はてなキーワード: ザック・スナイダーとは
戦力差が10倍以上のもののみ取り上げています。随時更新中 ★は(戦術的)勝者側
多くのコメント・ブクマありがとうございます。 コメントで私が知らなかった戦いについて教えてくださった方ありがとうございます。https://anond.hatelabo.jp/20210708183653こちらも参照ください
B.C.480 ペルシア戦争 ギリシア軍7000vs★ペルシア軍30万以下
スパルタ王レオニダス指揮下のギリシア連合軍がペルシア軍の大軍と激突した。狭い地形を活かし、3日間の激戦を繰り広げるが、背後から攻撃され敗北した。この戦いでギリシア軍は1000人、ペルシア軍は2万人の兵士を失った。
・彭城の戦い
漢軍が彭城を制圧した事を知った項羽は精鋭部隊を率いて漢軍を襲撃した。攻略に成功したことから油断し、酒宴に明け暮れた漢軍は突然の事態に太刀打ちできず20万人以上が戦死した。
23年 ★緑林軍1万vs新43万
劉秀率いる緑林軍が新軍に包囲される。劉秀は脱出し、外側から新軍を襲撃して壊滅させた。
ブーディカ女王率いるケルト人がローマの支配に対して反乱を起こした。ローマ軍は反乱軍を狭いワトリング街道に誘い込み、これを破った。ローマ軍の死傷者はわずか400人であったのに対し、反乱軍の死傷者は8万人であった。
・博望坡の戦い
劉備軍と曹操軍が宛で対峙する。劉備は撤退したと見せかけ、誘われた夏侯惇を撃破した。李典の援軍が来るとみた劉備は兵を引き、曹操軍も撤退した。
383年 五胡十六国時代 ★東晋軍8万5千vs前秦軍117万
華北統一に成功した前秦が東晋征服のために大軍を派遣する。前秦軍は敵軍を誘うため、先鋒を退却させる作戦をとるが、兵が混乱して退却を止めなかったため、そこを突かれて敗北した。
・チェラーミの戦い
アラブ人の支配下にあったシチリアにルッジェーロ1世率いるノルマン人が侵入、イスラム教徒を撃退した。アラブ軍は戦力の7割を失ったとされる。
・黄天蕩の戦い
韓世忠とその妻梁紅玉率いる南宋軍が金軍を打ち破り、2万5000人を討ち取った。
屋島で破れ、志度寺に立て籠もった平氏を源義経が追撃した。平氏は大軍が後に続くとみて敗走した。
・下赤坂城の戦い
楠木正成は下赤坂城に籠城し、幕府の包囲にゲリラ戦で1ヶ月以上抵抗した。城は陥落したものの、幕府は楠木正成と護良親王を討ち損ねた。
1333年 元弘の乱 ★楠木軍1000vs鎌倉幕府2万5000
千早城に立て籠もった楠木軍は幕府軍に包囲されるも、3ヶ月に渡って抵抗した。気が緩んだところを奇襲するなどの奇策で消耗した幕府軍は攻略を諦め、撤退した。
・船上山の戦い
1333年 元弘の乱 ★後醍醐天皇軍150vs鎌倉幕府3000
後醍醐天皇が隠岐の島から脱出すると伯耆国の武将名和長年が挙兵し、隠岐国守護佐々木氏を攻撃した。名和軍は数百の軍旗を見せつけて威嚇する、暴風雨に乗じて攻撃するなどの戦法で幕府軍を破った。
倭寇に悩まされた朝鮮はその本拠地と見なした対馬へ討伐軍を派遣するが、宗氏の抵抗に遭い撤退する。対馬側は100~200人、朝鮮軍は3000人ほどが戦死した。
・ビルスの戦い
1444年 旧チューリッヒ戦争 スイス軍1500vs★フランス軍3万~4万
スイス軍がチューリッヒを包囲したことにより、フランスと戦争に突入した。スイス軍は数で勝るフランス軍と死闘の末に壊滅するが、フランス軍は2000人の損害を被った。この戦いによりスイス人の勇敢さがヨーロッパ各地に知れ渡った。
・土木の変
1449年 ★オイラト軍3万vs明軍50万
明の正統帝は自ら大軍を率いて、オイラトの征伐に向かう。しかし、食料配達の困難や大雨により明軍は士気が低下しており、そこをオイラトに奇襲された。明軍はほぼ全滅し、皇帝も捕虜となった。
・九頭竜川の戦い
越前制圧を目論む一向宗と朝倉軍が九頭竜川を挟んで対峙、朝倉軍は夜襲により一向宗を撃退した。
・セントラの戦い
1519年 スペインのメキシコ征服 ★スペイン軍410vsマヤ軍1万~4万
征服者コルテス率いるスペイン軍がマヤの大軍と交戦。マヤ軍はスペイン人の軍馬に恐れをなして敗北した。スペイン軍の犠牲はわずか2名だが、マヤ軍は800の犠牲を出した。この戦いでコルテスは後の妻にして翻訳者としてアステカ征服に貢献するインディオの女性マリンチェを得た。
・オツンバの戦い
1520年 スペインのメキシコ征服 ★スペイン・トラスカラ連合軍 7~800人vsアステカ軍4万
アステカ軍はスペイン軍の侵略を一度退けることに成功した。その後、大軍を率いて追い打ちを試みる。しかし、初めて見る軍馬の威力に恐れ戦き、指揮官を含む大勢が戦死したため敗走した。この戦いの後コルテスはアステカを滅ぼした。
・プナの戦い
1531年 スペインのペルー征服 ★スペイン軍168vsプナ先住民3000
スペイン軍がインカ帝国征服へ向かう途中、プナ島で先住民と交戦するが、銃と馬の威力でこれを打ち破る。
・ディーウ包囲戦
1538年 オスマン・ポルトガル戦争 ★ポルトガル軍600vsオスマン・クジャラート連合軍2万2000
ポルトガル軍が連合軍に包囲されるも、3ヶ月の籠城戦の末にこれを退けた。ポルトガル軍の死傷者は40名に対し、連合軍の死傷者は3000名。
・スィゲトヴァール包囲戦
1566年 ハンガリー軍2000~3000vs★オスマン軍10万~30万
ウィーン遠征へ向かうトルコ軍がクロアチア総督ズリンスキ率いるハンガリー軍を包囲。1ヶ月にも及ぶ激戦の末に防衛軍はほとんど全滅したが、トルコ軍にも2万人の犠牲者が出た上、スレイマン1世が陣没したため、撤退を余儀なくされた。リシュリューはこの戦いを「文明が救われた戦い」と称えた。
