「スネツグ」を含む日記 RSS

はてなキーワード: スネツグとは

2016-07-19

スネ夫男との会話

――スネ夫のことがお好きだと聞いたんですが、どういうところが…
スネ夫?なんですかいきなり」
――○○さんと△△さん(共通の知人)に聞いたんですけど…
「ああ…。いや好きだとかそういうことじゃなくてね、あの人たちに言ってたのはそういうことじゃなくて」
――好きじゃないんですか
「伝わってなかったかもしれないけれど、スネ夫気持ちちょっと想像できる、そんなことを話の流れで言ったことはあります。けっこう前ですよ」
――性格とか境遇とかが似ているんですか
「うーん。別に僕はお金持ちの家に育ったわけでもイヤミなわけでもないんですが、境遇といえば境遇か、ちょっとした境遇が似ているので」
――具体的には
「具体的にって…。いや、ほかのだれかにわざわざ言うような話ではなくて」
――聞きたーい。スネ夫のどういうところですか?
「(苦笑)コミックちょっとだけでてくる話なんですけど、実はスネ夫には弟がいるんです」
――スネツグですね!
名前別にどうでもいいんですが……」
――外国養子に出されたという設定の
「……ええ。いや、こっちは設定とかじゃなくてリアルな話なんです」
――弟さんが?
「2つ違いのが。話には聞いていたんですが、生まれてすぐに出されてたので実感がなくて。物心ついてからはじめて実際に会うということになったのが小5のとき
――それまでは写真とか?
「いや、何も。だから一人っ子として育ったようなもので。周りの友達一人っ子ばっかりだし、兄とか弟とかイメージ全然かばないまま会ったんですよ」
――そんなもんですか
「そんなもんです(苦笑)けっきょく兄らしいふるまいどころかまともに話せないままで。あとになって向こうは本当に楽しみにしていたと聞いて余計に罪悪感がね」
――あの、スネ夫の話は
「うん、その少しあとに友達の家のコミックを読んでいたら弟がやってくる話があって、わかるわー、と」
――気持ちがわかった?
「なんかね、本当はお兄ちゃんなんだという気持ちけが先走って、でも実態はなんにもできないんです。孤独なわけですよ。そのすきまを埋めようと人とのつながりを間違いないものにしてるんじゃないかと。人寂しさの裏腹の気負い、それがふだんのスネ夫あんである理由かなと」
――スネ夫ちょっとだけわかった気になったと
「(苦笑)なんで僕スネ夫の話ばっかり聞かれてるの。まあ自分の似たような至らない部分をスネ夫を通じて見ることで、小5のそのへんからちょっとだけ許せるようになったかな」
――ちなみにドラえもんで好きなキャラクターは何ですか」
ドラえもん
――スネ夫じゃなくて、ドラちゃん
「うん、ドラちゃん(笑)

この日のためにスネ夫Wikipediaを丸暗記したとあとで言ったら1分ぐらい笑ってた。最後までスネツグの設定は後付けだぞ!とは言えなかったけど。

2009-12-28

スネ夫

本当は、金持ちの家に生まれた事が、とても嫌だった。

親の財産が、ずっと憎かった。

 

皆が自分家族の話をしている時、僕が同じように話に加わろうとすると、「お前の家は金持ちだからいいよな」と嫌味を言われる。好きなオモチャの話でも同じだ。僕が、自分の好きなプラモを挙げただけで、他の皆は僕の事を宇宙人でも見るような目で見る。

僕はただ、彼らの会話に加わりたかっただけなのに。

親にその事を言っても、気にするなと言われただけで、何も解決にならなかった。

 

そんな事が続いて、やがて僕は話し方を変えた。

どうせ憎らしい自慢話だと思われるのなら、本当にそのように話せばいい。

理解されようと思って話したことを否定されれば傷つくけれど、理解される事を諦めれば、傷は軽くて済む。「こいつは自慢話しかしない」という相手の期待を裏切っていないという、ある種自虐的な満足感すら得られる。

それで嫌われたとしても、誰とも話が出来ないよりはマシだ。

 

三十路を越えた今になれば、周囲の人間達も、そんな明け透けな敵意を見せてきたりはしない。僕の方も話術が巧みになり、金の話を絡ませずに自分プライベートをある程度語れるようになった。

だが今でも、創作物などで金持ちのいけ好かない悪役が出てくると、ひどく息苦しい気持ちになる。

 

これは、あの頃の僕だ。

と同時に、金持ちはかく在るべしという、皆の無意識の強制だ。

親の収入がもっと少なければ、僕はこんな嫌な奴にならずに済んだのだろうか。

人達と何の屈託もなく笑い合う事ができたのだろうか。

 

今、僕はある計画を胸中秘かに抱いている。

先日、父が不治の病に倒れ、医師に余命半年を宣告されてから、考えた事だ。

それは、「遺産の相続放棄」。

幸いにも今の僕にはある程度安定した職があり、自力で生きていける目処は立っている。

僕が受け取らない分は、母と弟のスネツグの手に渡るだろう。それでいい。

長らく僕を苦しめてきたこの鎖を断ってやれると想像すると、こんな状況で不謹慎かもしれないが、実のところワクワクが止まらないのだ。

 
ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん