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2022-02-22

プーチンウクライナで越えた回帰不能

プーチンが、ついにウクライナ内部に樹立された「人民共和国」の独立を承認した

これは一連のウクライナ戦争において、今までで最も重大な回帰不能点(ポイント・オブ・ノーリターン)だ。クリミア併合よりもその重大性は大きい。

クリミアドネツクルガンスクの何が違うか。それは「戦争前の地位」だ。

戦争前、クリミアウクライナ内部において「自治共和国」の地位を有していた。ロシアクリミア併合は、このクリミア自治共和国が「クリミア共和国」としてウクライナから独立宣言し、その後ロシアとの併合条約を結んだ、という形式になっている(ロシア連邦制の国であり、国内にいくつもの共和国がある。タタルスタン共和国サハ共和国チェチェン共和国あたりが日本では有名だろうか。したがってクリミアも、併合後は「クリミア共和国」としての地位享受している)。

ある国家内の自治領域独立宣言を行うこと自体はよくあることだ。たとえば、ソ連解体も、ソ連に属していたウクライナ共和国ベラルーシ共和国といった連邦構成共和国ソ連から離脱宣言するという形で行われた。ユーゴスラビア解体に際しては、スロベニア共和国クロアチア共和国といったユーゴスラビア連邦内の共和国独立宣言を行い、それを西欧諸国が強引に承認するということもあった。

もちろん、クリミア地位共和国よりも一段劣る「自治共和国」であり、ウクライナ憲法国土の不可分性を謳っていたのだからクリミアの「独立」が上の先例と並べられるかという疑問は出てくる。しかし、それに先立つ2008年に、自治共和国よりもさらに劣る「自治州」の地位にあったコソボ独立宣言を、コソボセルビア領土だと明記されたセルビア憲法に背く形で欧米日本承認した以上、「なぜコソボ独立はよくてクリミア独立は駄目なのか?」という反論にもそれなりの説得力があった(ウクライナ憲法は守らねばならないがセルビア憲法は守らなくてもよい、というのはセルビア人への蔑視差別意識があると言われても仕方ないのではないか?)。

だが、ドネツクルガンスクについては話が違う。これらの地域は、ウクライナ戦争前にはなんらの根拠も持っていなかった。ウクライナ共和国内のドネツィク県とルハンシク県に過ぎなかった(ウクライナ語のオブラスチは「州」と訳されることが多いが、「県」でも間違いではない)。戦争中に親露派武装組織――つまりロシアの手先――が占領した領土を「自治共和国」だと勝手宣言したにすぎず、ウクライナは当然それらの地位変更を認めていない。

まり満州国だ。あれも、中華民国において確立された自治領域ではなかった。関東軍占領し、溥儀を傀儡に立てて建国宣言した。プーチンのしていることは関東軍と同じだ。

クリミア併合までは、「欧米が認めたコソボ独立と同じことをしているだけだ、それの何が悪い?」と、いちおうは国際法に則った言い訳ができた。ドネツィク・ルハンシク両県への軍事介入も、「あれは現地の武装勢力勝手に騒いでるだけで、ロシア正規軍は何も関与していない」という白々しい建前をいちおうは貫いていた。ここまでは、色々とツッコミどころはあるだろうが、最低限の国際的な建前を意識した行動だった。

それが、ドネツクルガンスク両「人民共和国」の独立を認めたことで、ついに越えてはならない一線を越えた。他国領土勝手樹立された政権承認する。これは明白に国際法を踏みにじる行いだ。なんの言い訳もできない。ロシアは完全に無法国家になった。

もともとかの国に遵法精神など期待する方が無駄だったといえるのかもしれない。しかし少なくともこの半世紀、ロシア国際法を建前としては尊重しようという姿勢を見せようとはしていた。その姿勢すら見せようとしなくなったというのは、やはり重大な転換点といえるだろう。

