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はてなキーワード: 短気は損気とは

2024-02-04

anond:20240204153230

全然関係ないけど同じ種類の靴で24cmのものと27cmのものなら当然24cmのほうが原価が安い。

使ってる材料費が少ないのだから当然。

なのに値段が同じなのはサイズが小さい人がサイズの大きい人のコストを払っているということなんやで。

という話は置いておくとして実店舗に売ってなかったらネットで買うなり取り寄せるなりすればいいだけだ。

短気は損気やで。

靴みたいな、今すぐに手に入れる必要になる性質がないようなものを、

すぐに手に入れたがるのはあまりよいことではない。

なぜなら人生にたいして単純に不満が重なってしまうからだ。

世の中の理(ことわり)というものにむやみに反発するのは頭のリソース無駄遣いだ。

もっとしなやかに生きるほうが合理的だ。

2023-12-28

小学4年生のとき友達二人が荒れた

もう20年以上前の話になる。荒れたと言っても、先生に歯向かう、言うことを聞かない程度で、今思えばかわいいものだった。



反抗したのはA君とB君。A君とは家が近く、1年生のころから仲良く遊んでいた。小さいころから剣道をやっていて、とても背が高く、足が速く、頭も良くてかつおしろい子だった。B君についてはよく覚えていない。学校では割と仲良く話していたが、学校外で一緒に遊ぶことはなかった。B君も割と体は当時から大きめだった。


小学3年生でクラス替えが行われ、私はA君・B君と同じクラスになった。担任40代くらいの男の先生で、特に問題なく1年間を過ごした。小学4年生になるまで先生に歯向かう児童を見たことが無く、荒れた様子もまるでなかった。


小学4年生になり、担任先生が替わった。30代半ばくらいの女性先生だった。割とハキハキとしていて、怒るときには物おじせずにしっかりと怒るタイプだったが、今思えば「口うるさいお母さん」みたいな先生だった。若めの女性であったこと、体罰がなかったこと(当時はもう体罰時代遅れ、という雰囲気だった)、お母さんみたいなタイプだったことが、周りよりも少し早く成長期を迎えた二人の反抗心を呼び起こしてしまったのかもしれない。


最初に反抗したのはA君だった。最初きっかけはわからない。注意をする先生に口答えをする、歯向かう、無視する、言うことを聞かないといった、まさに反抗期男子母親に歯向かうそれに似ていた。その様子を見たB君も同様の行動をとるようになり、いつしか二人はその学校問題児となった。二人が問題児となって以降も、先生はめげずに立ち向かい続けていたが、いかんせんアプローチ方法最初から変わらないため、特に改善兆しが見えないまま月日は流れていった。なお、期中に二人が校長室に呼ばれ鉄拳制裁をくらう(最初にB君が殴られ、それを見ていたA君はよけることができたらしい。A君とB君が逆かもしれない)こともあったらしいが、その二人の態度が変わることは無かった。

二人とも似たような行動をとっていたが、どちらかというと主犯がA君でB君が追従者といった印象だった。A君はもともと芯のある人間で、自らの考えで主体的に反抗している印象があり、そこには当時の彼なりのフィロソフィーがあったと感じた。一方B君にはそのような印象が無く、なんとなくむかつくからA君の真似をしていた、程度の印象だった。これは卒業以降の二人の歩む道の伏線でもあった。

二人が問題児となって以降も、クラス運営は(ほかの児童目線では)問題なく続けられていた。二人は担任先生に反抗するだけで、授業の邪魔をしたり他の子いじめたりといった周囲への妨害がなかったかである。というか、その二人を含めクラス男子基本的にみな仲良く1年間を過ごしていた。そのため、その二人の反抗をスルーすればクラス運営機能していたように思う。

ただ、みな仲が良かったこともあり、同じクラスの他の児童特に男子)へは悪い影響を及ぼしていた。二人のような表立った反抗はしないものの、先生の話を話半分で聞き流す、誰かが怒られていると別の子が「短気は損気~」なんて歌をわざと先生に聞こえるように歌う、など男子を中心にうっすらと先生に歯向かう雰囲気が醸成されていった。なお、女子集団には特にそうした雰囲気は感じられなかった。

