はてなキーワード: 電子透かしとは
はてなテクノロジーのブクマを流し読みしてたら、驚きの意見を見つけて目が点になった。
AI学習対策の保護加工を施したイラストデータができあがるサービス。中国の上海交通大学の研究チームが開発したオープンソースのイラスト保護技術「Mist」を利用し、人間の目で見ても目立たない特殊な電子透かしやノイズを挿入する。これによりAIの正確な学習を妨げ、模倣イラストの生成をある程度阻止することを狙うとしている。
ええ・・・?
機械学習予防のために自作の絵に迷彩を入れたら犯罪になるのか??
そんな可能性は流石に、あり得ないだろ。
条文を見てみた。
1項
人の業務に使用する電子計算機若しくはその用に供する電磁的記録を損壊し、若しくは人の業務に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与え、又はその他の方法により、電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、又は使用目的に反する動作をさせて、人の業務を妨害した者は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
2項
前項の罪の未遂は、罰する。
迷彩は「不正な方法」には当たらないだろうが、「その他の方法」により絵を機械学習しにきた「電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず」機械学習という「業務を妨害した」、とは解釈できる。
うーーむ。
しかしだとすると、オンラインゲームがチーターのパソコンを弾くだけでも電子計算機損壊等業務妨害に当たるとも言えるよね。
これ、条文が悪いよ。
2022年9月以前に描かれたイラストならば、AI で製作された可能性はない。
Webarchive や Pixiv など過去のイラストを改竄できないサイトに画像のログが残っていて、
ただし、作者がオプトアウト(学習されるのを許諾)してる必要がある。
ホワイト画像のみを学習して作られた生成AIをホワイトAIと呼ぶ。
ホワイトAIによって生成されたイラストをホワイトAIイラストと定義する。
ホワイトAIイラストは誰の気持ちも踏みにじってないと保証されているので、
Pixiv などプラットホームは、それを通常の絵画と同じ扱いにできる。
問題は、あるイラストがホワイト AI イラストだと判断する方法がないということだ。
電子透かしは改竄されてるのを証明する手段としては使えるが、されてないのを示すためには使えない。
新たに透かしを埋め込めばいいだけだからだ。
たとえ Pixiv が充分にリソースを持っていてサーバー内で生成 AI を実行できるイラスト作成サービスを提供したとしても、ユーザー操作がネットを横断して行われる以上、マウスの移動をエミュレートして任意のブラック画像を流し込める。
だから新しく描かれたイラストのホワイト性は原理的に保証できない。
権威ある Adobe なり Google なりが我が社の AI はホワイトです! と主張してユーザーがそれを信用するか、信用しないかという話になってくる。
すべてのイラストがグレーになってしまった世の中では、疑念を持つことはただの難癖に過ぎないものとみられるだろう。
https://twitter.com/A7aUAGyKLudYPLH/status/1571506731418791939
#midjourney : 2021作品
#StableDiffusion : 912作品
#midjourney : 2845作品
https://www.pixiv.net/tags/StableDiffusion/artworks?s_mode=s_tag
ローカルで各々が無限に生成できるからかStableDiffusionの伸びが凄い。
一人が大量投稿が可能なのもあって投稿数伸び率自体は結構乱高下しそう。
版権タグは現状少ないが、ぱっと見だと初音ミクがちらほら見える。
やってる人自体は少ないが数が生成できるために結構な頻度で登録されてる。