そして、世界には、「紛争によって勝手宣言された自称自治州自称独立国家」が多く存在する。今回のプーチン独立承認は、それらにも影響を及ぼさずにはいられない。

真っ先に思いつくのは、沿ドニエストル共和国だ。モルドバ領内のドニエストル川左岸地域が、ソ連解体モルドバ独立きっかけに自治宣言した。その後、独立宣言し、ロシア事実上後ろ盾についてはいるが、あくま国際的にはまったく認められていない。

あるいは、北キプロス・トルコ共和国の例を挙げてもよい。キプロス共和国内でトルコキプロス人の武装勢力が(トルコ軍の協力を得て)占領した土地勝手に「共和国」と宣言したが、当然トルコ以外にはまったく認められていない(余談だが、国内に非承認国家を抱えた紛争中の国がEUに入れてしまったのは本当に制度バグだと思う。ギリシャがゴネるから入れざるを得なかったんだよな……なお、国連提案した南北統合案を蹴ったのは南側な模様)。

もっと言うと、ボスニア・ヘルツェゴビナ内戦では、セルビア勢力占領した土地勝手に「スルプスカ共和国」を建国した。現在ボスニアにおいてスルプスカ共和国連邦構成する共和国として認められてはいるが、コソボと違ってその独立承認される見込みがない。戦争前には存在しなかった国だからだ。内戦時にクロアチア共和国領内で樹立されたスルプスカ・クライナ共和国も、最後まで国際的承認されることはなかった(なお、スルプスカ・クライナ共和国クロアチア軍の大攻勢によって崩壊し、数百年にわたってクロアチア居住してきたセルビア人が大量に難民として流出することになった。ザ・民族浄化典型である)。

ドネツクルガンスク両「人民共和国」の独立が、これらの紛争地域にどのような影響を及ぼすのかは何ともいえない。国際的監督下に置かれ主権制限されているボスニアの一部であるスルプスカ共和国や(現在ボスニア高等弁務官民主的に選出された政府高官罷免権などを持っているので実質的EU保護国であり主権国家とはいえない。なんで国連入れたの?)、国連による再統合交渉が続けられ、かつ形式的にはEU加盟国の一部である北キプロス・トルコ共和国に与える影響は小さいかもしれない。だが、何も影響がないということはありえないだろう。

そして世界のどこかには、未来ドネツクルガンスクがあるはずだ。ロシア行為は、それらの地域独立を夢見る人びとにとっての範になる。本当に、越えてはならない一線だった。

なお、このへんの危うさを一番わかっているのが中華人民共和国である。かの国は、コソボクリミアアブハジア南オセチアも、一切承認しないという態度を貫いている。チベット人ウイグル人に対してジェノサイドを行い台湾への締め付けを強めているだけに、一方的独立宣言の恐ろしさをよくわかっているのだろう。もちろん中華人民共和国による少数民族への抑圧は決して宥恕されるべきではないが、しかコソボ独立は認めながらアブハジア独立を認めようとはしないどこかのダブスタ国家に比べれば、遥かに道理というものをわきまえた行動ではないだろうか。日本政府は今からでもコソボアブハジアに対して一貫した態度を取ってほしい。

2019-12-27

ベストアニメ10落選作品供養

こういうのを書くのは蛇足なのであまりよろしくいかもしれないけれど、「なんでこれが入ってないんだ!」という異論が出てきそうなので、ベスト10選出にあたって考慮した作品ベスト10から除外した理由を挙げて供養しておく。

偽物語』(2012年

足の作画にこだわった実にフェチ映像化であり、映像不可能と言われていた歯磨きプレイ完璧原作再現してみせたのはただただスタンディングオベーションするしかない感じだったのだが、自分の中で化物語2009年)のファーストインパクトを超えるものではなかったので除外。シャフト時空と「君の知らない物語」の衝撃は10年経った今でも色褪せていないんだ……

