えて玄関まで出てきて。

「妹が離婚する」って。

から電話があって、そう言ってたって。もちろんいつものヒステリーからくるヤケクソの話ではなく、その電話旦那さんとも話して、「直接ご挨拶をさせていただきたいのと、離婚届の署名をおねがいしたいので、伺わせてください。この度は誠に申し訳ありません」って感じの話だったらしい。

 

俺たちは困った。嫁いでからずっと妹は働いてなかったはず。

もう30になるという歳で、職務経験もないあの子が、今すぐどこかで働き口をみつけて、住むところをみつけて、一人暮らしをして、ってできるのか?

もしくは、こちらに帰ってきても生家はない以上、ここに住むのか?

そりゃ一時的には問題ないが、ずっととなると。

俺には子供が二人できていた。

言葉にはしなかったけど、妹との暮らしは、子どもたちには悪影響ではないかと思ってしまっていたことは、忘れていない。

 

あのとき俺らは利己的だった。

8年大丈夫だったんだから、なんとかなろう。

妹の癇癪持ちは、もう治ってるって。大人もの

仮にそれが一時的に出てしまったのだとしても、時間が経てば解決する。

離婚なんてしなくても済むはずだ。

だってあの気さくで温厚な旦那さんだもの

妹の問題点も笑って許してくれるさ。

 

母はその晩、妹に電話をかけた。

離婚したとして、どうやって暮らしていくのか?現実的に難しい問題がいくつかあることを妹に話していた。

から、もう少し頑張ってみたらどうか?とも。

今思えば、いつでも帰ってきておいで、って、言ってやるべきだったかなあ。

 

妹はまもなく首を吊った。3日間意識不明をさまよったのち、死亡となった。

俺は妻に子供を任せ、両親を連れて嫁ぎ先へ飛んだ。

 

旦那さんの憔悴ぶりは見ていてとても可哀想で、なにより申し訳なかった。

俺は仕事が有るのと、妻に幼い子供2人押し付けてるのも気に掛かかるものから、両親を残して通夜だけでお暇した。

空港までは旦那さんが送ってくれた。

旦那さんは別れ際に、「僕のせいで、申し訳ありません」と言ってくれた。

この時点で俺は、妹の亡骸を見てもなお、妹が死んだ事実よりずっと、俺の妹がこの人やこの人の家族迷惑をかけてしまったということのほうが胸を占めていた。

旦那くんは悪くないよ。一番つらいのは旦那くんだろ。」

そう言って別れた。旦那さんは泣いていた。

 

俺は本当に浅ましかった。

あのまま妹を俺の家に受け入れていれば、妹は俺の家を破壊たかもしれないし、俺の家で首を吊ったかもしれない。

そう思うと、妹が、意識不明から復帰することがなくてよかったし、すべて旦那さんがケツ持ちしてくれてよかった気がする。

そもそも妹が嫁いだとき俺は、「これで妹に縛られた人生から開放される」「死ぬまで妹の面倒見てくれる人ができてよかった」そういう気持ちではなかったか

妹の幸せにも妹の未来にもなんの興味もなかったのではないか

旦那さんは、こんなかたちではあるが、妹が死ぬまで面倒見てくれて、汚れ仕事をすべて請け負ってくれた恩人。

旦那さんの未来は、もしかしてこのことのせいで暗く閉ざされてしまうこともあるかもしれないけど、俺たちは、旦那さんのせいにして、何ら変わらない日々を送れるんだ。

はやくこの地を離れたい。

 

そういう気持ちでいた。

 

あれから2年が経った。

1周忌は仕事言い訳に行かなかった。妻も両親も旦那さんも、俺に何も言わなかった。

今月、妹の3回忌があった。そのため久しぶりに嫁ぎ先を訪れた。

曇天でいまにも降り出しそうな空模様のなか、お経を聞いた。

そんなに多くの法要に顔を出した経験が有るわけではないのだが、よく見るのは、故人の配偶者が存命の場合は、故人と配偶者の馴れ初めや思い出なんかを坊さんが語ってくれたりして、参列者でほっこりして、故人を悼んで…なんてするイメージだった。

そういうのは無かった。離婚が決まっていたからなのか、自殺からなのか。もしくは、旦那さんに新しい女でもいるのかな。見覚えのない女性の参列者を見かけると、そんなことを考えたり考えなかったりした。

法要のあとは、旦那さんと妹が暮らした家に伺って、形見分けをしてもらってから、両親を伴って帰路についた。 

旦那さんと妹が暮らした家は、記憶の奥底に閉じ込め蓋をし忘れたことにしていた、実家を思い出すようだった。刃物食器を投擲することによってついたであろう傷は、しずかに床や壁にこびりついていた。

 

