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2009-02-24

公的資金株式を買い上げろという話。

経団連がまたしてもやらかしたらしい。

 株価の低迷で含み損が発生していて、本業利益を全部食われてしまっていて、赤字決算になって役員賞与が貰えないという事で、株価公的資金で維持して欲しいという主張である。無論、こんなに正直には言っていない。建前として、金融機関自己資本比率が低下して融資ができず、資金繰りに困って倒産する所が出てきているから、株価を維持する為に銀行等保有株式取得機構のような仕組みで、公的資金で買い上げろとしている。

 しかし、失われた10年の間、ダム論で企業を優遇しても、景気は回復しなかったし、融資商工ファンドサラ金といった、高金利の性質の悪い所が増えたばかりで、金融機関は、国債地方債や外債を買ってばかりで、融資なんてしていなかった。不動産デベロッパーですら、外資系金融機関からしかファイナンスができなかったし、外資系金融機関クレジットクランチを起こした後は、資金がショートして、未完成物件投げ売りやら民事再生やらでごたごたしている状態にある。

 こんな状況でPKO(Price Keeping Operation)を再びやってくれというのは、持ち合い株の含み損を減らしたいというだけでしかない。

 そもそも、金融機関や事業会社が、他の企業株式を抱えているという点が間違っているのであって、株価の低迷で持ち合い株の含み損が発生し、決算が軒並み悪化して、さらに株価が低迷するというスパイラル現象は、株式の持合によって状況を悪化させているというだけでしかない。株価の低迷が原因であるが、それを、自律的回復が難しいほど波及効果を発生させてしまうようにしたのは、持ち合い株という手法を選択しているからでしかない。

 時価会計以前は、持ち合い株は簿価で帳簿に載せられ。株価が上昇している時には、簿価を時価にして益出しするという手口で、本業の失敗を糊塗できていた。それを覚えてしまっているのであろう。そして、与党株主を増やすのにも、株式持ち合いは有効であった。

 株主と向かい合う事を避け、過去成功体験にしがみついているから、こういう発想しか出てこないのであろう。

 公的資金株式を買い上げた後を、どのように考えているのであろうか。企業国有化が望みなのであろうか。買った株式は、いずれ、市場に出さなければならない。買った時以上に株価を引き上げるには、無能な経営者管理職の首を切り飛ばすのが、まず重要である。公的資金で株を買え、でも、株主権は行使するなというのであろうか。だとすると、公的資金で株を買う以前の問題として、そのような企業市場から退場させるべきとなる。

 昔の経済人には、国家を支え人民を食べさせているのは我々だという矜持があった。政治行政税金で雇っている召使いに過ぎないと言う、プライドと実力があったのだ。税金からお仕事を貰い、規制や許認可で参入障壁を築いて縄張りに汲々とするような小商人ばかりになってしまったのは、どこで間違えたのであろう。

 
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