戦姫絶唱シンフォギア』(2012年

2012年に1期が放映され、2019年に完結編となる5期が放映された、まさにテン年代を駆け抜けたアニメシリーズの第1作。「急に歌うよ~♪」に代表される外連味あふれる演出はほんと好きだし悠木碧水樹奈々も良い仕事してるなって思うしひびみくは尊いし「Synchrogazer」ほんと名曲で大好きなのだけれど、他の作品が良すぎてベスト10入りは厳しかったみたいな感じ。

咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A』(2012年

アニメとしてのクオリティは確かに良いし、熱血シーンも多かったし(「改変完了…!」が好きすぎて何度も聞いてしまう)、穏乃が最高に可愛かったのでそこだけ切り取ればベスト10でもよかったのかもしれないけれど、原作改変してレジェンド無能キャラにしてるのは許されざる感じ。原作だとレジェンドは色々裏で手を打ってたわけだけどアニメ版では控室で解説聞いて「知らなかった」みたいに驚いてるシーン付け足されちゃったところが何箇所かあって、まあアニメだけ見てるとレジェンド無能に見えてしまうよな……なんもかんも原作改変が悪い。あと千里山関西弁もうちょいどうにかならんかったんか……

え? 実写化? やだなあ『咲-Saki-』は実写化なんてしてないですよ何言ってるんですか冗談が下手だなあHAHAHAHAHA。

氷菓』(2012年

なんとも評価に困る作品である氷菓だけに)。確かにアニメとしてのクオリティは高かったし、原作尊重もしていたと思う。でもやっぱりあちらこちらで「ええ~……」という感じになる改変箇所があった。キャラデザの段階で原作ファンをざわざわさせていたのだが、それはまあ解釈問題なので別にいいとして、「わたし、気になります」の謎エフェクトはいったい何なの? 『クドリャフカの順番』回で奉太郎真相を解き明かす場に里志がいたのは個人的には微妙。その場にすら居合わせられなかった辺りが福部里志なんじゃない? ただまあその辺は宥恕できる範囲だとして、ファーストシーズンEDは本当に許せない。なんなのあれ? 〈古典部シリーズにああいEDとか人を馬鹿にしてるのかと思う。セカンドシーズンEDはまあ良かったけど反省したのかね。OPは完成度高かったのになあ……。そして数年後に『氷菓』が実写化したときに「京アニイメージ台無し」とか「またアニメ実写化かよ」とか言い出す連中(末代まで祟ってやる)が出てきたのでやっぱりアニメ化しなかった方がよかったんじゃない? と思ってしまった。いや、アニメきっかけによねぽ作品全部揃えたとかい友達いるか安易否定するのはよくないのだが、高校図書室の片隅で読んでいた僕たちの〈古典部シリーズ横取りされた感はなんか強い。この辺のモヤモヤがあって手放しには褒められないので除外(ところで実写どんな感じでした? よねぽ作品初の映画化なのにまだ見てないというのは忸怩たる思いがあるのだけど、ちょっと見るのが怖い)。

最後に。細かい話になっちゃうけど、時代背景は原作発行当時にしてほしかった。作中でみんながスマホ使ってるのにチャットとかサイトとかあのへんの描写がすごいスマホ以前の時代匂いを漂わせていて、なんというか違和感があったんだよね。だったら時代2001年とかそのへんにしてキャラには一昔前のガラケー持たせればよかったんじゃない? と思う。スマホ以前の時代中高生活を送った者として、同時代に読んでいた小説空気感はそのままに一部の小道具だけ現代になってるのはやっぱりなんか変な感じがするんだよな。時代考証がちぐはぐというか。この点、出来はともかくちゃん舞台1990年代のままにしていたこの世の果てで恋を歌う少女YU-NO2019年)は賢明判断だった。

新世界より』(2012/2013年

文明崩壊世界原作通りに丁寧に、しかも我々の予想を超える形でアニメ化してくれてチョベリグだったのだが、競争相手が多すぎてベスト10に入れなかった格好。いやーほんとね、原作描写された未来の異形の生物たちをあそこまで丁寧にアニメ化してくださったのは素晴らしいですよ。そして浪川大輔さんの演技が最高だった。新世界より』で一番輝いてた声優は誰って言われたら浪川さんを挙げる。ほんとすき。