・今山の戦い
1570年 戦国時代 ★龍造寺軍5000vs大友軍6万~8万
佐賀城に籠城した竜造寺隆信を大友宗麟率いる大軍が包囲する。攻防戦は4ヶ月にも及び、落城は目前に迫ったが、大友軍が勝利を確信して宴を催したところを奇襲し、これを破った。
・木崎原の戦い
島津軍は数で勝る伊東軍を伏兵に背後を突かせることで破った。島津軍は275人が犠牲となったが、伊東軍は指揮官の伊東祐安含む800人以上が戦死した。この戦いは後の島津軍の戦いにおいて参考にされ、九州制覇に貢献した。
信長は石山本願寺に味方する雑賀衆の討伐を試みるが、雑賀衆は1ヶ月にも及ぶゲリラ戦でこれを退け、両者の間に和睦が成立した。
・天目山の戦い
1582年 戦国時代・甲州征伐 武田軍43vs★織田軍3000~4000
織田軍に追い詰められた武田軍の最後の戦い。武田軍は奮戦虚しく壊滅し、武田勝頼は自害したが、織田軍にも900人近い死傷者が出た。
・沖田綴の戦い
1584年 戦国時代 ★島津・有馬連合軍6000vs龍造寺軍6万
連合軍は数で勝る龍造寺軍を釣り野伏せで破った。この戦いで総大将竜造寺隆信は戦死した。
・岩屋城の戦い
島津軍は筑前を攻めた際、高橋軍の籠城する岩屋城を攻略した。高橋軍は講話の提案にも応じず、激戦の末に全滅した。島津軍は4500以上の死傷者を出した。
・忍城の戦い
1590年 戦国時代・小田原攻め 成田軍2000vs★豊臣軍2万~5万
石田三成ら率いる大軍が忍城を包囲し、水攻めを行うも、成田軍はそれに耐え、北条氏が滅亡した後に降伏した。
・四川の戦い
1597年 慶長の役 ★島津軍2000vs明・朝鮮連合軍10万
島津義弘率いる日本軍が明軍に包囲されるも、これを返り討ちにした。日本軍の勝因として、鉄砲を使用したこと、明軍の食料庫を焼くことで短期決戦に持ち込んだこと、連合軍の統制がとれなかった上に圧倒的な兵力差故に慢心していたことが挙げられる。
田辺城に立て籠もった東軍を西軍が包囲するが、東軍には文化人細川幽斎が居たため、西軍は積極的な攻勢が出来ず、2ヶ月ほど釘付けになった。最後は後陽成天皇の命で開城したが、西軍は関ヶ原の戦いには間に合わなかった。
関ヶ原へ向かう徳川秀忠指揮下の東軍が真田昌幸率いる西軍と交戦した。足止めを食らった東軍は関ヶ原に間に合わなかった。
1762年 七年戦争 ★スペイン軍100vsイギリス軍2000
イギリス軍がニカラグアの処女降誕要塞を包囲するが、スペイン軍は19歳の少女ラファエラ・エレーラの指揮下で奮戦し、砦を守り抜いた。
・アラモの戦い
1836年 テキサス独立戦争 テキサス軍200vs★メキシコ軍4000
当時メキシコ領であったテキサスに移住したアメリカ人がメキシコに対して反乱を起こした。アラモ砦に籠城したテキサス軍はメキシコ軍の包囲に対し13日間持ちこたえた末に全滅した。
・雨花台攻略戦
湘軍によって要塞化された雨花台を太平天国軍が5ヶ月にわたって何度も攻撃するが、落とせず1万の兵力を失った後に攻略を諦めた。
サビーネ湖とメキシコ湾を繋ぐサビーネ・パスを防衛する南軍が北軍の攻撃を受けるも、これを撃退する。北軍は100名が死傷し、350名が捕らえられた。
・カマロンの戦い
1863年 ナポレオン三世のメキシコ出兵 フランス外国人部隊65vs★メキシコ軍2000
65名の外人部隊は現金300万フランを輸送する部隊の護衛を任されていた。メキシコ軍の大軍の前に破れ、43名が戦死、19名が捕虜となったが、輸送部隊は目的地へ現金を届ける事が出来た。
1879年 ズールー戦争 ★イギリス軍150vsズールー軍3000~4000
ロルクズ・ドリフトの伝道所跡に築かれたイギリス軍の砦をズールー族の大軍が襲う。イギリス軍は2日間の激戦に勝利し、ズールー軍は800名以上の死傷者を出した。
・アブ・クレアの戦い
1885年 マフディーの乱 ★イギリス軍1100vsマフディー軍1万2000
ゴードン将軍の救出に向かうイギリス軍とマフディー軍が激突し、マフディー軍は1100人の死傷者を出して敗北した。
・アブ・クルの戦い
1885年 マフディーの乱 ★イギリス軍1200vsマフディー軍1万4000
ゴードン将軍の救助に向かうイギリス軍がマフディー軍と交戦し、勝利した。マフディー軍の損失は明らかではないが甚大であるとされる。
盧溝橋付近で日本軍の夜間演習中に日本兵一人が行方不明になる。日本軍がこれを理由に中国軍を攻撃し、破った。この事件が熾烈な日中戦争のきっかけとなった。
・タラワの戦い
1943年 太平洋戦争 日本軍2600vs★アメリカ軍3万5000
タラワ環礁ベティオ島を防衛する海軍部隊とアメリカ海兵隊が激突した。島は3日で陥落し、守備隊は玉砕したが、米軍も3000人が死傷し、軍への志願率が一時的に減少した。
・拉孟の戦い
1944年 日中戦争 日本軍1300(うち傷病兵300)vs★中国軍2万
日本軍と中国軍が3ヶ月にわたって交戦し、日本軍が全滅した。中国軍は8000人が死傷した。
・騰越の戦い
日本軍と中国軍が3ヶ月にわたって交戦し、日本軍が全滅した。中国軍は2万人が死傷した。
・アンガウルの戦い
1944年 太平洋戦争 日本軍1250vs★アメリカ軍2万1000
日本軍歩兵第59連隊第1大隊が守備するアンガウル島をアメリカ軍第81歩兵師団が攻略した。1ヶ月以上にも及ぶ激戦の末に日本軍は玉砕したが、米軍も2000人死傷した。
・一江山島戦役
1955年 第二次国共内戦 国民党軍700vs★共産党軍7000
人民解放軍が一江山島に侵入、2日で占領した。台湾軍は全員が戦死するか、捕虜となったが、解放軍にも2000人の死傷者が出た。
・ロングタンの戦い
