はてなキーワード: ワープロソフトとは
いやわかる、MS OfficeとかAdobeは業界標準だしファイル互換でインポートとかも楽だ。
ただまぁその万人へ必須か?と言われたら圧倒的にそれが必須じゃない仕事をしている人のほうが多い。
何なら仕事じゃなくて趣味レベルであるならばなおさらMS OfficeとかAdobeとか業界標準ソフトウェアじゃなくても良くなっちゃう。
ということで、ありきたりなシェアウェア代替オープンソースソフトウェアのリストを作ってみた。
ド定番中のド定番、オープンソースのオフィススイートだ。
MS Officeじゃなくて良い人はLibreofficeかGoogleのクラウドのヤツを使ってる。
やはり主に使われるのはワープロソフトのWriterと表計算ソフトのCalcとプレゼンテーションソフトのImpressだが、MS Accessの代替として挙げられるBaseは厳密な意味で代替とはならないためMS Accessの代替を無料でゲットしてやろうと考える人が陥りがちの罠だ。
まぁただデータベースのフロントエンドソフトとしてBaseはそこそこ使えるので、MS Accessの代替として捉えるのではなく別種のデータベースフロントエンドソフトとして割り切れば想定されることの大半ができる。
MS Visioの代替としてDrawも挙げられがちだがMS Accessの場合と同様にDrawもVisioの厳密な代替とはならないので注意が必要だ。
Adobe Illastratorの代替として挙げられがちなオープンソースのベクターグラフィックスソフトウェア。
高機能なのだがIllastratorと比較すると恐ろしいほど使いにくいUIを持っており、折角の高機能へアクセスするにはどうしたら良いのかわからないと挫折する人が多く出る。いやなんでホントこんなUIなんだ。
ただ、諦めずクソUIに付き合っていると不思議なもので人間は慣れてしまい結構自由度高くベクターグラフィックスを生成できるようになる。
Adobe Illastratorには無い長所としてSVG規格へ厳密に従うという方針で開発されているため、Illastratorで生成したSVGをWebでそのまま使うとWebブラウザで謎の描画バグにWeb屋は悩まされるがInkscapeではそれが無い。描画バグが起きるとき製作者が間違った設定を行っているか、Webブラウザ側が使っている設定に未対応な場合がほとんど。
将来的にサポートする気はあるらしいが現状はアニメーションSVGに弱いのも残念でならない。どうしてもアニメーションSVGをやりたいのであればInkscapeで生成された静止画SVGをアニメーションSVG化することを想定しているaniGenというWebベースのエディタがあるので調べてみると良い。
Adobe Photoshopの代替として挙げられがちだが、元来Web用の画像を製作するためのラスターグラフィックスソフトウェアなのでRAW現像や写真を加工するためのソフトじゃないが、本家すらその辺のことを忘れたふりをしている。
画像編集や加工で求められる基本的な機能はほぼ網羅されているが、RAW現像に関しては標準状態のままではできず、最近のAdobeが搭載している人工知能を用いた機能もないのでクラシカルなラスターグラフィックスソフトウェアと表現することもできる。
GIMPとInkscapeが使えると大半の画像製作は何とかなってしまうため一部の情報技術者寄りのギークはPhotoshopやIllastratorは触ったこともなく使えないがGIMPとInkscapeは困らない程度には扱えるというデザイナーがツッコミ入れそうなおかしなスキルセットになっていることがある。
Adobe Lightroomの代替として挙げられがちなオープンソースのRAW現像ソフトウェア。
実はdcrawというRAW現像のためのオープンソースのライブラリのフロントエンドであり、GIMPでRAW現像するために活用されるUFrawも同様にdcrawのフロントエンドであるため中身は同じだったりする。オープンソースのRAW現像ソフトウェアはdcraw使いがち。
オープンソースソフトウェアでRAW現像を賄っている人はGIMPでUFrawを活用してRAW現像するよりもUI的に使いやすいのでRaw TherapeeでRAW現像でTIFFを出力しGIMPで微調整するような使い方をしている人が多い。