ただアニメオリジナルの大歓喜帝の即位シーンはどうかと思った。「大歓喜帝となられる!」っていう台詞があったけどあれは諡号なんだから生前そう呼ばれることはありえないと思う。もちろんそれは伝統的な王号の話であって未来適用できないのでは、という議論もありうるけれど、慈光帝にしても大歓喜帝にしても生前のおこないを皮肉る形でつけられてるんだからやっぱり諡号なんじゃないかなぁ。まぁこれは些細な点で、これ以外はケチのつけようもなかった。良アニメ化の見本みたいな感じ。

さくら荘のペットな彼女』(2012/2013年

単体で見れば良い出来なのかもしれないけど割と大胆に原作時系列を改変していて微妙な気分になるので除外。龍之介とリタの関係とかさぁ……。

Z会クロスロード」 120秒Ver.』(2014年

アニメを使ったCM最高峰だと個人的に思うので最後までベスト10に入れるかどうか迷った。

ヤマノススメ セカンドシーズン』(2014年

映像としてのクオリティ百合作品としての密度キャラのかわいさ、どれを取っても高品質で良い作品なのだが、原作描写違いすぎませんかね……? という理由で除外。だって原作完璧超人なキャラアニメ版で脳筋おバカキャラになってるのはちょっと擁護不能じゃないです? ゆうかのかえでへの思いが全然違うものなっちゃうじゃん……

響け!ユーフォニアム』(2015年

良い作品なんだけどちょくちょく原作描写変えてるんだよね。最大の問題はなぜ標準語にしたのかという点。原作では方言で喋っててかわいい漫画版もそれを再現してるのに! あと『2』であすか先輩の実家がなんで豪邸になってたのかがわからんあんな豪邸じゃああすか先輩が育ててくれた母親に恩を感じる理由微塵もなくない? どう考えてもアニメ版であすか先輩がこれまで生きてこられた理由実家パワーであって暴力をふるう親に感謝しなければいけない理由が見えてこないよあれじゃ。あすか先輩もひとりの高校生であり、特別人間なんかじゃない、という意味原作のつつましやかなお宅には込められていたと思うんだけど、そこ変えちゃうかー、という残念さはあるよね。夏紀先輩が大天使だっただけにこれをベスト10に入れないのは割と断腸の思いではあるが(でも夏紀先輩の描写原作と違う……ぐぬぬ)。

ガールズ&パンツァー劇場版』(2015年

ガルパンはいいぞ。……とだけ言って終わらせるのはあまりにアレだけど、実際にそうとしか言いようのない感じはあり。とにかく戦車アクションのキレが良く、それを映画の尺で濃密にやってくれたもんで大満足の出来だった。ベスト10に入れるつもりでいたけど気づいたら11作品くらい挙がってたので泣く泣く削った感じ。

君の名は。』(2016年

俺たちの新海が一気に一般人にも知られるアニメ監督にのし上がるなんて予想もできなかったが、流行るだけのことはある作品だった。新海誠『天気の子2019年)とかぶるからバランスを気にして外した、以上の意味はなく、もちろんテン年代アニメ映画ベスト10に余裕で入る傑作である。これぞ新海誠という感じの映像美にこれぞ新海誠という感じのガバガバSF要素が加わりやっぱり新海誠じゃねーかとなる感じの恋愛模様を前面に出しつつも東宝かいう拘束具を得た結果オタクだけでなく一般人からも支持される作品に仕上がったのは本当にアニメ史に残るサクセスストーリーではあるまいか。いやだって言の葉の庭』の興収とは文字通り桁が違うというか……あのセカイ系がどうたらこたらみたいな論を立てるめんどくさいオタク大人気だった新海誠国民アニメ監督になる日が来るだなんて2010年自分に言ったら失笑されるだろうと思う。