前述の通りこれまで先生に歯向かう友達学校内で見たことが無く、私はそれまで、先生学校側)=絶対的存在とみなしていた。先生に反抗するなど夢のまた夢と考えており、そのためこの二人の行動は衝撃だった。そんな私も周りの雰囲気に流され「この先生むかつくな」など軽い反抗心を抱いてはいたが、一部の友達のように反抗を匂わせる行動はついに最後までとれなかった(びびっていたのである)。


小学5年生になり、クラス替えが行われた(このタイミングでのクラス替えは例年通りである)。私はA君と同じクラスになった。B君は別のクラスになった。4年生の時に担任先生は他の学校へ異動となった。私とA君のクラスには、新たに別の学校からきた男性教諭担任に就いた。当時40代半ばで中学教諭経験しており、背は低いながらも厳しい先生であった(なお、この先生が私の父親同級生であることが後日判明する)。B君のクラスにもおそらく男性教諭があてがわれただろうが、よく覚えていない。


5年生になって以降、A君とB君は急におとなしくなった。今思えば、この男性教諭はA君への刺客だった。A君とB君がお互い離れ離れになったこと、それぞれ厳しめの男性教諭担任になったことで反抗的態度をとりにくくなってしまったのだろう。5年生以降のA君の様子はむしろ優等生寄りで、赴任時にかなり身構えていたであろう男性教諭は拍子抜けしたかもしれない。そして特に問題を起こすことなく、二人はそのまま小学校を卒業し、私とその二人は地元の同じ中学校に進学した。

中学生になってからの二人はまったく別々の道を歩んだ。先にB君について話すと、いわゆる「不良」になった。数世代前にめっぽう荒れた中学校で、不良自体は当時もまったく珍しくなかった。引き続きB君とはたまに話をするくらいの間柄だったけど、がたいがよくたまに人を殴っていたので「殴られたら怖いな」と思い内心びびっていた。中学卒業後の進路についてはよく知らない。高校に進学したのかどうかもわからない。

A君は、小学5年生の「更生」路線中学でもそのまま続けていた。引き続き頭がよく成績も優秀、さら生徒会に入りついには地元進学校に推薦で入学してしまった。中学時代も引き続き仲良くしていたしB君みたいに周囲を怯えさせるような人でもなかった。普通の「いいやつ、おもしろいやつ」で、もし中学から友達が彼の小4時代の話を知ったら多分びっくりしていたと思う。本当にあの1年間だけだった。たぶん、早く到来してしまった反抗期とあの先生が悪い意味でうまく組み合わさってしまったんだと思う。


私はA君とは別の高校に進学し、それから連絡もとっていないため彼のその後についてはよくわからないが、高校卒業後は東〇電力に入社したらしい。てっきり大学受験をするのかと思っていたため、少々驚いたのを覚えている。B君についても詳しくは知らないが、中学同級生結婚して子どもがいるらしい。


思い出話はここまでである特にオチが無くて申し訳ない。年末帰省準備をしていてふとA君のことを思い出し、書きたくなってしまった。A君はいま何をしているのだろう。芯のあるしっかりした人間で柔軟な思考も持ち合わせているから、問題無くやっているとは思う。もしA君がこの文章をみたらすぐに自分のことだと気が付くと思う。書き手についても大体察しがつくだろう。

今の彼にとって、あの1年間とその1年間が彼のその後に与えた影響をどう考えているんだろう。中学時代話題に出したことはあるけど「あの先生がうざかったからね~w」くらいの話をした記憶しかない。30歳を過ぎた今なら、その「総括」もできているんじゃないだろうか。私個人勝手な考えだけど、あの1年間は彼の精神成熟に多大に貢献したと思う(当時の先生不憫に思うが)。彼がいまどのように感じているのか、一度話をしてみたいものである

2022-03-04

発売日にいそいそと買って読んだBLと、がんばって少しずつ読んでる非BL

ボーイズラブアンソロジー Canna』vol.82

 偶数月の末日頃発売。電子版は基本的に翌月の10前後に発売なのだが、今回は4日発売と、いつもより早かった。今回も私の推し作家・座裏屋蘭丸先生はお休みだ。ひぃん。しかし『Daria』で連載中の『コヨーテ』が佳境なので仕方ない……。再来月まで待てがんばる……。

