はてなキーワード: ネトサとは
なんでそんなに自信満々なんだろう
20数年生きてて4人くらい老若男女問わず気が強い人間に会ったことがあってまあ被害にあったんだけど、彼らは一様に正々堂々と世界の真理のように気が狂った理論をぶちまけてくる。
その4人はこんな感じだ。今も一緒なのか、それとも自分が転職してもう誰とも会ってないのかは想像に任せる。
例えば1人目 契約社員の男 40くらい
死ね!などと直接的な暴言は言わないためにギリギリパワハラまではいかないのだが、人を責める時に怒鳴るようなトーンで追い詰めるタイプ。また、事あるごとに人の態度や人の仕事ぶりに対して小姑のようにネチネチと問い詰める。
尚本人は仕事中ネトサをしている。契約だから面倒なのは社員に任せる!でも口は出す。というスタンスでもあった。
結果色んな人が追い詰められ、ついにはメンタルやられた派遣が一ヶ月程で辞めるという事件も起きた。
それは流石に上司に咎められたらしいが、長年働いてるベテランなのと面の皮が熱いのもあってノーダメージという感じだったらしい。
自分も追い詰められ、最終的にその人と普通に喋っていても涙が止まらない現象が起きてしまい、上司が極力関わりのないように配慮をしてくれた。
因みに人事と面談する機会があった時に名前を出してみたら「あー…男さんね…」という反応をされた。人事にまで評判轟いてるならなんか対処しろよ。
2人目 同期の女子 同い年くらい。
好きな人物にはとても愛想良く話すのだが、嫌いな人間に対しては無視や冷たい態度を返してくる。
印象的なエピソードとしては、その女子と同じチームに派遣が2人いて、Aがお気に入り側でBが嫌い側だった。
Bが話しかけた時、女子は何故かAと勘違いしたらしく「なあにAさん?(はあと)」と凄く甘えた声で答えたのだが、姿を見てBさんと確認すると「…何?」(低音)と全く声色を変えた。
自分も嫌われた側だ。同期で飲み会の幹事を任された時、自分も店を一緒に探そうとしたり声をかけたのだが「1人で決めるからいい」とつっぱねられ、挙句知らない間に店も日取りも全て勝手に決められていた。
嫌な予感がし、飲み会代の集金とか細かい後処理の担当を無理やり「自分がやるよ!」とぶんどった。
その数ヶ月後、先輩から「そう言えば女子さん、増田さんに異様に当たり強いよね?前飲み会の時全然手伝わなかった!って悪口言ってたんだけど、増田さんそんな人じゃないから変だなって思って…大丈夫?」と心配された。優しい先輩でありがたい。手伝わせなかったのは誰だ。自分は人からの評判がを気にする臆病ものだから、幹事を1人に押し付けるなんて悪評立つようなことは普段なら絶対しないというのに。
ていうか嫌うのはいいんだけど幹事の情報共有しないとか業務?に影響させるのやめろよ。
因みに、自分が嫌われてるのは自分の性格がクズなせいかと思っていた。それもあるだろうが、徐々に他の同期や、先輩から「女子さんやばくない?すごい当たり強いんだけど」と声をかけられることが多く(その人達は一律人が良い)、あっこれ自分の性格のせいだけじゃねえわ…女子さんに問題があるわ…とゾッとした。
3人目 契約社員の女 50〜70以下くらい
その職場で1番社歴が長い主。令和の世というのに典型的なお局なのである。
自分は管理する立場なのだが、話を聞くに歴代の管理者も手を焼いていたらしい。そんな爆弾なんでさっさと処理しなかったんだ。後世に回すなそんなの。ちゃんと更生させてくれ。
運用変更の時。数週間前からその運用が可能か聞き取りをしていて、お局にも聞いて「大丈夫だと思う」と回答を貰っていた。だが、いざ始まると言った段階になって急に「いや、難しいと思う」と前触れもなく掌を返された。「Aの作業は出来ない」
この前出来るって言ったじゃないですか!そんな直近で変えられないから数週間前から聞いてたんですよ!