2年間の月日が流れる中で、妹の嫌悪を感じる点も、忌まわしさを感じる点も、憎悪を感じる点も、あまり思い出せなくなっていく。

思い出を美化しているらしく、生前は良い思い出とは思っていなかった記憶さえ、なんだか温かい感情を伴って思い出されることすら有る。

から、本当の妹は、ここに書いているよりもずっと酷い人間だったかもしれない。 

 

記憶の美化は故人の美化で、それは後悔を呼んだ。

幼い頃から妹に手を焼く度に忌まわしく思ったし、

脅しによって周囲の人間を思い通りに操ろうとする様を本気で憎んだときもあったよ。

だけど、俺から見たら「気に入らないこと」「思い通りにならないこと」で感情を爆発させる妹だったけど、

妹にとっては、きっとそれが何より辛くて苦しくて助けてほしいことだったんだよなあ。

 

今でこそ、境界性パーソナリティ障害っぽい、だなんて偉そうにラベルを貼れるけど、あの頃は、そんな妹自身が抱える暗闇について、目を向けることすら無かった。

分かりにくかったけど、きっと助けてほしかったんだろうな。

俺には知識教養も度胸もなくて、何もしてやれなかったな。

妹を大切にする暇もなく、妹より大切なものをいくつも持ってしまって、さいごま蔑ろにしてしまたかな。

あの頃俺がつらかったのも事実だし、

妹がつらかったもの事実なんだろうなあ。

 

そして、この2年の月日で、母はどんどんおかしくなった。

母をまもるため、母を大切にするため、俺はこの家を建てたのだけど、母はいま妹ばかりだ。

俺が妙な助言をしてしまったせいで、母は妹にあん電話をしてしまって、だから妹は死んでしまって、だから母は壊れてしまったのかなあ。

妹がヒステリーを起こして母を殴るたびに、母に刃物を突きつけるたびに、俺は母をかばったものだけど、母はそれももう忘れてしまったのかなあ。

俺が生きていても、母にとって意味はないのかなあ。

の子どもたち、母にとっては孫であるの子達も、母の大切な一人娘が死んでしまたことの前では、無価値なのかなあ。

 

父は、もともと目が見えない人だったが、母がおかしくなってから認知症も進行したように思う。

から、3回忌は、俺もボイコットができなかった。

ハンディキャップが有る父。妹に攻撃される母。人格障害っぽい妹。

俺も、頑張りすぎたのかな、幼い頃から、妹の兄でありながら、妹の父のかわりや、母の夫のかわり、あらゆる自分を演じようと、無理をし過ぎたかな。

こんな俺が、妻や子どもたちを大切にできているのかな。

いろんなことが複雑に絡み合って俺たちはここにいるんだなあって最近よく思う。

 

最初は、「妹が自殺したのは、配偶者である夫とのいさかいのせい」と思い込もうとしていた。本質はどうあれ、そのほうが俺の人生にとって都合が良かったから。

だが、壊れてゆく両親という現実や、美化される自分記憶とともに、その自己暗示も、維持ができなくなってきて、自責の念が強くなってきたと思う。

 

それと同時に、なぜか新しく故人である妹への憎しみが湧いた。

俺たちを苦しめる原因って結局すべて妹だ。感情を削ぎ落として考えたらそうだ。

そして母への怒りを感じた。

俺は子供だったし、母は大人だった。夫が盲目からって、俺に頼り切りでなく、大人として責任果たしてしかったよ。

妹が死んだ途端、被害者ぶるのはやめてくれ。

の子病院にかからせることができたのは、あの頃はあなただけだったじゃないか

俺に負債をおしつけて、それで今更被害者面なんて、浅ましいと思わないのか。

 

色んな感情が渦を巻く。

妹はこんなふうに壊れる俺たちが見たかったのだろう。

妹を厄介払いするように嫁にやって、妹以外で結託している俺たちに、自分重要性を知らしめたかったのではないか

まり自殺ってテロ行為なんだ。

他人を変えるために、死というウルトラCを用いて、インパクトを与える。

他人というのは、俺らだったかもしれないし、旦那さんだったかもしれないけど。

まんまと呪われた母は、そして呪われた母に巻き込まれて変わらざるを得なかった俺や父は、

妹の思うつぼだということだ。

彼女は、あの世でほくそ笑んでることだろう。

 

でも、妹はそんなやつじゃないとも思うんだ。

本当に逃げたかっただけだ。

俺たち家族からも、旦那さんからも、厄介者扱いされていると感じてしま現実から

見捨てられる恐怖から

もちろん俺たちだってそんな、あからさまに厄介者扱いなんてしなかったよ。でも繊細で傷つきやすいあの子は、なにかを受け取ってしまたかもしれないじゃないか

 