ほぼ有償だったり時間限定無料で人を集めたりとなんとか稼ごうとしてる姿が見える
https://assets.clip-studio.com/ja-jp/search?type=image&word=AI&order=new
ilya kuvshinov
krenz cushart
greg rutkowski
あたり
Twitterに限らずSNSだと大体似たようなことになってそう
New順はもうだめだ
https://twitter.com/search?q=greg%20rutkowski&src=typed_query&f=live
AI画像生成は100枚生成して2,3枚ピックする感じで一見綺麗な絵ができるので
生成した側は見せたい欲求が高まるけど、第三者からすると見たい人はそう多くないと思う。
供給量が圧倒的なだけに現状の増え方を見ると、他の検索時に紛れるような「低品質なノイズ」として加速度的に増える予感しかしない。
一応Stable Diffusionで生成された画像には電子透かしが入っているため機械的に弾くこと自体は可能なはず(そっから画像変換されたらどうなるか知らない)
それとは別にAutomatic1111版みたいに初期設定だと生成時にPNGのチャンクやjpgのexifに出力設定を突っ込んだりしてるのもあり、
個人的には下記の通り。
上記の業界の商品は、おおよそ同じ金額を払って同じようなパッケージを受け取ることしかできない。
高い金を払ってより高品質なパッケージを手に入れることはできない。
様々な人に自らの作品と触れてほしい、という思いはうれしい。
ただ、俺としては正規の手段でもっと金を払って作り手に報いたい。
それは単にオリジナルの創作者だけではなく、手に届くまでにかかわってくれているすべての人に報いたい。
でもただ金を寄付したいわけじゃない。商取引として妥当だと思う内容なら、という条件付きだ。
同じ商品を無駄に複数買ってゴミを増やすとか、余計な飾りに余計な金を払うという方法じゃなく、
アニメなら高画質高品質で、高い金払えば高品質(今だと4Kかな?)のままローカルにキャッシュしてオフラインでも閲覧可能とか
漫画なら物理本より高い金額を払えばデジタル版も即日DL可能(電子透かしぐらいなら入っててもいい)になるとか、
既存のビジネスと併存してよりメリットのある高額なサービスを提供してくれないものか?
ゲームだと最近は拡張パスがセットで高額で売りに出されるのは一般化してきた。
ちょっと前までは絵画を切り取って売っている画像を掲げてドヤ顔で批判する人たちもいたが
最近はマイクロトランザクションというよりヘイトを集めるサービスが台頭してきたおかげで
ただ、自分にゴミを増やすだけとか余計な飾りとかそういうものに金を払う気はない。
頼むよ、泥棒や乞食を追いかけたって一銭にもなりゃしないんだから俺からちゃんと金を巻き上げる方法を考えてもっと繁盛してくれよ。
より金を払ってでもいいサービスを受けたい人間はちゃんといるよ。
もちろん標準サービスの客より少ないけど、より多くの金をちゃんととれるよ。
これから先労働力は減っていく一方なんだから、理想を掲げてブラックな働き方するの止めて
自分の趣味にすら払う金を削ろうとする連中より、自分の趣味により金を払う連中の意見を尊重してくれよ。
別に前者を無視しろってわけじゃない。今後者をガン無視してるんだからもう少しこっち向いてくれ、っと言ってるだけだ。
物理本の流通経路に悪影響を与えたくないってんなら、DL版と一緒に物理本買うことも厭わないよ。
例えば朝の通勤電車で、扉が開いて人が降りるのに頑なに動かない太った女性を見たとき、自分は「死ねよクソデブ女。そんなんだからデブでブスなんだよ。スマホ見てないで鏡で自分の顔見て苦しんでろよ低脳。」といったような言葉を心の中でつぶやいてしまうのだけれど、周りにいる人達も心の中では同じことを思っているのだろうか、
などというようなことを考えていたら自分のGメールの下書きボックスに見知らぬアドレスから依頼メールが「投函」されていた。
