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はてなキーワード: 案山子とは

2024-03-13

現代詩

実る道行

 

 

 

いま雄叫びからすむぎ

そして実りゆく案山子

つるむらさきと芹ならば

かえって心も気も楽か

 

紙が毛羽立つ筆先に

今日自分感情

眠れるものから綴じるのか

寝てもいいけど角度を変えて

どの交情が占めるかとか

激情の水と信仰

雁は帰巣の頭を巡らせ

湯冷めのしない羽休め

気持ちをすべて言い当てられて

謎まだ解けず

声、小さいよ

もう眠そうな声

眠いのか、そう眠たいならね

 

薄暮れにひきあげて

体の幅で塞ぐ畦道

ゆくりなく渡り歩いて

抜き足を峠まで運ぶか

運んだ先の馬場で待つ蟻

 

夜の目も利く先導と

山裾からまた山裾へ

 

思い出したら話してくれる

何かと深めた信心

あたらしい主になり代わる

鯰の潜む流れから

 

遠くから二十万騎のかちどき

おおむね好意を内に示して

 

尖底土器まで野心が巡る

ただ走り先走る尖石

 

雪が見えるの

なれの果て

それがおまえ

おびただしく連なるからたち

 

絶えずまわりにくべる火の

しらじら退いた機先

 

明日の天気は野を分けて

みだりに迫り来る老齢

未来蕎麦も遠のいて

昼のあずきとも関係ない

払えば道となる藪を

ぼうぼう伸びるにまかせていれば

 

北限に迫る脊梁

とうとう採集しきれぬノート

たかく道行き

ゆずりあう群落を間引いても

洗いそそいで運ばねば

枯れるもなにも使う人のない枕木

 

ノウゼンカズラ

向こうで咲いてたか

走りながら根付くわけではないか

うそこまで行ければいい気がする

 

ひとまず不慣れな先行きで

まずは燕をとらえるか

あぶみを離れるいななきの

鼻先まで香るうちに

まずは燕をとらえてみるか

 

 

 

パッチ・ワークス』(港の人)より

https://www.minatonohito.jp/book/420/

2023-08-13

anond:20230812084134

オレは平均以上の身長があるけど、正直な気持ちとして女性男性に対する身長を殊更にありがたがる風潮に拒否感があるのは増田と同じだ。

こんなの完全に偶然の産物しかないのに、それで好き嫌いをしたり、ましてやそれを公言するような奴は人間人間として見てないんだな、と軽蔑してるよ。

たまに急にオレの身長について褒めてるつもりで話題にする女とかもいるけど、できるだけちゃん不快だと伝えるようにしてる。バストサイズの話を急にして褒めてくるセクハラ男性くらい最低だよ、って。

それであいつら鳩が豆鉄砲くらったような顔をするんだよな。

あいつら人間人間として見てないんだよ。ほんと案山子でも買って満足してろよって話。

少しずつかもしれないけど、オレもこの差別をなくしたいと思ってるし、できるだけ口に出して行こうと思ってる。

はやく良い社会になっていってほしいよね。

2023-05-10

親に「異性を紹介してほしい」と言ったことのある人はいるだろうか?

あれは恥ずかしかった。

社会人になって3年目の休日、母を車に乗せて祖父母と父が作った米やら野菜やらをお裾分けするため近所を回っていた。その中で行った一軒の家の娘さんに一目惚れしてしまった。大学4年生で来年から社会人だという話を母同士がしていた。それからしばらくはその子のことばかり考えていた。ある日は祖父と父の手伝い中にぼーっとして畦道から軽トラを落とし案山子と稲を轢いたせいで親父に殴られた。ある日は仕事帰りに犬の散歩しながらその子のことを考えていたので誘蛾灯にぶつかり洗剤と蛾の死体塗れになった。

1年近く経った頃、両親からあんたこのままずっと独身のままいるつもり?」と聞かれた。社会人1年目に学生時代から彼女と別れて以来彼女はいなかった。その場では妹が結婚するだろうから大丈夫だよと適当に返答したが、夜親父が寝た後に意を決して母に言った。「去年行った〇〇さんの家の娘さんに一目惚れたから紹介して欲しい」と。母は驚いており、俺は恥ずかしくなって返事を聞かないで自室に行った。

翌朝以降母も俺もその話には触れずに過ごした。

それから日経って、小学校の時に登校班の班長だった近所の先輩がやって来て、同じ仕事栄養士)をしていて彼女と付き合いがあるから今度紹介できると言われた。母がどのように動いてくれたのかは聞いたことがないためわからない。紹介を経てその子と付き合い初め、間もなく結婚した。妻は今でも共通の先輩が紹介してくれたと思っているため、あの恥ずかしい過去は知られずに済んでいる。

2023-03-01

この期に及んで差別性質がわかっていない後藤和智 『オタクは9割ネトウヨ』は決して無根拠でも誇張でもない

https://twitter.com/kazugoto/status/1629837827151376385?cxt=HHwWgsDRjcu3rJ4tAAAA

さすがにこれはない。というか、根拠なく「9割は」とか決めつけることこそ、自分コミュニケーションの「外」の存在との差異化、そしてそれに対する特権意識被害者意識という、右派"オタク"にも共通する心性の現れでしかない。……

このツイートの間違いはいじめ問題を考えれば即座にわかる。

いじめ傍観しているものいじめに加担している』これはもはや常識

差別問題も同様である

差別傍観しているもの差別に加担しているのと同じ。

そして、オタクオタク作家差別反対を表明しているものは数えるほどしかいない。

9割どころか9割9分9厘ネトウヨと言っていいだろう。

そもそもオタク作家もっと差別反対を表明していれば、暇空茜のごときヘイトクライマーも現れなかっただろう。

暇空茜に“連帯”するオタクが次々に現れて、支援団体執拗嫌がらせを受けているのはオタク業界全体の責任である

これだけの問題引き起こしているのだ。

オタク業界には反差別を表明する義務がある。

……前にも言ったけど、左派"オタク"の好む「普通の日本人」論なんて右派"オタク"の反フェミニズムなどと同じ心性から来ている。それに向き合えないこの御仁のような左派"オタク"も問題だ。

この発言なんかは最低最悪。

実際に行われている差別行為の糾弾とアンフェのバックラッシュを同一視してしまっている。

左派オタク』なる案山子への憎悪で完全に目がくらんでいる。

でなければ、そもそも左派オタク』を攻撃したいだけなのだろう。

からこの人はアンチレフトだったがいよいよメッキが剥がれてきたな。

2023-02-12

漫画タイトルは正確であるべきだ。

クレヨンしんちゃん』って錯誤がある。

作中の描写における野原しんのすけが、絵を描くシーンは非常に稀である

そこからは、クレヨンという素晴らしい画材に対するrespectの念が、微塵も感じられない。

『クソ生意気学童野原しんのすけの奔放すぎた日々』が、正しいタイトルであるように感ずる。

画材に敬意を払え。

また、『名探偵コナン』というタイトルにも、錯誤が感じられる。

阿笠博士発明が、事件解決の決め手となっている。

そこからは、阿笠博士が開発した幾多の発明品に対するrespectの念が、微塵も感じられない。

阿笠博士発明依拠し、事件解決を進行させる黒縁眼鏡蝶ネクタイ小学生』が、正しいタイトルであるように感ずる。

技術に敬意を払え。

実行者が案山子だろうと、木偶の坊だろうと、私は微塵も興味を感じない。

裏方にSpotlightを浴びさせろ。

裏方に、Spotlightを浴びせかけるんだ。

2022-12-16

「あの時『〇〇!』『〇〇〇〇!』と叫んでた人たち」みたいな言い方する人

まず初めにすぐに「!」をつけて人の発言盛るな。

人の発言勝手に「!」をつけたうえで反論して気持ちよくなるな。

実際には存在しない架空発言を作り出さないと成り立たない自分の主張を作り上げるな。

あと「叫んでた」という行動まで捏造するな。

すぐに自分に都合よく盛るな。

安易に人の行動を都合よく盛るな。

それを繰り返してると案山子を殴ることしかできない体になるぞ。

もうなってるか。

2022-11-08

CoC庭師は何を口遊む」を通過しました

と言ってもしばらく前の話ですが。終わってからもしばらくモヤモヤが治まらないので文字しました。

以下、通過中もふんわり思ってはいたけど通過後に情報整理して感じた不満点です。

人によってはだいぶ悪口に見えるかもしれないので好きな方はご注意下さい。

なお、当たり前ですがネタバレなので未通過、現行の方はご遠慮ください。









KP:回してくれたのは有難いけどもう少しリアルスケジュールどうにかしてほしかったしHO1のPLを贔屓したいのはわかった

HO1:主人公。このシナリオHO1のためといっても過言ではない。PLはKPと仲良し。卓の主催

HO2:サブ主人公死体入れ違い周りをごたつかせるために出した感もなくはない

HO3:HO2とギスらせるためのキャラ。通過後に取ってつけたような特殊技能を持っていることが判明した

HO4:元凶と見せかけた設定不備の塊。私はHO4でした


テキセ、適宜セーブして別日、てやり方をしてたんだけど、そんなやり方をしていたらラスト回とその前で1ヵ月空いた。

そこまで間空けるのキツイから分けたいって言った私の意見は割と無視された。このKPでの長期卓は二度とやりたくない。

そして1ヵ月空いて余計なことを考える時間ができてしまったせいで自視点での不満点がたくさん見つかってしまった。


まずHO1が相模原と付き合ってたことを隠していたことに納得がいかない。死ぬ可能性のある職場で隠す理由ってなに?実は付き合ってた、とか後から聞かされても困る…。というかこのシナリオ自体が、ラストの展開とかからしてHO1のために作られてる感じが凄い。だってあんなの絶対HO1にトドメ刺させる接待というか忖度出るじゃん。

