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2023-11-03

イスラエルはなぜガザに残虐な報復攻撃を行っているのか

1.ガザに住むパレスチナ住民ホロコーストを図っている

→全く違うと思う。ガザ地区には200万人以上の人口があり、今のペースではあと200倍の期間を同じ火力で攻撃し続けなければならない。それに執拗かつ徹底的な爆撃でもその地域の人々が全滅しないことは、何よりも日本人がよく知っているはずだ(ベトナム人もよく知っているだろう)。この人数を殺害するにはそれこそナチスドイツが行ったように収容して一か所に集めて殺し、焼却して埋葬する設備を用意してシステマチック殺害のための機関を作る必要がある。ナチスホロコーストは単なる瞬間的な殺害を超えてシステムとして熱量なく淡々ユダヤ人を集めて殺し続ける点において他と一線を画しており、軽々に持ち出すべきではない。

2.イスラエル民間人犠牲を最小限に留めようとしているが、ハマス掃討で止む得ない死者が出ているだけ

→これも違うように思う。パレスチナハマス)とイスラエル軍事力は相当な差があり、人質の救出だけなら得意の暗殺や単なる地上部隊の投入で済みそうなところを空爆まで仕掛けるのは明らかにおかしい。ハマスハマス人質用途拘留されている同胞テロリスト解放から空爆された程度で人質を殺すことはないだろうという読みかもしれないが、いくらなんでも乱暴すぎるように思える。一連の攻撃には政治的動機による報復ハマスインフラ破壊に伴う占領地域の再支配意図が透けて見える。アメリカも1000人殺されたらそりゃ報復必要だろうと支持した後で無茶苦茶攻撃ぶりを見て慌てて態度を変化させたのではないだろうか。

3.ハマスパレスチナ住民区別がつかない(つける気がない)ので、犠牲を気にせず攻撃している

→これが一番近いと思っている。ハマスガザ地区に突然湧いた悪のテロリストではなく、革命後のイランから影響を受けたパレスチナ住民からなる武装集団であるイランイスラム原理主義を引き継いでいるのでハマス目的は「イスラエルから弾圧に対する抵抗運動」などではなく「イスラエルの完全消滅」で、西側陣営から見るとちょっと対話がキツい集団である。この点でかつてイスラエルに何度もテロを仕掛けたPLOとは立場が明確に異なる。PLOイスラエルの和平が中途半端な形で止まりアラファト議長が死に、影響力が弱まるにつれてハマスパレスチナ住民の支持を受けて勢力を拡大、ガザ地区を実効支配するに至った。

そんなわけでイランの影はあるものハマス自体パレスチナからまれもので、他所から現れて無辜パレスチナ住民支配している連中ではない。そんなだから国連から送られる支援資金の何割かはハマス中抜きしているし、支援物資武器転用されている(過去にその件でガザ内でデモが起きたが、逆に言えばそれができるぐらいに行政機関もどきとして機能しているわけだ)。というわけでパレスチナ住民ハマスではないがパレスチナ住民ハマスという訳でもない、しかハマスは(本人らの自認はともかく)国家として成立していないし住民を守ろうという気もない(イスラエル攻撃することが最優先だ)ので、平気で民間人に紛れるし自爆テロもやる。自爆テロに関しては歴史が古く80年代からパレスチナ住民神の国に行けるだの殉教すれば殺されても実質勝ちだの言って教化自爆テロを指示してイスラエル軍人民間人わず殺傷しまくっている。

先述した通りハマス正規国家でも軍隊でもないし、その目的イスラエル消滅なので軍人民間人もなく殺す。そんな奴らが無辜パレスチナ住民に紛れて活動している。そんな状況でイスラエル側の指導者右派リクードパレスチナアラブ人なんて全部テロリストだろみたいな奴らとなると報復攻撃の在り方はガザ地区のパレスチナ人の全滅まではいかなくても「ハマス攻撃する上で現地人が何人死のうと知ったことか。パレスチナ人の犠牲いくら出てもハマスに損害を与えることが最優先だ。あそこにいる時点で大なり小なりハマスに与しているんだろう」という態度になり、今回のような惨状引き起こしたのではないだろうか。

これからどうなるのか?

