トアル村の宿には公衆浴場があり、男湯、女湯、混浴、その他にも色々な専用浴場がある大規模なものであった。
ヴェノラ一行は様々な側面から考え、それらを秤にかけた結果、男女別で入ることを決めたのであった。
リ・イチとウロナは、何らかの効能があるかもしれないし、ないかもしれない温泉で旅の疲れを癒していた。
浴槽の湯が熱めなのか、外界との温度差なのか湯気がすごいことになっていて、あなたたち視聴者には湯気しか見えないかもしれないが。
なお、彼女たちはタオルを湯船につけてしまっているが、これは複数の公序良俗を秤にかけた結果であって、湯船にタオルをつけることを推奨した表現、演出ではございません。
「ウロナ、あなたはとても綺麗な肌ですね」
「それはどうも」
「触ってみてもよろしいですか?」
「そうですね。私が愚かでした。許してください」
「許しましょう」
何たる健全。
一方、ヴェノラたちは……
「隣の浴場から、仲間たちの声が聞こえるな」
「そうだな。周りに迷惑をかけるから、もう少し静かにするべきだ」
ヴェノラがふと辺りを見渡すと、疑わしい行動をする者がいた。
「む、そこのお前。何をしている」
「ノゾキだ」
不届き者の登場に二人は憤る。
「ノゾキはよくないことだぞ」
「なんだテメエ。如何にもノゾキしそうな顔をしているくせに、つまらない正論を吐きやがって」
何たる偏見。
「なんて奴だ。法の裁きを受けよ」
「残念だな。法はあっても、裁くものはなかろう」
「仕方がない、ならば俺がこらしめてやる。溜飲を下げさせてもらう」
改めて説明しなければならない。
「ジャストコーズ、オン!」
ヴェノラには独特のパワーが備わっており、彼は正当な理由があるとき目的を最大限遂行するための力を一時的にその身に宿すことができるのだ。
その正当なる拳の角度と熱さは45度。
「あっちいいいい」
前回のあらすじ 四天王の一人、剣姫スミロドン。 四天王の中では最弱らしく、既に他の四天王をこらしめていたヴェノラ一行は余裕だった。 しかしスミロドンは、ヴェノラの「とに...
オープニングテーマ曲:「アドベンチャー・ポージング」 歌:ポリティカル・フィクションズ 作詞:マーク・ジョン・スティーブ 作曲:サトウスズキ 広大な青空に 鳥が飛んで...
≪ 前 不届き者を成敗したことでヴェノラの溜飲は下がる。 「いやあ、溜飲が下がった、下がった」 だが、体温まで下がってはいけない。 ヴェノラたちは、いそいそと風呂から上が...
≪ 前 「大丈夫ですか。野菜泥棒はかなりの俊敏さを持ち合わせております」 「心配するな。俺には正当な理由があります」 改めて説明しなければならない。 「ジャストコーズ、オ...
≪ 前 エンディングテーマ曲:「リミテッド・フィナーレ」 歌:ポリティカル・フィクションズ 作詞:マーク・ジョン・スティーブ 作曲:サトウスズキ 一枚絵 一枚絵 一枚Yeah...