1966年 ベトナム戦争 ★オーストラリア軍108vsベトコン2500
ベトコンがオーストラリア軍を襲撃するも、撃退された。オーストラリア軍は42名、ベトコンは600名が死傷し、双方が勝利を主張した。
参考作品「デンジャー・クロース 極限着弾(クリフ・ステンダーズ監督)」
・ロンゲワラの戦い
1971年 第三次印パ戦争 ★インド軍120vsパキスタン軍2000
ラジャスタンのロンゲワラ村でパキスタン軍とインド軍守備隊が交戦。インド軍は航空機の支援を得て、パキスタン軍を破った。パキスタン軍の死者200名に対し、インド軍の死者は2名ほどであった
1993年 ソマリア内戦 ★多国籍軍160vsソマリア民兵2000
アメリカ、マレーシア、パキスタンからなる多国籍軍が、民兵のリーダーであるアイディード将軍の側近二人を逮捕すべく派遣され、民兵と交戦状態になった。民兵は数百人が死傷し、多国籍軍は目的を達成したが、100名以上が死傷した。
参考作品「ブラックホーク・ダウン(リドリー・スコット監督)」
「人間性には問題が有ったかもしれないが、彼ら(町山智浩・柳下毅一郎・高橋ヨシキ・てらさわホーク)の本業である映画について書かれた記事や本をこれまで読んで楽しませてもらった」と言う人も散見されます。そこで今回は「そもそも、彼らの本業の部分である『映画について書く/語る能力』も、本当は怪しいものではないのか?」と云う点について、てらさわホークを事例として書きたいと思います。
雑誌『映画秘宝』では近年、クリストファー・ノーランをディスる傾向が見られました。おそらく、柳下毅一郎がクリストファー・ノーランを嫌うようになった事が原因なのだと思います。雑誌『映画秘宝』のホモソーシャルな環境の下、柳下毅一郎オジキのご機嫌を損ねないように、子分たちは必死でクリストファー・ノーランを腐すことで忠誠心を示していたのです。それも『映画秘宝』内部だけに留めておけば、馬脚をあらわさずに済んだのかも知れませんが、今となっては完全に後の祭りです。
発端は、映画『マン・オブ・スティール』が公開された当時、てらさわホークがクリストファー・ノーランを叩く記事を『映画秘宝』以外の場で執筆したことでした。ちなみに、本作におけるクリストファー・ノーランは原案・製作であり、監督や脚本ではありません。監督はザック・スナイダー、脚本・原案はデヴィッド・S・ゴイヤーです。
てらさわホークが執筆した記事は、大まかに言えば「原作や過去のスーパーマン作品には無かった要素や描写を、クリストファー・ノーランが付け加えた事によって映画『マン・オブ・スティール』は出来が悪くなった」と、ノーランを糾弾するといった内容のものでした。ところが、てらさわホークよりもアメコミ事情や映画に詳しい(だけでなく、作品との向き合い方についても遥かに誠実な姿勢の)人がはてなユーザーの中に存在した為に、てらさわホークの怪しい点が明るみに出ることになりました。この人が「てらさわホークが『原作や過去のスーパーマン作品には無い』として挙げた事柄は、実際は、いずれも原作や過去作品の中で描かれている。てらさわホークは、原作であるアメコミをきちんと読んでいないのではないか?」と、てらさわホークの『事実誤認』を指摘する記事をはてなブログにアップしました。
この指摘について、てらさわホークは反論文を自身のはてなブログにアップしたのですが、この時、てらさわホークは『致命的と言ってもよいミス』を犯しました。何と、てらさわホークは「それらが原作のアメコミで描かれている事実について、自分も知っている」と反論したのです。その結果「知っていたのならば、ノーランのイメージを悪くする事を意図して『ノーランが原作や過去作品には無かった要素を付け加えた』と云う嘘を故意に書いたのではないか?」と、てらさわホークには新たな批判が向けられる事態になりました。この新たな批判には答える事が出来なかったため、てらさわホークはブログのコメント欄を閉鎖して現在に至ります。
実際にどのような遣り取りがされたのかに関して興味がある人は、はてなブックマークなどで検索してみましょう。今でも読めると思います。
現在のてらさわホークは、アメコミ原作映画に関連する仕事を幾つも手掛けているようですが、彼が本当は「アメコミ事情に暗くて知識に乏しい」のか、それとも「知識は有るが何らかの理由が有れば平気で嘘を書き散らかす」のか、プロフェッショナルのライターとしての自身の能力と姿勢を、てらさわホークは明らかにするべきではないでしょうか。個人的には後者だと推測していますが、このように能力に疑念を抱かれるようなライターが「アメコミの有識者」であるかのように居座り続ける事を許している現状を見ると、本邦の映画ライター業界は余程の人材不足なのでしょうね。
ところで、パワハラ問題の発覚後の3月1日に柳下毅一郎がTwitterで出した謝罪文には「ヨシキくん」の文字は有れど、てらさわホークの「て」の字も見当たりませんでした。もしかして「高橋ヨシキ『ら』」と書いてある『ら』の字が「て『ら』さわ」の『ら』の字なのでしょうか?あれだけクリストファー・ノーラン叩きを頑張ったのに、てらさわホークに対して柳下毅一郎は少し冷たいと思います。『事実誤認』の指摘に対する反論文をブログにアップした時も、てらさわホークは「どうしてクリストファー・ノーランに対して(自分は)カリカリしてしまうのか」と白を切って、ノーランを叩く理由について口を割らなかったんですよ。子分の鑑じゃないですか。
もちろんあるよ。
デビュー作は荒削りで良かったのにそこから変にまとまっちゃってダメだとかね。
最初は売れなかったけど路線転換してヒットした作家のその初期作が好きだったのに、とかあるよね。
逆に売れ線描いてた頃は好きだったけど趣味に走ってダメになった、とかね。