 そして今回は前号で最終回を迎えた、『 鴆(ジェン)  天狼の目』(文善やよひ)の記念特集が紙本版にはドドンと入っているはずなのだが、電子版には文善やよひ先生コメントまでひっくるめて一切掲載されていない。悲しい。なんでそんなに電子派を冷遇するの……。Canna公式Twitterによれば、特集記事のほかに各鴆シリーズの第1話も一挙再掲載されているらしい。

  鴆シリーズ獣人鳥人ものという、BLの中でも特殊ジャンルではあるけれども、とても漫画の上手な作家さんの描いた漫画で読みやすいので、BL初心者ジャンル不問で漫画好きの人におすすめ個人的に好きかと問われると、微妙なのだが……(単純な好みの問題)。

 ということで、 鴆特集電子派の私には読めないので、それ以外の掲載作の感想をば。


ブランクコード』第1話(サノアサヒ)

 新連載きた! バンドマンBL主人公性的トラウマ持ちでしか感性が周囲とズレていて浮きまくる系の人。ゆえにすっかりメンヘラに成長しており、おそらく攻めであろうバンド仲間(ベース担当)に面倒を見られてなんとか生きてる感じ。

 1話目なのでなんとも言えないが、バンドマンBLというと『ギヴン』という超人作品存在がよぎるので、チャレンジャーだなと。


『ヤクマン♂』(アオネ)

 去年の暮れ辺りに完結した『ヤクヨメ♂』のスピンオフ作品。ヤクヨメ♂の攻め・いわおの子分的な人のツレが主人公タイトル主人公職業漫画であるためにバクマンみたいになったようだが、かといって主人公ちゃん漫画稼業に励んでいる描写があるわけではない。カップリングが替わってもなお、作者の例のあの性癖てんこ盛りに盛った内容である。まあ幸せそうでなにより♂♂♂

『さかさまのマーチ』(柴田文)

 読み切りパン屋×米屋幼なじみBLエロはない。ピュアラブ系。絵柄が『この世界の片隅に』のこうの史代先生的なふんわり系で、ストーリーにも尖ったところはない。最初から最後まで可愛くほわほわしていた。たぶん、二次創作しかBLを知らない人の漠然と思う「BLってこんな感じ」に近いんじゃないかと。なごむ。


逃避行じゃあるまいし』中編(タクアン)

 逃げる相手を追うのが好きな男×逃げ癖のある男。あ、攻め受けこれで合ってるかな?

 前編から間が空いてしまったので、どんな話だったっけな……。出来れば短い話は毎回掲載されるといいんだけど、BL読みにおいては短気は損気だ。

 絵柄がリアル寄りでがっつりと大人の男同士のゲイものって感じ。

 フラッととんずらをこく方もこく方もだが、昔とった杵柄とコネ相手の居場所特定してくる奴もだいぶヤベェ。もはや犯罪だし。でも追う方からターゲットはびびりながらもちょっと嬉しそうに見えたらしい。うん、それって幻覚じゃないかな。



『積み木の恋』第3話(漫画 黒沢要/原作 凪良ゆう)

 今となっては一般ジャンルでも大人小説家BL小説家でもある凪良ゆう先生の人気作品コミカライズ版。世間知らずの坊っちゃん医者×詐欺師

 毎度思うけど、凪良ゆう先生小説は大部分が心理描写に費やされているし、分かりやすくてノリのいい文体が魅力なので、それを絵で見せられてもなぁ……という感じ。いくら上手い絵でも。凪良ゆう先生小説が好きだが『積み木の恋』は未読の私としては、ただ原作を読みたくなるだけ。凪良ゆう先生を全く知らない人が読んだらどう思うだろうな? 一読してスルーかな。

 まあ、コミカライズ担当漫画家が悪いんじゃなくて、いくら出版不況小説が売れないからってこんな企画立てちゃう編集部がよくないんだ。

 

『 鴆(ジェン)』特集は冒頭に書いた通り電子版には載っていないので、省く。

侵略! 宇宙猫チャン!』第7話(元ハルヒラ)

