2017-09-16

Wantedly株価が爆上げなのが納得いかない人に簡単解説

まずはWantedlyさん上場おめでとうございますITベンチャー業界の末席を汚す筆者と致しましても格別な思いで眺めております

想定時の時価総額は40億円でしたが上場するだけで210億円と5倍以上に跳ね上がるのですから、ここには夢しかないと言っても過言ではないでしょう。

日々インターネット炎上案件を追い掛けている皆さんにおかれましては、DMCAの件であれだけ燃えたにも関わらずこれだけ株価が爆上げしていることに納得がいかないと思います。そこであまり専門的な用語を使わず簡単解説をしたいと思います

先に結論

長くなると読まれないので結論から先に書きますが「買いの需要の方が極端に多くなるように、供給を著しく絞った」からです。

またこの様な銘柄一般的な今後の傾向ですが「今がバブルなだけで株価は適正な値に落ち着くことが多い」です。

俺たちは雰囲気で株をやっている。

すごく極端な話、株価需要供給バランスでのみ決定します。というか市場はその様な前提で仕組み化されています投資家が「この会社は実力の割に今は安いし将来伸びるはずだ」と思えば買いの需要が増えますし、「会社の実力が過剰に評価されすぎ」とか「不祥事起こして信用できない」とか思えば減ります

ここで言う需要を発生させるプレイヤーですが、大きく分けて「個人投資家」と「機関投資家」が存在します。

通常時の株の売買は買い手と売り手の需給がマッチした瞬間に成立(約定と言いますしますので株価形成時間的分散が発生しますが、新規上場銘柄の初回の売買には時間的分散がありません。従って初値の株価形成時には大量の資金が瞬間的に動きます

大量の資金が瞬間的に動くと何が起こるかと言うと、動かせる資金が精々数百万から千万個人投資家の思いなどは誤差の範囲となり、要するに影響力などありません。

新規公開株への投資方針は各機関投資家アセットマネジメントに依りますが、どんなに少なくても億単位にはなるので、公募株式の数を絞ることによって初値を高騰させる方向へコントロールすることはある程度可能、という話になります

初値のコントロールって良いの?

供給を絞って初値が高騰する事自体は特段珍しいことではありません。そもそも厳密なコントロール可能な訳ではないですし。

しろIT系ベンチャーマザーズなどの新興市場上場する場合上場目的資金調達よりも社会的信用の獲得に設定することが多いので、大抵の場合需要過多で初値が死ぬほど高騰します。

この増田というサービス提供している株式会社はてなも想定時の時価総額は18.5億円でしたが、初値が付いたタイミングでは80億円を越えました。4倍強です。夢がありますね。現在でも60億円程度なので誠実に経営をしていると市場から評価されているのでしょう。

上場と言うと日本郵政LINEなどを思い浮かべる方もいらっしゃると思いますが、あいつらは超巨大な規模でいきなり東証一部に上場しており、新興市場であるマザーズ上場する小型案件の話とは全く変わってきます

ちなみに上場ゴールって?

一般に、VCベンチャーキャピタルの略)から調達するタイプ資本政策を行っているようなIT企業市場から資金調達目的上場することは、VC利益確定のための上場上場ゴール揶揄される場合が多いです)と判断され嫌われます

機関投資家は新興IT企業のやってることは理解できませんが、そこに投資をしているVCのやっていることは理解できるため「他人利益確定に金など出さん」ということですね。今は上げてるけど当時のグノシーとかしょっぱかったよね。

もちろんベンチャー企業VCから資金調達を受ける社会的メリットもあります

世の中には「あとは金さえあれば加速度的に成長できるのに…」という機会に恵まれ場合というのもありまして、まぁその多くが幻想なのですが、極まれマジで成長出来てそして社会の役に立つ場合というのがありまして、そういうタイミングでまとまったお金を出せる可能性があるのはVCだけというシチュエーションは世の中には多々あり、そこでの投資行為成功社会全体のメリットとなりえます

ややこしくなるのでここではベンチャー企業側やVC側のメリットデメリットは論じませんが、もし貴方VCから出資を受けているタイプベンチャー企業スタートアップ企業等で働いている場合資本政策について敏感であった方が自分の身を守ることが出来ると思います

端的に言いますが、SO(ストックオプション)を貰っていないならさっさと逃げましょう。やり甲斐搾取である場合が多いです。

会社上場することのメリットデメリット

いくつかありますが、

市場から資金調達

株式現金化により創業者出資者利益確定が可能

情報の公開と監査による社会的信用の獲得

→優秀な人材採用難易度が下がる。

などが挙げられます

会社には上場にあたって上場審査というものがあり、そこで「成長性」と「公益性」を求められます。というかその辺の準備に二年くらい掛かります

なので「もう上場したし株式現金化してはい終わり〜」とかされちゃうヤバいんですね。なので創業者や初期の投資家など、大量に株を保有している人間簡単に株を売れないようになっています。これをロックアップと言います

しか絶対に売れないとなるとそれはそれで夢がないので、売れる条件というのが付いています。その多くが「90日間」や「180日間」などの期間の指定、あるいは「株価が1.5倍になるまで」というような指定になっています

ここでWantedlyロックアップの条件を見てみましょう。

「90日 or 1.5倍」とあります

勘の良い方ならすぐに分かると思いますが、初値のコントロール簡単である以上、このロックアップは実質意味を持ちません。つまり上場して即大量の株が売りに出され現金化される可能性があるということです。

株価需要供給バランスによって決定されると先に述べましたが、今は供給を絞って値段を釣り上げた状態です。みんなが雰囲気で高い値段で売買している今の内に一気に売り抜けることによって利益を確定させられる状況にあるということです。夢がありますね。楽しみです。

ちなみに株式会社はてなの方のロックアップは180日と期間指定のみでした。誠実ですね。このまま頑張って欲しいと思います

締め

やまもといちろう氏がWantedly上場前夜にYahooニュースの方に職業安定法に照らし合わせた記事を上げられており、それに対する反応で「直前に出すなんて嫌がらせかよw」みたいなものがありましたが、初値バブルを少しでも食い止めた方が被害者が減る方向に働くと考えられるため、むしろ個人投資家社会に対して誠実であるとさえ言えます。蓋を開けてみれば影響力なんて全く無かったんや…ということに気付かされただけでもありましたが。動画上げただけでAppBankを二日連続ストップ高まで操縦したヒカルを見習ってもうちょっと頑張ってくれよ!頼むぞ!

なるだけ平易な言葉表現で書くことを心掛けましたが、それでもややこしくなってしまうのは過去に色々とやらかし人間が沢山いたせいです。経済活動というのは難しいですね。そういった視点VALUなどの炎上を見ていると、今まで先人が踏んできた地雷を悉く踏み続けていることに気付かされ、こうやって人類は発展していったのだなぁと優しい気持ちになれます。こういった形で歴史追体験が出来るとは夢がありますね。

この業界には夢がいっぱいあるようなので、みんなで幸せになっていけると良いなと思います

狙おう一攫千金こちらからは以上です

  • サイバーエージェントぽいな。 株式市場を賭場としか考えてない。

  • 違う。結論は空売りしろ、だ

    • 貸借銘柄でもないし 松井のプレミアム空売りにもないけどどうやって空売る気なのか

      • 今調べたら確かに一般信用銘柄で扱ってるところ見つからないな 上場直後だと流通少ないから当然貸し株にも回っていかないってことかな 空売りしたことないから勉強になった

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