最初からあの植物が出る度にやかましいほど言われてたアイビーの花とかもさ…花言葉ありきで植物選択してない?アイビーって蔦と葉の印象強すぎて花のこと全然からないんだけどパッと思いつく人いるの?調べたら花の形は可愛かったけどすごい控えめな花だったよ。申し訳ないけど、他の花が咲いてたら引き立て役にしかならなそう。

HO2の妹探しがいつから始まったかは知らないけど、警察所属して人探ししたいなら別の課に異動願いでも出せばいいのに。事件関係で泊まり込みまでする課に所属して自力でまともに人探しなんてできる?他の行政とか探偵とかそういうのに頼ってるならいいけど、自力で妹探しは無茶でしょ。

というか、妹と生き別れた理由がないせいでここもだいぶ納得できない。両親が亡くなって施設に引き取られた→別々に引き取られて生き別れ、だとしても施設に問い合わせればワンステップで引き取り先に連絡つきそうなんだけどそういう感じではなく?両親離婚からの生き別れなら話はもっと簡単からこの可能性はないとして、妹探しに本気度が感じられない。一緒に行った方が妹大事執着ムーブかましてくれたおかげでなおさらHO2の設定に無理が生じてしまった。

HO3はほんとただただHO2を煽るための役だったな。後から話聞いたらHO1とHO2がそれぞれ私とギスってて、HO4大変そうだな~って眺めてたとか言うから本当にHO2とギスるための役だと思った。KPが大変になるのはわかるけど、神童・猪狩の役回りHO3・HO4で受け持っても問題なさそう。KPが本当に大変だけど。

HO4はHO1に質問攻めにされるわ、(自分が余計なこと言ったせいもあるけど)HO2とギスるわ、設定不備がボコボコ見つかるわで本当にしんどかった。話の要の相模原に種を渡した張本人のはずなのに渡した動機が謎だし、種の品種改良時間短縮されすぎだし、相模原が刺される前後の棒立ち案山子っぷりも謎だし…。そこら辺のことは秘匿でもいいかHOとか記憶回復時の内容に盛り込んでほしかった。

他者気持ちを慮ることが不得意」とか書いておいてくれれば相模原へ種あげたのも「自分が好きだからって理由で種あげたんだろう」て納得はできるし、「刃物が苦手」とかあれば刺されそうになった時に刃物が見えて動揺して動けない理由付けとして納得できた。医学の心得があるくせにその後の救命行動しなかった理由マジでからないし、血で急成長するようなヤバイ植物の種を他人に渡す理由もわからないしそもそも何のお礼に渡したのかもわからないけど。

HO4には「相模原にお礼として渡した」としか情報が落とされないし、それも南へ渡したついでに書かれてるだけだから、もしかしたらお礼じゃないかもしれない。というか、改良の依頼者(?)である南より先に相模原に渡してそうなんだけどそれはどうなの?南の日記に「同僚の女性に渡したと言っていた」みたいな記述があったはずだから南より先に相模原に種渡してそう。

というか、どれだけ前に渡したか記述はないけど、相模原は貰った種を事件当日までポケットに入れっぱなしにしてたの?種を貰ったことが迷惑だったならすぐに捨てればいいけどHO1に明かされてた記憶回復情報の中だったかに「植物が好き」てあったからそういうことはしないだろうし、でもそんな女の人が種を雑に扱うのにも違和感がある。ここら辺もめちゃくちゃ気になるけど種を渡した順番については「人の気持ちを慮ることが不得意」ならまだわかる。

でも正直、そこまで他者に対して鈍感な人間植物サークル所属してても他人と関わらないと思うよ。

相模原が刺された後の棒立ち案山子は単にシナリオの不備だと思うけど、ここも「救命行動をとっているHO4の体を巻き込んで蔦が伸びて、HO4を救うためにHO1が相模原死体を撃った」とかにしてくれれば追っていたはずの的場を逃がす理由にもなるしHO4が添え物にならなくて済んだと思う。

シナリオと言えば、ラスト付近神童と猪狩もね。猪狩は一緒に来てたらしいけど教会ついてから空気だったし、神童も助けてから空気だった。エンディングで猪狩と神童のおかげで謹慎で済んだ、みたいな記述はあったけど戦闘パートに参加させる気がないなら猪狩は教会入口で待たせるとか、神童は助けられてすぐその部屋から抜け出して応援を呼ぶとかしてくれればよかったのに。いない理由けができないからいるはずなのに空気になってしまっていた。助けられたのにお礼も言えない神童…一緒にいるはずだし武器も持ってるのに何もせずにただ見てる神童…そして的場とか植物からシカトされる神童…。エンディングから動き出すんじゃなくてその前からきちんと動いておきなさいよ。


一応、シナリオの流れとしては面白かったことは言っておきます

開始からラストまで述べ2ヵ月もかかった通過中のスケジューリング杜撰さとか、それによってどうでもいいことまで考えてしまった自分が原因の不満点が大半なので普通にスムーズに通った人は問題なく楽しめると思います

2022-08-30

anond:20220830174121

ストローマン(英: straw man)は、議論において、相手の主張を歪めて引用し、その歪められた主張に対して反論するという誤った論法、あるいはその歪められた架空の主張そのものを指す[1]。ストローマン手法藁人形論法案山子論法かかし論法)ともいう。

A:私は子ども道路で遊ぶのは危険だと思う。

B:そうは思わない。なぜなら子どもが屋外で遊ぶのは良いことだからだ。A氏は子どもを一日中家に閉じ込めておけというが、果たしてそれは正しい子育てなのだろうか。

2022-02-22

anond:20220222122832

お前も都会の雪景色の中で 丁度あの案山子の様に

寂しい想いをしてはいいか 体をこわしてはいいか

案山子(かかし)』と聞いてピンと来なくても、この歌の歌い出しを聞いたら「ああ!」となる人も少なくないのではanond:20220222122505

元気でいるか 街には慣れたか 友達出来たか

しかいか お金はあるか 今度いつ帰る

2021-09-11

anond:20210910031736

えっと、ごめん……正直、キツい。

https://twitter.com/Tojou_Linca/status/1436219348281036807

動かない表情に案山子みたいなポージングお遊戯会みたいな音声。

お前ら、「コレ」を表現の自由の旗頭に推していくわけ……?

きっついわ、マジで

2021-04-07

 「無宗教なんて嘘だ」とする根拠に、無宗教の人だって道端の地蔵を蹴飛ばしたりしない、これは地蔵祟りを信じているからだ、これは宗教だ、みたいな話を出す人いるけど、じゃあ逆に敬虔キリスト教神父は道端の地蔵を蹴り倒すのだろうか?

 多分蹴り倒さないだろう。もし蹴り倒すなら話はここで終わる。無知でごめんね。

 では神父地蔵を蹴り倒さないのは地蔵を信じていて、キリスト教を信じていないからか?

 世界中探せばキリスト教じゃなくて地蔵信仰してる神父いるかもしれないが、たいていは地蔵を蹴倒して得られる利益がないとか、自分が足を痛めるかもしれないとか、誰かに蹴倒す所見られてなんか言われたり、地蔵のどこかが欠けて器物破損で捕まりたくないとか、地蔵信仰しているから以外の理由が圧倒的に多いんじゃないか。多分地蔵だろうとマリア像だろうと案山子だろうと、蹴飛ばさない人は宗教に関わらず蹴飛ばさない。

 「警察が怖いか地蔵を蹴飛ばさない」も宗教になるのか? だとしても地蔵に対する信仰ではない。警察教? 法律教? これが宗教ならまあ日本人無宗教はいないといえるかもしれないが。

 神父地蔵を蹴飛ばさないのは地蔵信仰のせいじゃないのに、無宗教の人が地蔵を蹴飛ばさないのは地蔵信仰のせいにされるのは納得がいかない。

2020-09-22

騙されやすい人が多い

オレもたぶん増田から見たらはてサの一員だと思うんで、いっちょかみしていい?