 ゲイカップル・いまぢとほづつみの家に猫に擬態した宇宙人のサンが転がり込んできて、地球侵略の為の情報を得るためにいまぢとほづつみの暮らしを観察しているという話。

 痴話喧嘩回。今回はサンの出番が多くてよかった。自転車をこぐいまぢの後頭部に貼り付いているサンの後ろ足がとってもキュートサンは中身が宇宙人なだけあって人の心を解さないかと思いきや、人間の夜の営みをガン見で観察した結果、恋愛アドバイスができるまでに成長してしまった。すごい猫だ。釈迦に説法感のあるアドバイスだったけれど。

 ラストの引きが強い。これは続きが気になるぞ……。


『ジャルディニエの愛した毒花』第14話(椛島リラコ)

 旅人×猫耳獣人旅人のオルは癖の強い城塞都市国に入国するなり引ったくりに遭い、無一文身元不明人になってしまう。なり行きで働くことになった、猫耳獣人ばかり売っている娼館で、美しい娼夫アコニと出逢う。

 ハーレクインのような美麗な絵とストーリーしかBLである意味がもはやなくないか? というほどに娼夫達の見た目が女性的。

 今回はあまりストーリーに進展がなかったな……。オルが重大な決断をしただけで(それが「進展」というやつなのでは?)


BLACK BLOOD』第7話(琥狗ハヤテ

 サイボーグ×人間酸素濃度のやたら高い星に来た元軍用サイボーグが、植物調査研究をしている人間の護衛だかお守りだかを担当する話。

 もはやハードボイルド可能性はすっかり消し飛んでしまった……。人の心を薄くしか持っていないサイボーグが、ワンコキャラ人間に恋してしまい、誰が見てもほわほわと浮わついているという話。これは温かく見守るしかない……。正直、もっと渋いのを期待してたのだが。山なしオチなし意味なし略して「やおい」まさにこれ。


『嘘つきな愛を買う』第6話(ポケラふじ子)

 オメガバース作品政略結婚人身売買中間みたいなカップルなんだけど、買った方の攻めは受けの事を好きなわりに受けの愛を信頼してはおらず、買われた受けの方は実は真っ直ぐ攻めを愛している。猜疑心故に素直になれない攻めと、惚れた弱みで腹を割って話すことが出来ずに攻めの顔色をびくびく窺い続ける受けの、ディスコミュニケーションぶりが、読んでて非常に辛い。

 現代的な人権意識家庭内の前時代的な価値観による閉塞感のギャップえげつない。ていうかこれ完全にDVじゃん。受けの人全力で逃げて!

 ……と思うんだけど、逃げねんだよなぁー。それでも攻めを愛してるからってよー。

 そんな古風なストーリーなんだけど、今回は実在の最新型避妊薬「インプラノン」が登場する。えっこれもう認可されてたっけ? と思わずググってしまった。マッチ棒くらいの長さの筒の中にホルモン薬の仕込まれ避妊薬で、二の腕の皮下に埋める。三年くらい避妊効果が続く。飲み忘れリスクがないので、99%くらいの確率避妊効果があるそうだ。

 そんな文明の利器を受けの人は良かれと思って攻めの人と相談せずに独断使用してしまう。そしてそれが新たな修羅場を生む。

 あのさぁ、そんだけの行動力があるなら事前に攻めの人とよく話し合おうよ。とも思うけど、攻めは攻めで支配欲と嫉妬の塊で受けとの約束をあっさり覆してくるやつなので、話し合ったところで受けにとって良いような流れには、ならないんだなあ。

 今時こういうストーリーはただ只管に辛いばかりなのだが、このギチギチに古風なDVカップルがどのように軟着陸するのか(Cannaからバドエンではない、と信じたい)、興味はある。

スリピングデッド』第9話(朝田ねむい)

 『嘘つきな愛を買う』のDVカップルでがっつりテンションを落とされた後で、今度は陽気に? サバサバしたディスコミュニケーションカップルのやつですよ。ゾンビ佐田×マッドサイエンティスト間宮日常BL

 前回、一泊温泉旅行(+一泊)にて、恋バナで盛り上がった佐田間宮佐田の独特な恋愛観……実は世間一般でいう所の恋愛というもののべたべたしているところが苦手で、それよりセックスの出来る友達くらいの距離感で人と付き合えるといいなと思ってる(間宮と付き合いたいとはミリも言っていない)……を聴いた間宮は、じゃあセックスしよう(もう友達から)と提案(という名の強制)をしてきて、佐田ピンチ