そんな弱い子でもない。

あいつは、内面にそういうマグマをかかえつつも、無難に人付き合いができる賢い子でもあったよ。

怒りっぽく、傷つきやすく、繊細で、家に帰れば人の悪口ばかりだが、本人の前ではおくびにも出さない。そういうしたたかな子だった。

自殺だって彼女彼女なりに選択したことだ。良し悪しはべつにして、彼女の中にそれなりの正義があったに違いない。

同情がほしいなんてそんな浅ましい理由で、こんな愚かな真似をするわけがない。

から外野に過ぎない俺等が勝手にあれやこれや憶測妄想をして、勝手因果関係見出して、勝手に怒ったり悲しんだり憐憫したりするのは、彼女に失礼ではないか、とも思う。

 

とにかく。

自殺って本当に良くないな。嫌でも思い出すし、

外野勝手悲劇エッセンスに利用してるのを見ると、自分のことのように腹が立つ。

これは俺の認知が歪んでいる自覚は有る。

にしてもだ、自殺って脳天気バカどもが考えてるよりずっとずっと地獄だよ。

自分のクソデカ感情シェアしたくなる気持ちはわかるけど、自死遺族からしたら、それすらもノイズだったりするかもよ。

発信することは、真意が売名でも承認欲求でも吐き出しでも追悼でも救済でも擁護でもなんでも、ノイズになりうるし、エゴイズムだと思う。

しらんけど。ありがたく思う人もいるかもしれんけど。

フィクションじゃないんだよ。病死事故死や老衰とは話が違うんだよ。故人の何を知っているんだ。

自殺するようなことがなきゃ、書かれなかったであろう伸びなかったであろう記事をいくつも見たよ。

自死によって世界が変わるのは、良く変わっても悪く変わっても、なんだかテロリズムを感じて気色悪いんだ。

生きてようと死んでようと、その人間が行ってきた善行も悪行も変わらないから、本質的には同じなのに。

俺は芸能人有名人自殺しても勝手憶測は書かないようにしているし、因果関係も見出さないし、責任追及もしない。憐憫もしない。

死者が物言わないからって、単なる憶測がでかい面をしていい理由にはならない。

本気で愛してんなら、自殺と絡めず書いてくれ。だし、死ぬ前に書いてやれ。愛だけ叫んでろよ。

称賛も憐憫必要ない。ただ愛を込めて心のなかで悼んで差し上げろ。

自分が救われたいだけなら、自分にあう死生観宗教にでもたよってくれ。

2024-01-23

都合の悪い現実に直面して発狂してる原発推進派の皆さんは安心して欲しい

珠洲原発止めてホントに良かった、という記事に対して言葉切り貼りして原発反対派を無理矢理腐そうとしたり、頭お花畑全開の屁理屈原発反対派を揶揄したつもりになってそうな哀れな人達が視界に入ったので適当に思ったことを書く。

安心して欲しい。これから先の日本では今まで通りの杜撰運用体制原発建築可能土地がどんどん出てくる。

具体的に言うと、半径数十km圏内に人っ子一人住んでない海岸平野部だ。

人口が減っていく日本地方の末端から徐々に壊死していく。

実現できないんだから考えるだけ無駄避難計画なんぞ不要だ。

どうせ世紀単位人口が減るんだから原発の周囲半径50km位は居住不可地域指定してしまえば問題解決だ。

50km位なら車で一時間ぐらいだから普通に通勤できるんで原発従業員安心だ。

碌な避難計画も立てずに原発建てようとする人達も、流石に従業員位は守る計画立ててくれるでしょ。

そうなれば、都会でのうのうと電気食い潰すだけのクセに脳天気原発必要性を語る自称現実派と同じ立場に皆がなれる。

なんか問題が起こっても周辺地域毎遺棄すればいい。

から安心して。

原発未来は明るいよ。

2024-01-03

メンヘラホイホイホイホイ

メンヘラ女に好かれる男から好かれる。

なんか知らんけど好かれる。

正確にはメンヘラ女と付き合うことに疲れた男たち、だ。

私自身は人から落ち込むことなさそうと言われるくらい脳天気なやつなので、おそらくメンヘラ疲れた男たちから次はこのくらい適当に付き合える人間がいいと思われてるんだろうと推理している。知らんけど。

メンヘラに好かれる男たちはだいたい面倒見が良く連絡がマメである。どうやら気を使ったり無理をしているわけでもなく元来人の世話を焼くのが好きだったりするらしい。行き過ぎるメンヘラに疲れてしまっただけで。

そして脳天気な上に面倒くさがりの私は何もしなくてもあれこれ世話を焼いてくれる相手特に申し訳ないとも思わずやったラッキー♪とそのまま甘えてしまう。

立派なダメ人間の完成である

最悪のWin-Winの成立。

しかもやつらは何もしないでただニコニコ世話を焼かれているだけの私の存在を全肯定する。どこまでも自己肯定感の強い悲しいモンスターがすくすく育ってしまう。

実家問題居住地の都合などで納得の上の円満破局をしてきたのでこの関係自体破綻したことがないのも最悪である。3人連続このような有り様だったので私はもうダメ人間として元気に生きていく才能があるらしい。