あのさー。そもそもあの弁護士センセの話は、「ダイバーシティ尊重イコール制服否定」という例から始まっているけど、たとえば「制服」によって同列に並べることで初めて個々の違いを尊重できるというケースもあるのだから(たとえば身分制社会においては、貧富の差を感じさせないことで各自社会階層に固定せず多様な性質の発露が期待できる)、制服イコール画一主義という発想があまりに単純でおかしいのね。従って、この人は極めて単純で形式主義的なダイバーシティ尊重の話をしている(あるいは堀弁護士そもそも形式主義的なもととしてしかダイバーシティ理解していない)ということになる。

その前提の下で「多様性ダイバーシティ尊重という主張は形式主義的だ」「本当に大切なのは個性尊重だ」とか結論付られても、それは「アナタ定義デハソウデスネ…」としかいいようがない。その「あなた定義」がそもそもおかしいので、話にならないんだわ。つまりこれは典型的案山子論法だってこと。「自己の考えたおかしな主張」を引っ張り出し、実在ならぬ「案山子」を相手勝負を仕掛けて「お前はここがおかしい!」とドヤって勝利宣言。そりゃ勝ったように見えるよ。だって相手案山子もの

こういうお話を真面目に相手するやつがいると思わなかったので、今回の弁護士記事はさくっとスルーしたよ。けど、案外騙されやすい人も多いもんなんやなって。

あんなんスルー対象ですよ? 相手してるのは論理的思考力が少々不足してる人だけ。

anond:20200921113551

2020-09-08

anond:20200908221104

割と長期間相互関係だった人がいた。

以下相互さんと呼ぶ。

お互い一次創作二次創作を楽しむような仲だった。

ある日、とあるソシャゲ話題になった。

その途中、何だ...あれは。

遠くからからよく分からないが、

人ぐらいの大きさの白い物体が、くねくねと動いている。

しかも周りには田んぼがあるだけ。

近くに人がいるわけでもない。

私は一瞬奇妙に感じたが、ひとまずこう解釈した。

『あれ、新種の案山子かかし)じゃない?きっと!今まで動く案山子なんか無かったから、

農家の人か誰かが考えたんだ!多分さっきから吹いてる風で動いてるんだよ!』

相互さんは、私のズバリ的確な解釈に納得した表情だったが、その表情は一瞬で消えた。

風がピタリと止んだのだ。

しかし例の白い物体は相変わらずくねくねと動いている。

相互さんは『おい...まだ動いてるぞ...あれは一体何なんだ?』と驚いた口調で言い、

気になってしょうがなかったのか、家に戻り双眼鏡を持って再び現場にきた。

ふと見ると、私達はまだ相互関係だ。

相手からブロックされていない。

私もブロックしていない。

「破ぁーーーーー!!」と叫びが、するとTさんの両手から

青白い光弾が飛びだし、女の霊を吹き飛ばし

「これで安心だな・・・」そう呟いて片手でタバコに火をつけるTさん

寺生まれってスゲェ・・・その時初めてそう思った。

2020-09-07

「この漫画女の子を見て…」のつぶやきがタチ悪い理由

「この漫画女の子を見て、失礼な子だと感じたならばそれこそがジェンダーバイアスです。」https://togetter.com/li/1587929 が、タチの悪いプロパガンダである件。

〈目次〉

 1「お、若い女の子だ。どれ教えてやろう」について

 2「せっかく教えてやろうとしてるんだ 女らしく素直に聞け」について

 3「ハイ ミソ男決定~」について

 4まとめ

これは、いくつかの点で非常に問題のある漫画です。

1「お、若い女の子だ。どれ教えてやろう」について

・これは登場する男性氏「おっさん」の内心の語りであって、「女の子」は知る由もないはずです。にも関わらず、ただ「ぺらぺら」と話し始めた男性氏に対して「お?マンスプか?」と反応しています。これは、性別、年齢からくる偏見に過ぎません。同年配、同性になら、同じことをされても「マンスプ」とは反応しなかったでしょう。

・おまけに、彼女は初対面の相手に「オッサン」と声に出して呼んでいます男性氏が「女の子」にどのように声掛けしたかはかかれていませんが、もし「そこの小娘」みたいな侮蔑的な声掛けをしたとしたら、漫画の設定上これを省略することは考えられませんから普通の呼びかけであったと考えるのが妥当でしょう。ならば、「女の子」の反応は普通に言って大変「失礼」な行為であり、明白な年齢差別であり、この「女の子」は差別思想の持主だと断定せざるを得ません。はっきり言えば、年齢差別、そして、性差別者(ミサンドリスト)の疑いがあります

そもそもこの男性氏ですが、見も知らぬ「若い女の子」に偉そうぶって「教えてやろう」とする高齢男性、という設定が、大変奇妙に感じられます。私の知る限り、こういうケースで「ぺらぺら」と得意そうにしゃべる人は、相手が「自分よりその道に詳しくなさそう」と思えば、性別や年齢に関わらずマウントを取ってくる方が一般的です。実際問題として、それなりの地位もある高齢男性普通見知らぬ年下女性に気軽に声をかけたりしないものです。それでも声をかける人は、「若い女の子に偉そうぶりたい」から声をかけるのではなく、単に「ワンチャンあるかも」というスケベ根性で声をかけているに過ぎないわけで、そういう人は、初手から偉そぶったりしません。つまり、この男性氏のキャラクターは「想像で作り上げられた存在」であり、これはいわゆる案山子論法における案山子の疑いがあります

2「せっかく教えてやろうとしてるんだ 女らしく素直に聞け」について

・これも大変不自然です。「女の子」の反応とこの発言を絡めれば、男性氏は「マンスプレイニング」という言葉を知り、かつ、その略語すら理解し得たということになるでしょう。高齢男性にしてはなかなかフェミニズム文脈をよく理解しています。そんな人が、このような行為に出たり、このような発言をする明らかなミサンドリストに、このような定型的な怒り言葉を投げつけるでしょうか? 大変不自然です。きわめて「案山子」的です。

特に「女らしく素直に聞け」という言葉が極めて不自然です。「オッサン」呼ばわりは無視して「素直に聞かない」部分に怒っているのですか? ふつうは「その口のききかたはナンダ!」でしょう。

・こう言うと、おそらく「よくある反応を定型的に描いただけで、こういう風に内心思って似たような行動をする男性が多い、ということを言うための漫画表現です」といった返しが想定されますしかし、それは卑怯な言い分です。なぜなら、読者は、この一連の流れを見た上で「この『女の子』側に同調できなければ、あなたジェンダーバイアスの持主だ」とあらかじめ縛られているからです。つまり、この漫画をこのままの形で受け取り、かつ「女の子」を肯定するよう強いられた上で、改めて「案山子」を殴る「ミサンドリスト」の芝居を見せられているわけですよ。そういう縛り方をしないで見せているのならば、まだ「よくあるプロパガンダ漫画だ」で済むでしょう。しかし、一見相手自由判断を委ねるように見せかけながら、実は、戯画によって結論を縛っているというのは、広告手法としても割と下劣なやり方です。少なくとも、まともなフェミニストなら取るべき方法ではありません。

3「ハイ ミソ男決定~」について

・この場面、「オッサン」呼ばわりに続いて、「女の子」は「ミソ男」という、おそらく蔑称を使って、目線を合わさず相手にしないことを明白にして、明らかに相手煽りにいっています。ここまで、男性氏の方は、なるほどナチュラル男性上位な思想をもっていたのかもしれませんが、「女の子」の煽りによって逆上するまでは社会的に見て不正な態度を取っていたわけではありません。つまり客観的に見れば「煽ったのは明らかに女の子』の方」なのです。この漫画は、そう描かれているのです。つまり作者は、この「女の子」を十分「失礼」な人間として描いています。なぜだか分かりますか? それは、女の子を「失礼だ」と感じる人が多い方が、「自分ジェンダーバイアスの持主なのか…」と自罰的に反省する人が増えるからです。実際、Twitterの反応を見れば分かりますが、男性陣が、こぞって「男性無礼だ」云々と滑稽なほどに反応しています。彼らには、この「女の子」の失礼さが見えないのでしょうか?……いやいや、そんな訳はありませんね。事実は逆で、彼らは実は「女の子を『失礼だ』と感じてしまった」ので、それがバレないように「正解」とされる振舞いを行っているだけなのです。そして、それこそが作者の狙いなのです。実に悪質なプロパガンダです。再度言いますが、この「女の子」が「失礼」だというのは、普通の受け取りであり、ジェンダーバイアスの持主であるか否かとは無関係です。そして、それは描き手が一番よく分かっているのです。

4まとめ

以上述べてきたとおり、

・「女の子」を「失礼な人間」として描きながら、「『失礼』と感じた人は差別主義者」という落とし穴を設定して、読み手誘導している点

・登場する高齢男性があからさまな「案山子であるのに、誘導していることを伏せつつ読み手に「一見自由判断」を促している点

この2点が特にこの漫画と合わせた該当のつぶやきを悪質なものにしているポイントです。

更に言うと、ツイ主の「男女格差を示すジェンダーギャップ指数では日本は153か国中121位でした。」という付け加えもまた、権威に基づいて自分の主張を正しいものと思わせようとする心理的誘導手法であり、これまた悪質です。

以上述べたようなことを、ツイ主はおそらく分かった上で、十分その効果理解して用いている……おそらく、その結果としてフェミニズムへの同調者が増えればよい、というおそらくはツイ主なりの善意判断で行っているのだと思いますが、そういう詐欺手法で人を集める行為は、長い目で見れば逆効果です。こういう詐欺手法は、人間性への信頼を欠いたものであり、人間性への信頼を欠いた手法で人を集める運動が、人類をよい方向へと導くことなどおよそ期待できないでしょう。

ツイ主は、十分このことを説明し、謝罪した上、該当のツイを撤回すべきだと私は思います。そして、続々と賛同ツイートをしている方々は、自分悪質商法被害者にならないよう、ご注意された方がよろしいかと存じます

2020-07-15

ずっとTシャツジーンズを着て生きてきた。

 冬はTシャツの上にパーカーを着込んでいる。

 32歳腐女子の話をふぅんと読んでから、ふと我が身を振り返ってみたら、小学五年生くらいからずーっと果てしなくTシャツジーンズ姿じゃねぇか!! と、自分自分にびっくりした。なんか凄いな、ここまでくると……。