他の作品はダメだけど、この作品だけ奇跡的に自分好みの要素を詰め込んでいる、みたいなパターンもある。
個人的にはガンダムSEED DESTINYなんかがその枠。
うーん、まあGODにコアなファンが付いてるのは分かるけど俺は違うし、他の大多数のラブライバーも違うと思うぞ…
たとえば「耳をすませば」が好きでも「近藤喜文の作品が好き」とは言わんよね。
最近観た映画だとBvSが好きなんだけど、じゃあザック・スナイダーが好きなのかと言われれば別に…
DCEUの雰囲気は全体的に好きだけどね。
ゲームだとか、まあ中にはプロデューサーが前に出てきてるのもあるけど、
http://anond.hatelabo.jp/20160613091056
つってまあ、そんだけ見てりゃピクサーとディズニーの新作追ってりゃいいと思うけれど。
とはいっても2010年代のアメリカのアニメスタジオは群雄割拠。これにストップモーションアニメ勢や日本やフランスの伝統的な2Dアニメ勢が絡んできて大乱闘スマッシュブラザーズだし、中国や韓国の新興スタジオも力を伸ばしつつあるわ。
もしかしたら、今が世界的にみて一番アニメが豊潤な時期なのかももしれない。
そんな混沌としたアニメ勢力図を一スタジオ一作品で把握できる、ステキなリストを元増田にプ・レ・ゼ・ン・トよ♥
1. ドリームワークス:『ヒックとドラゴン』(クリス・サンダース&ディーン・デュボア監督、2010年)
『リロ・アンド・スティッチ』の監督(とスティッチの声)を務めながら、ドリームワークスに移籍したクリス・サンダース。名監督、会心の復活作よ。
人間不信のドラゴンとドラゴン使いの一族のおちこぼれ少年が育む純粋無垢な友情の物語に涙しないものはいないわ。
監督が変わった『2』もDVD/ブルーレイでリリース済み。評価は分かれてるけど、1を楽しめたら是非観てもらいたいわね。
ドリームワークスはディズニー/ピクサーの昔からのライバルよ。
創業者の一人であるカッツェンバーグ氏は元ディズニーの幹部。低迷していたディズニーに『トイ・ストーリー』以前のピクサーと手を結ばせた功労者だったけれど、ディズニーのお家騒動に巻き込まれて会社から追い出されちゃったの。
それだけにディズニーやピクサーに対する恨みは深くて、自分が退社する直前に挙がっていたピクサーの『バグズ・ライフ』の企画をパクって『アンツ』を作ってほぼ同時公開し、ラセターをブチ切れさせた逸話もあるわ。
ディズニーとの最大の違いはその量産ペース。たまにハズレもあるけれども、成功した作品はめざとくシリーズ化して貪欲に稼ぐわ。
『シュレック』、『カンフー・パンダ』、『マダガスカル』がそうね。元増田は『マダガスカル』がお肌に合わなかったみたいだけど、『シュレック』は『カンフー・パンダ』並に観といて損はないわ。『マダガスカル』は作品ごとに評価の波が激しいけれど、この二作のシリーズは一貫して高評価を受けていて安心して観られるわよ。
単発作品では、『ガーディアンズ 伝説の勇者たち』たちなんか玄人好みの作品ね。
2. ワーナー・ブラザーズ:『LEGOムービー』(クリストファー・ミラー&フィル・ロード監督、2014年)
『シュガー・ラッシュ』以降の現代的なウェルメイド作劇に感動した元増田なら、『LEGOムービー』は外せないわ。
チャーミングなテクスチャの質感、とぼけたオフビートなキャラクター、意外に王道な感動ストーリー、アッと言わせる伏線やオマージュネタの数々……
クオリティだけでいえば近年の3Dアニメのなかでもトップクラスと言ってもいいわ。たかがLEGO、とあなどるなかれ。あなたの涙腺をしぼりとる大傑作よ。
WBは元々バックスバニーなどで知られるアニメ業界の最大手。テレビでは「カートゥーン・ネットワーク」を系列に抱えてるわね。けれども映画ではディズニーに遅れをとってきたわ。
散発的に『アイアン・ジャイアント』や『ルーニートゥーンズ:バック・イン・ザ・タイム』といった良作を自前で生み出してきたけれども、基本はポケモンや他社製作のアニメの配給が中心。ようやく自社制作で気合入れだしたのはそれこそ2014年の『LEGOムービー』からよ。
これからは豊富なキャラクターコンテンツを利用して『原始家族フリントストーン』や『宇宙家族ジェットソン』、『スクゥービードゥー』といった作品を映画化するみたい。
ちなみにワーナー傘下にはヴィレッジ・ロードショー・ピクチャーズっていうオーストラリアの映画製作会社があるんだけれど、
そこで『マッドマックス』のジョージ・ミラーにふわふわペンギンヒップホップダンスマッドマックスミュージカル映画『ハッピー・フィート』、
『ウォッチメン』や『300』のザック・スナイダーにふわふわフクロウガチ殺し合い300映画『ガフールの伝説』と、
ヤバい映画の監督に見た目かわいい内容ハーコーな動物3Dアニメをやらせててどれも最高よ!
3. ソニー・ピクチャーズ:『モンスター・ホテル』(ゲンディ・タルタコフスキー監督、2012年)
それまでディズニーの独占市場だったアニメ映画界に風穴を開けた90年代のピクサーと2000年代のドリワの活躍を見て大手映画会社はこう考えたわ。
「3Dアニメは儲かる!」。
ソニー・ピクチャーズ・アニメーションはそうやって便乗的に2006年ごろから作品を継続的に発表しつづけてきて、それなりに稼いではいるけれど、他と比べてあまり元気がないわね。特に日本だとほとんど知られてないんじゃないかしら? アニメ映画界で重要なプレイヤーとは言いがたいわね。
ここは『レゴムービー』の監督のデビュー作である『くもりときどきミートボール』を挙げときたいところだけれど、『レゴムービー』を観たなら薦めなくても観るでしょう?