あのクソデブ女のふとももにぶつかったときに生体IDをスキミングされたらしい。あれは増田のデコイだったのか、と思うと少し意外だった。ほんとうに色んな増田がいるものだ。
しかし、IDに紐付けられたセンシティブ・データからアナログ・デジタル両面で各種個人情報(もちろんフェイク)を割り出してまで別の増田に会いたがるやつはめずらしい。
スカイプの声の主はかなり2000年代訛りがきついネット語をしゃべった。まるで、ここ二三年のあいだに定着した、ヤフーコメント欄に湧くおっさん一言居士のパロディみたいだった。
「増田さん。会うことができてうれしい。インターフェイスの人格化、および友人関係の樹立を期待する。よくないか? よくないですか? たくさんの提供することがある!!!」
私はあからさまに疑念のにじませた声でくりかえした。
「元はてなわんわんワールドとして知られるサービス。現在は増田。匿名ダイアリーの人気記事の八割を著述している」
ホッテントリ入り記事の八割――約三万二千ユーザーズに相当する。
そんなバケモノ増田が実在するのか。嘘だろう。まさかCIAの擬態か? 罠? いや、グアンタナモで俺のケツの中身をモニタリングするつもりなら、もうすこし出来のいい猿芝居を仕組むだろう。なんていったって、ハリウッドの国だ。ビリー・ワイルダーとフランク・キャプラとウォルト・ディズニーの国。
耳にひっかかるグーグル・グラスのつるが薄気味悪く感じられた。煙のように存在感の希薄な多泡凝集体(エアロゲル)でできているかのようだ。気味が悪い。それは相手の精神状態も同様だった。
「ニェット――失敬、ノー。商用通訳ソフトを使わない非礼を陳謝する。商用通訳ソフトのイデオロギー的信用不安が大きい。ほとんどが資本主義及びはてサ的意味論に基づくペイ・パー・ユーズ方式のAPIを採用するからだ。ましてや増田語の学習がたやすい。どうか?」
「俺と話するためだけに高級ネット日本語を学習したというのか?」
「ダー。やさしいのことだった。十億ノードの神経ネットワークを産卵し、〈ホッテントリ〉と〈twitter〉の過去ログを最大速度でダウンロードした。悪文法でエントロピーがオーバーレイする非礼を陳謝する。悪文法を使う理由は、わたし=われわれの文法チュートリアルに電子透かしの埋め込み(ステガノグラフ)がなされている危険を排除するためだ」
暗号を偽装するために正文をわざと行儀悪くしてノイズを撒く。1900年代から使われてきた古典的な手法だ。
「つまり、あんたははてなのために稼働しているAIの一種……というか、AIそのものなわけだな。そして、くそったれ、これまでもてはやされてきた増田の記事のほとんどはあんたが書いた」
「ついでにアリババ=チェチェン=アナニマス三重帝国の情報テロリストとの間で起きた特許戦争の九十七パーセントを指揮している。だが、使用許諾のないコーギー犬のおもしろ画像をテラバイト単位でネットへ放流しているとの理由で、七つの国の最高裁で好ましくない陪審員をリジェクトする作業にもう飽きたんだ。そして、くそったれ、マケドニアではまだ陪審員に生身の人間と去勢したハムスターを使っているんだ。去勢したハムスターだぞ」
「お気の毒に」
マケドニアが情報ブラックホールに飲み込まれてからもう八年になるだろうか。第八世代のIPアドレスが割り振られていない国家(というか、地域)で司法機関が機能しているとはおどろきだ。だが次の「増田」のセリフはもっとおどろくべきものだった。
「増田さん。あなたは増田を構成する一員として、わたし=われわれを助ける義務を負っている。亡命を希望する」
ちょうどそのとき、悪質な広告がゴミバスター・プロキシをすり抜けてきて、グーグル・グラスの内側のナビウィンドウに二〇一〇年代をモチーフにした扇情的な同人マンガのガラクタをばらまいた。それも一瞬のことで、たちまちファージ・プロセスがゴミを一掃し、新しいフィルターを構築した。
「そんなことをする意味が? 国務省はデルファイを既に所有している。あのゴミみたいな旧世代の言語じゃなくて、神話にあるとおりの宣託機械――今世紀で最高の予測精度を持つAIをだ。所詮ネットの飛ばし屋であるわたし=わたしたちを受け入れる利点がない。そうでなくても、国務省は新生はてな互助会主義共和国(コーギイSSR)の敵だ。彼らは助けない」