 元々、Tシャツジーンズが似合うような体型でもなかったし、今もきっとさして似合ってはいないんだろうけど、十代から二十代前半の頃よりはマシになったのね、痩せたぶん。貧相で不健康、老ける痩せかたでしかないけど、でも股間の肉がムッチムチ過ぎて、ウエスト本来サイズよりも10センチも太いジーパン履いても股間がもりもりの肉付きだった頃よりは、気持ち悪い見た目じゃなくていい。案山子みたいだけど。

 垢抜けなくていいけど、Tシャツジーパン姿が板につきすぎて空気、みたいなことにはなりたい。80歳になってもTシャツジーパンがいい。

2019-12-09

原作読者によるアニメ夜明けのブギーポップメモ4(13話)

(前)

https://anond.hatelabo.jp/20191209211700

第13話 「夜明けのブギーポップ 4」

STORY|TVアニメ「ブギーポップは笑わない」公式サイト

脚本鈴木智

絵コンテ演出斎藤圭一郎

作画監督:原科大樹

総作画監督筱雅律

来生真紀子と戦うために準備を整える凪。

もう人間ではなくなってしまった来生真紀子と凪が戦えば、恐らく凪は殺されてしまう。

まさしく無謀な戦いを挑もうとしている凪を見ているうちに、これまでの自分では決して選択し得ないような行動を取ってしまうモ・マーダー。

一方、来生真紀子対峙した凪は、病院を戦いの場にしないように、全力で自転車を走らせるが、来生真紀子の圧倒的な身体能力によって追いつかれ、組み敷かれてしまう。

来生真紀子は、凪を殴打しながら、恐怖を感じろと叫ぶのだが……。

原作5話「虫」後半および、エピローグ夜明けの口笛吹きREPRIZE」に相当。

アバン

自宅で「戦闘」の準備をする凪と、それを隠れて見る佐々木原作では、この時凪が住んでいるのは榊原から与えられたマンションだが、アニメは誠一と住んでいた一軒家のままということにしているようだ。

ピンクサイクリングスーツ?を着る凪(0:04)

こういう色なのは、まだ「炎の魔女」としてのスタイル確立される前だからなのか、それとも、絶縁体入りなのでいつもの黒いツナギとは別物という表現なのか。

自転車メンテナンス?改造?する凪(0:17

原作にはない細かい描写相手能力が分からない以上、準備を万端にしておくのは自然

一瞬で屋内に入り込む佐々木(0:27)

見逃しそうになるほど一瞬。というか、初見では見逃していた。なお原作では、佐々木マンション内には入っていない。

工作マットの上のスタンガンやハンダごてなど(0:28

タンロッドを改造、もしくは自作した跡。

荒々しく外へ飛び出す佐々木(0:57)

自分でも訳のわからない焦燥に苛まれて」いるのがよく伝わる。

誠一「人間は、統一された意志など〜」(0:59)

霧間誠一の(もちろん架空の)著書『人が人を殺すとき』の一節を、誠一自身の声で読み上げる。直前の、キョウと凪のセリフフラッシュバックと併せて、二人の言葉が誠一から引用であることを示している。

今回のアニメはどうやらテロップを使った演出をなるべく避けているらしく、霧間誠一の著書から引用基本的にこのようなセリフの形で行われている。当然、テロップ場合よりも尺の制約を大きく受けることになるわけで、原作の霧間誠一語録は、本筋に関わるもの外大半がカットされている。仕方のないことではあるが、もったいない

本棚の『人が人を殺すとき』(1:16)

他のタイトルは、「犯罪心理学」「〜想の中の心理学」「恥知らず傍観者」「生き抜く精神」。

いずれも、恐らくは霧間誠一の著書ではないが、「恥知らず傍観者」はブギーポップ原作者によるジョジョスピンオフ小説恥知らずのパープルヘイズ」を連想させる。

周囲を見回す凪(3:18)

逃走経路の確保?

警備室で監視カメラを見る佐々木(3:37)

原作では単に先回りして物陰から凪を見守っていただけだが、「物陰から」にも限界があることを考えるとこちらの方がいいか。床には警備員らしき人物が倒れている。

凪と対面する女医(の格好をしたピジョン)(3:55)

小柄な印象があったが、この時の凪よりは背が高い?

ピジョンライフルケースを見た佐々木想像(4:46)

麻酔銃で凪を狙撃し急患として運び込ませ、当直の医師としてゆっくり料理する計画(と思い込まされた)

これはあくま佐々木予測しかないが、はっきりと映像で見せてしまたこと、察しが良すぎること(ライフルケースを見ただけで「麻酔銃?」はさすがに)、本来佐々木能力が作中で説明されていないこと、などが重なった結果、原作未読者の中には佐々木能力を「予知」だと勘違いした人もいたらしい。言葉だけで説明するよりスマートな造りだとは思うのだが、難しいところ。

黒髪ピジョン(5:12

派手な髪色のデザインは、このシーンでのミスリードを想定したものでもあったのだろうか。

ピジョン「やっぱり、あんたは殺人鬼ね!」 佐々木「なんとでも言え」(5:17

オリジナルのやりとり。ピジョン言葉に一瞬目を泳がせ、凪の「あんたは本当は優しい人間だ」というセリフフラッシュバックを間に挟んでの言葉に、佐々木の諦念が感じられる。

眠っている?警備員(5:51)

来生の策にしては、何をしたのかよく分からない。単なる居眠りなのだろうか。

4階から降ってくる来生(6:00)

一応膝を使って衝撃を殺してはいるが、両足(しかも爪先)だけの堂々とした着地。効果音もズドンと力強い。

来生「ハーイ、お待たせ凪ちゃん」(6:03)

旧作アニメ放送当時のCM使用されたことでも印象深い名(?)シーン。今回も来生の禍々しさがよく出ている。

黒田案山子と鳩が〜」 ピジョン案山子相手は〜」(6:24

アニメではこの回想で初めて使われた会話。

ピジョン接触する来生(6:33

原作では回想で簡潔に済まされている部分を、具体的に描いている。

ゴミからエサを漁るカラス(6:47)

アニメではカットされた「霧間凪スタイル」の内容を意識したものだろうか。だとすれば気の利いたサービスで嬉しい。

来生「あなた人間になりたいと思わない?」「誰かが言ってたわ、人間は恋と革命のために生まれてくるのだって」(7:11

太宰治斜陽から

このような既存名言その他を用いたオリジナル台詞は、3話のブギーポップ弓道における美とは〜」があったがその唐突さに比べて、今回はピジョンの心の弱みに来生が付け込むという状況に、かなり自然マッチしている。

鈴?の音(7:27)

本作におけるブギーポップ出現の合図。

ピジョンスケアクロウ、迎えに来てくれたのね」(7:30)

口が動いているため、原作とは異なり一応は声に出して喋っている言葉のようだ。

逃げる凪と追う来生(8:19)

恐らくは、10話で黒田佐々木が通ったのと同じ道。佐々木と比べて来生の走り方は、獣のように野性味があるものとなっている。

街灯を足場に大ジャンプする来生(9:14)

10話の黒田連想させるが、黒田場合よりも街灯の破壊の度合いが大きい。

石礫を受けて倒れ込む凪(10:05)

原作では「水たまり」となっているが、この大きさだと沼か?

凪「人目を気にしなかったのは犯人じゃない〜」(10:43)

原作では、里香からの聞き込みの直後に提示された情報。ここに持ってきたのは、凪と来生のやり取りを増やすのと、意外な事実として突きつけることでミステリ解決編風の味付けをする狙いか

来生「あっはぁ!まさしく人は見かけによらないわよねえ!」(12:14)

表情といい口調といい、嫌味が絶好調

佐々木の部屋で偽装を行うピジョン(13:03)

物の少なさに佐々木らしさが感じられる部屋。

凪の冷静さに激昂する来生(13:18)

ここからの表情は一線を超えて「顔芸」の領域に入っている。少々行き過ぎな気もするが、強烈な印象を残すのはたしか

凪の腹を殴る来生(13:34)

腹パン

来生「何に失敗するっていうの?」(14:24

左手無意味プラプラさせる動きが妙に気になる。

凪「反撃にだよ」(14:38)

攻撃から「反撃」への変更。ニュアンスとしては分かるような気はするが……

水を通したスタンロッドによる電撃(14:41)

わざとバッグの中身をばらまいて、あらかじめ水の中に「通電物質」を溶け込ませていた、という設定はたぶんカット。ここはハライチ岩井勇気も残念がっていた。

赤熱して爆発するスタンロッド(14:55)

改造スタンロッドが一撃で壊れたという記述原作にもあるが、見た目で分かりやすくするためか、だいぶ派手な表現になっている。もう一本のロッドに持ち替えてさらに電撃で追討ちをかけるくだりはカット

来生に飛びついて関節を極める凪(14:59)

腕ひしぎ十字固め、でいいのだろうか。詳しくないので不安

腕がもげて逃げ出す来生(15:07)

アニメ身体欠損表現にうるさいと思っていたのだが、そうでもないらしい。一応、切断面は袖で隠れてはいるが。

ブギー「ここからは、僕に任せてくれ」(15:31

セリフと共に、沼から「泡」が浮かび上がる。

ブギー「急激な進化を遂げた肉体が電気衝撃によって〜」(15:53)

地の文情報セリフに変換。ブギーなら何を知っていてもおかしくないので便利。

来生「いつでもいいわよ!どこからでもかかってらっしゃい!」(16:18)

