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はてなキーワード: 軍縮とは

2024-01-26

anond:20240126183251

9.「平和基本法から佐藤優現象〉へ

 〈佐藤優現象〉を支えている護憲派の中心は、雑誌としては『世界』であり、学者では山口二郎和田春樹である。この顔ぶれを見て、既視感を覚える人はいないだろうか。すなわち、「平和基本法である。これは、山口和田らが執筆し、共同提言として、『世界』一九九三年四月号に発表された。その後、二度の補足を経ている(56)。

 私は、〈佐藤優現象〉はこの「平和基本法からの流れの中で位置づけるべきだと考える。

 同提言は、①「創憲論」の立場、②自衛隊合憲化(57)、③日本経済的地位に見合った国際貢献必要性、④国連軍国連警察活動への日本軍の参加(58)、⑤「国際テロリスト武装難民」を「対処すべき脅威」として設定、⑥日米安保の「脱軍事化」、といった特徴を持つが、これが、民主党の「憲法提言」(二〇〇五年一〇月発表)における安全保障論と論理を同じくしていることは明白だろう。実際に、山口二郎は、二〇〇四年五月時点で、新聞記者の「いま改憲必要なのか」との問いに対して、「十年ほど前から護憲立場から改憲案を出すべきだと主張してきた。しかし、いまは小泉首相のもとで論理不在の憲法論議が横行している。具体的な憲法改正をやるべき時期ではないと思う」と答えている(59)。「創憲論」とは、やはり、改憲論だったのである

 同提言の二〇〇五年版では、「憲法九条の維持」が唱えられているが、これは、政権が「小泉首相のもと」にあるからだ、と解釈した方がいいだろう。「平和基本法」は、戦争をできる国、「普通の国」づくりのための改憲である。同提言軍縮を謳っているが、一九九三年版では、軍縮は「周辺諸国軍縮過程と連動させつつ」行われるとされているのだから北朝鮮中国軍事的脅威が強調される状況では、実現する見込みはないだろう(60)。また、「かつて侵略したアジアとの本当の和解」、二〇〇五年版では、周辺諸国への謝罪過去清算への誠実な取組みの必要性が強調されているが、リベラル過去清算は終わったと認識しているのであるから、これも実効性があるとは思えない。要するに、同提言には、論理内在的にみて、軍事大国化への本質的な歯止めがないのである

 佐藤が語る、愛国心必要性(61)、国家による市民監視(62)、諜報機関の設置等は、「普通の国」にとっては不可欠なものである佐藤饒舌から私たちは、「平和基本法」の論理がどこまで行き着くかを学ぶことができる。

 馬場は、小泉純一郎首相(当時)の靖国参拝について、「今後PKOなどの国際的軍事平和維持活動において殉死殉職した日本人の慰霊をどう処理し追悼するか、といった冷戦後平和に対する構想を踏まえた追悼のビジョンもそこからは得られない」と述べている(63)。逆に言えば、馬場は、今後生じる戦死者の「慰霊追悼施設必要だ、と言っているわけである。「普通の国」においては、靖国神社でないならば、そうした施設はもちろん、不可欠だろう。私は、〈佐藤優現象〉を通じて、このままではジャーナリズム内の護憲派は、国民投票を待たずして解体してしまう、と前に述べた。だが、むしろ、すでに解体は終わっているのであって、「〈佐藤優現象〉を通じて、残骸すら消えてしまう」と言うべきだったのかもしれない。

 ここで、テロ特措法延長問題に触れておこう(64)。国連本部政務官川端清隆は、小沢一郎民主党代表の、テロ特措法延長反対の発言について、「対米協調」一辺倒の日本外交批判しつつ、「もし本当に対テロ戦争への参加を拒絶した場合日本には国連活動への支援も含めて、不参加を補うだけの実績がない」、「ドイツ独自イラク政策を採ることができたのは、アフガニスタンをはじめ、世界の各地で展開している国連PKOや多国籍軍に参加して、国際社会を納得させるだけの十分な実績を積んでいたかである。翻って日本場合多国籍軍は言うに及ばず、PKO参加もきわめて貧弱で、とても米国国際社会理解を得られるものとはいえない」と述べている(65)。

 元国連職員吉田康彦は「国連憲章の履行という点ではハンディキャップなしの「普通の国」になるべきだと確信している。(中略)安保理決議による集団安全保障としての武力行使には無条件で参加できるよう憲法の条文を明確化するのが望ましい」と述べている(66)。川端吉田の主張をまとめれば、「対米協調一辺倒を避けるため、国連PKOや多国籍軍軍事活動積極的に参加して「国際貢献」を行わなければならない。そのためには改憲しなければならない」ということになろう。民主党路線と言ってもよい。今の護憲派ジャーナリズムに、この論理反論できる可能性はない。「8」で指摘したように、対北朝鮮武力行使容認してしまえば、改憲した方が整合性があるのと同じである

 なお、佐藤は、『世界』二〇〇七年五月号に掲載された論文山川均の平和憲法擁護戦略」において、「現実国際政治の中で、山川ソ連侵略性を警戒するのであるから、統整的理念としては非武装中立を唱えるが、現実には西側の一員の日本を前提として、外交戦略を組み立てるのである。」「山川には統整的理念という、人間努力によっては到底達成できない夢と、同時にいまこの場所にある社会生活改善していくという面が並存している」と述べている。私は発刊当初この論文を一読して、「また佐藤柄谷行人への点数稼ぎをやっている」として読み捨ててしまっていたが、この「9」で指摘した文脈で読むと意味合いが変わってくる。佐藤は、「平和憲法擁護」という建前と、本音が分裂している護憲派ジャーナリズムに対して、「君はそのままでいいんだよ」と優しく囁いてくれているのだ。護憲派ジャーナリズムにとって、これほど〈癒し〉を与えてくれる恋人もいるまい(67)。

10.おわりに

 これまでの〈佐藤優現象〉の検討から、このままでは護憲派ジャーナリズムは、自民党主導の改憲案には一〇〇%対抗できないこと、民主党主導の改憲案には一二〇%対抗できないことが分かった。また、いずれの改憲案になるにしても、成立した「普通の国」においては、「7」で指摘したように、人種差別規制すらないまま「国益」を中心として「社会問題」が再編されることも分かった。佐藤沖縄でのシンポジウムで、「北朝鮮アルカイダの脅威」と戦いながら、理想を達成しようとする「現実平和主義」を聴衆に勧めている(68)が、いずれの改憲案が実現するとしても、佐藤が想定する形の、侵略植民地支配反省も不十分な、「国益」を軸とした〈侵略ができる国〉が生まれることは間違いあるまい。「自分国家主義者じゃないから、「国益」論なんかにとりこまれるはずがない」などとは言えない。先進国の「国民」として、高い生活水準や「安全」を享受することを当然とする感覚、それこそが「国益」論を支えている。その感覚は、そうした生存の状況を安定的保障する国家先進国主導の戦争積極的に参加し、南北格差固定化を推進する国家―を必要とするからだ。その感覚は、経済的水準が劣る国の人々への人種主義、「先進国」としての自国を美化する歴史修正主義の温床である

