はてなキーワード: 戸田誠二とは
その身をつぶしてしまう
だが、広い宇宙の中では
たいしたことではない
言えるわけがない。
俺は何も望んでなんていない。
誰かとどうなりたいとか、自分をどうしていきたいとか、そんなビジョンはひとつもない。
やってみたいことも、触れてみたいものも、見てみたいものも、本当はひとつもない。
俺はただ、やり過ごしているだけだ。
葉擦れの音と二重の風景の中で、どうにか、変に思われないように、みんなからはぐれないように、必死で維持しているだけだ。
最低限の日々を。
それ以上のものを考える余裕なんてない。
俺には、なにもない。
空虚だ。
――「傘を忘れた金曜日には」
このまま生きていても、誰にも選ばれない
誰も私を見ない、私が誰も見ないから
ここは誰もいない町、私が誰も認めないから
選ばれたいけど、選びたくない
だから選ばれない
宇宙には果てがあるという
他の人は「光の速度」を超えて、他人の宇宙にメッセージを送ることができるらしい
私という宇宙の中心の、がらんとしたその真ん中で
斥力だけを放射し続け
僅かな引力は無に帰していく
選ばれない人生を送るだけの人生に、その遠景を臨む現在に、虚無の視界しか映さないその未来に
もう、いっその事このまますぐに消えてなくなりたい
これの続きとして、今日という日を切り取った人生の断面図とする
本当は誰かに「あーそぼ」と言えたら、それで終わるだけの話なんだ、これは
輪に入れなかった子供が、いつまでも拗らせ続けているだけに過ぎない
積み残し続けた積木は、この人生が果てるまで積みあがることはない
「30歳以上の人間は信用するな」っていう説があってさ
人間の成長発達では30歳までに世界の真理がすべて理解されるんだって
彼が何を言いたいのかわからなかった
そして2年後 彼を見たのはテレビドラマの中だった
……あいつは30で狂ったのか それとも
29で何かに気づいたのだろうか
オレはずっとあの会社で働き こいつと一生 暮らすのだろうか
明日で30になる
――戸田誠二「いきるススメ(2003)」収録「Don't trust over 30(30歳以上の人間は信用するな)」より
「20歳までに死ぬんだ」「こんな苦しい世界は、そこまでで終わり」
そんな信念を持っている人間は、きっとどこにでもいる
自分もそんな思いを持った、そして当たり前のようにそれが叶わない程度のつまらない人間だった
30歳になるなんて想像もしなかったし、その先の人生に想定も無かった
かつてあれほどまでに真剣で切実だった思いが綺麗に失われていることに僕は気づき
会社を辞めた
――新海誠「秒速5センチメートル」
そう、かつてあれだけ「死にたい」と願っていた自分は、もうどこにもいない
30歳になることに、感慨すら覚えなくなる程度にはつまらない人間になった、なれた
いや、初めからつまらない人間だったのが、魔法が解けたに過ぎないのかも知れない
長い思春期は、いつ終わったのだろうか
巨大な暴力である戦争によって理不尽に死ぬことはなくなり、飢えや疫病や大虐殺による死も少なくなった
規律と富と技術により、かくして生命を長らえさせることが容易になったこの世の中で、かくして人間のリアルは失われるようになった
この先、人間は生老病死すら克服し、神の庭でプカプカと浮くような生態を獲得するかもしれない
「見よ、人はわれわれのひとりのようになり、善悪を知るものとなった。彼は手を伸べ、命の木からも取って食べ、永久に生きるかも知れない」
もはや、そこでは死ですら救済にならない、何故だろうか
誰しもが生命の危機という危急の事態から遠ざけられ、子孫を残すことすら、社会的責任を果たすことすら自由になるようになった
人類史上、ここまで多くの人間がそうした「平和」を享受し、それと同時に「平和」という呪いを受けるようになったことはなかっただろう
我々は死ぬまで本当の感情を、本当の必然性や必死さ、危急さ、緊急性をもって人生を歩まなくなった
本当に食べたいものですら、我々はもはや自分で決められなくなってきている