この世界の片隅に』(2016年

映像表現としては素晴らしいの一語に尽きるのだが、重要なところで謎の原作改変を複数していて微妙な気分になってしまうので除外。リンさん関係の省略で妊娠を疑うシーンが意味不明になってたのもそうだし(これはこないだ公開されたバージョンではちゃんリンさんの出番あったらしいのでそっちに期待)、なんですずさんの慟哭シーンの台詞を改変したか未だに納得がいかない。そもそも原作では、「米軍空襲という暴力には屈しない→自分たちも暴力他人を従えていたのか→だから暴力に屈するのか」という一連の流れになっていたのに、映画では「米軍空襲という暴力には屈しない→植民地食べ物を食べて生きてきた→だから暴力に屈しなければならないのか」と改変されていて流れが途切れている感。もちろん真ん中の部分も自分たちが植民地支配という暴力を振るってきたんだと気づかせる意図ゆえの改変でだというのは理解するけれど(そしてそういう気づき方の方が一主婦であるすずさんの立場から自然だという論にも一理ある)、やっぱり「暴力に屈するものかね」という台詞を踏まえると原作台詞を維持すべきだったと思っちゃうんだよね。というか、原作そのままの台詞にも改変後の台詞にも一定合理性がある以上、原作を変えるべきじゃないでしょう常識的に考えて……アニメ化は原作の婢ですよ……

けものフレンズ』(2017年

すごーい! 君は下馬評の低さ、1話切りの嵐からソーシャルネットワークの勢いで覇権上り詰めた2010年代を象徴するような流行り方のアニメなんだね! 最初はなんだこれって思ったけど、普通に面白くてびっくりしちゃった! 最終話を待ってた1週間はとーっても長かったんだ! ……ということでベスト10に入れても良かったのだが、多くの人を満足させて終わった放送終了後にとんでもない騒動が(コンテンツホルダー側の責任で)巻き起こったのを思うとベスト10に入れるのを躊躇われ、最終的に外してしまった。アニメ外の要因で評価するのは邪道だろうけれど許してほしい。

で、こういう話をするならけものフレンズ2』2019年)についても語る必要があるだろうけれど、途中で切っちゃったんだよな。解釈違いというかちょっとそれはどうなのって思うところが多々あったので。ただその私がどうなのって思ったところも他の人の考察とかを読む限りでは最終的に「なるほどそういう問題意識に基づいていたのか~(私と立場は違うけどそういう立場立脚するのは理解できる)」みたいな感じに落ち着いて終わったっぽいので、完走すりゃよかったかなとちょっと後悔している(某所の感想を読んで「つまりけものフレンズ2』は『ソラリス』だった……?」というある種の納得を得た)。でも是非以前にクオリティ問題で見ててあんまり面白くなかったんだよ『けものフレンズ2』……

あと私もたつき監督作風は好きだけど、吉崎観音がコンセプトデザイン(≒原作)であってたつきあくまアニメ版の監督に過ぎないっていう前提を忘れてまるで1期が原作であるかのように振る舞う2期批判派の人は生理的に無理。実際のところはどうだか知らないが、仮に吉崎観音たつき対立して前者が後者を追い出したというゴシップの内容がすべて正しかったのだとしても、原作者とアニメ版の監督対立しているのなら普通原作者の肩を持っておくのが良識だろうと思っていたのだが……?