 大雑把にまとめると、〈佐藤優現象〉とは、九〇年代以降、保守派大国路線に対抗して、日本経済的地位に見合った政治大国化を志向する人々の主導の下、謝罪補償必要とした路線が、東アジア諸国民衆の抗議を契機として一頓挫したことや、新自由主義の進行による社会統合破綻といった状況に規定された、リベラル左派危機意識から生じている。九〇年代東アジア諸国民衆から謝罪補償を求める声に対して、他国の「利益のためではなく、日本私たちが、進んで過ちを正しみずから正義回復する、即ち日本利益のために」(69)(傍点ママ歴史清算を行おうとする姿勢は、リベラル内にも確かにあり、そしてその「日本利益」とは、政治大国を前提とした「国益」ではなく、侵略戦争植民地支配可能にした社会のあり方を克服した上でつくられる、今とは別の「日本」を想定したものであったろう。私たちが目撃している〈佐藤優現象〉は、改憲後の国家体制に適合的な形で生き残ろうと浮き足立リベラル左派が、「人民戦線」の名の下、微かに残っているそうした道を志向する痕跡消失もしくは変質させて清算する過程、いわば蛹の段階である改憲後、蛹は蛾となる。

 ただし、私は〈佐藤優現象〉を、リベラル左派意図的計画したものと捉えているわけではない。むしろ無自覚的、野合的に成立したものだと考えている。藤田省三は、翼賛体制を「集団転向寄り合い」とし、戦略戦術的な全体統合ではなく、諸勢力からあいもつあいがそのまま大政翼賛会に発展したからこそ、デマゴギーそれ自体ではなく、近衛文麿のようなあらゆる政治立場から期待されている人物統合象徴となったとし、「主体が不在であるところでは、時の状況に丁度ふさわしい人物実態のまま象徴として働く」、「翼賛会成立史は、この象徴人物の未分性という日本政治特質をそれこそ象徴的に示している」と述べている(70)が、〈佐藤優現象〉という名の集団転向現象においては、近衛のかわりに佐藤が「象徴」としての機能果たしている。この「象徴」の下で、惰性や商売で「護憲」を唱えているメディア、そのメディア追従して原稿を書かせてもらおうとするジャーナリスト発言力を確保しようとする学者、無様な醜態晒す本質的には落ち目思想家やその取り巻き、「何かいいことはないか」として寄ってくる政治家や精神科医ら無内容な連中、運動に行き詰った市民運動家、マイノリティ集団などが、お互いに頷きあいながら、「たがいにからあいもつれあって」、集団転向は進行している。

 ところで、佐藤は、「仮に日本国家国民が正しくない道を歩んでいると筆者に見えるような事態が生じることがあっても、筆者は自分ひとりだけが「正しい」道を歩むという選択はしたくない。日本国家同胞日本人とともに同じ「正しくない」道を歩む中で、自分が「正しい」と考える事柄の実現を図りたい」と述べている(71)。佐藤は、リベラル左派に対して、戦争に反対の立場であっても、戦争が起こってしまたからには、自国国防、「国益」を前提にして行動せよと要求しているのだ。佐藤賞賛するような人間は、いざ開戦となれば、反戦運動を行う人間異端者扱いするのが目に見えている。

 この佐藤発言は、安倍晋三首相の目指していた「美しい国」づくりのための見解とも一致する。私見によれば、安倍の『美しい国へ』(新潮新書、二〇〇六年七月)全二三二頁の本のキモは、イランでのアメリカ大使館人質事件(一九七九年)をめぐる以下の一節である。「(注・反カーター陣営の)演説会で、意外に思ったことがある。人質事件に触れると、どの候補者もかならず、「私は大統領とともにある」(I am behind the President.)というのだ。ほかのことではカーターをこきおろす候補者が、そこだけは口をそろえる。/もちろん、人質にされている大使館員たちの家族配慮するという意図からだろうが、アメリカ一丸となって事件対処しているのだ、という明確なメッセージを内外に発しようとするのである国益からむと、圧倒的な求心力がはたらくアメリカ。これこそがアメリカの強さなのだ。」(八七~八八頁)

 文中の、「人質事件」を拉致問題に、「大統領」を安倍に、「アメリカ」を日本に置き換えてみよ。含意は明白であろう。安倍は辞任したとはいえ総連弾圧をめぐる日本言論状況や、〈佐藤優現象〉は、安倍の狙いが実現したこと物語っている。安倍政権は倒れる前、日朝国交正常化に向けて動きかけた(正確には米朝協議の進展で動かされたと言うべきだが)が、こうなるのは少なくとも今年春からは明らかだったにもかかわらず、リベラル左派の大多数は、「日朝国交正常化」を公然と言い出せなかった。安倍政権北朝鮮外交に敗北したのは明らかである。だが、日本リベラル左派安倍政権ときに敗北したのである

 〈佐藤優現象〉は、改憲後に成立する「普通の国」としての〈侵略ができる国〉に対して、リベラル左派の大部分が違和感を持っていないことの表れである侵略植民地支配過去清算在日朝鮮人人権擁護も、そこには含まれる)の不十分なままに成立する「普通の国」は、普通の「普通の国」よりはるかに抑圧的・差別的侵略的にならざるを得ない。〈佐藤優現象〉のもとで、対北朝鮮武力行使の言説や、在日朝鮮人弾圧の言説を容認することは、戦争国家体制に対する抵抗感を無くすことに帰結する。改憲に反対する立場の者がたたかうべきポイントは、改憲護憲(反改憲)かではない。対北朝鮮武力行使容認するか、「対テロ戦争」という枠組み(72)を容認するかどうかである容認してしまえば、護憲(反改憲)派に勝ち目はない。過去清算も不十分なまま、札束ではたいて第三世界諸国の票を米国のためにとりまとめ、国連民主的改革にも一貫して反対してきた日本が、改憲し、常任理事国化・軍事大国化して、(国連主導ではあれ)米軍中心の武力行使を容易にすることは、東アジア世界平和にとって大きな災厄である(73)。

改憲戦争国家体制拒否したい人間は、明確に、対北朝鮮武力行使の是非、対テロ戦争の是非という争点を設定して絶対的に反対し、〈佐藤優現象〉及び同質の現象を煽るメディア知識人等を徹底的に批判すべきである