我々に自分自身の意思はなくなってきている、カオナシかのように
もはやこの世界では、死ですら、セックスですら、コロナウイルスですら、戦争ですら救いにならない
システム化された社会はその修復力で、破滅を回避したいという先人の願いが故に、日常を堅持するようになった
それは本当に切実な願いだったからこそ、そこを否定することが誰にもできない
だって、目の前で自分の愛する者が死んでいく現実を肯定できる人間など、誰も居なかったのだから
無かった事にしてはいけない
救わなかった
「あの男には死ぬまで純粋な怒りなんて持てない」なんてセリフがアカギで述べられたが
そうなのだ、この世界の人間の中には、死ぬまで本気になれない人だっている
「生きよ、堕ちよ」と、極限状態になった時にそれでも生き汚く、生き延び
「自分が何者であるかを胸に刻み、望んでこの世界に生まれた二度目の赤子として自分自身の人生を歩み出す」ことを目指すしかない
それぞれの個別作業として、自分自身のオリジナルでパーソナルな苦悩と悲哀を母胎にし、何度も自分の人生を再規定するしかないのだ
人間の可能性を、この平和というシステムなんかでは人間の本質や尊厳は損なわれないことを信じるしかないのだ
…水も栄養も十分に与えるのよ
咲かせるにはその逆
ただ思い切り何かをやってみたかっただけなの
何もない所から頑張ろうとする方がムズかしいのよ
…でも何か見つけて…
――戸田誠二「花(生きるススメ収録)」より
「望むのは平和。ほんの少しの譲歩。
それだけしか望みません。
それだけで、わたし達は立派にやっていける。
その後のことは“みんな”が上手く形にしてくれる。
私はそれを信じています。
だって信じて貰えなければ、私は人間でさえなかったんですから。
虫けらのままで死んでいたんですから
……と、今なら言えるのだ。あれが感情のレイプだったこと、人はそんな出来事を受け入れてしまった時、誰を憎んだりすることも出来ず静かに絶望すること、感情の爪痕は永遠に残って人生を縛ること。
何のことはない
小学4~5年の頃にされた、どこにでもありそうな「いじめ」の一コマである
「担任」と「クラス」という閉鎖的環境に置かれ30人の子供達にとって、ごくごく「順当」な行動であった
こんなことは「起こり得た」でもなく「起こり得る」でもなく、「起こっている」現象だ
人の衣服を集団で剥ぎ、手足を拘束し、生殖器を蹴り(これが痛いんだ、本当に)
挙句の果ては異性の前にそのまま蹴り出す
こんなことは、今現在でも然程珍しくもないのだろう
救い難い事に、そうされた自分自身が成人になった今、形を変えて無自覚にも類似の行動を他者に行っているのだろうという事
どれだけ気を付けていても、人間というのはそこにいるだけで他者へ有形力を行使し続けている
「人の嫌がることをするな」は、気付いていようが気付いてなかろうが不可能だ
人は成り行きで他者を傷付ける
しかし、この広い世界はそんな事とは無関係に今日も一切の綻びなく営まれていく
☆(007)ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護 (ポプラ新書) 池上 正樹
なぜこの店で買ってしまうのか ショッピングの科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) パコ・アンダーヒル
33の法則 イノベーション成功と失敗の理由 オリヴァー・ガスマン
愛着障害 子ども時代を引きずる人々 (光文社新書) 岡田 尊司
☆儒教ルサンチマンの宗教 (平凡社新書 (007)) 浅野 裕一
サードプレイス―― コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」 レイ・オルデンバーグ
陽のあたる家~生活保護に支えられて~ (書籍扱いコミックス) さいき まこ
排除型社会―後期近代における犯罪・雇用・差異 ジョック ヤング
☆働かない―「怠けもの」と呼ばれた人たち トム ルッツ
父が子に語る世界歴史〈2〉中世の世界 ジャワーハルラール ネルー