監督のタルタコフスキーはタルコフスキーのパクリみたいな名前だけど、アニメ業界ではレジェンド級のアニメーターよ。『デクスターズ・ラボ』や『サムライ・ジャック』を作った男、いえばすごさが伝わるかしら。
『モンスター・ホテル』は雇われ仕事で、お世辞にも脚本は最高の出来とは言えないけれど、彼が担当したキャラデザや動きはとても艶やか。特に主人公のドラキュラ娘のキュートさといったら! 3Dアニメが実は2Dアニメと地続きだということがよくわかるわ。
4. イルミネーション・エンターテインメント(ユニバーサル):『怪盗グルーの月泥棒』(ピエール・コフィン&クリス・ルノー監督、2010年)
『怪盗グルー』シリーズの大ヒットで一躍アニメ業界を席巻したのがイルミネーション・スタジオね。
大手のユニバーサルが後ろ盾にいるだけあって、よく広告なんかでも観るんじゃないかしら。「バナナバナナ」と喋る、サスペンダーを来た黄色い丸っこい謎生物のキャラ、あれがイルミネーションが誇る人気マスコット「ミニオン」よ。そのミニオンたちのデビュー作がこの『怪盗グルーの月泥棒』。
偏狭な中年大泥棒がいきなり現れた三姉妹の世話に追われててんやわんやになる、といった筋は『モンスターズ・インク』を思わせるけれど、堅実なアニメーション表現とドギツいスラップスティックさでピクサーとの差別化が成功しているわ。
特にスピンオフである『ミニオンズ』はイルミネーションスタジオの「ヤバさ」が最もよく出ている作品なので、『怪盗グルーの月泥棒』『怪盗グルーのミニオン危機一髪』を観た上で是非ごらんになってほしいわね。
しかし、イルミネーションの本領が発揮されるのは今年からだと言ってもいいわ。
2016年に発表されるオリジナル新タイトル二作品――『ペット』と『Sing』(邦題未定)。このふたつを注視していきたいわね。
5. ブルースカイ・スタジオ(20世紀FOX):『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』(スティーブ・マルティーノ監督、2015年)
20世紀FOXは自前のスタジオもあるんだけど、まあせいぜい作ってるのはシンプソンズ映画くらいだし、3D作品は基本ブルースカイ作品と言っていいわね。
2000年代の仁義なきアニメ戦争の最初期に反応したスタジオのひとつで『アイス・エイジ』は観た人も多いんじゃないかしら? あまり印象に残る作品はないし、批評家筋の評価は芳しいとは言いづらいけれど、ソニーなんかと比べると安定して高収益を叩き出してきたブランドね。
そういうわけであまり過大な期待を持たずに『スヌーピー』も観に行ったんだけれど、これが思わぬ収穫だったわ。
原作の感じそのまま活かそうとした2Dと3Dの中間めいた微妙な表現は賛否両論あるだろうけれど、88分でチャーリー・ブラウンの恋物語うまく落とし込んだ良作よ。
『スタンド・バイ・ミー ドラえもん』がやろうとして大失敗したことをうまくやるとこうなる、という感じで、見比べてみると作劇の勉強になるわよ。
6. ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ:『塔の上のラプンツェル』(バイロン・ハワード監督、2010年)
ディズニー映画は2008年の『ボルト』以前と以後で大分変わってくるわ。簡単にいえば、元増田が昔観たであろうオールドグッドな2Dディズニー映画が以前、元増田が大好きだっていうウェルメイドな作劇の3D作品が以降。このラインを意識すると効率良くディズニー映画を愉しめるわ。
もっとも元増田は08年以降のディズニー3Dアニメ映画をだいたいチェック済のようね。
でも『ラプンツェル』を見逃しているのはいただけないわね!
90年以降生まれの女子にとってはマイルストーンといってもいい、新しいディズニープリンセス物語の決定版よ!!
女子にモテたければ是非観るべきだし、女子になりたければ絶対観るべき、現代女子力のパワーソース(力の淵源)よ!
7. ピクサー・アニメーション・スタジオ:『インサイド・ヘッド』(ピート・ドクター監督、2015年)
シュガー・ラッシュ以降のピクサーを観た元増田なら当然鑑賞済みかしら?
現代アメリカアニメを支配するピクサーの作劇の極致ともいえるのがこの『インサイド・ヘッド』よ。
物語自体の面白さもさることながら、「私たちはいつ、どのように成長していくのか」についてここまで丁寧に描いたフィクションは稀有だと思うわ。
8. オン・アニメーション・スタディオズ(メソッド・アニメーション):『リトル・プリンス 星の王子さま』(マーク・オズボーン監督、2015年)
フランスは日本とおなじく2Dアニメーション映画が主流だけど、日本にも白組があるように、フランスのなかにも3Dに情熱をそそぐスタジオがあるわ。
まだまだ知られるとはいえないスタジオだけど、『カンフー・パンダ』のマーク・オズボーンが監督した『リトル・プリンス』で一躍名を上げたわね。
アメリカの大手がかかわっているスタジオでは見られないようなヨーロッパ的な叙情が特徴よ。
今後はこういう小スタジオの3D作品もバンバン出てくるんじゃないかしら?
9. ライカ:『コララインとボタンの魔女』(ヘンリー・セリック監督、2009年)
ここからはちょっと趣向を変えて同じ立体アニメでもストップモーションアニメを紹介するわ。
元増田は『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』という映画をご存知かしら?