3人目となる現在相手とはわりと具体的な結婚の話も出ているところなので、行けるところまでこのまま突き進んでいこうと思う。

メンタル身体もめちゃくちゃ健康長生きするつもりだ。

2023-12-19

有権者」という最終責任者が腐ったまま政治家をすげ替えても無駄

腐った有権者が選ぶのは腐った政治家だよ。

というか、選ぶことすら放棄してるのが問題なんだよな。

真っ当な政治家がいない、なんて寝言ドヤ顔でホザくバカは沢山居るが、そういうことを言いたくなる気持ち分からんではない。

しかし、真っ当な思考回路があれば被選挙権があったって好き好んで政治家になりたがる物好きなんかそう多くない。

社会のドブ掃除みたいな仕事なのに、経費込みで年額6000万円程度しか公式報酬がない。

人間のクソな部分とずっと仕事で向き合わなきゃならないから長く続ければ続けるほど性根が腐っていくし、そんな苦行に耐えてもそれに見合う報酬はない。

脳天気有権者様は票も碌に投じないのに「俺たちの望む成果を出せない政治家がクソ」と文句だけは一人前。

まぁ、地獄だな。

特定の誰かが悪いわけではなく、いろんなところが少しずつ腐っていって、最終的に全体が地盤沈下しちゃったんだからどうしようもないね

人生の折り返し地点過ぎててホントに良かった。

ここからどんなに腐っていっても、オレの寿命が尽きるまではこの国は持つだろう。

若い世代の皆はご愁傷様。

より一層美しくなるわが国で頑張って生きていってくれ。

2023-10-24

「何も考えない」難しすぎる

なんか昔脳天気に見える大人、ギャハハって騒いでる大人ってかっこわるいと思ってたけど

今はすんごいかっこよく見えるし羨ましいわ

どうしても色々知れば知るほどネガティブになってしまうし

明るくいられない

明るくいるのに努力がいる

ネガティブでいたり周りの士気を下げるような発言するのって簡単だよな

その方が楽だし自分が悪いんじゃない世界が悪いって思えるから

ほんわかして楽しいことばかり考えてる大人ってすごいわ

2023-09-02

anond:20230902103308

ハリウッド映画はあまりワンパターンだし、

アメリカテレビドラマ面白いけど話題しづらいし

日本テレビドラマはなんか暗いし、

結局、脳天気に楽しめて、そこそこだれかが知ってるのがアニメなんじゃないかと思ったり。

2023-08-27

チャイナリスクよりもオタクリスクのほうがリアル問題だと思う

近い将来オタク依存リスク問題視されるようになったとしても

今までさんざんリスクを目の当たりにしといて、危機管理なく脳天気にやってきた方が問題だと思うのよね。

代わりに我こそはって大衆リア充が言い出せるうちにリスク分散させてほしい。

常識ある大衆人と話し合える人たちで消費したりまともな相手に支えてもらったらいい。

それよりこれを機にこの悪いリアルをいいことにしゃしゃり出る悪い転売系やオタクを誘惑するヤンキーな連中も静かになれば大助かりだ。

燃料代高すぎてオタクヤンキーが喜んで車バイク乗り回している問題にしても原油高にした連中の責任はともかくリスクが表面化しただけでシフトをしなかった連中の自業自得だよねとも思う。今後のためにもそういう悪い意味での依存関係も変える方が良いと思う。反社まがいのバイトもどきやオタ活できる富裕層と無縁の10代がつつがなく車乗り回せる社会になればそれこそ日本に住んでいる人々はみんな大喜びだ。

若者がいいバイクいい車に乗りたければ良心を捨てて悪人に落ちろという風潮のせいで若い堅気者がいい車やいいバイクに乗れない!

こんな悲しいリアルもさっさと変わってほしい!!