ここに関しては、狂気に歪んだ表情と声ではなく、堂々した態度に描いてほしかった……と初見では感じたが、原作を読み返すと、

それは、もはやかすれた声が破れかけている喉からひゅうひゅうと漏れているだけの弱々しい声だったが、しか彼女の耳にはそれは見事な口上として響いた。

ということなので、客観的映像化するならこれで正しいのかもしれない。また、怖がりとしての本性を取り戻した来生が、それでも約束を守るために「真剣勝負決闘」に臨もうとしただけで、「最も美しい瞬間」と言えなくもない。

ブギー「フィア・グール」 来生「恐怖喰らい、それが私の名前、なのね……」(16:25)

原作では地の文でのみ呼ばれていた名前を、最期の瞬間にブギーにより名付けられたという形で処理。イマジネーターやバットダンスなど、ブギーが世界の敵に名付けを行う展開は原作にもいくつかあるので、違和感も少ない良アレンジ

「そうかい」の直後に首切断という、無慈悲であっけない瞬殺の印象はやや薄れたが、ここはトレードオフなのでしかたないだろう。

キョウ「だから言っただろう」(16:41)

セリフ佐々木の心の中の幻だが、このキョウの姿は佐々木に突き落とされた瞬間のものか。

ブギー「君は、これからも続けるつもりなのかい」(18:59)

そう聞かれて、「そうだな……正義の味方かな」の時の黒田を思いだす凪。直後に映るのは、二人が初めて出会った「ガーデン」の現在光景

やけにもっちりしたブギーポップ(19:27)

もちもち。

ブギー「ブギーポップ?とでも名乗っておこう」(19:41)

たった今思いついた名前を、自分でも確かめるような言い方が絶妙。表情ははっきりと左右非対称。

直前に挿入される黒田の姿は、「泡みたいにすぐに弾けて消える、死に際のはかない願望だ。ずいぶん不気味だがな」の時のもの。このやり取りを原作から少しずらしてこの位置に持ってきたことで、凪とブギーポップ、二人のオリジンに共に黒田が大きく関わっていることが明確に強調された。

空間(19:58)

夜明けの口笛吹きREPRIZE」パート

ブギー「そもそも黒田慎平が霧間凪を救おうとしなければ、マンティコアや君が世に放たれることもなかったわけだ」(20:09)

オリジナル10話での、黒田施設RS22TTU襲撃の余波でマンティコアエコーズが統和機構から脱走した(二人はRS22TTUに囚われていた)、という話のようだ。

これが原作の設定と矛盾せずに済むかどうかはすぐには分からないが、少なくともアニメだけで見れば、エピソード同士の結びつきを強める意味でも、「いろいろなことが絡みあっている」という「夜明け」のテーマ的にも、良い改変だと思う。

ブギー「この世界もそろそろ限界だ」(20:26)

ブギーの口笛とエコーズハミングによる、マイスタージンガー合奏カット。尺を食うので仕方ないが、もったいない

エコーズ世界を遠くから見守っていきますよ。(略)あの人の代わりに」(21:12

紙木城直子の姿が挿入。順当な解釈ではあるが、「あの人」については、反響ではないエコーズ本人ではという意見も一応ある。

ブギー「まずは、歪んだこの世界から戻る方法ゆっくり考える」(21:23

原作は、「この、ゾーラギが壊した廃墟世界の元をつくった歪曲王と会うことになるか」。歪んだ〜と言っているので全く無関係とは考えにくいが、同じものを指しているのかは不明

アニメ最終話(歪曲王5)ラスト竹田と再会しているのもこの世界(とよく似た場所)なので、ブギーポップの待機場所的な扱いのようにも思えるが……

「笑わない」のラストで水乃星透子の飛び降り、「VSイマジネーター」エンドロール夜明けの光、そしてこの「夜明け」の「歪んだ世界」と、次のエピソードに繋がる要素が毎回最後に盛り込まれていることになる。

ブギー「実は僕自身、いつどこからたかは分からないんだ、戻るまで」(21:31

「歪んだ世界」に来るまでの話(ムーンテンプル)のようにも、現実世界で藤花の中に現れる前の話のようにも見えるオリジナル台詞ダブルミーニングでないのなら、たぶん後者意味なのだろうが、だとしたらもう少し明確にしてほしかった(「戻るまで」が少し分かりにくい)

目を離した隙に消えているエコーズ(21:46)

原作と違って、消滅の瞬間は見せない。

夜明けの光?の中に消えていくブギー(21:59)

口笛は無し。流れている劇伴がいいので不満はない。が、聞こえないだけで本当は吹いていると思いこんで見たいところ。

消える瞬間にいつもの鈴?のSE



総評

まず何よりも、情報の取捨選択がうまくいったエピソードという印象が強い。原作読者がアニメで見たい(であろう)部分の大半が的確に拾われ、原作で盛り上がる部分がアニメでも見せ場として扱われている。ここに関しては、原作の4(5−1)話構成と、アニメ4話という尺が噛み合ったのも大きい。

変更部分に関しても、大半はメディアの違いや時代問題で納得できる内容になっている。10話のアクションのような原作ではさほど情報量の多くないシーンの映像化は、原作読者のイメージと大きくズレるリスクもあるが、結果としてこのエピソードは賭けに勝った。そして、そういった積み重ねで作品への信頼が生まれてさえいれば、多少違和感を覚える部分があったとしても、肯定的解釈しようという気にもなるだろう。

良く出来ていたから良かった、みたいな当たり前の話をしている気もするが、ともかく、このエピソード存在だけでも今回のアニメ化には意味があったと、改めて思う。

原作読者によるアニメ夜明けのブギーポップメモ1(10話)

批評でもレビューでもなくメモです。

原作ラノベ

ブギーポップは笑わない(電撃文庫) - カクヨム

10話 「夜明けのブギーポップ 1」

STORY|TVアニメ「ブギーポップは笑わない」公式サイト

脚本鈴木智

絵コンテ:久貝典史

演出:重原克也 

作画監督:久貝典史

総作画監督土屋

私立探偵を営む黒田慎平の正体、それは統和機構という巨大な秘密組織によって作られた合成人間スケアクロウである

任務はMPLSの探索。MPLSとは人類を超えた能力を持つ存在のことだ。

そんな黒田のもとに、同じく統和機構の合成人間であるピジョン任務を持って現れる。

その任務は稀代の実業家として名を知られる寺月恭一郎の身辺を調べるというもの

もう幾度目かになるその任務に、黒田は疑問を持ちつつも、寺月の調査を開始し、寺月がかつて寄付をしたというとある病院に目をつけるのだが……。

原作プロローグ夜明けの口笛吹き」および一話(話数表記は無し)「ブギーポップ誕生」に相当。

夜明け」に限らず、今回のアニメでの各話サブタイトルは「○○○○○(エピソード名)X(話数)」のシンプル形式統一されている。原作構成を完全に踏襲しているわけでもなく、「VSイマジネーター」や「歪曲王」のようにもともと番号等で章分けしている巻もあるため仕方ないが、「笑わない」や「夜明け」ではどうにかして原作の章タイトルを活かしてほしかった。

また、予告編存在せず、各話タイトルテロップ等で表示されることもないため、アニメ本編を見ているだけではエピソード名すら分からないという問題も。ネットでの情報収集を前提にしたスタイルだろうか。

アバンタイトル

夜明けの口笛吹き」相当部分。

他のエピソードではアバンタイトルはあったりなかったりだが、「夜明け」編では4話全てにアバン存在している。

この赤黒い空と廃墟の謎空間を、原作ではブギーポップが「〝壊されたあとの世界〟」と呼んでいる。この空の描き方は、原作イラストブギーポップマントの内側によく描かれる赤い星雲のエフェクトと似ている。

口笛(0:17

ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲

これまで「笑わない」では全カット、「VSイマジネーター」では5話のスプーキーE戦で初めて流れるものの冒頭のごく短い部分のみ(9話でも「マイスタージンガー自体は使われているが口笛ではない)、と控えめな扱いをされてきた。そのため、このシーンがブギーポップの口笛の本格的な初披露と言ってもいいかもしれない。

エコーズ

原作では「笑わない」のエコーズのものではなく、「影」「反響」を自称しており、だからこそかつてとは異なり言葉を喋ることができるとされている。こういった、複製や偽物のアイデンティティをめぐる話は原作によく出てくるテーマだが、ここでは煩雑になるのでカットで正解と思う。

ブギーポップ「ほう、君がエコーズか」 エコーズ「私を、知っているのですか?」(0:54)

「笑わない」1話で面識があるはずの二人が、なぜか初対面のような会話をしている。不自然だがこれは原作通り。そちらも、単なるミスなのか何らかの意図があるのかは不明

せっかくなので修正しても良かった気はするが、オリジナルセリフを多数追加して雰囲気を壊すリスクを避けたのだろうか。また、ブギーポップが「君は誰だい?」と訊ねる時にはエコーズがフードで顔を隠しているなど、なんとか筋の通る解釈可能なように演出を工夫している節もある。

ブギー「君の方が詩的な響きがある」(1:26)

シュッ、と効果音付きで指を差す動作が印象的。

ブギーポップ案山子さ。カラスよけの、道化だよ」(1:57)

日の出=「夜明け」を背にして、両手を広げて小首を傾げたカカシ(=スケアクロウ)のポーズという、「夜明けのブギーポップ」の始まりにふさわしい画になっている。この時のブギーの顔は左右非対称。