 『スリピングデッド』上巻のレビューには「受けの間宮がだいぶ無理。これで萌えろと言われても」的なことが書かれていがちなのだが、主人公佐田にとっても間宮はかなり無理だったというのには笑った。正直に「たぶん無理……」と言ってしまBLの攻め様ってどうなのw

 そんな佐田に好かれようと一生懸命間宮がとても可愛かった。まだ3月なのに可愛い受けオブ・ザ・イヤーが来てしまったぞ大変だ。思いがけない佐田の行動にびびった時の間宮が、死ぬほど驚き怯えた時のハムスターみたいに両手を胸の前で縮こめて目を見開く姿が可愛くて可愛くて可愛くて可愛い

 一方、佐田はといえば間宮がツンツンしまくりながら無茶な要求暴言暴挙をぶつけてくるのに案外律儀に応える体でいて、最終的には首尾よく間宮丸め込んでちゃっかり自分の身を守り切るところが、学校先生って感じだった。お前そういうとこやぞ……。

 もはやゾンビ物とは? って感じのストーリーで今回は特に息抜き回色が強かったが、次回からはどう話が転がって行くのだろうか。ずっと間宮純愛ネタばかり描かれる訳じゃないだろうし。もうすでに単行本1冊ぶんくらいの分量は書かれたわけだし。既刊が「1巻」ではなく「上巻」なので、あと1、2話で完結して下巻が出るか、1回くらい休載して中巻が出るかかな。

 男同士でがっつりド派手に致しているところが見たい人には物足りないんだろうけど、大人恋愛漫画としてとても面白いので私は好きだな。

以上でCannavol.82の感想はおわり。



長野まゆみ偏愛耽美作品集』(長野まゆみ編)

概要

 耽美SF少年愛BL小説家長野まゆみ先生が十代の頃に心ふるわせた珠玉小説随筆詩歌のなかから耽美入門に相応しい全26作を精選。全作品長野先生コメント付き。巻末に解説もあり。


 目次を見渡すと錚々たる顔ぶれに眩暈がするけど、幻想文学好きは必ず履修する作家ばかりだ。

 が、私は現代幻想小説はわりと好きなんだけど(長野まゆみ先生のほか、川上弘美先生金子先生今村夏子先生とか)、明治昭和前期の幻想小説はあまり得意ではないんだよなあ。三島由紀夫は『潮騒しか読んだ覚えがなかったし、泉鏡花戯曲海神別荘』しか読んでいないという体たらく。なお内田百閒は開始十行で寝落ちした。

 そんな私が、いくら長野先生ファンからって、本作品集を買っても最後まで読み切れるのか、甚だ疑問だ……。

 では、頑張って読めたぶんだけ。

孔雀』(三島由紀夫

 トップバッターからパンチの利いた人選でやばい

 遊園地で二十七羽ものインド孔雀が殺される事件があって、その重要参考人富岡の家に刑事が訪れる。富岡はただ前日に公園孔雀達を長時間眺めていたというだけで犯人ではなさそう。だが富岡家の応接間の異様さと、壁にかけられた美少年写真のことが、気になってしま刑事だった。


 冒頭を数行読んで、長野まゆみ先生文体がよく似ていることに驚いた。もしも著者名を伏せられたまま読んでいたら、長野先生が書いたものかと容易く信じそう。文体が似るほど三島由紀夫に影響を受けていたとは。『潮騒』を読んだ時は、似てるとは思わなかったけどなぁ。

 かつては美少年だったことを誰にも信じて貰えないほどに老いた男が、孔雀の羽の輝きに魅せられる。(孔雀の羽の色は色素で染まったものではなく、羽の構造が光を反射したものなので、永久劣化しないのだ。)何者かの起こした事件により、孔雀の美を完成させるには死が不可欠だと気づいた男は、自分こそが事件犯人ではないのかと妄想をし始める。

 ラストシーンは男の美への執念が具現化したみたいでぞくりとした。

『蔵の中』(横溝正史

 雑誌象徴』の編集長・磯貝が出勤すると、先ほどまた蕗谷から電話があったという。蕗谷というのは筆書きの原稿を持ち込んだ美少年だ。日頃からどんな無名作家の書いた作品でも必ず目を通すことにしている磯貝は、さっそく蕗谷の小説『蔵の中』を読み始めた。