(1)岩波書店労働組合「壁新聞」二八一九号(二〇〇七年四月)。

(2)ブログ「猫を償うに猫をもってせよ」二〇〇七年五月一六日付。

(3)ただし、編集者佐藤右翼であることを百も承知の上で使っていることを付言しておく。〈騙されている〉わけではない。

(4)「佐藤優という罠」(『AERA』二〇〇七年四月二三日号)中のコメントより。

(5)インターネットサイトフジサンケイ ビジネスアイ」でほぼ週一回連載中の〈 Permalink | 記事への反応(0) | 18:37

2023-10-18

anond:20231018221025

から軍縮会議の後、若槻礼次郎追従してロシア帝国に負けた後のスウェーデン覇権を諦め国際社会でまあまあの立ち位置を築きつつ内政問題に取り組む)と同じ道を辿ることは絶対にできなかった、と

2023-08-27

理由が明確】IAEA非科学的であり、日本人日本政府バカしかいない

科学的」というIAEA報告書の「非科学的」な説明方式

登録:2023-07-11 06:13 修正:2023-07-11 07:35

https://japan.hani.co.kr/arti/politics/47262.html

一体どういう点をもって非科学的だと断定しているのかを挙げてみよう

発表の形式科学的ではない

 韓国政府与党国際原子力機関(IAEA)が行った福島第一原発汚染水海洋放出計画安全性をめぐるレビューの「科学性」を強調してきた。果たしてそうだろうか。IAEAの最終報告書の発表から韓国を訪れたラファエルグロッシ事務局長の3日間の活動までの過程取材記者として見守った限りでは、検討科学性はさておき、少なくとも検討の結果を発表し説明する方式はあまり科学的ではない。

 科学的な結論を発表する時は、内容に劣らず形式重要だ。形式における不備は内容の不備を反映するものと考えられるためだ。このような点で4日のIAEAの最終報告書の発表は、3カ月前に行われた「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)の「気候変動評価報告書統合報告書」の発表と対比を成している。

 科学的な結論を発表する時は、内容に劣らず形式重要だ。形式における不備は内容の不備を反映するものと考えられるためだ。このような点で4日のIAEAの最終報告書の発表は、3カ月前に行われた「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)の「気候変動評価報告書統合報告書」の発表と対比を成している。

 IPCCは1カ月前から発表日程を公示し、発表と同時に世界マスコミのためにオンラインオフライン記者会見を同時に開いた。報告書の主要著者たちが出席した中、記者団の質問に答えたのはもちろん、個別インタビューにも応じた。2年前の「自然科学根拠報告書発表の時も、昨年の「影響・適応脆弱性」「気候変動緩和」報告書発表の時も同じだった。

発表の形式HPに発表しただけで岸田の求めに応じている

 IAEAは最終報告書グロッシ事務局長岸田文雄首相に提出する「イベント」を経て、ホームページに載せただけだ。用役遂行者が用役発注者用役の結果物を提出することを連想させるこのイベントは、報告書性格を表わした象徴的場面だ。

IAEAの発表する目的日本からの依頼に基づいているもの中立的ではない

 IAEA事実上、当初から海洋放出計画レビューが「安全海洋放出支援してほしいという日本要請」により、「日本委任事項(TOR)に署名」し、「検討範囲合意」したうえで進められることを明らかにしてきた。IAEAはこれらの活動を、加盟国支援する「検討任務及び諮問サービス」に分類する。このような活動汚染水海洋放出をめぐる賛否両論のある中で行われた「中立的検証」だと主張することこそが、フェイクニュースに近い。

記者会見質問すらできない

検討が始まった背景とは別にレビュー過程のもの科学的かもしれない。しかし、少なくとも説明過程科学的な発表とは言えないものだった。科学的だと主張するためには、レビューを行った専門家たちがマスコミと同僚の専門家の前に出て、厳しい質問に答えなければならない。

 グロッシ事務局長はこれらの専門家マスコミの前に出さず、一人で説明の機会を独占している。しかも、その説明も不十分だ。グロッシ事務局長は今回、説明のために韓国を来たと言いながらも、記者会見も開かず、好みのマスコミ数社を選んでインタビューを行っただけで訪韓日程を終わらせた。マスコミ5社と個別インタビューするよりも時間節約になったはずの記者会見をしなかった理由は、「困難な質問を避けるため」以外には考えられない。

グロッシは専門家ではない

 グロッシ事務局長原子力放射線などを専門とする科学者ではない。国際関係政治学を学び、核拡散防止と軍縮分野でキャリアを積んできたアルゼンチン出身外交官だ。本人は認めたくないかもしれないが、報告書科学的に説明するのに適した専門家とは言えない。原発汚染水について「飲んでも良いし、その中で泳ぐこともできる」とした発言科学ではなく、外交政治言語だ。「私たち安全だと言えばそのまま信ぜよ」と脅すような非科学的な説明は、報告書に対する信頼をむしろ落とすだけだ。

特に科学者でない点

原発汚染水について「飲んでも良いし、その中で泳ぐこともできる」とした発言科学ではなく

IAEA非科学的な点はここに象徴される。

飲んでもいいし、泳ぐことができる。

たとえばプールの水で金魚生活できるか?

もちろんできない。塩素死ぬしか人間はこのような濃度の塩素でも飲めるし、泳げる。

よって、これは海洋放出ができる理由ではない。これは完全に科学的にアウト。

したがってIAEAお墨付きには中立性も科学性もない、これが現実

2023-04-03

内田樹記事事実誤認が多すぎて体調崩しそうになった

ネタ

http://blog.tatsuru.com/2023/04/02_0947.html

賛成できる部分もあるが、個別の具体例に対して事実認識が古いか間違っている内容が多すぎて、読んでて気分悪くなった

一つは米国に徹底的に追随すること

外圧を利用して政策を通す、といういつも通りの政府のやりかたであって、米国のいいなりと言い切ってしまうのは一面的にすぎない。米国日本要求している事項は多くあるが、日本にとって都合のいい要求だけ呑んでいる。例えば、米国ははロシアへの経済制裁圧力をかけているが、日本サハリン2から撤退する気配はない。米国へ徹底的に追従するというなら、今すぐにでもサハリン2から撤退してしかるべきだが、そうしていない。