首相ネタニヤフは右派リクード党首でありながら敵のハマス攻撃を許し、イスラエル側に空前の死者と捕虜を生み出してしまった時点で大幅な失点がある。そしてその失点を補うべく現在過激報復攻撃に出たと思われるが、当然そんな殺戮右派の多少の留飲を下げても既にイスラエル国内でデモが起きているように左派が強い拒否反応を起こす。紛争が続くにつれて200人以上の捕虜達も無事とはいかないだろうし、その結末が知らされる度に左右から先制攻撃を許した間抜け」と「大量殺戮イスラエル地位に泥を塗る悪党」のWバッシングは避けられないだろう。

イスラエル政治戦争テロを軸に左右に揺れているので、今回の紛争を機にネタニヤフは退陣総選挙中道カディマあるいは中道左派労働党らが政権を取るのではないだろうか。カディマガザ地区からの完全撤退を掲げているし、ガザ地区をPLOに引き渡して今度こそオスロ合意が履行される…期待が少しは持てるかもしれない。

しか中東に和平の兆しが生まれる度にイスラエル右派は自らの政治生命のために挑発行為を行い、パレスチナ過激勢力(とその後ろにいるイラン)もテロによってイスラエル憎悪を煽るのだった。人間はクソっすね。

余談

現在はクソ外道として名の知れたネタニヤフ首相も、若き頃は軍の精鋭として大規模なハイジャック事件解決のための突入部隊として活躍し、一方で別のハイジャック事件では同じく軍に入った兄を作戦で亡くしている。いずれもパレスチナ過激勢力によるテロだった。ハマステロリスト達が何の背景もなくハマスをやっているわけではないように、イスラエル右翼右翼をやっているだけの壮絶な理由がある。平和を実現するには右手握手しながら左手ナイフを払いのけ、あるいは刺されても握手継続しようとするとてつもない覚悟必要なのかもしれない。

2009-03-04

イスラエルの連立工作進まず、リクード主導は頓挫中

ネタニヤフ次期首相中道右派政権を構想、対立政党と連立を模索

イスラエル総選挙からすでに三週間が経った。

だがエルサレム政局は度し難く混迷の度を深めている。

第一党となったのは与党カディマ」だが、第二党「リクード」との議席差わずか、一議席イスラエル国会は定数120)。

基本的には第一党の党首が連立工作の主導権を握り、ほかの政党との話し合いを始めるのが通例だが、今回はそのしきたりを破ってペレス大統領は、リクードネタニヤフ党首(前首相)に組閣を命じた(憲法による)。

理由は大筋で右派連合議席数が左派連合より多いからだ。

ネタニヤフは、「大連立」構想が重要であるとして、対立する「カディマ」と最初に交渉を開始した。カディマ率いるのは女性外相のリブニ。美人でもある。

だが、ネタニヤフと会談後、リブニは「カディマ連立政権には参加しない」と繰り返した。

第四党に転落した「労働党」はバラク党首(国防相)が、「連立参加の見込みはある」としているものの、即断も出来ず、また第三党に躍進の「イスラエル我が家」というタカ派政党とは水と油関係で、バラクは、依然として世論の動向を見ている。

一方、引退表明しても、まだ首相の座に偶然居座るのがオルマルト首相だが、汚職事件で起訴される可能性が高い。

オルマルトは、米国ユダヤ富豪・タランスキーに便宜を図った見返りに賄賂を受け取った疑惑がある。

ネタニヤフはリクード幹部会でハマスロケット砲撃と経済危機に対応するためにも「大連合的な強力内閣組閣するのが国民要請である」として、中道左派を含む連立内閣構想をまだ模索している。

 このイスラエルの連立工作、明日の日本政局の縮図かも。

 
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