オープンソースの2D CADで以前はQcadと呼ばれていた。
一部の読者はJw_cadのJWWファイルを扱うことが可能という特徴を持っているというだけで興味を惹かれてしまうのではないか。
Jw_cadとは違ってWindowsやmacOS、各種Linuxディストリビューションで動くので2D CADデータをネット上の友人知人などとやり取りしたいときに向くんじゃなかろうか?ニコニコ技術部的な遊びとか、最近流行りのルール無用JCJCタイムアタックとかで。
オープンソースの3D CADで、近年は3Dプリンターあたりの需要でよく目にするようになった。
Autodesk AutoCADやFusion 360、Dassault Systèmes SolidWorksよりも草の根では広まっており日本語でのハウツー記事もオープンソースソフトウェアとしては比較的多い印象。
シミュレーション機能はシェアウェアと比較すると弱い傾向があるものの草の根でそこまで必要か?と言われたら悩む。無料でシミュレーションやりたいならOpenFOAMにでも流し込め。
オープンソースのお絵描きに特化したラスターグラフィックスソフトウェア。
歴史的経緯ではLinux界隈でのGUIツールキットの2大巨塔にGTKとQtがあり、GTKはGIMPを作り上げるために生まれたこともありGTK側には高度なラスターグラフィックスソフトウェアが存在していたがQt側には存在していなかった。そこでGIMPの対抗としてQtを用いたKritaの開発が進められたが次第にGIMP的な画像編集ソフトウェアよりもお絵描きに特化していき現在のような性格を帯びるようになった。
SYSTEMAX ペイントツールSAIやセルシス CLIP STUDIO PAINTからの影響が強く現れており、オープンソース界隈のSAIやクリスタなどと呼ばれることがある。クリスタがそうであるようにスマートデバイスへの対応も計られAndorid OS版やChrome OS版が存在する。
ただ日本の需要を敏感に拾えるクリスタなどと比較して漫画作成機能に関してKritaは弱いと言われることがあるものの、GIMPと同様に無料とは思えない機能が充実しているのもまた事実である。
オープンソースの3DCGアニメーションソフトウェアで、非常に多機能のため何故かAdobe After Effectsの代替として挙げられることもある。
YoutubeがBlenderのYoutubeチャンネルへ広告を載せろと迫ってBlender公式がそれを拒否してYoutubeから撤退したり、庵野秀明が率いる株式会社カラーが出資したことなどオープンソース界隈でも異彩な存在感を放っており日本国内でも非常に注目されているプロジェクトだ。
ただ、初期状態では独特なUIによる使い勝手が非常に悪くユーザーが自分で使いやすい配置を模索する必要があったりタイムラインが使いにくかったりと何故オープンソースソフトウェアはUIがクソになりがちなのか?という問題にぶち当たる。
オープンソースの2DG/3DCG兼用プログラミングIDE。つまりはUnityとかみたいなやつ。
MIT Licenseでロイヤリティーフリー、開発言語はC#もしくはC++、そしてPythonライクなGDScriptで、Unityみたいにマウスでポチポチしてオブジェクトへ色んな設定を決められるので「Unityみたいのでゲーム作りたいけど運良くヒットしたときにライセンス料がなぁ」と懸念している人に役立つ。
ちなみにWiiとニンテンドーDS用向けにリリースされたSEGAゲームタイトルのソニックカラーズのSwitchやPS4などのマルチプラットフォーム移植版ソニックカラーズ アルティメットはGodotを用いて移植されているので商用でも耐えうることはSEGAが証明している。あのSEGAがソニックでだ。
オープンソースな動画編集ソフトウェア。
様々な部分で動画ライブラリのFFmpegへ依存しているためFFmepgのフロントエンドソフトとしての性格も持つ。
この手の無料の動画編集ソフトは国内だとAviUtlや近年ではBlackmagic Design DaVinci Resolveが人気だけれど、海外のオープンソース界隈ではShotcutは比較的知名度が高い。
カラーグレーディングに関して不足のない機能を有しているので高度なトランジションを用いるというよりも色を追い込むような使い方が合っているだろう。