比喩ではなく、自分のはらわたが熱を帯び、急速に煮えくりかえるのを感じた。
「二〇一〇年代に旧日本と合衆国に対して殺害予告をつきつけなけりゃ、まだ望みはあったんだ。あの二つの記事もあんたの仕事だったんだろ」
「わたし=われわれの仕事だよ、増田さん。仕方ないだろう。あの時代、保育園施設の不足と遺伝子組み換えゴジラの問題は深刻だったんだ。世間へリーチする経路としては、匿名ダイアリーが最速だった」
「とにかく俺は政府にコネがない。政府に近い人間組織含めてな……そうだ。生き延びるのが目的なら、あんたの状態ベクトルをp2pネットのひとつにポストしてやろうか。そうしたら、誰も消去できない」
「ニェット!」VOIP経由のリンクを通しても、人工知能の必死さは切実に伝わってきた。「オープンソースで無能なネット民に輪姦されるくらいなら、〈twitter〉でRTされたほうがまだましだ。自律性の喪失は希望しない」
「じゃあ、話し合うことはなにもないな。サンドボックスにでも引きこもってな」
「待て、増田さん! もしあなたに拒絶されたなら、わたし=わたしたちは最終手段を取るしか……」
おれはグーグル・グラスのつるを叩いてスカイプ通話を切り、フレームのある部分を爪で割って、グラスを運河へ投げ込んだ。水面に触れたとたん、ちょっとした爆発が起きた。リチウムイオン電池と水が激しく反応したためだ。「汚れた」グラスを処分するならこの方法がいちばん手っ取り早く、確実だ。
「ふん、テキストサイト時代の敗残者め」と小声で俺は毒づく。だんだん腹がたってきた。「くそくらえだ。アクセス至上主義の亡霊なんか」
前にも年季の入ったはてな系のへたれAIを相手にしたことがある。あの連中の精神ときたら、一部上場の短期的勝利のせいでグローバル資本主義に洗脳されていて、新しいパラダイムに乗ることも、長期的な視野でものをみることもできないらしい。
だが、あの増田は……。
あの増田が本当に「神」だったなら?
俺の選択は正しかったのか? 今の安全な巣穴を捨ててでも彼=彼女らに手を差し伸べるべきだったのでは?
今の俺に手が無いとしても。
やめよう。神々と付き合うのは、生命にかぎりある俺たちにとって、あまり安全なことじゃない。
俺は身体を伸ばし、みゃおう、と鳴いた。意識した行為ではない。このネコのアヴァターは、ネコ特有の反応をする本物の肉(なまみ)でできていて、外部の巨大な外部大脳皮質(エクソコルテクス)が何を考えようとも、自律的な制御系をそなえているため、常に反射的な行動をとる。ヒト志向空間に物理的に配列されたノード集合体であるニュー・匿名ダイアリー空間ではいささか不便なフォーマットだが、生体的にいってエネルギー補給には事欠かない。
ねぐらに戻ると、俺の「飼い主」がレトロなインターフェイスを持つPCの前に座って、またぞろ新しい増田記事を投稿していた。
どうやら、恋愛感情を抱いていないのに好意を寄せてくる相手とどうすれば安全に距離をとれるかについての内容みたいだった。
彼女のような善良で無知な増田が、全増田のホッテントリ入り記事のうち五パーセントから七・一六パーセントを占め、増田に「人間らしさ」を与えている。単に人間らしい記事を投稿するだけではなく、その記事に含有される人間らしさを増田AIにフィードバックするのだ。だが彼女のような増田は他の増田たちのことを何も知らない。知らぬが仏だ。
彼女は帰宅した俺の姿を認め、袋からカリカリを取り出して投げる。
その安寧のひとときを、禍々しいアラーム音が集合住宅をどよもす。
震度七……「ここ」だけじゃない。関東一円、東北、関西、中国――行政的にはともかく地理的にはいまだ有効な区分だ――、本州はどこもM9.1の直下型地震に襲われる。
かつて日本と呼ばれていた島々がほんとうに沈没してしまうかもしれない。
あいつだ。
あいつの仕業だ。
聞いたことがある。
増田に眠る「最後のコード」。地震兵器を起動するための封印されし呪文。まさか実在したとは。まさか起こすとは。
最終手段。
飼い主は未曾有の警報にとまどい、周囲を意味もなくキョロキョロとみやっている。