 冒頭は蕗谷の自伝風で、亡き姉との思い出を書き綴ったものであった。だが、姉の死後に蔵の中に独り引きこもるようになった主人公とある楽しみを見出だした場面から物語は思わぬ展開に……。


 『偏愛耽美作品集』のどこら辺が「偏愛」なのかといえば、美少年が登場するものばかりをピックアップしているところで。さすが長野先生なだけあって。

 無名作家小説『蔵の中』と現実出来事交錯し、やがて殺人事件真相を描いてゆく、と見せかけて……。という現実虚構入れ子状になっていてしかもその境界曖昧な感じ。長野まゆみ先生の『左近の桜』に受け継がれているよなぁ。

 蕗谷が女装にハマって鏡の前で表情を作るシーンがとくに印象に残った。

美少年』(岡本かの子

 山の手に生まれ育った令嬢のとく子は、眼病の治療のために下町病院へと入院する。その病院の近所には時春という下町っ子でぽっちゃりめの美少年が住んでいて、しばしばとく子を遊びに連れ出すのだった。

 縁日の夕にも時春はとく子を呼び出し、つれ回した。あまりの美しさにどこへ行ってもモテモテで人気者の時春がわざわざとく子を連れ回す理由は見栄のためと、とく子は見抜いていた。とく子の令嬢然とした着物姿を見せびらかすために時春は彼女の手を引くのだと。そこに本心からの労りや思い遣りはない。

 時春はとく子を火事現場の跡地に連れ込んだ。「君にほんとうのことを聴いて貰う」と時春は言うが……。


 顔が美しいのが唯一の美点の少年。美しい顔はそのままで素顔ではなく見栄の一部となってしまい、その口から出てくる言葉の全てが人の気を惹くための嘘っぽくなる。美しい顔というのは実は醜い顔と同じく異形の一つなのだ

 時春の見栄っ張りを女の子の目敏さで見抜いてしまうとく子だが、時春の美貌の下に隠れた本当の孤独の寂しさには触れようとしない。そんな憐れな話。

 ラストシーンで、時春の本心ちゃんととく子が見抜いていたというのが明かされるのが切ない。なんかこれじゃ、時春死んじゃってよかったみたいじゃん……。



はぁ、まだあと23作品もある……。これを私はあと何百年後に読み終わるんだろうか。しか岡本かの子の次は泉鏡花だし。開始数行でうっ、苦手かも……と思い、もう数日放置している。