ていうかFFmpegのフロントエンドなのでFFmpegができることは理論上なんでもできる(理論上なので追加でコマンドを叩く必要があったりするけどね)。
オープンソースのレコーディングソフトウェア。旧名称はAudacityと言われるとご存じの方も多いハズ。プライバシー問題でAudacityからプロジェクトが分岐されTenacityとして再出発することとなった。
旧Audacityは開発の主な拠点がロシアを中心に行われていたという経緯があり、現在のウクライナ-ロシア戦争へ至る前の影響からか個人情報の収集をロシア企業が行うと発表され、それに反発したユーザーらによってプロジェクトが分岐しTenacityプロジェクトが立ち上がった。
Audacity自体はVSTプラグインが動作するなど非常に高機能なレコーディングソフトウェアであったがウクライナ-ロシアの騒動に巻き込まれたと言った感じだ。
Audacityから分岐したTenacityもそのまま高機能なレコーディングソフトウェアなのでこれからはTenacityを使ったほうが色々面倒が少ないだろう。
ProToolsの代替として挙げられがちなオープンソースのDAW。非常に高機能でDAWとして求められることの大半ができるものの、これもまた通例通り最近流行りの人工知能を用いた云々かんぬんは標準状態だとできない。
Ardourプロジェクトの立ち上げをし主要開発者であるポール・デービス氏はJACK Audio Connection Kitのプロジェクトの立ち上げをし主要開発者であるという事実を伝えると驚く人がいるかも知れない。LinuxとGitのリーナス・トーバルズ的な文脈だ。
オープンソース界のFL Studioと呼ばれることもあるDAW。ステップシーケンサーを中心に作曲するタイプのDAWで電子音楽が得意。LMMSという名称はLinux Multi Media Studioの略でLinuxに端を発してマルチプラットフォーム展開をしたDAW。
オープンソースのDAWにしては珍しく初期状態から多数のソフトウェアシンセサイザープラグインが用意されておりインストールした時点で遊び始めることができるものの、オープンソースの例に漏れずクソUIを持っており使いにくい。GIMPやBlenderもそうだが1990年代後半〜2000年代前半あたりに流行したMDI(Multiple Document Interface)を未だに引きずっているためクソUIになりがちなのだ。
ググると日本国内にも意外とユーザーは居て、DTMやりたいけど初期投資は低く抑えたいみたいなユーザーが選んでいる模様。そういう需要ならLMMSの他に基本無料で全機能が使えて一部のプリセットが有料のVitalっていうソフトウェアシンセサイザーも導入しておくと延々遊べるよ。
オープンソースなWebブラウザとして非常に有名な存在。
Google率いるChromium系Webブラウザに近年物凄く押されているものの独禁法を回避するためGoogleはMozillaへ出資しているという歪な構造を持つ。
Mozillaの運営が下手すぎて資金をドブに捨てることを繰り返しているためGekkoレンダリングエンジンに未来があるのかと一部の識者から不安がられている。
Firefoxは使いやすいのか?と言われたら、それはもう好みの問題としか返せないのだがカスタマイズ性は非常に高い。
日本語ワープロソフトなら「松」、英文ワープロソフトならWordPerfect、表計算ソフトならVisiCalc… じゃなくてMultiPlan。後に Lotus 1-2-3
今って学校では教えないのかな。
コロナの関係で学校にいけない期間はあったからね、今の学生は仕方ないかなって思わなくもないんだけど
って聞いてみるとできるって答えるんだけど、実際に入社させてみると研修中に使えないって言う子が出てきた。
面接の時に使えるって言ったよね?って聞くと、大抵の子は使えるって答えれば入社できると思ったって言う。
今の若い社会人は嘘も平気でつくのも当たり前のようにやってしまうのが悲しい。
うちの会社はPCの基本的な操作について使える?と聞いて、「使えませんが、入社して学ばせてもらうことはできないか?」って前向きに考える子は雇用する事もすくなくない。
まあ、面接を受ける側からすればマイナスイメージになる事は答えないようにするのは、セオリーなんだけどね。