その後、他のメンバーから全然関係ない文脈でだが「あの人は仕事は出来るが、言うことが日によって違う時がある」と伝えられた。やめてくれ。
他にも些細なことでネチネチと嫌味を言われることが多い。他のチームには気軽に相談や質問、提案ができるのだが、彼女のいるチームは常に事前に念入りな準備と心構えをしてから話しかけに行く。提案なんてそうそう出来ようもない。
自分の管理や態度が悪いから上手く付き合えないのかもしれない…と思ったが、どうも他の人達と良く思ってはない人はいるようだ(普通に良い人と思っている人もいる)
尚機嫌が悪いと冷たい態度をしてくるが、機嫌が良いと軽く世間話などを話しかけてくる。
自分は常に内心うんざりしながら話を聞いているのに、向こうは自分が悪く思われてるなんて微塵にも思っていないんだろう。その自信と鈍感さが羨ましい。
4人目 姉。今30くらい。
気の強すぎる人を憎むようになった元凶。
家族と意見が分かれると自分の意見を絶対曲げないし、なんなら高頻度で暴力に発展する。ゴミカスである。今年は父親の部屋のドアや鏡を蹴り壊したらしいし、過去に自分はiPhoneぶん投げられたり物捨てられたり蹴られたり物投げられたりしているのだが本人は「家族が悪い」の一点張りである。自分も何度か激怒したことあるのだが謝罪されたことはほぼない。「ごめんって言ってるじゃん!」(逆ギレ)は何回かある。
素人判断でも何かしらの障害でもありそうに見えるが、TV番組の特集を見た本人は「発達障害の人なんているんだー。大変そうだなー。あたしはまあ違うけど」と言っていたので分からない。病識がない人間を病院へは連れていけない。
自分の性格もこんな増田を書く時点で大体クズ寄りだとは思う。しかし普段の生活で姉以外には不用意に怒ったり不機嫌にならないように気を付けているし、怒鳴りつけたことなんて姉以外にはない。自分の考えが常に正しいなんて全く思えない。姉みたいにはなりたくないと思う。
その一方で、今ここに書いた4人はいつも自信満々で人から煙たがられていても、それに気付かない鈍感さを持っているがため幸せそうだ。羨ましい。
昨年、3ヶ月位働いた仕事を辞めた。
理由は色々あるけど、一番はお局さんだ。
この会社に入るまで私は男9割の業界にいて、今回初めて女9割の業界に転職した。
しかもそこは8割がアラフォーオーバーのBBAパラダイス、若い人は同じ歳くらいの人が3人位。
私はこの会社に前業界の仕事を担当してほしいと初めて入ってきた、お局さんにとって異物だった。
全く考え方の違う異民族って感じだ。
社長は殆ど思いつきで入れてしまったのですぐに仕事が用意できるわけもなく、まずは通常部署の仕事に入ってほしいと言われた。
9時50分までに出社と社長が言っていたので、30分に会社に到着、社長と話して着替えて通常部署へ行ったのが45分。
100%こいつがこの会社の裏ボスだって見た目と態度の人が、某ドラマみたいに後ろに他の女社員を並べて腕を組んで顔を真っ赤にしていきなりキレてきた。
理由は45分には準備を開始するのに何故早く来なかったのか。
答え、社長からそんな事聞いてないし入社前に貴方とエンカウントしてないからです。
すごい理不尽だ…と感動した。
男社会にいたせいで今までお局という存在にあった事がなかったのでまとめサイトでの妄想か誇張と思っていた。
オラ、ワクワクすっぞ。
とりあえずすみません、と頭を下げておく。
何か言ってるけど早口で聞き取れない。
更年期って大変だな、自分がなったら早めの治療を心がけようと思った。
そして、お局さんが奥の部屋に消えて仕事開始。
私の育成担当はお局様に頷いて相槌を打っていたおばさん、もう直ぐアラフィフ。
どっちにしろこの部署に今後来ることのない私を真剣に教える気もない、そりゃそうだよなぁと思う。
流石に仕事にならないので最低限は教えてくれたが、細かいところは知らないのにいきなり怒られる。
客対応以外に関係ない事…例えばゴミ出しの曜日とかシフト希望提出締切だとかは結局辞めるまでその人からは聞けなかった。
作業中はマスク必須で本当良かった、マスクしてなかったらビンタのひとつも食らってたと思う。
