はてなキーワード: ここにいたこととは
つまる→ながす→あふれる
業務中に腹が痛くなって離脱してしまった前日の経験を生かし、始業前にトイレに行っておくという計画は完璧に進捗しているかのように見えた。
「勝った」
と思った。
水を流すまでがうんちです――
子供のころ、親や先生に教わった大事なことはすっかり忘れ去っていた。
もし頭の片隅にでもその教えが残っていれば、1度目の流しで詰まりが発覚したとき、冷静に対処できたかもしれない。
だが勝ちを確信していた俺は相手を侮り、「次で流せる! ほら水の量がふえてるから圧力も増すし!」と考えてしまった。始業時間が迫っているという焦りもあっただろう。
……
判断が早かったおかげで、俺自身は間一髪で難を逃れることができた。トイレの状況は…見たくもない。
だがここは広大な工場のはずれ。周囲には誰もおらず、めったに人は来ない。俺がここにいたことなど誰も知らない。
それに、後でばれたとしても、しょせん日雇いの身である。二度とここに来ることはない。