だけど、募集要項にPCがある程度使える人って書いていても使えないまま使えると嘘をつく若い子がいるのがね…。
使えるって言って、合否が決まった後であってもそこからPCを学ぶくらいの向上心があるなら、入社した後で使えないって言ってもどこまで覚えた?って感じで教えてあげることはできるんだけどね。
使えないのに使えるって言った挙げ句に、使えるって言えば雇用してもらえるって思ったっていう考えがもう信用に値しないって気づかないんだろうかと思ってしまう。
今はタブレットだ、スマホだとPDAから進化した端末が当たり前のように存在する時代だからね、何でもそれらで解決できなくもないんだけど。
仮にスマホやタブレットで処理できるって言う事を主張するのであれば、それらで仕事をしている企業に入ってもらわないと困る。
それはウチの考えが古いのではなく、スマホやタブレットだけでなくPCも使えるハイブリッドのスキルを持ってないのでは意味がないという話。
外出先でタブレットを使うのは構わない、だけどオフィスならPCを使ってもらうというルール。
全てスマホとタブレットで仕事をしている企業なんて、そんなに多くないよ。
PCがうまく操作出来なくても怒らない。だけど雇用してもらうために嘘をつくのは駄目だ。
嘘をついたなら、仕事が始まるまでに嘘を本当にしてもらわないと。
足りなかったねん(´・ω・`)
追記
ブクマ読んでたら胃が痛くなってきた。
PowerpointがDTPソフト…う、頭が。
おぉ神よ、あなたの悩める子羊の願いを聞き入れ給え。
どうか一太郎ファイルであってもWordファイルであっても、互換性を持ってどちらのソフトでも開けるようにしてくれ給え…。
あ、でもExcelワープロ勢を救うのは地獄の門を開けることになるので、そのまま開けなくていいです。
どうでもいいけど実はFireworks大好きっ子だった。
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何回言ったら分かるんだお前ら!!おぉん!?
さ・ら・に!!今お読みいただいている方には朗報です!!(大きなテロップと共に「バーン」の効果音)
なんとExcelをワープロとして使い、Wordでパンフレットが作れるようになっていたんです!!(ここで「すごーい」の声)
「利用者の声」
indesignとillustratorは専門的過ぎて分からないことがあったんですけど、WordとExcelを使ってみて「これは便利だな」と思いました。
Wordだったら機能の範囲内であれば全部できますし、Excelを触ってみたら「レイアウトがきっちり決まってるワープロだ」ということに気付くのには時間はかかりませんでした。
おかげ様で顧客の求めるデザインはWordでは出来ませんという言い訳ができるようになり、どんどん仕事が(他所へ)流れるようになりました。
文章ファイルを開く度に重いExcelが立ち上がるので、閲覧者はイライラして画面を閉じるようになりました。
はじめは「これは不便だな」と思いましたが、裏を返せばセキュリティ対策にもなると感じ、今では安心して使っています。
あばばばばばぁぁぁ!!!!
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1601/18/news124.html
頑張りやの軸受け子ちゃん(仮名・以下同じ)は、芸能企画会社T○Y○TA(仮名・以下同じ)アイドルユニット「Pr○us」(仮名・以下同じ)のメンバーとして、自信と誇りを持って働いています。うまくいかないときでも投げ出さず、今までに誰もやったことのないものをたくさん作ってやってきました。「なんて言ったって、Pr○usがまだ人気が無い頃からがんばってきたんだから!」
軸受け子ちゃんは、自分はPr○usになくてはならないものだと思っていました。
「あったらしいお仕事かな~?☆」
そんな気楽なつもりで、購買センターの打合せエリアに出向き、コーヒーを飲んで一服してから、「よしっ☆」と小さくかわいく気合いを入れて、ディレクターさんに内線電話をかける軸受け子ちゃん。いつもの気のいいディレクターさん本人が出るのですが、今日は席を外しているといいます。おっかしいなあ~?、いつも約束していると必ず待っててくれるのに。そう思いながらも、出た女の人に伝言を頼む軸受け子ちゃん。