次に、少し年上の先輩。
細くて顔も綺麗でじじいの客のアイドルだった。
しかし、じじいなんて若い新人が入ればそっちに興味が湧くに決まっている。
じじい達は先輩の事なんて忘れてしまったかのように私に話しかけてセクハラギリギリをかます。
先輩が輪をかけて冷たくなったのはその時からで、影で私の事をジャージー牛みたいと呼んでいたのを聞いた。
ホルスタインと言わない所に例えが美味いなとこっそり笑った。
私は耳に一応ピアスホールが一つずつ空いてるし、黒髪が死ぬ程似合わないので会社の規定内の範囲の茶髪だ。
タグでも付けて行こうかと思ったけど辞めた。
嬢といっても、ギリアラサー。
社長と副社長、お局さんには完全に声を高くして同意しまくっているし、一人称は苗字。色々すごい。
ただし私には目が据わり低い声で話しかけてくるのでこっちが素なんだなあ、としみじみ。
辞める2週間前、パソコンエラーを直してあげたら少し優しくなった。
他にもいるけど、とりあえずこの4人が凄かった。
そして、シフト管理をしているお局さんは夕方早上がりする私にブチ切れてきた。
こっちにも事情があり、時短を条件に入ったのでキレるなら社長に言ってほしい。
入社直後に仕事が用意できずこの部署に入ったのも社長の指示なので。
お局さんはいろんな人…特に古株の人達に私の愚痴を言っているようだった。
お局さんとは担当がちがうので殆ど迷惑をかけてないはずなのだけど、色々言っていた。
声がでかいので休憩室の横を通ると聞こえてくる。
声が気に食わない(そんな事言われても)
今時の化粧をしているのが生意気(してない)
男に媚を売っている(売ってない)
婆さんから褒められているのが謎(知らん)
早く辞めてほしい(さいですか)
他にもいっぱい言っていたが、麦茶を飲んでるのが意味わからんって言い出した時点で吹き出しかけてさっさと帰った。
坊主憎けりゃ袈裟まで憎いになりかかっている。
大体比率としては半々。
私の仕事は専門的で調べる事が多い仕事なので半分位はネトサをする。
どうするかと悩んで考え込む事もしばしばある。
社長がお昼に行った瞬間、お局様が別の部屋からすごい勢いで突入してきた。
闘牛みたいだな、と思いながら耳を傾けると、簡単に言えば遊んでいるんじゃないかとキレてきた。
言い訳してもまた長くなりそうだなあと思い、とりあえずすみませんと言っておく。
社長が用意した私が使用しているパソコンは社員共通のパソコンなので使われると邪魔だとキレている。
そうして二ヶ月が経った。
その間に私の靴は無くなったし、全員に一つずつ配られたはずの社長の出張のお土産は貰っていない。
無視される事もあったし、知らない優しそうなおばさん社員からいきなりアンタここにいちゃ死んじゃうよ、と諭された事もある。
漫画みたいだ、そんなセリフ生で聞けるなんて人生でそうそうない、感動した。
どうしたものかなぁと思っている矢先、なんとなく現状を友達に話した所、友達経由で知ったのだろう古巣の知り合いから此方の業界に戻ってこないかと声をかけられた。
電車を乗り継がないといけないし家庭の事情でフルタイム残業が厳しくなり辞めたのだけど、時間も調整してくれるらしい。
まだギリギリ試用期間だし、そうだ、辞めよう。
早速社長に相談した。シフト締切3日前なのですぐ言わなくてはいけなかった。
とりあえず現状を話す。
社長もやはりお局さんから私の愚痴を聞いていたらしく、苦い顔をしていた。
誘われた会社よりこちらの方が近いし、時間を調整してくれると社長が言っていたから現状が好転するならこちらの方が都合が良かったので、今後他の仕事を手伝うにしても他の部署でお願いしたいと頼んだ。
僕にはどうする事も出来ないけど、君がみんなと仲良くできるなら考えてもいいよ。
そう言って社長は腕を組んだ。
頭の中の平次が叫んだ。
元はと言えば社長が私をいきなり雇い、いきなり別部署にぶち込み、私を入れてどうしたいか説明しなかったせいでいきなり訳の分からない新人が来るとお局さんがキレて私にあたり古株全社員に愚痴を言ってる中で、それを言うのか。
漫画じゃん?!