探偵事務所前(3:22)

原作の、黒田満員電車乗客の顔を見ただけで、その生活態度や健康状態を見抜くくだりはカット。探索型合成人間としての性質を端的に表現しており、次話に登場する入院患者の篠北らしき人物も顔見せしている部分なので残念だが、尺の都合があるので仕方ない。

黒田慎平=スケアクロウ

原作イラストや旧作アニメ「Boogiepop Phantom」では青年に近いイメージだったが、今回はより年配(イケオジ)風の外見にデザインされた。これにより、霧間凪との関係性が更に恋愛色の薄いものになった、気がする。

ピジョン

原作ではイラスト無し。本編の外見描写

見た目は十七かそこらの少女であるジーパンジージャンラフスタイルだ。

程度だが、アニメでは黄色ピンクカラフルな髪色で登場。ピジョン=鳩なのでアオバトの色を参考にしているのでは、といった意見もある。

ピジョンペットの鳩がいなくなったんだけどぉ、探してもらえる?」(3:55)

オリジナル台詞。客を装っているというより、からかっているニュアンスが強い。ニヤニヤ笑うピジョンと、嫌そうな黒田対照的でいい。

原作では、黒田事務所に入ると、鍵がかかっていたはずの室内で既にピジョンが待っている、という流れ。合成人間らしさではそちらが上だが、関係性やキャラ立ちの点でこの改変も悪くない。

異常に火力の強いガスコンロ(4:04)

原作通りなら、大家に無断で改造済み。ここが再現されているのは嬉しい。

転職情報誌を読むピジョン(4:12

統和機構以外に行き場の無い合成人間境遇を考えると皮肉。あるいは、後の裏切りの暗示だろうか。

ピジョン「でも、任務撤回されないわよ」(5:23

急に口調と表情を改めるピジョン。直前の、「あれっ?擁ぉ護ぉ?」という煽りと、反応を確かめるような、ん?という無邪気を装った顔との落差でカッコかわいい

コーヒー香りをかぐピジョン(5:34)

原作では「いい香りよね」と台詞になっている部分を、動きと音で見せるアニメらしい表現

原作の、訪れた依頼人を室内に招き入れた時にはピジョンの姿は既に消えている、というくだりはカット黒田と違って、これで合成人間らしさを発揮する機会がほぼ消えてしまったのは残念。

また、原作の「案山子と鳩が〜」「案山子相手は〜」というやり取りも、「夜明け4」での回想のみとなっている。

黒田スケアクロウ、それが統和機構の合成人間である〜」(5:49)

この回のモノローグはおおむね、原作での三人称地の文黒田自身言葉に変換している内容。

花の蕾に止まる蜂(6:07)

黒田の「探すのは、まだこの世に存在していない可能性を秘めた〜」というモノローグからすると、MPLS探索のメタファー

寺月恭一郎の記事が載っている週刊誌(6:24

「週間亞鋤(あすき)」。電撃文庫の発行元(KADOKAWAブランド)はアスキー・メディアワークス実在する現在の「週刊アスキー」はパソコン雑誌だが、かつて同名の一般雑誌存在したらしい。

黒田パソコン(6:47)

ブラウン管モニター。これもこだわりの一つか。

六角形の病院(7:12

原作では八角形。どういう変更だろう。

霧間凪がいる東屋(8:12

原作ではただの「ベンチ」。屋根で影ができて雰囲気が出ている。

凪「見舞客なら複数の階を〜」(8:34)

原作では「淡々と」となっているが、表情も声もどちらかといえば得意げ。

凪「どんなことがあっても揺るがない心を持て!とかいうことらしい」(9:05)

腕を突き上げる凪。12話を見た後だと、誠一は絶対にやらなそうなジェスチャーに見える。

凪「言葉にできないほど」(9:52)

凪のセリフに合わせてBGMが止まり、緊張を高める。このアニメでは、こういった音の演出がよく使われている。

凪を呼ぶ声(10:20

来生真希子の初登場(声のみ)

黒田花束10:34)

原作では、牡丹女郎花かすみ草という組み合わせだが、少なくともそれとは違うらしい。検索してみた感じでは、黄色オレンジの花なのでキバナコスモス?が近い、ように見える。情報求む。

花に止まる蜂(11:01)

MPLS(凪)の発見、を意味しているのだろう。

黒田を睨む中学生の紙木城直子(11:50)

ガンを付けている、という表現がふさわしい警戒のしかた。原作の「ちょっと顔をしかめた。」というレベルではない。第2話以来、8話ぶりの登場でこれ。

白と紫の花束12:13)

原作にはない二度目の花束。この花にも何か意味がありそうだが、特定できなかった。情報求む。

花瓶を持つ直子(12:51)

前回の花と今回の花がさされている。花束差し出したカットの直後に、黒田と直子が作業したらしい。

夕空を背景にした花瓶(12:57)

原作の、

それから三人はどうでもいい世間話で盛り上がった。しばらくして、直子がそろそろ帰らなければならない時間になった。

という時間経過を、そのまま表したような画。

凪「あんたはどうなんだよ」(13:55)

裸足のつま先で、黒田に話を振るジェスチャー。年齢相応の子供らしさを強調する表現がやや多い。

凪「クロダさんならいーよ」(14:36)

満面の笑み。中学生とはいえ、凪にしては少しかわいすぎる気もするが、直後の苦痛に耐えながら黒田必死で訴えかける表情とセットで、対照的に描いているのだろう。

黒田の手の甲に残る手型(15:03)

凪の能力原作設定では厳密には違う)による火傷。細かい部分だが、原作では焼けたのは手の平。

病院廊下での黒田と直子の会話(15:15)

前述の、花瓶に花をさした時のものらしい。原作では直子が帰る時に交わした会話で、時系列そのままで記述されているが、アニメでは報告書?を作成する黒田のシーンにフラッシュバックで挿入。

佐々木政則=モ・マーダー

銀縁眼鏡スーツ姿の普通サラリーマン、という原作描写に素直なデザイン。細い三白眼いかにもな暗殺者らしさ(?)がある。

電話の声『D3進行中。モ・マーダー、指令を受理せよ』(15:42)

原作では、ハンガリー語での指示という設定。加えて、指令そのもの電話ではなく、指定ファミレスで受け取っている。

余談だが、コミカライズではファミレスのシーンも描かれており、おしぼりで顔を拭く佐々木一見価値がある。

電話の声『対象施設RS22TTUを破壊し〜』(15:51)

直後に佐々木の「何かの薬品でも狙ったのか」というセリフがあるため混同しそうになるが、RS22TTUは凪のいる病院とは別の研究施設

巡回中の来生真希子(16:11

この時点ではただの怖がりな精神科医なので、声にも表情にも初々しさがある。特に佐々木黒田が立てる物音に怯える半泣きの顔は印象的。

逃げる黒田を追う佐々木(16:32)

公道人間には不可能な速度で疾走する佐々木。街灯を踏み砕きながら次々に飛び渡る黒田原作にはないシーンだが、合成人間というもの社会に紛れて存在するならこうであろうというイメージ通り、且つ中二心をくすぐる映像になっている。

個人的には、このエピソードの、というよりこのアニメベストシーンの一つ。

黒田佐々木の病室での戦闘(16:48)

フラッシュバックで挿入。前述の来生のシーンとほぼ同じ時間を別サイドから

原作では、「霧間誠一」の名前に動揺して物音を立て、来生に声を上げられたために黒田に逃げられた、という状況が佐々木の回想で語られている程度だが、アクションを追加し大きく膨らませていれる。

独自戦闘シーンではあるが、黒田帽子に仕込まれた装甲?で振動波による切断能力を防がれた佐々木が、逆に指を折られナイフを砕かれる、という展開は原作における病院脱出した後の流れを踏襲している。装甲や能力についての説明特に無いため原作未読では分かりにくいかもしれないが、同じ合成人間ではあっても基本的戦闘力には差があり(戦闘型と探索型)、劣っている側が奥の手で一矢報いた、という状況は伝わる映像になっている。

原作では帽子に仕込まれていた装甲でナイフを防いだ結果だが、アニメでは黒田の側から何か積極的攻撃(電撃?衝撃波?)を仕掛けているようにも見える。後述する外見も含めて、何らかのアレンジがあった可能性はある。

その後の、折れた刃を投げつけて追い撃ちをかける黒田、それを難なく指で挟んで防ぐ佐々木も、人外同士の戦いとして説得力十分。直前の追跡シーン同様、原作には存在しないが原作読者が見たかった光景と言える。

路上に残る大量の血(17:23

佐々木が既に落ち着いているのは、もはや黒田に十分なダメージを与えたと判断したためか。

進化薬のアンプルを拾う来生(17:31

原作では駆けつけた警備員になんでもないと誤魔化すくだりがあるのだが、こちらでは黒田の逃走時にガラスが割られているため難しいのでは。

立ち込める朝もや?(17:36)

早朝なので不自然ではないが、原作では「青空」となっており、後の展開を考えると、瀕死黒田の視界を表現している可能性もある。

黒田「薬は体内でその可能性を相殺するはず」(17:45)

原作では「あの薬はその体内の可能性に対する〝ワクチン〟として機能するのだ」と説明されているが、「ワクチン」の意味として不適当なため妥当な変更。

破れた帽子からのぞく機械?(17:59)