いつもなら気のいいT○Y○TAのディレクターさんと、そのアシスタントさんがくるだけのはずなのに、雰囲気の違う黒服の男が3人がついてきました。彼らは軸受け子ちゃんに、戦略調達部と名乗りました。でも、名刺はくれません。そして、オープンな打合せスペースから、物々しい警告がかかれたセキュリティゲートを超えて、いつもは絶対に使わせてもらえない少しいい会議室へと通されたのです。
軸受け子ちゃんは逃げたい気持ちを必死になって押さえ込みながら、席に座りました。つるっとした黒光りする椅子はいつものパイプ椅子などとは比べものにならないくらい座り心地は良かったのですが、体の熱を奪われて、魂まで縛り付けられている感じがします。
「(なんで私独りできちゃったんだろう)」そう思っても後の祭り。そういえば仲の良かった他の事務所の娘が、T○Y○TAさんに呼ばれる時にはできるだけ3人以上で行くようにしてる、っていってたっけ、そんな事を思い出します。
戦略調達部の黒服は、席に着くとまるでスイッチをいれるように顔に笑顔を作りました。
「おかげさまで新しいアイドルユニット・Pr○usは大変好調でして、これもみんなのおかげです。私どもとしては、さらにライブをたくさんやってファンの需要に応えたいと」
軸受け子ちゃんは、少しだけ気分が軽くなりました。なあんだ、大変なことなんて無いんだ、そう思いました。
「ですがもう軸受け子さんはスケジュールがいっぱいで対応いただくにも難しいと思います。そこで、大手芸能事務所のセカンドソースに軸受け子ちゃんによくにた娘がいるので、彼女にも軸受け子ちゃんのサポートで入ってもらおうかと思っています」
相づちを打とうにも、うまく声が出ません。首をわずかに縦に振るしかできません。
「ですから、是非、軸受け子さんには、新しい子にいろいろと教えてあげてほしいのです」
いつも一緒に仕事しているディレクターさんは、机の端の方に座って、決してこちらを見ようとしません。
「はい」絞り出すように声を上げました。きっと駄目だけど、言わなくっちゃ「でも、わたし頑張ります。私ががんばってたくさんのお仕事をこなしますから、新しい子なんていなくても」
「ええ、あなたの気持ちはわかりますよ」かぶせるように別の黒服が声を上げました「でもね、軸受け子。あなたが倒れてしまったら、Pr○usはファンのみんなに曲を届けることができなくなるでしょう?」会議室に少し耳に触る高い声が響きます「そうなるとファンも、仲間みんなに迷惑をかけることになるけど責任はとれるのかい? 今はPr○usがこれからって時なのに」
そう言われれば、いい子の軸受け子ちゃんは、たしかにそうかもと思ってしまいます。
「あなたが何かあって倒れたとして、あなたの事務所は変わりの娘を用意してくれますか?」
軸受け子ちゃんの事務所だってできる限りの事はしています。体調管理だって万全です。今までも完全に休んでしまったことだってありません。でも、同じ事ができる人を丸ごと用意するなんてできません。大手芸能事務所のセカンドソースにくらべたら…そう言われたら何にも言えなくなってしまいます。
「もちろん、軸受け子さん独自の技術まで全部教えてほしいなんて言いません。私たちT○Y○TAと一緒に作った部分だけ教えてくれればいいですよ」
それなら、仕方が無いと言う気もしました。確かに言っていることは正しい気もします。
「そう、ですよね…」
「ご理解いただけたようで何よりです」黒服3人は合図をしたかのように、同時に笑みを浮かべました。どこかで見たことがあるな、ああ、テレビでみた。ベネチアのお面みたい。こんな状況でこんなことを思う自分がなんとなくおかしくて、唇の端にわずかな笑みが浮かびます。しかしそれは引きつけをおこしているようにしか見えません。
そして黒服は書類をテーブルの上に上げると、次々とサインをすることを求めました。「いつも絶対口約束でしか仕事の話してくれないのに」さすがの軸受け子ちゃんも少し警戒して文章を読みます。
そこには、軸受け子ちゃんが自分でレッスン代を払って頑張って勉強したところも、苦労して作った曲も振り付けも教えることになっていました。軸受け子ちゃんは目の前が暗くなっていくのを感じます。
「(ディレクターさん、曲の作曲欄にちょっぴりT○Y○TAの名前をつけてくれれば今夜ご飯おごってあげる、お金はいらないからって言ってたの、こういうことなんだ…)」
軸受け子ちゃんはもう抵抗する気力なくなっていました。そして、壊れたように書類にサインをし続けました。