こういうの病院に置いてあるレディコミで読んだことあるぞ!!!
ハイになって、「えっどう考えても今更無理なので辞めまぁす!!!」と言ってしまった。
幼少期ぶりにバニラシェイクもクーポンで100円だったので買った。
飲んだら少し寝不足だった頭がすっとして、明日からどう会社で過ごそうかな、とワクワクした。
だって後13回働けばお別れだ、どうせなら漫画みたいな体験をもっとしたい。
ずっとは精神衛生に悪いので辞めるんですけど。
そうして出社したら、お局さまが辞めるなとキレてきた。
あれだけ辞めろと言ったのに、どうしたどうした?
面白い展開になってきた、よしお局さんの話を聞こう。
成る程、シフトに組んでしまったので今更組み直すのが困るですと?
まだシフト提出期限じゃないですよ?
仕事教え損?
それは申し訳ない、でも私今後在籍したとしてもこの部署には入らないようお願いしたと思う。
だって毎回引きっぱなしのネットの有線で転ばされるからアザがすごいので。
多分10分程一方的に喋っていたと思う、落ち着いたのでそっと靴下を引き下げてホルスタインみたいにブチ模様になった足を見せたらヒュ、とお局さんの喉が鳴った。
本当に喉ってヒュ、と鳴るんだな。
流石に察したらしい、どうしてアザだらけになっているかを。
靴も靴箱に置いておいたんですけど知りませんか、アレ兄からもらったものなんです(これは嘘だ、某大手靴屋で30%オフで買った)、パソコンのデータ知りませんか、アレは私が作ったやつを副社長が使っていたものなんです、給料まだ貰っていないんですけど、手渡しとお聞きしたのですが?