やはり単なる「装甲」と言うには複雑な見た目になっており、何らかの機能を持った装置の方が納得できる。帽子ではなく黒田の頭部自体機械的に改造されていたのでは、という声もあり、原作未読ならその解釈の方が自然な画ではある。

ブギーポップは死に際の黒田を外見上のモデルにしたわけだが、大小の円が並んだ形状は、ブギーポップ帽子の飾りに似ている。

黒田に声をかける少女宮下藤花(18:03)

中学生原作では直前に「宮下家のご葬儀に参列されるかたは〜」という火葬からアナウンスがある。服装は「黒い影」としか描写されていないが、このアニメのように喪服代わりの制服という解釈妥当だろう。

原作口絵では、中学生だとしてもやや幼いブギーポップ(既にコスチュームも身に着けている)が描かれているが、これはイメージか。

「それなら……それならなんでそんなに落ち着いているんだい」(18:19)

藤花からブギーポップ(まだ名前は無い)への変化。

火葬場の煙突を背にしたブギーポップ(18:28

原作では、

空に一本の筒が伸びていて、そこから煙が出ている

と、

人というより地面から一本の筒が伸びているようにも見えた

がそれぞれ別々に描写されていたため気付かなかったが、恐らくこれこそが本来イメージ通りの絵面なのではないか

黒田「ところがな、この俺は、この土壇場で〜」(19:21)

自嘲的な表情がいい。

地面を掻く黒田の手(19:35)

凪の手形場所を甲にしたことにより、それを見せつつ悔しさを表現

ブギー「君が最も美しい心を持てた、その瞬間に」(20:18)

凪に薬を投与する直前のシーンが挿入。花瓶に、アンプルを握りしめる左手(凪の手形)と、「美しい心」の象徴が詰まった画。

黒田「泡みたいにすぐに弾けて消える」(20:32)

朦朧とする視界の中で藤花(ブギーポップ)と煙突が入り交じり、後のブギーポップコスチュームを思わせるシルエットが見え隠れする。

ブギー「君は」(20:56)

ここで画面がクリアに戻る演出意図ちょっとからない。質問に答える前に死ぬことを許さなブギーの厳しさ?

黒田の笑い(21:09)

左右非対称。

黒田モノローグ(21:15)

黒田の残したレポート? 中身はやはり原作地の文の設定説からだが、もとの位置はだいぶ序盤。

モニターに映るピジョンの顔(21:34)

事務所の後処理。直後の椅子を映したカットで、既にその場から消えている?

試験管を振る佐々木(21:57)

原作では「死体を処理するための薬品」とだけ書かれているが、やはり溶かすのだろうか。

佐々木「どうしてこんな顔で死ぬことができたんだ」(22:04)

「こんな顔」は実際には見せない。定番演出だがうまくハマっている。

(次)

https://anond.hatelabo.jp/20191209210931

原作読者によるアニメ夜明けのブギーポップメモ1(10話)

批評でもレビューでもなくメモです。

原作ラノベ

ブギーポップは笑わない(電撃文庫) - カクヨム

10話 「夜明けのブギーポップ 1」

STORY|TVアニメ「ブギーポップは笑わない」公式サイト

脚本鈴木智

絵コンテ:久貝典史

演出:重原克也 

作画監督:久貝典史

総作画監督土屋

私立探偵を営む黒田慎平の正体、それは統和機構という巨大な秘密組織によって作られた合成人間スケアクロウである

任務はMPLSの探索。MPLSとは人類を超えた能力を持つ存在のことだ。

そんな黒田のもとに、同じく統和機構の合成人間であるピジョン任務を持って現れる。

その任務は稀代の実業家として名を知られる寺月恭一郎の身辺を調べるというもの

もう幾度目かになるその任務に、黒田は疑問を持ちつつも、寺月の調査を開始し、寺月がかつて寄付をしたというとある病院に目をつけるのだが……。

原作プロローグ夜明けの口笛吹き」および一話(話数表記は無し)「ブギーポップ誕生」に相当。

夜明け」に限らず、今回のアニメでの各話サブタイトルは「○○○○○(エピソード名)X(話数)」のシンプル形式統一されている。原作構成を完全に踏襲しているわけでもなく、「VSイマジネーター」や「歪曲王」のようにもともと番号等で章分けしている巻もあるため仕方ないが、「笑わない」や「夜明け」ではどうにかして原作の章タイトルを活かしてほしかった。

また、予告編存在せず、各話タイトルテロップ等で表示されることもないため、アニメ本編を見ているだけではエピソード名すら分からないという問題も。ネットでの情報収集を前提にしたスタイルだろうか。

アバンタイトル

夜明けの口笛吹き」相当部分。

他のエピソードではアバンタイトルはあったりなかったりだが、「夜明け」編では4話全てにアバン存在している。

この赤黒い空と廃墟の謎空間を、原作ではブギーポップが「〝壊されたあとの世界〟」と呼んでいる。この空の描き方は、原作イラストブギーポップマントの内側によく描かれる赤い星雲のエフェクトと似ている。

口笛(0:17

ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲

これまで「笑わない」では全カット、「VSイマジネーター」では5話のスプーキーE戦で初めて流れるものの冒頭のごく短い部分のみ(9話でも「マイスタージンガー自体は使われているが口笛ではない)、と控えめな扱いをされてきた。そのため、このシーンがブギーポップの口笛の本格的な初披露と言ってもいいかもしれない。

エコーズ

原作では「笑わない」のエコーズのものではなく、「影」「反響」を自称しており、だからこそかつてとは異なり言葉を喋ることができるとされている。こういった、複製や偽物のアイデンティティをめぐる話は原作によく出てくるテーマだが、ここでは煩雑になるのでカットで正解と思う。

ブギーポップ「ほう、君がエコーズか」 エコーズ「私を、知っているのですか?」(0:54)

「笑わない」1話で面識があるはずの二人が、なぜか初対面のような会話をしている。不自然だがこれは原作通り。そちらも、単なるミスなのか何らかの意図があるのかは不明

せっかくなので修正しても良かった気はするが、オリジナルセリフを多数追加して雰囲気を壊すリスクを避けたのだろうか。また、ブギーポップが「君は誰だい?」と訊ねる時にはエコーズがフードで顔を隠しているなど、なんとか筋の通る解釈可能なように演出を工夫している節もある。

ブギー「君の方が詩的な響きがある」(1:26)

シュッ、と効果音付きで指を差す動作が印象的。

ブギーポップ案山子さ。カラスよけの、道化だよ」(1:57)

日の出=「夜明け」を背にして、両手を広げて小首を傾げたカカシ(=スケアクロウ)のポーズという、「夜明けのブギーポップ」の始まりにふさわしい画になっている。この時のブギーの顔は左右非対称。

探偵事務所前(3:22)

原作の、黒田満員電車乗客の顔を見ただけで、その生活態度や健康状態を見抜くくだりはカット。探索型合成人間としての性質を端的に表現しており、次話に登場する入院患者の篠北らしき人物も顔見せしている部分なので残念だが、尺の都合があるので仕方ない。

黒田慎平=スケアクロウ

原作イラストや旧作アニメ「Boogiepop Phantom」では青年に近いイメージだったが、今回はより年配(イケオジ)風の外見にデザインされた。これにより、霧間凪との関係性が更に恋愛色の薄いものになった、気がする。

ピジョン

原作ではイラスト無し。本編の外見描写

見た目は十七かそこらの少女であるジーパンジージャンラフスタイルだ。

程度だが、アニメでは黄色ピンクカラフルな髪色で登場。ピジョン=鳩なのでアオバトの色を参考にしているのでは、といった意見もある。

ピジョンペットの鳩がいなくなったんだけどぉ、探してもらえる?」(3:55)

オリジナル台詞。客を装っているというより、からかっているニュアンスが強い。ニヤニヤ笑うピジョンと、嫌そうな黒田対照的でいい。

原作では、黒田事務所に入ると、鍵がかかっていたはずの室内で既にピジョンが待っている、という流れ。合成人間らしさではそちらが上だが、関係性やキャラ立ちの点でこの改変も悪くない。

異常に火力の強いガスコンロ(4:04)

原作通りなら、大家に無断で改造済み。ここが再現されているのは嬉しい。

転職情報誌を読むピジョン(4:12

統和機構以外に行き場の無い合成人間境遇を考えると皮肉。あるいは、後の裏切りの暗示だろうか。

ピジョン「でも、任務撤回されないわよ」(5:23

急に口調と表情を改めるピジョン。直前の、「あれっ?擁ぉ護ぉ?」という煽りと、反応を確かめるような、ん?という無邪気を装った顔との落差でカッコかわいい

コーヒー香りをかぐピジョン(5:34)

原作では「いい香りよね」と台詞になっている部分を、動きと音で見せるアニメらしい表現

原作の、訪れた依頼人を室内に招き入れた時にはピジョンの姿は既に消えている、というくだりはカット黒田と違って、これで合成人間らしさを発揮する機会がほぼ消えてしまったのは残念。

また、原作の「案山子と鳩が〜」「案山子相手は〜」というやり取りも、「夜明け4」での回想のみとなっている。

黒田スケアクロウ、それが統和機構の合成人間である〜」(5:49)

この回のモノローグはおおむね、原作での三人称地の文黒田自身言葉に変換している内容。

花の蕾に止まる蜂(6:07)