国民がこの大きな増額にそれほど違和感を覚えないで、ぼんやり傍観しているのは、安全保障戦略について考えるのは日本人の仕事ではないと思っているかである

でたよ雑な日本人論。安全保障について考えるのが政府仕事というのは世界共通であり、別に日本に限ったことではない。日本人が平和ボケしているという人は多いが、実際平和なのだからしょうがない。ウクライナ戦争が始まってから慌てて軍縮撤回しているドイツなど見てわかる通り、平和ボケ別に日本に限ったことではない。紛争を抱えていない国はたいていこんなもんであるロシア中国隣国とは言えども海を隔てているのであり、例えばロシアと陸続きの東欧などとは、安全保障に対する意識の差は比べようもない。世界中積極的揉め事引き起こしているアメリカでさえ、一般国民の大半は安全保障に関しては無関心で、日本人より関心を持っていないまである共和党の有力な大統領候補ポピュリスト二人がウクライナへの関与を減らせと言って支持を得ているのが、その証左だ。

安全保障戦略米国が起案する。日本政府はそれを弱々しく押し戻すか、丸呑みする。戦後80年、それしかしてこなかった。その点では日本政府の態度は戦後80年一貫しており、岸田政権別に安全保障政策の「大転換」したわけではない。政権によって米の要求に従うときの「おもねりかた」の度合いが多少違うだけであり、そこにはアナログ的な変化しかない。だから国民は誰も驚かないのである

最近日本外交政策を全く追いかけられていない無能アピールか?俺は安倍首相政策に対してはかなり批判的な方と思っているが、「外交安倍」に関してはかなり評価している。というのも、QUAD提唱したのが安倍からだ。QUADが始まったのが2007年アメリカが対中シフトを始めたのが2011年であることを考えると、むしろ日本アメリカ外交政策を動かしたといっても過言ではない。いや、過言かもしれないが、少なくともアメリカのいいなりになってQUADを始めたわけではないというただ一点において、内田樹の言説は全く持って誤っていると言わざるを得ない。安倍首相時代安全保障政策は大転換しており、そして、その時の外務大臣は岸田である安倍政権がクソであったことはさておき、日本外交安保政策における主体性は正しく評価されるべきである

岸田首相の党内の政権基盤は決して堅牢ものではない。だから長期政権をめざすなら、米国からの「承認」がその政治権力生命線となる。ホワイトハウスから米国にとってつごうのよい統治者」とみなされれば政権の安定が保証されるし、少しでも「米国に盾突く 」そぶりを示せば、たちまち「次」に取って替わられ、政権は短命に終わる。

陰謀論。まだGHQ日本駐留してるならともかく、21世紀現代でそれは無理がある。日本アメリカ属国であるという命題から逆算した結果、とんでもない主張をしているとしか思えない。属国であるということは否定しない。外国軍隊駐留していて、その駐留費用日本負担しており、外国軍隊治外法権享受している事実を列挙してみれば、属国扱いもしょうがない。だが、現代アメリカに、その時の気分次第で日本首相の首を挿げ替えるような力があるのだろうか。いやない。あるなら事例を出せよという感想しかない。菅首相アメリカのいうことを聞かなかったかアメリカに首を挿げ替えられたとでも思っているのだろうか。

岸田政権にはとりわけ実現したい政策があるわけではない。最優先するのは「政権延命」だけである。喩えて言えば、船長目的地を知らない船のようなものである自公連立政権という「船」を沈めないことだけが目下の急務であり、岩礁や氷山が目の前にきたら必死に舵を切って逃げる。だが、どこに向かっているのかは船長自身も知らない。

岸田首相安倍首相外交安保政策主体的継承、推進しているので、指摘は当たらない。岸田首相動機に関しては、本当かどうかはともかく、NHKの以下の記事示唆である

https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/93812.html

総理周辺はこう解説する。「岸田さんは安倍さんが成立させた、集団的自衛権などを盛り込んだ安全保障法制の体系を機能させるために、防衛力を量的・質的な面で担保していくのが自分仕事だと、よく語っている」岸田は第2次安倍政権で、4年半余り外務大臣経験短期間だが防衛大臣兼務した。国民の命を守るため、最優先は外交努力だとしながらも、外交説得力を持たせるためには防衛力必要だという考えを持つに至った。「安倍さんの“バトン”を自分はつなぐ」

それが、岸田の信念だという。その言葉の裏には、安倍が亡くなる直前まで防衛費の大幅増を主張し、最大派閥安倍派の議員たちも、その遺志の実現を重視する声を強めていたという政治状況もあったとみられる。

国民の声を聴く」とか「個性多様性尊重する」とか「新しい資本主義」とか公約を掲げていた時は、首相になれば少しはこのシステムをいじれると思っていたのだろうが、実際に船長になってみたら「お前が動かしてよい舵輪の角度はここからここまで」と言われ、ほとんど政策選択の自由がないことを思い知らされた。

これは同意。まあ選挙向けの適当アピールだったんだろうが、特に「新しい資本主義」の中身のなさっぷりにはかなり失望した。何をどうやったら再分配が消えて投資連呼になるんだよ、内容が180度転換してるじゃん。これこそ国民をナメてるとしか思えない。

今回の防衛予算の積み上げも、まず米国から要求があり、それに合うように予算が組まれさらにその予算枠に合うように、「中国北朝鮮の脅威」なる「現実」が想定されている。ふつうの国なら、まず現実認識があり、それに基づいて国防戦略が立てられ、それに基づいて必要経費が計上されるのだが、今の日本はみごとにそれが逆立しているのである

ここに関しても同意金額ありきなのは本当に意味不明アメリカから外圧を利用しての2%なのは構わないが、予算の内容について防衛省と調整してから出せよ。それを悠長に待ってたらタイミングを逃すから、という極めて政局的な判断なのであれば、それは批判されてしかるべき。

日本政府が購入を決めたトマホークにしても、その前に「爆買い」したF35戦闘機にしても、米国内でははっきりと「使い物にならないほど時代遅れ(レガシープログラム)」の兵器とされている。中国との競争において、米国AI軍拡で後れを取っている。もう大型固定基地空母戦闘機時代ではない。AIに優先的に予算を投じるべきなのであるしかし、米国には軍産複合体という巨大な圧力団体があって、国防戦略に強い影響を及ぼしている。兵器産業にいま大量の在庫が残されている以上、それを処理しなければならない。だから、それを日本に売りつけるのである日本に不良在庫を売りつけ、それで浮いた金を軍のヴァージョンアップに投じる。そういう「合理的な」メカニズムである

ここに関しては完全に誤認している。情報が間違ってるし古い。開発中は開発期間の延期と開発費の高騰で失敗作扱いされることもあったF-35も、今では様々な不具合が改修され、最新鋭の戦闘機として各国に順次導入されている。本当に時代遅れの欠陥機なら、米国と仲が悪いトルコがわざわざF-35供与要求するわけないじゃん。トマホークも初出は古いものの常にアップデートされており、日本が購入するブロックVは2021年開発である亜音速巡航ミサイルが古いという言説も、ロシアウクライナ戦争前に自慢していた超音速ミサイルが期待通りの成果を上げていないことを見れば、何言ってんだこいつしか思えない。

