はてなキーワード: ダイナースとは
先日、ダイナースの広告記事で通販サイトのカードや交通系がついたカメラ屋さんのカードに言及して炎上した。
それでダイナースって久々に聞いたな、ステータスあって庶民には縁が無さそうだなぁと思って調べてみた。
すると、確かにバブル期とかは医者弁護士等々しか持てなくて勝ち組の象徴みたいなカードだったが、今は時代に合わせて審査基準も変わってるとのこと。そして正社員で年収500万あって27歳以上でクレヒスに問題なければ審査はだいたい通るとのことだった。
確かに今のご時世、正社員で500万円っていうのはそれなりに成功ルートなのだが、医者弁護士経営者などと比べたら十分一般人の射程圏内である。家庭を持ったら普通に庶民だろう。
ダイナースの特典を見ると空港関係のサービスはもちろんのこと、「ダイナース」の名前にふさわしく高級料理店関係の特典が充実してたりと明らかに上位層向けのカードである。
そのようなカードが数万円の年会費が払えたらそこそこの一般人でも持てるのである。
思えば今の世の中はステータス性があると思われたカードがどんどん一般化している。
昔はゴールドカードisスゴイと思われたが、今は様々なカード会社がゴールドカードのバーゲンセールをしていて高めの年会費を払えばある程度の一般人でも持てる。
プラチナやブラックでないとステータス性を感じなくなってしまった。
ステータス性がある思われたカードといえばアメリカンエキスプレスもある。しかし、これも一般人の手に届く。定職についていれば300万から狙えるようだ。雨金もわりと緩いと聞く。
クレジットカードの基準の変化も社会のバロメータになるかもしれない。
これは日本だけの流れなのか世界的な流れなのかわからないが、少なくとも私は日本が貧しくなってきてるのかなと感じた。
視点を変えると一昔前の普通が「成功庶民」(今作った言葉)にシフトしてるのかもしれない。
仕事頑張って成功した一般人になって普通に幸せな人生を送りたい。
でも非リア陰キャな私はカードのステータスなど気にしても仕方ないしポイントが溜まって便利に使えばいいので当分は通販サイトのカードマンだろう。
ゲーテ掲載のダイナースの記事広告が炎上し、広告主である三井住友トラストクラブに取材した記事がbuzzfeedで公開されていた。
(1)ゲーテから持ち込まれた提案だったため、企画・制作はすべてゲーテに一任した
(2)秘書たちの発言については「実際に座談会で出た議論」で「当社が誘導や指示等を行ったものではありません」
なんだこれ。責任転嫁も甚だしい。メディア広告営業の立場から見て、腹立たしい部分が多々あったので書き残しておきたい。
まず、広告業界をあまり知らない人のために簡単に説明しておくと、記事広告は以下のようなステップで作られる。
・取材
・記事公開
記事広告とは、クライアントによるクライアントのためのクライアントのものだ。もちろん、著作権はどこにあるとか、媒体のコンセプトを貫くとか、媒体に紐づく要素も多々あるが、「お金を払って記事を書いてもらって出す」という行動の主語は常にクライアントである。
ダイナース側は「企画・制作はすべてゲーテに一任」し、自分らはさして関わっていないかのような回答をしている。
確かに「企画・制作はすべてゲーテに一任」したかもしれないが、それを発注し依頼し確認しGOサインを出したのはダイナース側である。
広告記事がクライアントの確認とOKなしに記事が公開されるわけがない。「美人秘書!いいね!これでいきましょう!」というダイナース側のマーケティング担当者の一声があったから記事は公開されたのである。
仮に確認なしで出ていたとすれば、
・ダイナース側のマーケティング担当者が、主体性も戦略もなしに媒体や代理店に丸投げする、職務放棄した能力底値人間である
・ゲーテを発行する幻冬舎営業部が常識を逸したクライアントワークを行う会社
のどちらかだ。
(2)については、本当草生える。
「実際に座談会で出た議論」って言ってるけど、ダイナースが金を出して作った広告記事で、秘書たちに「やっぱ楽天カードだよね」「東急カード、最高ね」と言わせるわけがない。
クライアント側マーケティング担当は、「ダイナースカードをこういう風に見せたい」と媒体営業担当に企画趣旨を伝えるのが仕事だ。それが媒体営業担当を通じて協力者に伝えられる。
参加者の発言について、誘導するのも指示するのもクライアントの当然の権利。当たり前だが、たまたま集めた秘書たちが、たまたまダイナースを取材後半で褒め始めるーーなんてことはあるはずがない。
わざわざ否定して守りに入っているのが痛々しい。
▼なんでこんな記事ができた?
内容に関しては「よくこんなにチープな出来で公開したな」という感想しかない。
「私の上司もダイナース」「ダイナースな男は最高」とダイナースを持ち上げる話への持っていきかたは下手くそで不自然。シラフの営業担当だったらこの記事内容でクライアント確認出せないだろう。
・ライターから上がってきた記事を「うわ〜これ安いなきっついな〜」と思いながらゲーテ担当者から確認出しをしたら、適当なダイナース担当者から案外OK出ちゃった
・当初はもっとまともな記事だったが、ダイナース側から「もっとダイレクトに俺らの名前を出せ!」「もっと面白く」「もっと!」と修正がかかり続けた結果、この内容になった
想像するに、こんなところだろう。
あともう一点、考えられるとすれば「代理店クソ問題」。広告記事には、クライアントと媒体社の間に代理店が入っているパターンもある。
代理店がバカでザルすぎて勝手にOKを出した結果、クライアントの意向にそぐわない記事内容で公開されてしまった可能性もありえる。この場合も、下請けのように記事をつくり、炎上し、叩かれるのは結局媒体社。
まあ、こんなの媒体社にとっては「よくある話」。媒体社の広告営業やってるみんな〜〜〜!分かってくれるよね。自分が可愛いクライアントや代理店が、ミスを媒体側に押し付ける。押されて押されて叩かれ叩かれ、広告費用も叩かれるんだな。あるあるすぎて、つらい。
…と、ここまで書いてきたものを引っくり返すようで恐縮だが、この騒ぎ、案外ダイナースもゲーテも「美味しい」と思っているんじゃないか。騒ぎのおかげで掲載期間短縮したって余りあるほどのPVを得たでしょう。ゲーテ側で設定している想定PVなんてやすやすと上回って、手を取り合いきゃっきゃしているかも。
「ブランドを落としましたね」と訳知り顔の業界関係者を尻目に、「やっぱいい男にはダイナースだよな!」と自信を強固にしたおっさん達だって多分いるんだよ。