2023-08-16

anond:20230816153004

男は脳天気にそういう作品を喜んで歓迎するけど、

女はそういう作品自分には無理といいつつ、裏でしっかり読んでるみたいな気がする。

2023-06-29

自分が怖い

5日前、偶然の偶然で二度と会いたくない男にばったり会った。

駅ナカで人混みの中だったか存在に気がつくのが遅くなったんだと思う。

からモラハラを2年以上受けてやっとの思いで縁を切ったのに、

どうして脳天気に話しかけてくるのかわからなかった。


声が聞こえた瞬間に怖くて自分の靴を見ていた。

怖くて無言の空間が続いた。

自分が怖くて。


モラハラをしてきた威圧的な彼の顔や声、今でも鮮明に思い出す。

その度に怒りが込み上げて「もしも次会ってしまったら今までのこと全て仕返ししてしまう」と怖くなる。

自分が何をしでかすか、全く分からない。


そして今回、騒がしい駅ナカで声を聞いて確信した

今振り返ったら自分を抑えられない。



無視をして電車に乗った後、涙が止まらなかった。

逃げた自分がみっともなくて。



いつか全て水に流せて思い出しても怒りが湧いてこなくなった時、その時は逃げずに大人対応が出来るのかなと思う。今ではないいつか。

2023-06-04

ドラゴンクエストⅡ 任侠鉄砲伝説」写し

2001/0721土

先日

柳川氏が

ドラクエⅡを

プレーしていると書いたが

今日

「ほのおの祠」の在処が分から

悪戦苦闘しているようである

本当に器用だなと思うのが、

ちょっとドラクエをやったかと思うと

テレビもつけっぱなしで

すぐに

作曲部屋に戻って

ゴリゴリ作り

しばらくするとまたテレビに向かって

「ほのおの祠~」

叫び

かと思うと

また作曲をしに行ってしまう。

だいたい計ったように

三十分くらいずつ

あっちをやり

こっちをやり

と大変忙しい。

どっちかをまず

片づければ良いのに、

と思うのだが、

ご本人にとっては

それがいたく快適らしい。

とはいえ、僕も、

柳川氏が

ドラクエに戻るたびに

ぼーっと手を止めて

見ているのだから

人のことは言えないのですが。

と言っているうちに

柳川氏、

とうとう諦めて

「ほのおの祠」の在処を

文明の利器の力で

割り出すことに決めたらしい。

そう。

インターネット検索である



ドラクエⅡ 攻略



これだけのキーワード

どかっとヒットしたらしい。

その内の一つに

明確な攻略が書かれてあったらしく










「ビバ、インターネットゥ」







雄叫びを上げて

「ほのおの祠」に

到達する柳川氏。

なんだこりゃ

松明が燃えてるだけで

別に溶岩燃え盛ってるとか

そういうわけじゃ

ねえじゃねえかと

テレビに向かって

文句を垂れる柳川氏。

そのうち

気が抜けたのか、

タバコに火をつけ、

「それにしてもさぁ」

と半ば

コントローラーを投げ出して

こちらに声をかける

柳川氏。


子供心にも思ったことなんだけれど」





はあ、

ぼんやり返す僕。







世界の命運を賭けて

旅立つ一国の王子が」













「身支度するものと言えば」














「ドス(銅の剣)一本と

五十ゴールドだけ

ってのは」












「どうなのよ」











どうなのよと

言われたところで

そういうゲームなんだから

しょうがないだろうと思い、















鉄砲玉だから

じゃないですか」











適当

答えたところ

ふいに

沈黙する

柳川氏。











「そ……」










「そうかぁ」








感慨深く

うなずく柳川氏。









「そうだったんだぁ」















「この王子たち、

鉄砲玉だったんだぁ」
















なんだか

しきりと納得する柳川氏。

そりゃねえ

そう考えるしか

ないでしょう、

調子に乗って合わせる僕。



道理でさぁ」



柳川氏が

感得したように言う。




ローレシアの城を出るとき

みんながみんな

王子ハーゴンを倒すよう

祈ってくれるんだけど」









「無事に帰って来いとは

言ってくれないんだよ」









「きっともう

城の後継者

決まってるんだよ」








王様の隣にいる

大臣

かに






「なんてこった…」



一種呆然として

煙草を吸う柳川氏。








ローレシア王子

敵を間違えてるよ」






そうかぁ、

なるほどぉ、

なとどしきりに

呟くうちに、

ふと、





「そうか」





と、

膝を叩く柳川氏。

どーしたんですか

と訊く僕。







「国として考えるから

不条理なんだ」

はぁ。


ローレシアとかサマルトリアとか、

これらは全部組なんだ」

組?