米国AI軍拡で後れを取っているという言説に至っては完全に意味不明だ。OpenAI中国製だったのだろうか。中国米国比較して先進的な軍用AIを開発した、というのも聞いたことがない。一応中華ソースニュース記事も調べてはみたが、中国AI開発に遅れを取っているというような内容しか見つからない。

不良在庫を言い値で買ってくれるのだから米国にしてみたら日本自公連立政権ほど「使い勝手のよい」政権はない。だから、この政権が半永久的に続いてくれることを米国が願うのは当然なのである

前提があらゆる部分で完全に間違っているため、この結論にもうなずけない。思いやり予算批判でもしてればいいのに。

日本国民属国身分にすっかり慣れ切っているので、自国政権正統性根拠第一に「米国から承認されていること」だと思い込んでいる。「国民のための政治を行っていること」ではないのである米国に気に入られている政権であることが何よりも重要だと日本国民自身が思い込んでいる以上、日本人が岸田政権に不満を持つはずがない。だから、岸田政権防衛増税を進めても、インボイス制度マイナンバーカードなどで、国民負担を増大させても、国民デモストライキもしない。それは国民自身が「政府というのは、国民生活のために政策実施するものではない」という倒錯に慣れ切ってしまっているかである

全体的に批判が雑。岸田政権に不満があるから支持率が下がってるんじゃないのか…最近また上がってるけど。デモストライキをしない=政権支持というのは短絡的すぎるし。

インボイス制度の導入で被害を被るのは零細の個人事業主という狭いターゲットであり、これに対して大規模なデモストライキは起きにくい。というかデモ自体はやっているが、ニュースにならないだけである安保闘争の時のように、100万人単位で動員しないとデモ認定されないんだろうか。サラリーマン非正規というプロレタリアートにとって個人事業主というプチブルは敵であるから、むしろインボイス導入を喜ぶべきであるという冗談はさておき、労働組合個人事業主に雇われる側なんだからストライキにはならんだろ。

またマイナンバーカード国民負担を減らすための施策であり、マイナポイントというエサで導入を釣ったり、保険証からの性急な切り替えに対して文句を言うのはともかく、国民負担増大というくくりに入れるのは具体事例としてどうなの。復興特別所得税防衛費へのつけかえとかもっと直球な負担増大の具体例あるじゃん

そうやって政府に対する国民の期待を下げれば下げるほど、棄権率は高まり結果的に20%の鉄板支持層を持つ自民党選挙には勝ち続けることができる。

https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/sonota/ritu/index.html

長期的なトレンドとしては下がってますが、ここ数年の国政選挙投票率は上がっています。この理屈だと菅と岸田政権国民の期待が上がってるみたいじゃん。

通してみると、全体的に認識が間違っているというより古い認識からアップデートできてないのかな、と悲しい気分になった。

2023-01-18

みんなドイツ認識ってどうなん?

自分認識だと、こんな感じなんだが

  1. EUは仲良しではなく、ドイツを如何に制御するか。
  2. ユーロ相対的に安いので経済強いのに、軍隊も強いと反発に合う。なので軍縮ドイツにとっても軍事費抑えられてWinロシアとの前線でもない。
  3. ドイツ国内で、西ドイツから東ドイツへ膨大な税金を注ぎ込んでいるが格差解消せず。東ドイツ格差が残っており2級市民扱い。壁を懐かしむ人々が出るしまつ。軍事費抑えて格差解消に金使える方がいい。
  4. 東ドイツから西ドイツに対してなにかそろそろ返してくれや、ってことで、ロシアからのガスパイプラインで資源提供東ドイツ仕事が出来ること(公共事業みたいなもん)、ドイツの為に役に立っているという役割が出来た。

2022-12-17

日本なんか放っておけば勝手軍縮していったろうに、なんで挑発してしまったのか。もったいない

anond:20221217075108

じゃあ外交努力とやらであっちに軍縮飲ませりゃいい

そうすりゃリスクが下がるんじゃないっすかね

2022-12-01

anond:20221130173724

論点がズレたよ。

あなた安倍支持は「国防重視、軍縮反対」からなんでしょう?

自分国防は重視するし、中国ロシア軍事的脅威には備える必要があると思ってる。

違いは、あなた安倍さん国防してくれると思っているのに対し、私は安倍さん本音国防に興味ないだろうと思っている。

かに高齢者日本侵略戦争を起こすことを心配する人は居るらしいけど、自分はそんなイメージは持っていない。

ちなみに、日本がいきなり他国戦争を仕掛けるなんて、明治時代の人たちもイメージしてなかった。

しろ今の日本と同じように列強の脅威にどう対抗するかで頭がいっぱいだった。

それが真珠湾攻撃をするまで日本が追い詰められるような状況になった契機が何かは、きっとあなた勉強していると思うけど、自分安倍さんがその契機を起こすんじゃないかと恐れていたよ。

2022-11-29

anond:20221129165158

3番目だね。

 

安倍の褒めどころの一つは、思想極右だし総理からそういわれていたのに、総理業務にはそういうところ全然みせなかったところ。"美しい国”とかい別にどっちでもいいキャッチフレーズぐらいじゃないか

支持者は、日本会議に賛成してるかというと、違うと思うぜ。 

お前の立場に反対してたとしても、それはもっとやんわりと、北朝鮮中国台湾のことがあるのに軍縮は違うわ、ぐらいの認識だ。

2022-09-26

anond:20220926074758

裕仁政府軍縮条約を抜けて軍備したら、酷いことにされていたよ

2022-06-28

anond:20220628090221

別に世論では真っ二つで分かれてなんかいないよ

大体の人は中絶権利女性にあると思っている

カルト的なクリスチャン政治的権力に巣食ってるからそうなってるだけ


9条問題はさ、

そもそも9条問題理解すらしてない人が大半じゃないかネットなんか何も理解してないバカばかりが議論して見る価値もない議論ばかり

何も知らないバカ同士がお互い何も理解してないのでズレまくった無意味議論をして言い争ってるだけだろ

全員バカなので当然まともな結論なんか出ない

結構別物だよ



まず現行憲法では9条自衛隊許可すると言う文字は入れていないが、『「軍隊を持たない」の軍隊には自衛隊を含まないので合憲である』と判断して運用している。

別にこれで問題ない、と言う派閥と、

自衛隊軍隊の1つと言ったほうが正確だ。憲法文言と実際の運用が異なってる!自衛隊文字を入れるべき!と言う派閥が、争ってるだけだろ?