血の気が無くなる人も初めて見た気がする。
お局さんは多分、恐らく手を出さず愚痴や悪口を言っていただけなんだと思う。
誰が何をしたかなんて知らないだろう。
みんな大人だ、自分が何をしたかだなんて言うわけがない、きっと休憩室でお局さんに同意したりその日の私の行動を面白おかしく報告してただけなんだろう。
全部気に入らない、此方には味方しかいない。
ならば追い出したい。
実際最初に隙を見せた私という敵に先制攻撃を喰らわせられた事で、止まらなくなってしまったのかもしれない。
でもまさか手まで出す人間がいるなんて思ってもいなかったんだろう。
この会社で実際社長よりお局さんの味方の方が多い、だって実質会社の事を把握してシフト管理をしているのはお局さんだから、この人を敵に回すと子どもや孫のために休む事があるパート達は逆らえないのだ。
そのお局さんが敵とみなしたやつは、何をしてもいい。
だって実際私が辞める日に聞いたら、4人はお局さんに嫌われたお前が悪い!とキレて何処かへ行ってしまったんだから。
最終日、三ヶ月分の給料が入った封筒を手に私は地元の夫婦経営の焼肉屋に入ってテイクアウトのお弁当を買った。
私の事を気に入ってくれたお客さんのじじいの店だ。
来てくれてありがとう、また行くな!と明るく笑う尻を触ってきたじじい。
今辞めてきたんです、と言いながら焼肉弁当のお金をトレイに置く。
びっくりする夫婦、そりゃそうだ、地元密着のあの会社は馴染みのお客が多くGoogle mapの評価は悪いが爺婆には評判が良い。
なんで辞めてきたんだ、と焼酎片手に聞いたのはこれまたよく会社に発注を取りに来ていた地元の商店街に店を出しているじじいだった。
私は迷った。
全部話すべきか、それとも濁すか。
悪魔が囁いてくる、来週転職と共に引っ越してしまうんだからこの町には戻らないだろうと。
頭にいつか読んだ例のレディコミが浮かぶ。
私も漫画みたいな事をして締め括っても良いだろうか。
だって、あんな漫画みたいな事が起きた事、この感動を話してしまいたかった。
じじいにゆずサワーを奢ってもらった私はいくつかかいつまんで、ポツリポツリと話した。
じじい達は絶句して、腕の傷に気付いたばばあはそっと骨付きカルビを焼いて弁当に乗っけてくれた。
聞いてくれてありがとうございました、とゆずサワーを飲み干して浅く一礼し弁当を受け取る。
私もお局さんみたいに思った事を話してしまった。
悪意や敵意というのは印象に残りやすい。
初めて悪い事をしてしまった時の子供のように、少しの罪悪感と山程の高揚を胸に食べた焼肉弁当は最高に美味しかった。
そうして一年が経った。
多少の妬み嫉みはあるものの、あの三ヶ月と比べたら可愛いもので、本当にあの人間の醜い部分の煮凝りみたいな三ヶ月は漫画を読んでの妄想だったんじゃないかと思う。
それはコロナの所為かもしれないし、もしかしたら焼肉屋での15分がきっかけなのかもしれない。
もうあの田舎町に知り合いがいない私が理由を知る術はないのだけど、ふと半袖になって見えた傷の跡を見て思い出したので記念に書いてみた。
持論なんだけど、人間ってついつい自分がダメージくらう悪口を、相手に言ってしまうんだよね。
というのも、相手にダメージが大きい悪口を本来言いたいわけだが、相手の属性が判らない状態では、自分の主観から相手の状態を類推するしかないからだ。
主観から相手の状態を類推する傾向は、別にネットでの悪口に限ったわけではない。例えば昔の文通文化の研究では、顔もしらない文通相手のことを自然と自分とよく似た人間だと考えてしまう傾向があるのが知られている。会話相手の「顔」が客観的に存在しない場合、人間は顔のない存在と会話するのではなく、そこに想像上の顔を当てはめて会話する。そして想像材料には、自分の主観と経験を用いるというわけ。
だから、この無職め! 就職しろ!といきなり言う増田がいた場合は、そいつは過去または現時点で致命的な無職だった経験があり、そのことを負い目に思っている……ということがわかる。
ネトウヨは自分で考えていない馬鹿だからな、とかいつも言っているネトサがいた場合は、そいつは「お前こそ自分で考えていないだろ」と言われるのを誰より恐れている。