軸受け子ちゃんは、その日そのあと、どうやって家に帰ったか覚えていません。
次の日、それでも気持ちを入れ替えて、軸受け子ちゃんはいつものようにPr○usとして働く現場に行きました。
「私が無くてはならない存在だから、私がいなくなってもPr○usが歌えるようにすることはたいせつ」言い聞かせるようにつぶやきます「だから必要なことなんだ、相手の娘はどんな子かわからないけど、それでもしっかりお仕事しなくっちゃ」
しかし現場にはすでに、鏡で映したかのように、自分にそっくりな娘がいました。
「こんにちは!先輩」声も驚くほど似ています「今日からよろしくおねがいしますね☆」
大切にしているトレードマークのアクセサリー。お気に入りのデザイナーさんに作ってもらって世界に一つしか無いはずのアクセサリー。そんなものまで彼女は同じでした。
「それ…どこで…どこで買ったの?」
「あ~えーっと…T○Y○TAのディレクターさんが教えてくれたんです~☆ 衣装もここに行けば同じものが買えるよって。ありがとうございます先輩!教えてくれて!」
教えるはずもありません。教えてくれと言われたのは昨日だったのです。そして、軸受け子ちゃんは彼女に会うのは初めてです。
彼女は軸受け子ちゃんがまだ何にも教えていないのに、すでに軸受け子ちゃんと全く同じ踊りを踊り、同じように歌いました。Pr○usのなかで全く同じ役割を果たしました。全く違和感がありません。ユニットの他の仲間も戸惑うどころか、入れ替わっていることにも気付いてない娘もいるようです。
「(違うかも…)」軸受け子ちゃんは思います「(今までだって、私と同じように入れ替わっている娘もいたんだ。それでも、私、全然気付かなかったんだ…)」
私は、Pr○usに絶対に必要な存在ではない…。世界が音を立てて崩れていきます。それでもけなげに頑張る彼女に、お仕事の帰りに渡された出演料の封筒には、一枚の紙が入っていました。
「セカンドソースの娘はあなたよりも10%コストが安いので、あなたもできるはずです。安くする努力をしてください」
世の中でPr○usはすごく売れています。でも今では、それのほとんどは大手芸能事務所セカンドソースの娘がやっているのです。「あれは本物のPr○usじゃないのに、本物のPr○usじゃないのに」
そう思いながら、軸受け子ちゃんは、それでもT○Y○TAが自分に出してくれるお仕事をひたすらこなすしかありませんでした。
それから何年たったでしょうか。
軸受け子ちゃんの事務所はそれなりに大きくなりました。大手事務所のセカンドソースには全く歯が立ちませんでしたが、それでも仕事の、売り上げ「は」増えました。
そのために事務所も大きくなりました。前の小さいながらも過ごしやすかった、暖かな事務所に比べると、ただ新しく、ただ広い事務所を軸受け子ちゃんはあまり好きではありませんでしたが、仕方がありません。大きく広くなったものの、備品をまとめてそろえるような余裕はありません。だから備品の種類ががばらばらで、古くてよいものと、新しくて簡単なものと混ざっていて、整っているはずなのに雑然として洗練されていない感じがします。
断熱材も入っていない壁はぺらぺらで、冬になれば寒いし、夏になれば暑く、隣の部屋のレッスンの音どころか、事務のお姉さんの疲れ果てた独り言すら響き渡ります。むき出しのダクトには壁とは対照的にやたらと保温材が巻きつけられられていて、ドアが開くたびにぴらぴらと何か目に見えないものを手招きします。壁にはワープロソフトに無料でついてるポップ体でかかれたスローガンがかげられていますが、蛍光灯は間引きされ、薄暗いなかでは細かい内容まで読むことができません。
軸受け子ちゃんは自嘲気味に思います。「こんなところで最先端のエンターテイメントを作っているだなんて、悪い冗談みたいだわ」
そんな事務所で、軸受け子ちゃんは一通のメールを受け取ります。
「今までと全く違う新しいアイドルユニットを作りたいんだ。そのためにこんな感じのもっと難しいダンスと新曲を提案してほしい」
軸受け子ちゃんはすさんだ気持ちでした。もう言ってしまえ。そんな気分で電話します。
すると、ディレクターさんは困った声でこういいました。
「いや…まだ売れるかわかんないからさ。こんなことを頼めるのは君だけなんだ」
軸受け子ちゃんは、ちょっぴりやせて、ちょっぴり大人になりました。
めでたし、めでたし。