ああいう人形を使ったアニメはストップモーション(コマ撮り)アニメと呼ばれてファンも多いわ。一番有名なのは『ウォレスとグルミット』かしらね。
『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』はティム・バートンの監督作だと勘違いしている人も多いけれど、実は監督を担当したのはこのヘンリー・セリック。
彼が自分のスタジオである「ライカ」を立ち上げての第一作目が、この『コララインとボタンの魔女』なのよ。
ストップモーション特有の質感を保ちつつも3DCGと見まごうばかりのなめらかなアニメーションは、気が遠くなるような数の人形パーツによって実現したもの。
セリック独特のゴシックな美意識が溢れる画面は観ているだけでため息が出るわ。
この『コララインとボタンの魔女』の成功によって、ライカはイギリスのアードマン・アニメーションズと並ぶストップモーションのスタジオとして一躍地位を確立したわけ。
ライカはこれまで三作しか発表しておらず、日本に入っているのは『コラライン』含めて二作だけだけれど、二作目の『パラノーマン』もすばらしい出来なので是非見てね。
10. アードマン・アニメーションズ:『映画 ひつじのショーン 〜バック・トゥ・ザ・ホーム〜』(マーク・バードン&リチャード・スターザック監督、2015年)
で、ストップモーションアニメの老舗であり、ストップモーションといえばアードマンと言われるほど有名なアードマン・アニメーションズ。
配給会社はそのときどきによって変わるけれど、一貫して温かみのあるゆるさと精緻な細部へのこだわりをふせもった上質なストップモーションアニメを世界に供給しつづけているわ。
もちろん、去年発表された『ひつじのショーン』も最高だったわね。
『ウォレスとグルミット』とおなじく、テレビシリーズの劇場映画化だけれど、TV版をみてなくとも十全に楽しめるわ。むしろ、テレビシリーズの入り口としてちょうどいいくらい。
アードマンの作品はそのルックを一目見れば即座にわかるので、公開されたらとりあえずチェックしときたいわね。
11. スターバーンズ・インダストリーズ:『アノマリサ』(チャーリー・カウフマン&デューク・ジョンソン監督、2015年)
スターバーンズ・インダストリーズはテレビドラマで活躍するダン・ハーモンが立ち上げたストップモーションアニメ会社。
その第一作目に『マルコヴィッチの穴』などで知られる個性派脚本家チャーリー・カウフマンを監督に迎えて作ったのが、この『アノマリサ』。
アードマンにしろライカにしろ「子どもも大人も愉しめる」映画が信条のストップモーションだけれど、この『アノマリサ』は完全にオトナ向けよ。
カウフマン特有の奥行きある哲学的なストーリーもそうだけれども、一番子どもに見せちゃいけないのはセックスシーン。
なんと精巧に作られた人形同士(男女ともにくたびれた中年)がヤッてる姿をえんえん見せつけられるの! クンニから挿入、絶頂、事後まで全部よ!
<当記事は『バットマン vs スーパーマン』の重大なネタバレを含みます>
男「……どうだった?」
女「……いや?」
男「……ん?」
女「だめでしょ……完全にだめでしょ……『バットマン・フォーエバー』よりダメだったでしょ……映画版『DOOM』よりダメでしょ……」
男「客あんま入ってなかったね」
女「むしろ観るべきでしょ。みんな観るべき。オススメしてもいいくらい。汝が敵を知る目的のために観ろと」
男「俺ならオススメされてもいやだね。単につまんないってだけじゃない。おれこれ嫌い。大嫌い」
女「上映中寝てなかった?」
男「寝れないでしょ。だってうるさすぎだし」
女「お酒でも飲んでたらアイゼンバーグの演技もすこしは真に迫って見えたかもね」
男「各所でいじられてるようだけど、バットマンを演じていたベン・アフレックは悪くなかったよね」
女「そうそう。ベンアフは悪くない。髪型もキマってたし、何より雰囲気がいかにもブルース・ウェインって感じだった。
演技よりは脚本がひどかった。
キャラクターが浅薄すぎ。登場人物全員。『マン・オブ・スティール』に出演した面々でさえそう。
初登場のバットマンについては前からファンの注目を浴びることはわかってたはずでしょ。絶対に『ダークナイト』三部作と何が同じで何が違うのか、比較されるのは避けられない。
それが何? あっちにふらふら、こっちにふらふら。『おれは孤独だー地下にひきこもるぜー」とかなんとか基地でやってた次のカットには、パーティで社交してる。スターク社長かっつーのお前は」
男「スタークのプレイボーイキャラはアル中の素でやってるけど、ウェインのは演技だよね。社交用の仮面をかぶってる。だからさ、アフレックが悪いんじゃないんだってば」
女「そう、全然悪くないんだけど」
男「そもそも俺、ザック・スナイダーの作品嫌いなんだよね。『エンジェル・ウォーズ』もクソだったし。何あのメンヘラの妄想。
今回のBvSには彼の監督としての弱点がほぼ全面に駄々漏れてしまっているように思う。
そりゃ、いいところもあるよ。ときどき素晴らしいアクションシーンを取るし、火の表現にはこだわりを感じる。観てて時々はいい映画に思えてくることもあるんだ」
男「そう撮影監督が良い。スーパー・ビーイング同士のバトル描写は新鮮だったし、ダークな雰囲気にもしっくりハマっていた。この暗いトーンというのがくせ者で、ノーランのときはちゃんと機能してたんだよね。
ところがワーナーはノーラン以外にもノーランみたいなトーンで描くことを求めてしまった。ジョークは入れるな。笑えるようにするな、ってね。『グリーン・ランタン』はその最たる犠牲者だよ。
ワーナーは、250億ドルもの予算を任せるにあたってスナイダーならノーラン路線を継承できるだろうと考えた。そして脚本家たちに今後シェア・ユニヴァースを展開できるように膨らみをもたせたホンを書かせようとした。