それを理解してる国民なんて全くいなくて意味不明議論をしてる人ばかりなので、民衆議論は本当に聞く価値がないなとヘソで茶を沸かしてるよ


強いて言うなら憲法にあえてそう書く是非を問われてるわけだけど、軍隊を持たないとの記述をし、あくま自衛隊軍隊として認めない建前には、自衛隊積極的戦力として運用された場合には違憲として制限する効果が実際にある。

あくま自衛隊専守防衛自衛団体としてのみ機能しており軍隊ではない、との憲法要請を強く反映させることができる。(=責められた時の防衛は現行のままでなんら問題なく可能。)


自衛隊以外の軍隊を持たない」とあえて書くことは自衛隊軍隊として認識しているわけで、そうなると自衛隊積極的戦力として想定・運用・扱われたと言える場合ストップをかける力が弱くなるわけだ。

元々防御する権利には影響しない。交戦権最初から殆どの国が持ってない。ほぼ全ての国は交戦権放棄している。


軍縮はまた別の問題だよ。

最近の国際会議の内容で考えれば軍縮の方向が強くて軍縮を考えるのが国際的な方向なんだけど

それに軍の規模は現在世界3位、持っているのは自衛隊のみで専守防衛のくせにだ

軍事費を増やして得をするのは見返りにアメリカからお金をもらえる自民党のおじさんだけなんだが、未だに1930年代に生きてる人がいて反対してるらしいな

税金をおじさんの懐に入れるのが余程好きなようで…

2022-06-20

黒田騒動は、江戸時代前期に福岡藩で発生したお家騒動

黒田長政は世継ぎ継承にあたり長男・忠之の狭器と粗暴な性格を憂い、三男の長興に家督を譲ると決めて忠之に書状を送る。書状には2千石の田地で百姓をするか、1万両を与えるから関西商人になるか、千石知行で一寺建立して僧侶になるか、と非常に厳しいものであった。これに後見役の栗山大膳は、辱めを受けるのなら切腹をとの対応を忠之に勧める。そして600石以上2千石未満の藩士嫡子たちを集め、長政に対して廃嫡を取りやめなければ全員切腹すると血判状をとった。この事態を重く見た長政は嘆願を受け入れ、大膳を後見役に頼んだ後に死去した。そこで大膳は忠之に諌書を送ったが、これが飲酒の心得や早寝早起きなど子供を諭すような内容だったため、忠之は大膳に対し立腹し、次第に距離を置くようになる。忠之は寛永元年(1624年)に藩主就任早々、忠之及びその側近と、筆頭家老であった大膳はじめ宿老達との間に軋轢を生じさせ、生前の長政が憂いていたとおりに御家騒動へと発展した。忠之は小姓から仕えていた倉八十太夫(くらはち じゅうだゆう。名は正俊、または家頼)を側近として抱え、1万石の大身とした。そして十太夫に命じて豪華な大船鳳凰丸」を建造。さらに200人の足軽新規に雇い入れるなど、軍縮時代にあってそれに逆行する暴政を行った。これにより遂に藩は幕府より咎めを受けるに至った。

ほんとお家騒動の模範みたいな筋書きだな・・・

これを幕府がとりなすシステムを構築したのはさすが家康しか言えない。

まさに久能山東照宮から日本中を今も監視している存在である

9条日本他国攻撃しないための枷!」って軍縮左翼が騒いでるけど

ぶっちゃけ内心後ろめたいだろ?

ちゃんの苦しい言い訳に飛びつくパヨクwww

2022-06-02

黒田騒動(くろだそうどう)は、江戸時代前期に福岡藩で発生したお家騒動栗山大膳事件(くりやまだいぜんじけん)ともいう。伊達騒動加賀騒動または仙石騒動とともに三大お家騒動と呼ばれる。他の御家騒動では処分時に死者が出ているが、黒田騒動ではお預けなどはあったものの、死者は出なかった。

経緯

黒田長政は世継ぎ継承にあたり長男・忠之の狭器と粗暴な性格を憂い、三男の長興に家督を譲ると決めて忠之に書状を送る。書状には2千石の田地で百姓をするか、1万両を与えるから関西商人になるか、千石知行で一寺建立して僧侶になるか、と非常に厳しいものであった。これに後見役の栗山大膳は、辱めを受けるのなら切腹をとの対応を忠之に勧める。そして600石以上2千石未満の藩士嫡子たちを集め、長政に対して廃嫡を取りやめなければ全員切腹すると血判状をとった。この事態を重く見た長政は嘆願を受け入れ、大膳を後見役に頼んだ後に死去した。そこで大膳は忠之に諌書を送ったが、これが飲酒の心得や早寝早起きなど子供を諭すような内容だったため、忠之は大膳に対し立腹し、次第に距離を置くようになる。忠之は寛永元年(1624年)に藩主就任早々、忠之及びその側近と、筆頭家老であった大膳はじめ宿老達との間に軋轢を生じさせ、生前の長政が憂いていたとおりに御家騒動へと発展した。忠之は小姓から仕えていた倉八十太夫(くらはち じゅうだゆう。名は正俊、または家頼)を側近として抱え、1万石の大身とした。そして十太夫に命じて豪華な大船鳳凰丸」を建造。さらに200人の足軽新規に雇い入れるなど、軍縮時代にあってそれに逆行する暴政を行った。これにより遂に藩は幕府より咎めを受けるに至った。

大膳も寛永9年(1632年)6月、忠之が幕府転覆を狙っていると幕府に上訴した。藩側は「大膳は狂人である」との主張を行い、寛永10年(1633年)2月将軍徳川家光が直々に裁いた結果、忠之の藩側の主張を認め、所領安堵の触れを出し、10年に及ぶ抗争に幕を閉じた。大膳は騒動の責を負って陸奥盛岡藩預かりとなり、十太夫高野山追放された。なお、十太夫島原の乱黒田家に陣借りして鎮圧軍に従軍したが、さしたる戦功は挙げられず、黒田家復帰はならなかった。のち上方で死去したという。十太夫の孫・倉八宅兵衛に至り、ようやく再仕官を許されている。なお、この時に盛岡藩へ預かりとなった栗山大膳は、藩祖・黒田如水所用の兜も一緒に持参した。現在、もりおか歴史文化館に所蔵されている。

題材にした作品

江戸時代中期には江戸中村座などにて黒田騒動を題材にした歌舞伎が数多く上演された。最初瀬川如皐作、外題『御伽譚博多新織』。のちに河竹黙阿弥により狂言『黒白論織分博多』として加筆集約化された。また幕末には合巻としては最長編である『しらぬひ譚』も歌舞伎化され、こちらも大好評を博した。