☆クリエイティブ喧嘩術 (NHK出版新書 408) 大友 啓史
コギトピノキオの遠隔思考 ソウルドロップ孤影録 (ノン・ノベル 1003) 上遠野 浩平
竜との舞踏 1 (氷と炎の歌 5) ジョージ・R.R. マーティン
子どもの難問 野矢 茂樹
☓つねに結果を出す人の「勉強脳」のつくり方 イ シヒョン
☆アーミッシュの赦し――なぜ彼らはすぐに犯人とその家族を赦したのか (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ) ドナルド・B・クレイビル
この世でいちばん大事な「カネ」の話 (角川文庫) 西原 理恵子
統計学を拓いた異才たち(日経ビジネス人文庫) デイヴィッド・サルツブルグ
☆売り方は類人猿が知っている(日経プレミアシリーズ) ルディー 和子
☆☆国をつくるという仕事 西水 美恵子
林竹二著作集〈8〉運命としての学校 (1983年) 林 竹二
フィンランドに学ぶべきは「学力」なのか! (かもがわブックレット 169) 佐藤 隆
オッリペッカ・ヘイノネン―「学力世界一」がもたらすもの (NHK未来への提言) オッリペッカ ヘイノネン
コミュニケーション力を引き出す (PHP新書) 平田 オリザ
話し下手でも7割聞くだけで相手を惹きつけられる会話のコツ46 野本 ゆうき
Rules of Attraction Bret Easton Ellis
生きることのレッスン 内発するからだ、目覚めるいのち 竹内 敏晴
△ラノベのなかの現代日本 ポップ/ぼっち/ノスタルジア (講談社現代新書) 波戸岡 景太
俺のイタリアン、俺のフレンチ―ぶっちぎりで勝つ競争優位性のつくり方 坂本 孝
まことに残念ですが…―不朽の名作への「不採用通知」160選 (徳間文庫) アンドレ バーナード
足代小フューチャースクールのキセキ 徳島県東みよし町立足代小学校
ホテルはメイドでできている(1) (ジュールコミックス) 野崎 ふみこ
ホスピめし みんなのごはん(2) (ジュールコミックス) 野崎 ふみこ
りはめより100倍恐ろしい 木堂 椎
「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい―――正義という共同幻想がもたらす本当の危機 森 達也
「奇」の発想―みんな『少年マガジン』が教えてくれた 内田 勝
ファンタジーを読む (岩波現代文庫 〈子どもとファンタジー〉コレクション 2) 河合 隼雄
メディアを語る (別冊思想地図β ニコ生対談本シリーズ#2) 川上 量生
(003)世界の美しさをひとつでも多くみつけたい (ポプラ新書) 石井 光太
☆☆津波の墓標 石井光太
鳥貴族「280円均一」の経営哲学 大倉 忠司
☆OLたちの「レジスタンス」―サラリーマンとOLのパワーゲーム (中公新書) 小笠原 祐子
「金縛り]の謎を解く 夢魔・幽体離脱・宇宙人による誘拐 (PHPサイエンス・ワールド新書) 福田 一彦
「なんで英語やるの?」の戦後史 ——《国民教育》としての英語、その伝統の成立過程 寺沢 拓敬
秘訣は官民一体 ひと皿200円の町おこし (小学館101新書 19) 五十嵐 幸子
「町おこし」の経営学―ケーススタディー・地域経済活性化 官と民の新たな関係 三井物産業務部「ニューふぁ~む21」チーム
☆なぜ富士宮やきそばはB-1グランプリの覇者となりしか? B級ご当地グルメで500億円の町おこし 渡辺英彦
中小都市の「B級グルメ」戦略―新たな価値の創造に挑む10地域 関 満博
習慣の力 The Power of Habit チャールズ・デュヒッグ
まさかこんなところで戸田誠二を見るとは。
女が産む機械だというのなら、男はいったい何だろう。
何かを産むことはなく、せいぜい誰かに使われる道具であれれば上等、そんな程度ではないか。
男は女が殺したいほど羨ましいのだ。
実際、そうなのだろう。
この現実に抗うことは、することはできないし、虚しいだけだということは。