ローレシア組の鉄砲玉なんだよ」








「一番稼いでいた

ムーンブルク組が

ハーゴン組に出入り(喧嘩)を

食らったために

財政難に陥った

ローレシア組と

サマルトリア組とが

互いに鉄砲玉を出し合ったんだ」














ハーゴン

命(タマ)とってこいや



って。



なるほど。

それで

ドス(銅の剣)一本なわけか。

わず納得する僕。

その途端、

可愛らしいドット絵

彼らが背負った

耐えがたい悲哀が切々と伝わり

つーんと熱いものが鼻をさす。



ローレシア組の鉄砲玉は

腕っ節と人望を買われ、

ムーンブルク組の一人娘は

おとっつぁんの仇を討つため

サマルトリア組の鉄砲玉は……




ちょっと待て。









なんでのんき者の王子

鉄砲玉なんですか。







切ない任侠道

サマルトリア組の王子

のんきさで早くも崩壊

かと思いきや






「うまく言いくるめられたに

決まってるじゃないか













親分王様)にしてやるとか

なんとか言われて」






ははぁ。

すぐにまた

納得する僕。

そりゃあ、さぞ、

ローレシア組の鉄砲玉は

憂鬱であろう。

なにせ

ドス(銅の剣)一本で

帰れぬ旅路に出た

かと思いきや、

どう見ても現実

知らされていない

脳天気な男が

相棒になるわけである

悲壮覚悟

旅を続ける横で






えへへ僕、お城に帰ったら

親分王様)になれるんだ

良いでしょ~







白昼夢のごとき切ない言葉

繰り返すサマルトリア組の

鉄砲玉。




そりゃ

会心の一撃だって

出るわなぁ。














しか

なぜかくも緊急な時に

そんなのんき者を

鉄砲玉にするのか。

考えれば考えるほど

ツジツマが合わないではないか

そう

柳川氏に訊くと



「何を言ってるんだ

決まってるだろう」

と言われた。









???

僕が要領を得ない

顔をしていると、




「みんな知ってるんだよ」





と言う。







なにを?