一方で、出資者たちが求めたのはマーベル/ディズニーみたいなヒーロー映画だったのさ。そして……」
女「ちょっと待って。『アベンジャーズ:AoU』も似たようなもんでしょ。AoUは『やらなきゃいけないこと』が多すぎた。ちょうど、マーベル・シネマティック・ユニバースが次のフェイズに移行するための大事な試金石だったから、AoUはむりくりなプロットにならざるを得なかった」
男「そうだな、たしかに同じ問題を抱えていた。
けど、AoUはなんとかそれを乗り切ってそれなりの支持を集めただろ。
理由は二つある。
一つ、AoUの監督だったジョス・ウィードンがザック・スナイダーより優れた監督だったってこと。
二つ目、各キャラクターが均等に、特に彼らの感情が均等に仕込まれていたってこと。
なんたって、どのキャラクターも『自分の映画』でキャラを掘り下げてきたんだからね。
ストーリーが多少薄かろうが、誰だってアイアンマンを知ってるし、ソーを知ってるし、ホークアイを、フューリー長官を知っている。
事前に他の積み重ねてきたキャラ造型を"収穫”すれば、『アベンジャーズ』ではキャラの説明に要する時間を節約できる。ところがBvSときたら……」
女「しょうがないところもあるよ。ここ十年のマーベルとDCのシネマティック・ユニヴァースを比べてみてよ。マーベルが順当に年輪を刻んできたのに対して、DCはリブートや路線変更や主役俳優の交代が相次いで、積み重ねなんかほとんど残らなかった。
DCはBvSただ一作品だけでマーベル映画十六年分の歴史においつこうとしているのよ」
男「そうだね、マーベルは長い時間をかけて準備してきた」
女「マーベルには一つの確かなメソッドが確立されている。新キャラが紹介されて、今後どう他のキャラと絡んでくるのか、そういうのが映画全編を通しで観なくてでさえわかっちゃう。セリフやカメオを拾ってるだけでもね。マーベルは観客を巻きこむ術を心得ている。
女「BvSの冒頭はすごくクールだった。
『マン・オブ・スティール』のバトルシーンをウェイン目線の別アングルから再解釈する。これはすごい良いアイディアだったと思う。そこまではほんと良かったんだけど、その後がもう陳腐の極み。
恍惚とした表情で天国に召されるブルース少年を観た瞬間、がっくりきたでしょ」
男「脚本がとにかく浅いし弱い。ファンは批評家の『暗すぎるトーン批判』を批判してたけど……」
女「だって楽しくないんだもん」
男「いやそれは問題じゃなくて」
女「問題でしょ」
男「いや『バットマン・ビギンズ』も楽しくはなかったよ」
女「あれは楽しいものだったたよ。『楽しい』の定義が違うな。『ビギンズ』はいっぱいアクションシーンがあったし、エキサイティングだった。次から次へといろんなことが起きて観ていて飽きないんだ。
でもBvSは『楽し』くない。キャラがお互い見つめ合ってるだけでしょ」
男「うんああまあ確かにそうだな。トロいんだよな全体的に。いらないシーンが多すぎるし、なおにプロットは穴だらけ。ワンダーウーマンが登場してからはアクション映画としてすごかったけれど」
女「それは本当に『すごい』と形容していいものかな。単にその前の部分より『マシ』だったってだけじゃない?
アフリカの村で大量虐殺事件が起きました。それでスーパーマンはみんなを救えるわけじゃないんですってんならまだわかるけど、『おい! スーパーマンが村人を撃ったらしいぞ!」ってのはどういうこと?
スーパーマンが銃で人を撃ったりするわけないだろが!
なに疑ってんのあの世界の人らは。
だいたいフィンチ議員が意味不明すぎるんだよ。なんであんなキレてるの? 彼女はレックス・ルーサーに対してどういう感情を持ってるの? 結局何がやりたくて動いてるの?
マーベル映画のキャラたちはそれぞれの拠って立つところが明確なのに」
男「ストーリーも感情も描写不足。演出もそんなによくない。まあ、結局しかし脚本なんだよな」
男「一番がっかりしたのはメインイベント――つまりタイトル曰くの『バットマン vs スーパーマン』のバトルだ。
バットマンが優勢で――スーパーマンを負かしつつあったんだけど」
男「いいんだよ。いいんだけど。
よし、このままバットマンがスーパーマンの野郎を吊るして処刑だ! ってなったところでさ、いきなりバトルを中断するわけ。
それでバットマンが『マーサって俺のママの名前じゃん! お前、ママを知ってるのか! じゃあ……友達ってことだな!』――仲直り!
……おいおいおい待てよ、と」
女「(爆笑)」
男「××すぞと思ったね。さすがにね。そして始まる例の回想シーン」
女「ほんともうかんべんして欲しいよね。もういいじゃん。もう観たくないよ。だってみんな知ってるでしょ? 『バットマンのクソ両親は殺されました』って。何回それやれば気が済むのって話。バットマンには悪いけど」
男「ドゥームズデイ倒したあとさ、二つの葬式が平行して描かれるじゃん。映画の演出の方向性としては、観客にあたかもスーパーマンがマジで死にましたみたいに誘導してるんだろうけどさ。
観てるほうは『ねーよ』ってハナから白けるよな。
スーパーマンの死で終わるスーパーマン映画がどこの世界にあるっていうんだよ。
いいか、アメコミの世界には絶対生き返らないキャラが三人いる。
そのうち二人はブルース・ウェインのお父さんとお母さん。
残りの一人はスパイダーマンのベンおじさんだ」
女「その三人、ほんとうんざりするくらい死ぬよね」
男「必要な死ではあるんだよ。そのヒーローのオリジンの深い部分に関わる死なんだから。この三人以外の奴らは逆に死んでも生き返りまくる。スーパーマンも当然生き返る。
だいたい『ジャスティス・リーグ』の予告見てるんだから、スーパーマンが死なないことくらいわかるだろ!!!