また、この事件森鷗外小説栗山大膳』において、改易を危惧した大膳が黒田家を守るために尋問の場で訴えたとして脚色して描いている。十太夫は、島原の乱一揆軍に加わり戦死したことになっている。滝口康彦小説『主家滅ぶべし』では、利章は真面目で実直なものの、その忠義独善的であるため主君家中からまれしまい、忠臣としての自身を保つために引き起こしものとして描かれている。

1956年には東映映画黒田騒動』が公開されている。監督内田吐夢、主演の栗山大膳役は片岡千恵蔵

1965年海音寺潮五郎が「列藩騒動録」新潮社上梓、のち講談社文庫化

2022-03-19

anond:20220319185055

欧州世界侵略を始める大航海時代に遡るのが基準点の一つとして良いと思う。

アメリカ大陸オーストラリア大陸も、全く関係ない欧州人が未だにそれらの地域支配している。

「いまさら」感はあるけど、非白人への差別はずっとあるし、火種は消えていない。

欧州ロシア人東方進出も同様。

白人世界侵略史を問い直さない限り、ずっと問題は残る。

特に今の勝者のアングロサクソンが問い直さない限り、ロシア人中国人軍縮しない。

2022-03-13

ぼくのかんがえた けっこーましな これからの しなりお

ロシア国民及び軍、ついに反乱を起こしプーチンら首脳部を拘束。

暫定政権直ちにウクライナ講話ウクライナ全域から軍を撤退させ、また海外資本関係大統領令もすべて廃止した。

さらには核兵器完全放棄をはじめとした大々的な軍縮FSB等の解体ウクライナ等への多額の賠償を行い、国際社会の信用を得るべく奔走。

その甲斐あってどうにか国際秩序への復帰に成功し、国民生活経済再起不能になる事態は防がれる。

     ↓

国際刑事裁判所で旧ロシア政権首脳・軍幹部裁判が行われる。

プーチン以下被告らには仮釈放なしの終身刑など重刑が言い渡された。

国際刑事裁判所判決死刑を追加すべしという意見は大きかったが、最終的には却下されることに)

たこれまでの経過を見た中国台湾他への進出は得られるであろう利益よりリスクデメリットのほうが遥かに大きいと判断、これを断念。

国内の反発を避けるべく「1つの中国」という主張自体は続けるも、軍縮に乗り出すなど有名無実化させていく。

     ↓

撤退等が一通り終了した後、国連選挙監視団による監視及び助言の元ロシアで真に民主的と言われる選挙実施される。

これによりロシア名実共に民主主義国家へと生まれ変わる。

またベラルーシにおいても独裁政権崩壊、ほぼ同時期に民主国家となる。

     ↓

     ↓

数十年後、ウクライナ戦争を主題としたドキュメンタリー映画制作・公開される。

ちなみにモブの老義勇兵役としてゼレンスキー元大統領が出演していることも話題になった。

PS.都合が良すぎると思うだろ?俺もそう思う

でもこんなくそったれなご時世なんだ、少しくらい夢見たっていいだろ?

(実際のところはウクライナがどうなるかはさておき、ロシア経済崩壊して中国属国になるんだろうなーと思いつつ)

2022-03-04

anond:20220304093400

共産主義に取って軍縮ってのは相手を油断させて自らの力を蓄え、軍拡して戦争(闘争)準備することのことだぞ

実際にソビエト共産党がそう言ってるから間違いない

2022-03-01

anond:20220301134149

ウクライナ戦争放棄して軍縮を選んだもう一つの平和国家であり

日本に並ぶ大国だったか

日本と同じ理念を抱えていたにもかかわらずロシアが何もしていないウクライナ因縁をつけて侵略したという事実

将来同じことが必ず日本で起こることを示している

今起きてることは海の向こうの話じゃなくて

明日日本で起きることであり、憲法9条が起こすことでもある

必ず街が破壊され、人が殺され、決死覚悟火炎瓶を持って特攻する

憲法9条平和憲法理念がある限りは

ウクライナ明日日本

2022-02-27

私も「9条があれば日本平和」と言っていたリベラルを屏風から出す

anond:20220226125515

2022/2/28少し追記

なんか急にリベラル様が「私達は9条があれば平和は守れるなんて言ってない! 9条日本を縛るためのものと言ったことはあるけど!」「だから侵略させないためには、別に手を尽くす必要がある」と言っている。

日本で最高の知能が集まるリベラル様が間違いを言ってるはずがないので、自分記憶が間違ってないか調べてみることにした。一般人から政党まで、いろいろとね。

 という風に元増田引用されたのが例えばこんな文章だった。

 また、憲法九条は、紛争平和的に解決するという考えを、多くの国民に定着させてきました。こうして、他国軍事介入しない、紛争の原因をつくらないということが、他国による日本侵略の要因をつくらず、平和を守ることにつながってきました。

 このレベルの例なら私にも出せる。しかもこんな小粒ではなく大量に、だ!これを見ればリベラルもも黙るだろう。

11憲法第9条は、戦争放棄し、戦力を持たないことを決めていますあなたは、この第9条は、日本平和安全に、どの程度役に立っているとお考えですか。リストの中からお答えください。

1.非常に役に立っている 29.4%

2.ある程度役に立っている 52.6%

3.あまり役に立っていない 11.1%

4.まったく役に立っていない 2.3%

5.わからない、無回答 4.7%

NHK「『日本人と憲法2017』調査」 ※PDF

 そう、何とNHKによれば日本人の8割もが憲法9条日本平和安全資すると答えているのである

 どうだリベラルどもよ、これを見てもまだ9条平和に役立つと言ったことがないなんて言えるか?言った人がいたとしても少数だなんて言えるか?国民の8割とはマイノリティーなのか?マジョリティーもマジョリティーなのである

 そして今明かされる衝撃の真実!大多数の日本人はお花畑リベラルかお花畑リベラル洗脳された愚民だったんだよッッッッ!

 おっといけない愚民なんて言葉選民思想リベラル様の専売特許だったのであった。しかしまあなんて由々しき事態なんだ…。

 日本国際社会で、主としてどのような役割を果たすべきか聞いたところ、「環境地球温暖化感染症対策を含む保健などの地球規模の課題解決への貢献」を挙げた者の割合が63.9%、「人的支援を含んだ、地域情勢の安定や紛争平和解決に向けた取組を通じた国際平和への貢献」を挙げた者の割合が59.2%と高く、以下、「軍縮・不拡散の取組などを通じた世界平和と安定への貢献」(41.2%)、

外交に関する世論調査 2 調査結果の概要 6 - 内閣府

 昨年度の内閣府調査を見れば国民もの思想垣間見ることができる。4割が軍縮・不拡散を行うのが日本役割だと述べているのだ。この夢想家どもがッッッ!