とやはり当を得ず、

更に訊く僕










「この王子鉄砲玉)が

レベルアップをすることで

何を覚えるか」











途端に

思い当たる僕。











メガンテ












そりゃ

鉄砲玉としては

申し分ないな






というか

もはや

鉄砲玉以外の

何者でもないな









全てを知りながらも

あえて何も口に出さぬ

尚武の男

ローレシア組の鉄砲玉。

一方で

何も知らされず

へらへらと白昼夢を見ながら

将来への一片の疑いも抱かぬ

サマルトリア組の鉄砲玉。

また、

一家を皆殺しにされ

犬畜生の苦界に身を落としていたところを

ラーの鏡で身請けされた

ムーンブルク組の一人娘。

この娘が一番

何も失うものとてない

捨て身の人生

生きてるのであろう。

自暴自棄になる

ムーンブルク組の一人娘を

気がつかぬところで

そっと支える二人の鉄砲玉たち。

いつしか

人間らしさを取り戻す

ムーンブルク組の一人娘。

しかしその頃には

冒険は佳境に差し迫り、

ついにロンダルキアまで

足を踏み入れたのだった。

着実にレベルアップし、

無自覚のうちに

同じくらい着実に

鉄砲人生

完結させようとする

サマルトリア組の鉄砲玉。

その軽口が

哀れさ以上に、

時として冒険

苦しさを和らげて

くれていたことに

ふと気づく

ローレシア組の鉄砲玉。

「ようやくここまで来たね~♪

まぁ君達二人も頑張ったけど

僕なんか頑張りすぎだよね~♪」

相も変わらず

底抜けに明るい声で

ダンジョンに入ろうとする

サマルトリア鉄砲玉。

ふいに

くるり

こちらを向く

ローレシア組の鉄砲玉。


「お前はここで帰れ」

ただでさえ

しかめっつらしい顔立ちを

いっそう厳しく引き締めて告げる

ローレシア組の鉄砲玉。

これまでの冒険

深い皺さえ見えるかのような顔で

しり一言

「あとは俺たちでやる」

突然そんなことを

言われて

目を丸くする

サマルトリア鉄砲玉。

「またそんなこと言ってぇ~♪」

とおどける

サマルトリア鉄砲玉。

「僕が親分王様)になっても

仲良くしてあげるから

心配しないでよ~♪」

この切迫した状況下で

なお、かんに障る明るさを

まき散らす

サマルトリア組の鉄砲玉に、

しか

ローレシア組の鉄砲玉は

頑としてこれ以上の

彼の参加を否定する。





「初めてお前に会ったとき


ローレシア組の鉄砲玉が

ぼそっと

押し殺した声音で言う。






一刀両断にしてやりたかった」







わず

力の盾で身を守る

サマルトリア組の鉄砲玉。





「城を出たかと思えば

祠に行く。

祠に行ったかと思えば

ローレシア組の城に行く。

さんざん探し回った挙げ句

『お兄ちゃんのんき者だから

一言

全て済ませられ、

しまいには

ローレシア組の城にも居ない。

かと思えば

宿屋

ゴロゴロしているお前を

いっそ叩き切ってやろうかと

何度思ったことか」

冷たい目の

ムーンブルク組の一人娘を背後に

いやぁと

照れるサマルトリア組の鉄砲玉。

「だいたい」


とこれまでの

憤懣をぶちまける

ローレシア組の鉄砲玉。




「明らかに

残りHPが少なくて

あとは複数攻撃

呪文で片づけようと

思うモンスターほど

お前が勝手に倒すし」




中途半端

すばやさがあるくせに

すぐマヌーサにかかるから

ターンがずれて

微妙回復が遅れるし。











「どうして

じっとしてないんだお前は」






いやぁ、えへへ

と笑ってごまかす

サマルトリア組の鉄砲玉。

ちらりと

目で助けを求めるが

他人を助ける心の余裕など

犬として暮らす日々のどこかに

置き忘れてきてしまった

氷のような態度の

ムーンブルク組の一人娘。

「そういうわけだ」

ローレシア組の

鉄砲玉の口調は

もはや断定である





「お前はここで帰れ」





戦力として

一切みとめぬかのような

いであるが、

しかし実際、

サマルトリア組の鉄砲玉が

パーティの一員として

無能かといえば

決してそんなことはない。

なにせ呪文を一切

使えぬ身の

ローレシア組の鉄砲玉にとって

しろ攻守ともに

なくてはならない

存在と言ってよかった。

それゆえにこそ

武に生きるローレシア組の

鉄砲玉にとって

サマルトリア組の鉄砲玉は

つの間にか

傍らにいて当然の存在

なっていたのだ。

兄弟分として

これほど頼もしく

また心和む相手

かつていなかった。

もっと言えば、

可愛くて仕方がないのである

この無邪気で

脳天気マイペースだが

決して挫けず

辛い冒険にも懸命になって

ついてくるこの鉄砲玉が。

無骨

ローレシア組の鉄砲玉にとって

そんなサマルトリア組の鉄砲玉が

じきに

自分が実は捨て石であることを

悟るところなど

見たくないのである

これまで彼が抱いていた

淡い夢が粉々に消し去り

自分が実は遠い以前から

からも見捨てられていた

などという

そんな衝撃に、

この可愛い兄弟分の心が

耐えられるとは、

どうしても思えないのである

ローレシア組の鉄砲玉にとって

そんな風に思う自分

意外でもあった。

そしてそれ以上に

この兄弟分が

不憫でもあった。

痛切な真実を知らされる

ことはまだ良い。

しかしそれを抱えて

死にに行くことが

哀れだった。

そうした思いを

仏頂面に堅く秘めながらも

かすかにその眼差しに込めて

ムーンブルク組の一人娘を見やる

ローレシア組の鉄砲玉。

え~、そんなぁ~

などと

いじけるサマルトリア組の鉄砲玉の背後で

かすかにうなずく

ムーンブルク組の一人娘。

実際、

この娘にとっても、

サマルトリア組の鉄砲玉のことが、

ローレシア組の鉄砲玉と同じように

可愛いのだ。

家族を皆殺しにされ、

一人の女としての誇りも

何もかもを失い、

もはやハーゴン

刺し違えることだけが

生きる目的と化した

ムーンブルク組の一人娘にとって、

サマルトリア組の鉄砲玉こそ、

生きるということを、

明日を夢見るということを、

かにかに思い出させてくれたのだ。

この冒険に加わったとき

ムーンブルク組の一人娘にとって、

この世が滅びることなど、

知ったことではなかった。

それをいうなら、

自分が生きていた世界は、

とうの昔に、

滅んでしまっているのだから

これ以上

誰が不幸になろうが

知ったことではなかった。

しろ

幸せな街や村を見るたびに

なぜ自分けが

胸が苦しかった。

