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2015-11-23

漫画ワンピース」はスペオペである

いや、どう考えても宇宙じゃないだろ!?っていうツッコミが速攻で来ると思うのだけれど、舞台構造スペースオペラスペオペであるという話で、狭い意味でとらえずに広い心をもって少し話を聞いてほしい。

周囲の友人には以前からこの説を披露しているのだけれども、なかなか賛同を得られないので増田で書く。



そもそもスペオペとは?

ジャンル定義論になると すげーややこしい議論に発展してしまうし、そこまで詳しくないのでざっくりと説明するとスペースオペラ1960年代ごろから定着した小説スタイルで、名前の通り舞台宇宙なのが特徴。

人類ワープ技術や超光速航法を得て宇宙に版図を広げ、恒星交流どころか銀河渡り、異星人とも親交を深めたり、ときには争ったりもする。未開の惑星に不時着してそこで未知の怪物出会ったり、宇宙船の中で殺人事件が起きて容疑者の異星人たちの特徴から犯人を捜しあてたり、など様々な内容の小説がある。


SFスペオペの違いは?

こう説明すると、SFサイエンスフィクション)とスペースオペラってどう違うの?と疑問に思うかもしれない。

そこには明確な違いは無いのけど、敢えて線引きするならスペースオペラ通俗的なんだよね。舞台こそ宇宙船惑星が出てくるけれど、科学的な考証なんてそんなに重要じゃあない。とりあえずレーザー銃を撃って、悪い奴を倒して、美人を助けて物語は終了!めでたしめでたし、っていうのが大事

それというのも、スペースオペラは背景が宇宙になっただけの西部劇、と言われるくらいで なにせ低俗的な雑誌に連載されていたから、SFファンからするとちょっと下に見られている。

西部劇というとイメージしにくいから、言い換えると宇宙舞台にした水戸黄門と思ってもらっても良い。諸国を漫遊するんじゃなくて、惑星渡り歩いて悪事を働く敵を成敗していく定番パターンの要素はさして変わらない。


スペオペ西部劇であり、冒険小説でもある

前段のスペースオペラ西部劇、って見方は間違いではないけれど、もう一つの要素としては冒険小説エッセンスを取り入れたのが大きい、というのが個人的意見


冒険小説って言うのは歴史が深く、中世騎士物語とか英雄譚とかが源流のジャンルで、主人公が様々な苦難を経て色々なところを冒険する、というもの

とある東の国では怖ろしい牙を持った30フィートを超える獰猛な虎と闘い

とある南の国では毒矢を操る部族と捕まりそうになるが隙をついて逃げ

とある海の国はいかだを組み合わせた住居で一生陸に上がることのない一族出会

などなど。


とりあえず妙なところを旅して、変なことが起きて主人公翻弄されるものの、結果的に知恵と勇気危機脱出する、というのが基本パターン。もちろん実際に旅をして書いた書物もあるものの、読者がそこに行って確かめことなんてない時代から適当に書いたものほとんど。


なにより、このジャンル大航海時代以降になって一気に花開いた。

史実でも南米や、さらには南太平洋諸島には独特の風習を持った部族文化遺産、また珍しい動物がたくさんいたので小説の題材としてはやりやすかった。

見上げるほど大きな猛獣との遭遇したり、人を食べるという部族に捕えられしまい大ピンチに!とか。

18世紀に発表されたガリバー旅行記も含め、19世紀くらいまではこのジャンルは盛り上がったのだけれども、20世紀にもなると下火になってしまう。


なぜなら、もうその頃には人類未踏秘境というのもなくなってしまたから。

不思議動物ジャングルの奥地に住む謎の部族も調べ尽くして、冒険ロマンは地上には残っていない。


そこで宇宙なわけ。



スペオペの魅力とその特徴

スペースオペラは作者が惑星ごとに好きなように自然環境を作れるのが大きな利点で、重力が少ししかない衛星があったり、昼が一ヶ月続く惑星も設定できたり、生態系でも、異星人でも、文化風習宗教法律など様々な要素を自由に設定できる。

そして一つの話が終了すれば主人公たちはそのままで、次の星でまた新しい物語を構築できる。それぞれの星で不思議出会いがあり、軋轢があり、その問題主人公たちが苦難を乗り越えて解決していき、そしてまた次の星へ。


ここまで説明してみると分かると思うのだけど、ワンピースの「島」も似たような構造にあるんだよね。

グランドラインに浮かぶ島々には様々な国々があり、翼の生えた種族が居たり、動物のような容貌の人々がいたり、奇妙な動植物があったり、冒険小説のような要素が満載で、それでいて一つの物語を解決すると次の島へ旅立ちそこで新たな出会いが……というパターン惑星を旅するスペースオペラとも共通の面が大きいと気がつくはず。

舞台こそ地上ではあるけれども「島」という設定は「惑星」に近く、もうこれはスペースオペラ物と言っても過言ではないだろう。



っていう話をすると

『いや、でも宇宙じゃないじゃん!』

と友人たちに一蹴されてしまうだけれども……。


賛同してくれる人が少しでもいるといいな。



元ネタのような記事

そろそろスペオペなラノベがくるんじゃない? - WINDBIRD

この記事を読んで書きはじめてみたものの、書いてみたら全然違うところに話が進んでしまった。




補足1

あらかじめ補足しておくと

ひょっこりひょうたん島』も『キノの旅』もスペオペである派です。


補足2

ネルフェアリーヴァースは宇宙に行く話なので、厳密にはワンピースは地上に限った物語ではないけど。

 
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