それなのに十分そこいらもちんたら葬式やって悲しいですね、って何の茶番だ!1!!」
女「『ジャスティス・リーグ』の前準備としてもガタガタだよね。
何あの十五年前のドラマみたいなしょぼいインターネット描写は」
男「おじいちゃんにとっては電子メールはいつも秘密めいてみえるんじゃないんですか」
女「ダイアナ・プリンスがバットマンを出しぬいてハイテク機器を盗みとるじゃん。それでいて、『あら大変。これわたしじゃ解読できないわ』ってなんだそれ女子か。写真をバットマンから送ってもらうために盗みを働くってどんだけ遠回りなのよ。いまどきアマゾネスでも Amaazon.com で買い物できるっつーの」
男「あー」
女「で、さあ、その機密ファイルにアクアマンが出てくるじゃん。沈没船から出てきてトライデントを振りかざしてワーっなるやつ。観てて、ほんとくっだんねーと思った。
あの場面にDC映画のひどさが凝縮してたね。脚本家の怠慢の象徴だよ。マーベルだったらクビ間違いなし。
繰り返しになるけど、マーベルのキャラはどこへ向かって収斂していくのかはっきりしているし、一方でファンが喜ぶ要素をよくリサーチしてる。だから私たちはネットで話題をシェアしたりリツイートしたりいいねしたりするんだよ」
男「もちろんマーベルだって完璧じゃない。現場と上層部がクリエイションの方向性の相違から何度もトラブルをおこしている。エドガー・ライトやウィードンが去ったのもその一端だ。それでも比較的いいものを作り続けている」
女「一番不出来なマーベル映画でさえ、一般的には『良い出来』だよね」
男「公平性を期して言うなら、DCはテレビドラマだと面白いエンタメを作れるんだよね。
いっそ、ドラマをそのまま映画にもってくりゃあいいのに。俳優もさ。そっちのほうが断然いいものが撮れるはずだよ」
女「アメリカではテレビの俳優は映画に出演しちゃいけないって不文律が存在するっていうよね。真偽はわかんないし、都市伝説みたいなもんだけど。
でも、もしDCがそのルールを自社の作品に適用してるんだったら……こんなにアホなことはないよ。
DCがモタモタしてるあいだに、ここのところマーベルもNetflixとのタッグを組んで『デアデビル』を筆頭にすばらしいドラマを量産しはじめた。
マーベルならテレビと映画をクロスオーバーさせるくらいのことは軽くやってのけるだろうね」
男「マーベルドラマはマイナーキャラも上手く扱っている印象があるね。『ジェシカ・ジョーンズ』なんか知名度のわりにはよく練られた、丁寧なドラマだよ」
女「ルーサー役のジェシー・アイゼンバーグの演技はどう思う?」
男「なんであんないけ好かないガキになっちまったのかな。レックス・ルーサーじゃなくて『レックス・ルーサー・ジュニア』に変更されたのは何か説明があってしかるべきだったんだけど、そういうのもなかったし」
女「パパに虐待されて育ったから、スーパーマンにコンプ持つようになったみたいな感じだったよね」
男「アメコミの悪役っていうのは前もって完成されたキャラクターだから、実は性格俳優とあまり相性がよくない。良い役者と人気キャラの両立はむずかしいんだ。
アイゼンバーグがどんなにがんばって悪役を演じてみても、観客は『ああ、いつものジェシー・アイゼンバーグだな』って思っちゃう。
一番の問題はロン毛のまま出しちゃったことだよな。
まるで『バットマン vs スーパーマン vs マーク・ザッカーバーグ』ってかんじ」
女「わたしが懸念してるとこもそこ。BvSのアイゼンバーグは一人だけ別の映画で演じてるみたいだった。腰抜けぞろいの他のキャラクターと比べて明らかに浮きまくってたわよ」
男「シリコンバレーで調子こいてるIT起業家を悪役にしてみるか、程度の発想でしかないよね」
女「アメコミ映画のヴィランとしはキャラが貧相だった。ダークサイドに落ちるほどの動機もなければ、ヴィランとしてのヴィジョンも備わってない。
男「たしか、DCのライターで……ジェフ・ジョーンズだったかな? が言ってたんだけど、
『レックス・ルーサーがスーパーマンを憎む理由はこうだ。(ルーサーによれば)スーパーマンのせいで人類は自信をなくし、堕落してしまった。人類は自分たちが作り出した問題の後始末をスーパーマンに任せっきりにしている。
それこそが、ルーサーが『スーパーマンは危険だ』と主張する理由なんだ。ルーサーはスーパーマンを打倒することで人類に強さを取り戻させようとしているんだ。彼はヒューマニストなんだ』」
女「なるほど」
男「ところがこの映画では……」
女「あんまり頭もよく見えないよね。思わせぶりに暗躍しといて、バットマンとスーパーマンを対峙させるお膳立て以上のことはなんもやってない。どんな隠し玉が出るかと期待させといて、四十分前に観客に見せたもの以外は何も出てこない」
男「まあ、さすがにバットマンとスーパーマンがマザコントークでもりあがるなんてのはルーサーも僕達も予想できなかったけどね」
女「おもわずふたりともクリプトナイトで刺したくなったわ……」
男「ドゥームズデイとのバトルシーンはかっこよかった。ワンダーウーマンが登場した瞬間は『これこそ俺が見たかった映画だ!』と興奮したよ。二時間映画を観ていて初めてグッと来た瞬間だった」
女「ワンダーウーマンは余計な描写がないのがよかったよね。『ジャスティス・リーグ』が今から心配だな。DCのクリエーターたちって、自分たちがどこへ向かって何をしてんのか理解できてるのかな? 現場から上層部含めてさ」
男「最初の計画どおり、ジョージ・ミラーに監督させりゃあよかったんだよ。ジョージ・ミラーの『ジャスティス・リーグ』……想像しただけでワクワクしない?」
女「するする。私としてはベン・アフレックでもよかった。でもバットマン役として参加することになったからって、監督からは降りちゃった。もったいない」
男「周囲の非難を恐れたんだろうね。自分で監督して自分で主演するスーパーヒーロー映画って、どうしても嘲笑を免れないだろうし」
女「気にすること無いのに。ベン・アフレックはバットマンのキャラメイクを繊細に達成していた。声もちゃんとバットマンやってたし、演技もすばらしかった。そういや、ジェレミー・アイアンズのアルフレッドはどうだった?」
男「そこそこって感じ」
女「でも、そこそこ止まりでしょ。アルフレッドにしては暖かみに欠けていた。アイアンズがやるとアルフレッドってよりかはルシアス・フォックスっぽいよ」
男「あー、『GOTHAM』は観てる? ドラマの」
女「いや?」
女「『ゴッサム』はねえ……観たかったんだけどさ。CMでウェインの両親が死ぬシーンをやってるのを観てさ……ちょっと耐えられなかった」
男「三十分前からお前そればっか言ってるな」
女「別に言いたくて言ってるわけじゃないっての」
男「批評家から叩かれまくってる反動か、BvSを過剰に擁護する人たちがいるね。『人生で最高の一本』だとか」
女「何言ってんだか」
男「そういう人には『君はもっと映画を観る必要があるね』としか言えないね。人生で他に観た映画がこの前の『ファンタスティック・フォー』だけなのか? 『市民ケーン』を観てみなさいよと。どっかからダークスリラーの名作リスト探してきてさ、かたっぱしから鑑賞すればいいよ。そうすれば暗い世界観に相応しいキャラ造型やストーリーメイクが理解できるはずだよ
世の中にはもっとすばらしい映画があるんだって、増田にも知ってもらいたいな」
参考:
https://soundcloud.com/rottentomatoes/batman-v-superman-is-rotten