いっそのこと

城が墜ちたあの日

怪物たちの手で、

同時に

この世の全てを

滅ぼしてくれれば

良かったのに

とさえ思う。

そんな

ムーンブルク組の一人娘にとって、

サマルトリア組の鉄砲玉が

ひけらかす明るさは、

無性に苛立たしかった一方で、

自分がまだ本当には

絶望しきっていないことを

思い知らせるものだった。

いっそ全てが

滅んでいれば良かったのに。

そういう思いに押し潰されそうになる

心の奥底で

まだ微かな温もりが

生きているのだ。

その温もりが

人間であることの

最後証明だと

言ってよかった。

それがいつしか

冒険を経るうちに

ムーンブルク組に一人娘にとっての

最後の願いとなった。

自分

人間として戦って死にたいのだ。

そう思えるようになった

だけで十分だった。

瞬きの間に

互いの万感を

込めてうなずき合う

ローレシア組の鉄砲玉と

ムーンブルク組に一人娘。

「いのりの指輪を渡しなさい」

サマルトリア組の鉄砲玉の

腕を叩く

ムーンブルク組の一人娘。

え……

呆然とする

サマルトリア組の鉄砲玉の

手をとり、

指輪を抜き取る

ムーンブルク組の一人娘。

サマルトリア組の鉄砲玉の

手をとりつつ

自分の手に

祈り指輪をはめ、

「代わりにこれを渡すわ」

いまや何も付けぬ

サマルトリア組の鉄砲玉の手に

キメラの翼を

押し込む

ムーンブルク組の一人娘。

あなたの妹さん、

あなたそっくり

なんですってね」

ふいに

微かな笑みを込めて言う

ムーンブルク組の一人娘。

え……、そうかな

言葉意図が分から

ローレシア組の鉄砲玉を

見やる

サマルトリア組の鉄砲玉。

のんきなところが

そっくりだった」

ローレシア組の鉄砲玉も

合わせて無骨な顔に

笑みを浮かべる。

「お会いしてみたかったわ」

そんなの、

僕が王様になったら

いつでも……

明るく返そうとするが

ムーンブルク組の一人娘の

手がかすかな

力を込めて

自分の手を握るのに、

ふと言葉を失う

サマルトリア組の鉄砲玉。

「帰りなさい」

ムーンブルク組の一人娘の

手が離れ、

その手に残された

キメラの翼を見つめる

サマルトリア組の鉄砲玉。

でも、そんな、

僕……

慌てて目を上げたときには

ローレシア組の鉄砲玉も

ムーンブルク組の一人娘も

半ば背を向けている。

待って、

もう少しなんだ。

叫ぶサマルトリア組の鉄砲玉。

心配するな」

ローレシア組の鉄砲玉が言う。

「お前が無事に戻れば

誰もお前が親分王様)になることに

反対出来ないさ」

「良い王様になりなさい」

ムーンブルク組の一人娘が言う。

ハーゴンの命は私達が……」

もはや振り返る素振りもみせず

背を向け歩み行く

二人。

その背後で

キメラの翼を握り、

うつむく

サマルトリア組の鉄砲玉。

ふいに

きっと

そのおもてを上げ、

もう少しなんだ!

サマルトリア組の鉄砲玉が叫ぶ。




もう少しだから

2023-05-31

繊細さんのはなしにも似ている気がするけど

周りが馬鹿過ぎて自分のいってることが通じないみたいに思う人って、自分が賢いならこんなところに甘んじているはずがないとはかんがえないわけだろ?

まわりが馬鹿過ぎて賢い自分理解出来ず、こんなところに押し込められている!みたいに。

すっげーポジティブだよな。

その脳天気ポジティブ見習いたいところではあるけど、そうなったらなったでなあ。

2023-01-17

anond:20230117191636

よく読んでも別れ話から殺人事件なんてよくあるぞ

レアから自分には起こり得ないと思うなんて脳天気すぎるし

そもそも避妊してくれない時点で害を加えてきてるんだから更にエスカレートするかもしれんと思ってもおかしくないだろう

2022-09-18

anond:20220918234640

90年代前半くらいまではマジで希望がある感じだったんだよ。希望があるというか、希望があると信じ込めるくらい社会全体が脳天気だったという感じだけど。

https://www.youtube.com/watch?v=A9Adf8qyXNQ

適当にググって出てきた90年前後cmだけど、当時は社会全体の雰囲気が本当にこんな感じだった。

2022-07-11

推しが死んだ

襲撃犯に対する怒りとかは今のところそんなに無い。ただただ、この感情をどう表現すれば良いのかわからずに戸惑っている。

困るのがTwitterとかでいつも通りツイートしてる奴らの発言を見ること。悲しい気持ちに浸りたいのに脳天気に楽しそうにしてると見るとどうしてもいらついてしまう。

家族あんまり話題にしてないし、どこで語ったら良いのかわからなくて行き場のない感情が貯まる一方でモヤモヤする

2022-07-06

anond:20220706194159

脳天気なやつって救いようがねえのなw

そうやって安心感演出すれば情報抜き放題

2022-03-19

はてなウクライナ侵攻って関心低すぎない?

ブコメ数見てても「ロシアウクライナ侵攻がどうなるか、世界の影響はどうか」ということよりも、

「橋下が~」とかの方がブクマ数付いてるし。

隣国中国ロシアもいて台湾侵攻も可能性高いのに、

どうしてこんなに脳天気でいられるんだろうなってフシギだわ。

2022-02-24

anond:20220224000439

ハードの差を何とか宥めるためにレギュレーションっちゅうのが要るんやで脳天気さんや

2022-02-14

anond:20220214144938

逆に言えば要領よくこなせるなら、脳天気にかまえていられるのならのんびりできてしま

これは普通仕事でも同じだな。会社にもよるが。

https://anond.hatelabo.jp/20220214143039

専業主婦労働量は大抵の職業より少ないと考えられている。

ただ、

  • 明確に休みと言える時間がない。 休憩しようとしてもいろんなことが起こる。 子供がいればそんなもん。
  • タスクひとつを終えて次に取り掛かるというわけではなく細切れに平行してやることがある。
  • 結果的に暇な時間は (全体としてそれなりに有っても) 連続して確保できない。

というところから、要領が悪いとか助けになる親族・仲間がいないとかで一気に負担が増える。

「今、やるべきこと」がたくさんあるので (総量がたいしたことなくても) メンタル的にきつい場合もある。

逆に言えば要領よくこなせるなら、脳天気にかまえていられるのならのんびりできてしまう。

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