2019-01-23

anond:20190123105550

わざわざ元増田文体で書いてるのだから、君がそう感じたのであれば本懐というものだよ。

だが〜だった。のように逆説の接続詞を多用することも同様。

はっきり言うと彼の文章力については、まだまだ荒削りで改善余地がある。それでも数多の作家の中から0.01%以下の確率で選ばれた才能であることは間違いないのさ。

デビューして間がなく最初の壁に当たって、方向を見失っている。ありがちな愚痴ってのが個人的な印象かな。

短気は損気だ。好きなことで飯が食えることに感謝して気長に頑張って欲しいものだ。

2016-07-14

http://anond.hatelabo.jp/20160714110323

母親入院したんで父親ふたりきり三夜目♥

仕事を終え帰宅すると父親はまだ帰ってきていない♥仕事が忙しいのだろうか♥

今朝父親賞味期限の近い豚肉のあることを伝えていたので♥惣菜等は買ってこないだろうと思い生姜焼きを作る♥

長らく昼の司会者をしていた芸能人生姜焼きレシピを試そうかと思うが小麦粉がわからず断念♥

普段母親に頼り切りなことを申し訳なく思う♥

料理酒場所もわからないので醤油みりんチューブ生姜でなんとかする♥

味覚障害改善しておらず味見はできないので味が物足りないときには醤油マヨコショウあたりでなんとかしてもらおうと考える♥

サラダとしてレタストマト♥それときゅうりを用意するがきゅうりはやわらかく腐っているような感じがする♥♥

一応きゅうり食卓にならべきゅうりあやしい旨書き置きして閉店時間の早い書店へ急ぐ♥

書店目的の本を購入し♥昨日のブコメから父親もきっとわたしと会話がしたかったのだろうと思いながら帰宅する♥

帰宅すると父親ビールを飲んでいた♥

父親の帰りが遅いのはどうやら母親病院に寄っているからだと判明する♥

1型糖尿病食事療法のための入院なのでなんら心配はいらないのだが♥話し相手として行っているのだろう♥♥

母親愚痴(主に主治医に対する♥)を聞いてきたようだ♥

父親と当たり障りなくおだやかな心地で会話ができた♥ブコメのおかげだ♥♥

きゅうりはやはりだめだったようだ♥

生姜焼きの味は大丈夫とのこと♥よかった♥♥

特にみたい番組もないねと言い合いながら父親と並んでおだやかにテレビを観た♥

タスクの増加に加え味覚がいつなおるかという不安でいつも以上に短気になっていたのだなと再確認

短気は損気♥♥♥♥病は気から♥♥♥♥気から病♥♥♥♥

ご飯のあと忘れていた鳥小屋掃除する♥ごめんごめんと言うが無視された♥鳥はかわいい♥♥♥♥

父親の寝たあと♥ちいさなホワイトボード賞味期限心配食材リストアップする♥

見える化♥♥

寝る前に庭に面する窓を閉めようとしたら外から猫の唸り声が聞こえてきたのでワ♥♥♥♥と脅かし追いやる♥

二度と来るな♥だが来るだろう♥

猫避け対策しなければならない♥♥

身体の不調はやさしさを殺す!

母親入院したんで父親ふたりきり三夜目!

仕事を終え帰宅すると父親はまだ帰ってきていない!仕事が忙しいのだろうか!

今朝父親賞味期限の近い豚肉のあることを伝えていたので!惣菜等は買ってこないだろうと思い生姜焼きを作る!

長らく昼の司会者をしていた芸能人生姜焼きレシピを試そうかと思うが小麦粉がわからず断念!

普段母親に頼り切りなことを申し訳なく思う!

料理酒場所もわからないので醤油みりんチューブ生姜でなんとかする!

味覚障害改善しておらず味見はできないので味が物足りないときには醤油マヨコショウあたりでなんとかしてもらおうと考える!

サラダとしてレタストマト!それときゅうりを用意するがきゅうりはやわらかく腐っているような感じがする!!

一応きゅうり食卓にならべきゅうりあやしい旨書き置きして閉店時間の早い書店へ急ぐ!

書店目的の本を購入し!昨日のブコメから父親もきっとわたしと会話がしたかったのだろうと思いながら帰宅する!

帰宅すると父親ビールを飲んでいた!

父親の帰りが遅いのはどうやら母親病院に寄っているからだと判明する!

1型糖尿病食事療法のための入院なのでなんら心配はいらないのだが!話し相手として行っているのだろう!!

母親愚痴(主に主治医に対する!)を聞いてきたようだ!

父親と当たり障りなくおだやかな心地で会話ができた!ブコメのおかげだ!!

きゅうりはやはりだめだったようだ!

生姜焼きの味は大丈夫とのこと!よかった!!

特にみたい番組もないねと言い合いながら父親と並んでおだやかにテレビを観た!

タスクの増加に加え味覚がいつなおるかという不安でいつも以上に短気になっていたのだなと再確認

短気は損気!!!!病は気から!!!!気から!!!

ご飯のあと忘れていた鳥小屋掃除する!ごめんごめんと言うが無視された!鳥はかわいい!!!

父親の寝たあと!ちいさなホワイトボード賞味期限心配食材リストアップする!

見える化!!

寝る前に庭に面する窓を閉めようとしたら外から猫の唸り声が聞こえてきたのでワ!!!!と脅かし追いやる!

二度と来るな!だが来るだろう!

猫避け対策しなければならない!!