リズと青い鳥』(2018年

単体で見ればとても良い出来なのだ希美みぞれ関係性あるいは夏紀とみぞれ関係性に関し解釈違いというか原作と違う箇所があって微妙な気分になるので除外。原作の久美子が夏紀や優子に置き換わった結果関係性が変わっちゃってるんだよなぁ……。原作希美が久美子に弱さをさらけ出すシーンを夏紀&優子相手に変えたら原作の夏紀先輩が見せた気遣いはどこに行ってしまったの? ってなるし、クライマックス台詞にしても原作とはニュアンスが違ってきちゃうわけで……。そもそも希美先輩はなかよし相手あんな弱音を吐くキャラではなかろうし(あれは相手が久美子であったことに意味があるのであり)。あと夏紀先輩が謎にみぞれ先輩に優しいのはなんでだ。原作では割と冷ややかに見てたよね……? というか原作と明らかにクライマックス後のnzmzの距離感が違うじゃないですかァーーーーーッ!!!(いや短編集まで含めての話です。希美の誘いをきっぱり断ったみぞれ先輩はどこいっちゃったの?)公開直後に「のぞみぞ添い遂げて」とか言ってる人たちを見て、はぁお前らどこに目ン玉つけてんだいったい原作のどこに添い遂げる可能性を感じられるんだ、と思ってたけど、映画見てみたらそう言いたくなる気持ちもわかってしまった……ともかく関係性が原作と違う……

キャラデザも意見が分かれるところだろうと思う。個人的に傘木希美キャラデザはTVアニメ版の方が好き。地に足が着いてる感じがする。リズ版は軽薄さが強調された感じに見えて傘木希美モンペとしてはこう微妙な気分になってしまうのです(二次創作その他での傘木の扱いがあんまりにもあんまりすぎてモンペ化した。リズ青の傘木が! 無神経に! 見えるのは! 原作気遣い描写を削ってたり! 余計な改変をしてたりするからです!)。逆に鎧塚みぞれリズ版の方が良い味出してたと思う。みぞれの儚さを引き立たせるためのキャラデザなんだなと思えば納得(いや、原作とはそもそも髪型違うんだけどさ)。みぞれ先輩の視界むっちゃ狭いな! っていうあの演出は本当に傑出した映像表現であって素晴らしいなと思うところ。これで原作に忠実ならベスト10に入れてた。

銀河英雄伝説 Die Neue These』(2018年

良いアニメ化だけど迷った挙げ句に落とした。

今作、耳が孕みそうになるイケボのシェーンコップや立体機動装置を使ってそうなオーベルシュタインヤンチャしてそうなキャゼルヌといった新しいキャラデザが輝いていたし、ショタハルトさまの破壊力すごすぎてキルヒアイス人生狂わされたのも納得してしまったし、フレデリカが一部オタク性癖を鋭角でえぐる見た目になっていてたいへん素敵だったのだが、MVPはなんといってもアンドリュー・フォーク准将だと思う。顔立ちは整っているが陰気、という原作描写完璧再現してくださっている……! しかCV神谷浩史流れるような詭弁も聞けて本当に耳が幸せ3,000万将兵の命を無謀な作戦に費やす勇気俺たちの求めていたフォークはこれだよ感が素晴らしい。

ただキルヒアイスがことごとく解釈違いで……いや、流石にカストロプ動乱はあんまりにもあんまりというかキルヒアイスがああいう策を弄せるならオーベルシュタイン要らないじゃん感がすごくないです? 戦闘は得意だけど策とか謀略とかそういうのは不得手、というのがキルヒアイスの美点であり弱点でもあったと思うのだけれど。というかなんであんな鋭い目つきなの? もっと温和な感じじゃない? ただでさえラインハルトの目つきが鋭いんだから相方であるキルヒアイスもっと穏やかな感じにしてくれた方がバランス取れない? 道原かつみ絵で産湯を使った人間なのでキルヒアイス描写は不満が多かったけど、キャラデザの部分に関しては単に解釈が違うという話で原作と違うという話ではないのでまあ許容範囲内ではある。でもやっぱりカストロプ動乱はおかしいと思うんですよ(しつこい)。

荒野のコトブキ飛行隊』(2019年

空戦シーンは文句なしに最高の出来なのだが、やっぱりキャラもそれで動かすのは微妙というか……いや本当に空戦シーンは素晴らしいんだよ……でもキャラの顔とかが……空戦シーンは2010年代で最高なんだが……

2015-04-17

突然翻意して人を中傷するガキやババアを殺しても宥恕される判例でも作ったほうが生産

 
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