2017-05-10

[]インサイドヘッド(ネタバレあり)

エンターテイメントとしては面白かったけど作品メッセージロジックが駄目だ。あれだとカナシミの価値家出を思い留まらせる、という結果に依存した価値しかならない。

「ライリー幸せにできない」という台詞が何度かあったけど、あの作品ロジック

・(家出したりしないような)幸せ人生のために感情がある。

・それゆえに、家出を思いとどまらせたカナシミには価値がある。

なんだけど前提が間違ってる。

憂鬱に浸ることは実は精神を落ち着かせる心地良いものだ」、みたいなこと言った心理学者がいた(誰かは忘れた。記憶捏造かもしれない)。悲しみはそもそも不幸を取り扱う受動的な感情であって、能動的に幸福状態を獲るための感情じゃないんだよ。

なのでインサイドヘッドの作中で言えば、ロケットを捨てられたビンボンに寄り添っていたシーンの方がずっと本質的。不幸を回避することを目的とした感情なら悲しみより恐怖が相応しい。実際、ビビリ(両親から離れることへの怖れ)で家出をやめても矛盾しないはず。

悲しみの必要性作品メッセージにできるよう構成し直すなら

1.家出を主導するのはヨロコビ

   持ち前のポジティヴ思考で「ミネソタに帰れば状況が好転する」と考える

2.しかし状況が改善しない

   友達を頼るけど親を呼ばれて連れ戻されそうになる、など

3.引越し現実を受け入れ、心から悲しむことで平静を取り戻す

   これによって心の世界崩壊が止まる

って感じかな。

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