黒田の「探すのは、まだこの世に存在していない可能性を秘めた〜」というモノローグからすると、MPLS探索のメタファー

寺月恭一郎の記事が載っている週刊誌(6:24

「週間亞鋤(あすき)」。電撃文庫の発行元(KADOKAWAブランド)はアスキー・メディアワークス実在する現在の「週刊アスキー」はパソコン雑誌だが、かつて同名の一般雑誌存在したらしい。

黒田パソコン(6:47)

ブラウン管モニター。これもこだわりの一つか。

六角形の病院(7:12

原作では八角形。どういう変更だろう。

霧間凪がいる東屋(8:12

原作ではただの「ベンチ」。屋根で影ができて雰囲気が出ている。

凪「見舞客なら複数の階を〜」(8:34)

原作では「淡々と」となっているが、表情も声もどちらかといえば得意げ。

凪「どんなことがあっても揺るがない心を持て!とかいうことらしい」(9:05)

腕を突き上げる凪。12話を見た後だと、誠一は絶対にやらなそうなジェスチャーに見える。

凪「言葉にできないほど」(9:52)

凪のセリフに合わせてBGMが止まり、緊張を高める。このアニメでは、こういった音の演出がよく使われている。

凪を呼ぶ声(10:20

来生真希子の初登場(声のみ)

黒田花束10:34)

原作では、牡丹女郎花かすみ草という組み合わせだが、少なくともそれとは違うらしい。検索してみた感じでは、黄色オレンジの花なのでキバナコスモス?が近い、ように見える。情報求む。

花に止まる蜂(11:01)

MPLS(凪)の発見、を意味しているのだろう。

黒田を睨む中学生の紙木城直子(11:50)

ガンを付けている、という表現がふさわしい警戒のしかた。原作の「ちょっと顔をしかめた。」というレベルではない。第2話以来、8話ぶりの登場でこれ。

白と紫の花束12:13)

原作にはない二度目の花束。この花にも何か意味がありそうだが、特定できなかった。情報求む。

花瓶を持つ直子(12:51)

前回の花と今回の花がさされている。花束差し出したカットの直後に、黒田と直子が作業したらしい。

夕空を背景にした花瓶(12:57)

原作の、

それから三人はどうでもいい世間話で盛り上がった。しばらくして、直子がそろそろ帰らなければならない時間になった。

という時間経過を、そのまま表したような画。

凪「あんたはどうなんだよ」(13:55)

裸足のつま先で、黒田に話を振るジェスチャー。年齢相応の子供らしさを強調する表現がやや多い。

凪「クロダさんならいーよ」(14:36)

満面の笑み。中学生とはいえ、凪にしては少しかわいすぎる気もするが、直後の苦痛に耐えながら黒田必死で訴えかける表情とセットで、対照的に描いているのだろう。

黒田の手の甲に残る手型(15:03)

凪の能力原作設定では厳密には違う)による火傷。細かい部分だが、原作では焼けたのは手の平。

病院廊下での黒田と直子の会話(15:15)

前述の、花瓶に花をさした時のものらしい。原作では直子が帰る時に交わした会話で、時系列そのままで記述されているが、アニメでは報告書?を作成する黒田のシーンにフラッシュバックで挿入。

佐々木政則=モ・マーダー

銀縁眼鏡スーツ姿の普通サラリーマン、という原作描写に素直なデザイン。細い三白眼いかにもな暗殺者らしさ(?)がある。

電話の声『D3進行中。モ・マーダー、指令を受理せよ』(15:42)

原作では、ハンガリー語での指示という設定。加えて、指令そのもの電話ではなく、指定ファミレスで受け取っている。

余談だが、コミカライズではファミレスのシーンも描かれており、おしぼりで顔を拭く佐々木一見価値がある。

電話の声『対象施設RS22TTUを破壊し〜』(15:51)

直後に佐々木の「何かの薬品でも狙ったのか」というセリフがあるため混同しそうになるが、RS22TTUは凪のいる病院とは別の研究施設

巡回中の来生真希子(16:11

この時点ではただの怖がりな精神科医なので、声にも表情にも初々しさがある。特に佐々木黒田が立てる物音に怯える半泣きの顔は印象的。

逃げる黒田を追う佐々木(16:32)

公道人間には不可能な速度で疾走する佐々木。街灯を踏み砕きながら次々に飛び渡る黒田原作にはないシーンだが、合成人間というもの社会に紛れて存在するならこうであろうというイメージ通り、且つ中二心をくすぐる映像になっている。

個人的には、このエピソードの、というよりこのアニメベストシーンの一つ。

黒田佐々木の病室での戦闘(16:48)

フラッシュバックで挿入。前述の来生のシーンとほぼ同じ時間を別サイドから

原作では、「霧間誠一」の名前に動揺して物音を立て、来生に声を上げられたために黒田に逃げられた、という状況が佐々木の回想で語られている程度だが、アクションを追加し大きく膨らませていれる。

独自戦闘シーンではあるが、黒田帽子に仕込まれた装甲?で振動波による切断能力を防がれた佐々木が、逆に指を折られナイフを砕かれる、という展開は原作における病院脱出した後の流れを踏襲している。装甲や能力についての説明特に無いため原作未読では分かりにくいかもしれないが、同じ合成人間ではあっても基本的戦闘力には差があり(戦闘型と探索型)、劣っている側が奥の手で一矢報いた、という状況は伝わる映像になっている。

原作では帽子に仕込まれていた装甲でナイフを防いだ結果だが、アニメでは黒田の側から何か積極的攻撃(電撃?衝撃波?)を仕掛けているようにも見える。後述する外見も含めて、何らかのアレンジがあった可能性はある。

その後の、折れた刃を投げつけて追い撃ちをかける黒田、それを難なく指で挟んで防ぐ佐々木も、人外同士の戦いとして説得力十分。直前の追跡シーン同様、原作には存在しないが原作読者が見たかった光景と言える。

路上に残る大量の血(17:23

佐々木が既に落ち着いているのは、もはや黒田に十分なダメージを与えたと判断したためか。

進化薬のアンプルを拾う来生(17:31

原作では駆けつけた警備員になんでもないと誤魔化すくだりがあるのだが、こちらでは黒田の逃走時にガラスが割られているため難しいのでは。

立ち込める朝もや?(17:36)

早朝なので不自然ではないが、原作では「青空」となっており、後の展開を考えると、瀕死黒田の視界を表現している可能性もある。

黒田「薬は体内でその可能性を相殺するはず」(17:45)

原作では「あの薬はその体内の可能性に対する〝ワクチン〟として機能するのだ」と説明されているが、「ワクチン」の意味として不適当なため妥当な変更。

破れた帽子からのぞく機械?(17:59)

やはり単なる「装甲」と言うには複雑な見た目になっており、何らかの機能を持った装置の方が納得できる。帽子ではなく黒田の頭部自体機械的に改造されていたのでは、という声もあり、原作未読ならその解釈の方が自然な画ではある。

ブギーポップは死に際の黒田を外見上のモデルにしたわけだが、大小の円が並んだ形状は、ブギーポップ帽子の飾りに似ている。

黒田に声をかける少女宮下藤花(18:03)

中学生原作では直前に「宮下家のご葬儀に参列されるかたは〜」という火葬からアナウンスがある。服装は「黒い影」としか描写されていないが、このアニメのように喪服代わりの制服という解釈妥当だろう。

原作口絵では、中学生だとしてもやや幼いブギーポップ(既にコスチュームも身に着けている)が描かれているが、これはイメージか。

「それなら……それならなんでそんなに落ち着いているんだい」(18:19)

藤花からブギーポップ(まだ名前は無い)への変化。

火葬場の煙突を背にしたブギーポップ(18:28

原作では、

空に一本の筒が伸びていて、そこから煙が出ている

と、

人というより地面から一本の筒が伸びているようにも見えた

がそれぞれ別々に描写されていたため気付かなかったが、恐らくこれこそが本来イメージ通りの絵面なのではないか

黒田「ところがな、この俺は、この土壇場で〜」(19:21)

自嘲的な表情がいい。

地面を掻く黒田の手(19:35)

凪の手形場所を甲にしたことにより、それを見せつつ悔しさを表現

ブギー「君が最も美しい心を持てた、その瞬間に」(20:18)

凪に薬を投与する直前のシーンが挿入。花瓶に、アンプルを握りしめる左手(凪の手形)と、「美しい心」の象徴が詰まった画。

黒田「泡みたいにすぐに弾けて消える」(20:32)

朦朧とする視界の中で藤花(ブギーポップ)と煙突が入り交じり、後のブギーポップコスチュームを思わせるシルエットが見え隠れする。

ブギー「君は」(20:56)

ここで画面がクリアに戻る演出意図ちょっとからない。質問に答える前に死ぬことを許さなブギーの厳しさ?

黒田の笑い(21:09)

左右非対称。

黒田モノローグ(21:15)

黒田の残したレポート? 中身はやはり原作地の文の設定説からだが、もとの位置はだいぶ序盤。

モニターに映るピジョンの顔(21:34)

事務所の後処理。直後の椅子を映したカットで、既にその場から消えている?

試験管を振る佐々木(21:57)

原作では「死体を処理するための薬品」とだけ書かれているが、やはり溶かすのだろうか。

佐々木「どうしてこんな顔で死ぬことができたんだ」(22:04)

「こんな顔」は実際には見せない。定番演出だがうまくハマっている。

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