文字しか知らない増田女さんにブスじゃんとか言う男さんは、おそらく本人がイケメンからは程遠いことがわかる。
このように、悪口を言うことは、すなわち自分の弱点をさらす事と同じなのだ。
レスバトル的に反論ときも、それを踏まえて相手の悪口に似たことを言ってやれば、顔が真っ赤になる確率がかなり高いぞ。
今日はこいつを見て、やっぱ俺は正しいな、と思った。anond:20200114180104)
バレンタインデートにGODIVAってwww田舎のオバさんかよwwwという都会オシャクソな男がいない。ゴディバを貰って本気だと思って嬉しくなったり、恐縮するような純朴で不器用な男しか存在していない。
女も、好きな人なら年収290万まで我慢できちゃうような、純朴な女しかいない。自慢話を「私を口説きたくて必死なんだ……かわいいな」と思ってくれ、次のデートに応じてくれるような女しか存在していないのだ。
そういう箱庭的世界観だからこそ、人間関係に疲れた多くの人が読んで癒やされるんだろうな。単純で、不器用で、澄んだ人たち。ヤリモク男もいなければ、寄生先を探す女もいない。モラハラ男もヒステリー女も、ネトウヨもネトサも、デブもハゲも化粧下手も眉毛の角度がおかしい女もいない。
昨今ネットでラディカルすぎるフェミニストが目につくことが増えてきたので、もしかして日本ではフェミニズムって言う言葉は悪い意味で広がりすぎているのかもしれないと思ってるので、自分が把握している範囲で歴史を紐解きつつまとめてみようと思う。
まず、フェミニズムはあくまで「女性の地位向上」が目的として出てきた運動なのはまぁ言葉の通りだよね。男性の地位が高く、女性には発言の自由が認められていない状況をなんとかしようね、というのがフェミニズムの始まり。
だから、フェニミストが声を上げるたびに「じゃあ男性の権利は剥奪される一方で良いのか!」という反論を目にするんだけど、「語源としてフェミニズム」から見た時に、フェミニズムは女性の地位向上が目的なわけで、こういう反論はトンチンカンだとは思います。
ちなみに、男性の地位向上を目指す運動は「マスキュリズム」と呼ばれていたのですが、思ったよりはこの活動は流行らなかったです。
マスキュリズムの考え方はとても良いものだと私も考えます。離婚の際、子供の親権は女性に有利すぎるだとか、そういう女性優遇は確かに存在しますから。
ただ、マスキュリズムが流行らなかったのはマスキュリズムは実質的には「反フェミニズム運動」にしかなれなかった、というところが大きいんですよね。
「フェミニズムなんて活動が出てきたからそれまで保たれていた男女の均衡が崩れたんだ」なんていう言説が出てくるくらいで、はたから見ても「既得権益を守りたい男の言い訳やん」って部分が結構あったわけです。
「女性の地位向上」を目指す古いフェミニズムは、根本的に「そもそも性で地位を区切ろうとしている」ことからは思想的に抜け出せないので、定期的に「女性とは何か」という定義をして、フェミニズムの運動の対象とするかどうかを更新しています。
1960年代は、レズビアンのことを「自らを男性に同一化して女性を愛する女性」ということで、「レズビアンは女性ではない」と定義してレズビアンは排斥されてきた過去もあります。
その後、逆方向に振り切って、「レズビアン・フェミニスト(男性がいない社会を作りたい、ラディカルフェミニストの一派)」なんかが出てきたりもしています
いずれにせよ、フェミニズムは女性の地位向上、果ては男女平等を目指す活動であるはずが、同時に女性とは何かという定義を更新し続けてきたわけです。
ところが、「じゃあLGBTQADを全て男性/女性に切り分けて定義するのか?」となってくると旧来の「女性の地位向上」という枠では立ち行かなくなってきたんですよね。
そこで、現在は「ジェンダー平等」がもっぱら議論のテーブルに上がっているように感じています。
特にリベラルなフェミニストは既に女性の地位向上というよりはジェンダー平等の方を目指しているのでは?