2016-04-24

http://anond.hatelabo.jp/20160424032008

おはよ。早起きだねお互い。

いらちってのは怒りっぽい人という意味だと思うから相手増田のことかなあ。

キモイってのは私の事になるのかな。キモくてサーセンwwwデュフフwww

んー、怒ってる人相手に怒ってもしょうがないからねー、普通に受け答えしてるだけなんだけどねー。

なんか相手イライラしてるよねー。短気は損気寿命縮んじゃうよ。

じゃあ一体どうして欲しいんだろうって思うんだけど、

増田達見てるとハンター×ハンターハンター試験最終局面ゴンVSハンゾウを思い出すんだよねー。

台詞うろ覚えだけど

ハンゾウ「じゃあ二人で正々堂々勝負して、お前が気持ちよく勝てるような勝負を一緒に考えようってか?」

ゴン「うん!!」

ハンゾウ「アホかー!(バーンナックル)」

みたいな。

安易成功体験が欲しいのかな。

2013-04-12

[][]だからお前はウィキペディアブロックされる4

ブロックされないための振る舞いについて書いていたが、早速ネタ切れしたのでちょっと方向性を変えてみようと思う。今まではブロックされる行動が何かと言う点で説明を行った。今日は困ったときでも焦らず行儀良く振る舞う方法ゴリ押し論法ウザいと思われないための作法だ。

今日テーマ「アホに絡まれた時の対処法」

ゴリ押し論法で嫌がられるのは初回に説明した。しかしアホな利用者に絡まれると冷静な奴でもイラッと来ることがある。参加初日にいきなり無思慮な奴からあなた何やってるんですか?ルール見ましたかダメって書いてあるでしょ?」って主旨で理不尽気味に言われてみろ。「(゚Д゚)ハァ?いきなり何よ。」って思うだろう。そして言い返すと方針とか何とかを延々と並べて「あなたのほうが間違ってます。理解しなさい。」って感じで攻めてくる。そして一矢報いるべく一生懸命に反撃していると、反撃した奴が悪目立ちしてしまう。そしてブロックされるわけだ。以下にイメージを挙げてみよう。

アホ利用者「あなた投稿は削除されました。あなたは間違っていますルール違反です。方針を読みましたか?」

初心者「(゚Д゚)ハァ?いきなりなんだよ?」

アホ利用者「ルールを守って下さい。ちゃんと書いてあります。そして礼儀正しくお願いします。」

初心者「ふざけんな。いきなり削除するわ方針嫁って言うわ何様だよ?」

アホ利用者「言葉遣いが悪いですよ。ルール違反なんだから理解して下さい。」

初心者「知るかよ。分かるかよ。最初から方針なんて読まねーよ。」

管理者「落ち着いて下さい。方針を読めば分かります。一旦ブロックしました。」

初心者意味分かんねーよ!何で俺がブロックされるの?いじめ?」

アホ利用者「初心者さんが方針を読まないからそうなるんです。」

第三者「初心者さんのほうが悪いですよ。方針を読みましょう。」

初心者「もうやだ俺引退する(´;ω;`)ブワッ」

ルール結構理解してるけど思慮に欠けるアホなベテラン()がいるんだよ。そしてこの第三者が最低限のことしか言わなかったら初心者意味を理解できない。ベテラン正論を述べているにも関わらず、初心者はそれを理解しないという構図が出来上がってしまう。もし最初に話しかけてきた利用者が「申し訳ありませんが、こういう理由でその投稿NGなんです。だから削除されました。でも別にあなたの参加を拒んでいるわけじゃないんです。今回たまたまNGラインを超えただけなので、今後気をつければ大丈夫です。気を悪くしないでくださいね。」って感じで言ってきたら、まだ落ち着いていられるわけだが。

なお、間違いを指摘されただけでイラッとする人は取り敢えずもちつけ。これは初回に説明した通りだ。短気は損気

では、アホに絡まれたときどうすれば良いか。相手が親切か不親切かは態度を見れば多少は分かるはずだ。俺が言わんとするアホ利用者とは、初心者が相手でも一切の配慮がなく、違反違反だと言ってバッサリ切り捨ててくる奴等のこと。面倒な奴だと思ったらTwitterとか使ってアホに絡まれていると訴えてみろ。即日助けが来るとは限らないが、数日待てば誰か来るかもしれない。話をする前に近づきたくないアホを見つけた場合も同様。Twitterなんかのソーシャルメディアを使って訴えてみるといい。この前、仏教関係の人がWikipedia記事がトンデモだって言って嘆いてた。

http://togetter.com/li/475986

http://togetter.com/li/484009

お前らが理路整然とした訴えをソーシャルメディアに流せば見た人は一定の理解を示してくれるハズだ。専門的知識がある場合はそういう事情も伝わるように書くといい。ちなみにTwitterではハッシュタグ #jawp を使うと拾われやすい。

結論

「聞き分けの無いアホに出会ったら早めに救助を求めろ。」

 
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