 ちなみにCSVデータを見ると一番軍縮云々に賛同しなかったのは30代で26.1%しか賛同していない。次が18-29歳の37.3%なのでここだけ異様に低いのが分かる。不思議だね。

ちょっと冷静になる

 いや、ちょっと待ってほしい。「9条日本平和に役立っている」と主張したからといって「9条があれば日本平和」と言ったことにならないはずだ。「他国軍事介入しない、紛争の原因をつくらないということが、他国による日本侵略の要因をつくらず、平和を守ることにつながってきました」という文章を読んで「わあ、9条があれば侵略されることはないんだね!」と読解する人間はさすがにおるまい。確かに共産党は近いことを言ったこともあった気がしないでもないがこの文章だけではそうとは捉えられない。意外なことに原文を読んでも「他国軍事介入しない」とは他国戦争自衛隊派遣して怨みを買わない、「紛争の原因をつくらない」とは武器輸出をすることでイラクのような平和を脅かす集団を作るということをしてないという意味で、結果侵略される要因を作ることにならないため平和資するのだといった程度のことしか書いていないのである

 実際NHK同調査でも次のような質問がある。

第13問 あなたは、現在世界の情勢から考えて、日本戦争紛争に巻き込まれたり、他国から侵略を受けたりする危険性がどの程度あると思いますか。リストの中からお答えください。

1.非常に危険がある 24.0%

2.ある程度危険がある 63.1%

3.あまり危険はない 10.4%

4.まったく危険はない 0.5%

5.わからない、無回答 1.9%

 このように国民の8割が9条日本平和に役立っている一方で、国民ほとんどは侵略される危険性があると考えているわけだ。少なくとも国民大多数の中ではこの2つが両立しているということが論理必然的に分かる。

 「9条平和に役立つ」は「9条があれば侵略されない」ではない。データから国民全体の傾向として言えるのは「9条平和に全く役立たないという意見の持ち主は限りなく少数派」、「多数派9条平和資するがそれで侵略されないとも思っていない」といったところだろう。まあ相手の主張を0か1かで考えるのは楽だが、わりとこんな感じで程度問題だったりもする。9条日本を守ってきてくれた」と言う人に「どれくらい役に立ったの?」と聞いて「100%」と返ってくるかは微妙なところだ。そういうものである

 一応補足しておくと今同じ世論調査をすれば「9条平和に役立っていない」と答える人が増えるのではないだろうか。この2017年調査にはやはり集団的自衛権を巡る数々の議論があり「戦争に巻き込まれ可能性」が俎上に上がった余波が残っていると見るべきだし、その前に行われた2002年調査イラク戦争直前でテロ特措法が成立するなど既存法体系対処できるか心配された時代であった。実際、同調査では2002年の方が2017年よりも憲法改正賛成派が多く、また9条平和に役立つと答えている人も少なめであるウクライナ侵略が行われている今であれば恐らく2002年調査に寄るかそれ以上に変動するかもしれない。国民世論と秋の空でただですら世論はぶれまくるのに出来事1つで更に右往左往するものだ。これは何があってもそこまで政治信条をあまり大きく動かさない我々政治厨が見逃す点で大抵国民世論に確固たる思想信条の基盤があると”必要以上”に考えがちだ。

 ところでこれ1974,1992,2002,2017と調査が行われているのだが9条平和に役立っていないと答えた人は1974年が一番多いのはちょっと面白くないですか?

余談

 個人的意見を言えば、9条に全く平和資するところがないとは思ってはいない。自衛隊派遣を巡って毎度国会が空転しているのを見れば軍事を増強しても他国視点だと侵略してくるとはあまり思えないというのはあるんじゃないか専門家ぽく言うと安全保障のジレンマを軽減する信頼醸成措置的な何かになる要素はあるんじゃなかろうか。安全保障のジレンマは元々はリアリズム国際政治学の学派の名前一般的意味とは異なる)が言ってたことで、信頼醸成措置は第二次安倍政権が作った「平成26年度以降に係る防衛計画の大綱」でも使われている言葉から言葉としては存在するけど使い方が合ってるかは知らん。

 なおデータで言えば一般抑止は計量するのが難しいので何とも言えないが、明日にでも戦争が始まりそうな状態から戦争をやめさせるという緊急抑止については統計分析存在する。当然9条データなんて存在しないのだが、軍事同盟については緊急抑止についてのデータ存在する。代表例はHuthの研究なのだが何と相関関係マイナスである…。まあこれは選択問題とか色々な理由一般抑止はあるんじゃねっていうのは言われている。データ証明できてないじゃんwwお気持ち乙wwという世界ではないからね。

 それ自体はどうでも良いのだが、同時に緊急抑止に関係あるのは長期の軍事力ではなく短期軍事力だという分析結果もある(一般抑止は分らんが)。日本ではあまり聞かない議論なんだけど闇雲に軍事軍事力言うよりその辺何が抑止に効果的なのかとかもうちょっと表で議論されてほしいんですけどね。

 抑止とは、費用危険が期待する結果を上回ると敵対者に思わせることにより、自分利益に反する行動を敵対者にとらせないようにする努力である。したがって合理的敵対者に対してのみ働き得る機能である

出典:中山隆志「軍事力の概念防衛大学校防衛学研究会編『軍事学入門』第2版、かや書房2012年、p.19。

 最後に1つだけ。引用した『軍事学入門』は軍事に詳しくリアリスト国際政治学の学派の名前ではなく一般的意味と同じ)であれば必ず通った書物だ(過言)。ちなみに自分軍事通でもリアリストでもないダメ人間なのだが。読むと至極当然の抑止についての説明が書いてありますね?ところが最近議論を見ているとこの当たり前の話を忘れてないか…という人がいる気もしないでもないのでここで紹介しておく。

 もちろん「合理的」のニュアンスが難しいところだとは思うが。行動経済学人間は非合理という話をした時、既存経済学の「合理性」を拡張すれば対処できるものもあるよねって話になったりもしたんよね。その意味でこの「合理的」を「プーチン戦争を起こす際に損得勘定もできないアホバカタンナス!だから軍事抑止力意味ないんだ😭」って話にできるかは別の話。

2022-02-26

日本共産党くんと愉快な仲間たち

ロシアウクライナは俺のもの

ウクライナ「助けてくれ」

世界ロシア非難する」




日本共産党日本軍縮(憲法9条)でウクライナ問題平和的に解決する!」←?

???共産党は正しい!憲法9条日本侵略から守れるなんて誰も言ってない!」←???

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