ジェンダー平等という言葉は、「男性/女性/それ以外全て」の性差を撤廃しようという活動なので、男女平等とは異なる概念です。
SDGsのゴールの一つにも名言されてますしね、ジェンダー平等。
特に有名なのは国連も賛同しているHeForShe活動でしょうか。
元々、2014年のエマワトソンの演説では性差の撤廃を述べながら、HeForSheの活動そのものは「フェミニズムは女性だけの問題じゃないから男性も一緒に話し合おう」と言うにとどめていたのですが、2016年頃から「そもそもフェミニズムって女性の地位向上目指してるっぽく見えるし、ちゃんとジェンダー平等を目指そう」って活動に切り替えています。
ただ、ここで気になるのは、エマワトソンの演説と安倍総理の演説の違いです。
エマワトソン演説ではかなり丁寧に「ジェンダー平等」という言葉を選んでいて、「男性も女性も他の性も大変だよね、だからお互い性でくくらない方法を考えようね」と述べているのに対して、当時の総理の演説では、「女性の人権向上」だけがお題目になっていました。
日本にとってのHeForSheの運動は、「ジェンダー平等」ではなくて「女性の地位向上」から変わっていない、ということです。
まぁ、HeForSheも英語の語義的には「女性のために男性は立ち上がれよ」って感じの意味なので、ジェンダー平等を掲げるつもりなら活動の名前も変えたらよかったのでは、と思わなくもないですが。誤解している日本人もかなりの数いるのでは。
ジェンダー平等と日本の考えの差異はエマワトソンのYouTubeの話と安倍総理のレポートの内容を見比べると「マジか」って思うと思います。
http://japan.unwomen.org/ja/news-and-events/in-focus/heforshe
http://japan.unwomen.org/ja/partnerships/japan-commitment
いえ、もちろんSDGsのゴール5だって「ジェンダー平等を達成し、女性の権利向上を」って言っているし、政治的なアプローチとしては未だに「女性の地位向上」をしないとダメってのが現状なのは世界的に見ても間違いないんですけど。
ということで、日本ではまだ「ジェンダー平等」よりも「女性の地位向上」の方がフェミニズムに求められている、というのが現状だと思います。
特にネットを眺めていると、本当にジェンダー平等を目指そうとしているフェミニストっているのか疑問を感じてしまうくらいに、ミサンドリー(男性嫌悪)が蔓延っているように感じています。
確かに、先述したレズビアン・フェミニストに代表されるような急進派のフェミニストは国内外問わずミサンドリー(男性嫌悪)をあからさまにしている人もおり、エマワトソンとかが頑張ってるのに未だに「フェミニスト→ラディカルフェミニスト→ミサンドリー→男性の敵」という理解がされているようにも思います。
日本でも「ポリコレ棒」という表現がありますが、それも上述のようなラディカルなフェミニスト(あるいはマスキュリスト)によって生まれた極端な例の叩き合いでしょう。
こうなると、そろそろ「フェミニスト」って言葉自体、あまり良い意味を持たなくなってしまったなぁ、と悲しくなっています。
例えば「右翼」にとっての「ネトウヨ」や「左翼」にとっての「ネトサ」のように、「極端な人を切り離す言葉」があれば良かったのですが、フェミニストはそれ自体が極端な人を表すレッテルになってしまっていて、今の日本でジェンダー平等を目指そうとする動きに、フェミニストやフェミニズムっていう言葉がノイズになってしまっているように感じます。
今回のトランスジェンダー(MtF/男性から女性に性転換した人)への強烈な差別だって、フェミニストの中には「生まれが男性であればそれは女性と認めない」という人が一定数いて、しかもそういう人が自分こそがフェミニストだとふるまっているから地獄になっているように感じます。
「ラディカルフェミニスト」って言葉が長いのでレッテルとしてあんまり良くないんですよね。ミサンドリストって言うのもなんかうーん、という感じです。
ということで、「ジェンダー平等を目指す人」ってのは本当は沢山いますし、フェミニストの中にもそういう人はたくさんいます。
ただ、もう、そういう人たちは少なくとも日本では「フェミニスト」を名乗ってもあまり得はないと思うので、なんかもっとかっこいい肩書を考えてください。