はてなキーワード: 言うだけバカとは
親会社が変わった。
営業とか事務職ではない、ちょっと変わった技術職のサラリーマン。
今までは、例えて言うなら、居酒屋バイトで自分でまかない作って食べたりしてもOKな感じで楽しくやっていた。
親会社が変わって、勝手に食べてはダメだということになっても、業界慣例に従って誰も何の悪気もなくまかないを食べていた。
ところが、友達にまで無料でかなりの金額の飲食物を無料で提供してしまう、的な事件か明るみに出て、事態が急激に動いた。
新会社になってからまかないを勝手に食べていたことがバレたやつはクビ、もしくは減給の処分が下された。
そんくらい役得じゃんか。何でもかんでも正しいことが絶対なのか。
おっさんもう子持ちだし、片働きで妻に稼ぐ力はないから大きな借金を背負って独立は躊躇してしまう。
もうそういう会社になったんだな、と思うと、今後何も会社に意見する気も起きない。
何か言うだけバカを見るだけで、とにかく上の言うことを忠実にする者だけが生き残れる世界なんだな、ということを強く感じる。
こうやって企業って腐っていくんだろうなぁ。何かすると叩かれるから上の言うことがおかしくても従いつづけるしかない。だって皆んな生活があるからな。
独立していった同僚たちが羨ましくて仕方ない。
前職はセールスの仕事でしょっちゅうクライアントから資料の提出を求められた。
それまで学校のレポートくらいしか作ったことがなく慣れない作成に夜遅くまでかかっていた俺に言った先輩からの一言。
先輩は資料作成が異様に早い人で、どうやってるんですか?とコツを尋ねたところ、似たような資料を自社のものも他社のものもガンガン使いまわしてた。
先輩曰く、いちいち確認が必要なことや自分で資料を集めないといけないようなことは書かずに知っていることだけでごまかしてしまえばあとからなんとかなるとのことだった。
実際口がうまい人だった。
営業やってると当然いい時期と悪い時期がある。
突然に契約を停止させられたり、成約直前にちゃぶ台返しをくらったりすることもある。
逆に社内の都合でお世話になってきた取引先をバッサリ切らないといけないこともあったりする。
上司の前では客先が理不尽な行いだけをしたように言い、取引先の前ではいかに自社の上司が愚かであるかということを言う。
自分が悪者にならないようにしていく話術こそが営業にとって一番必要なスキルだということ。
上司いわく「報連相をしろというのは、つまりいい話を自分に先に持ってこい」という意味なんだそうだ。
うちの会社では研究所と営業とを行き来することも多いのだけど、大量の研究費をつぎこんだ技術がなかなかいい結果を出さないと営業部の部長はかなり機嫌が悪くなる。
そんなときは上司に提出する資料をちょっと変えて、とりあえず出るはずの結果だけ報告しておけばあとから結果が出てからその通りにすればいいんだという。
どうせ研究の結果が出ても実際のセールスに乗せるまでは時間がかかるんだし、時間の短縮だと言っていた。
事実も結果もコミュニケーション能力でどんなふうにも使える。
人は口だけでここまで仕事の評価を挙げられるのだなととても感心した。
たぶん上司が社会人になった20年くらい前から、こういう人の方が社会的に高い評価を得てきたんだろうなと思えた。