「見た目が8割」というようなタイトルの本があったが、あの主張はほぼ正しい。
なにかしらの会議なり、議論なりにおいて討論のテーマを聞いている人は実は少数派である。多数派は基本的にはその人の態度なり、口調、顔などの非言語情報を見て判断しているだけなのである。自信満々に話していればそれは正しい内容、おどおどとしていれば間違っている。顔が気に食わない、生意気だ、そういった感情がほぼすべてなのである。
態度だけで判断するのは実はとても便利なテクニックである。難しい内容を理解する必要はないし、頭をほとんど使わなくてもいいからである。あー、おどおどと話しているからこいつはウソついてんな、堂々としてるから信用できるなと。日常生活でそのテクニックを使ってて困ることはほぼない。
だから、多数派を味方につけるにはそのテクニックを逆手に取ればいい。議論のテーブルには絶対についてはいけない。相手の意見を聞いてはいけない。根拠は何一つ示さず堂々と「その意見は間違ってる」と言い続けるだけで十分なのである。
相手のいうことをまったく理解せず否定だけすればいいのだから、基本的にはなにも話さなくていい。そうすると時間が余る、相手にしゃべらせるのはマイナスなので、なにかしゃべり続ける必要がある。そこで、人格攻撃を加えるのがよいだろう。おススメなのは条件反射ワードを使う方式である。
相手がアメリカ人なら条件反射で「インディアンを虐殺した」「黒人奴隷を使っていた」、朝日新聞の関係者なら「サンゴ」、オバマ大統領なら「ケニア生まれを隠している」などと議論とは関係なく属性に合わせ過去の不祥事や疑惑など(真実である必要はない)を指摘し続ければいい。条件反射で言えるようにしておくといいだろう。何回も書くが議論を決めるのは内容ではなく態度である。信用できない人であることを印象づけるのが最も大事なことなのだ。
ただ、このテクニックを使ってもひとつだけ負けるパターンがある。それは相手も同じ戦略を使ってくる場合である。自分の話を全く聞かず「あなたの所属する組織は過去に虐殺や誤報などの不祥事をした」と相手も言ってくる場合だ。その場合にはその不祥事がウソであることだけはしっかりと理論武装を固めておき(ここだけは努力が必要)、短い議論では絶対に結論がでないようにしておくことが肝要である(いいがかりさえつけられれば十分)。表面的にやりすごせればそれで充分である。内容を吟味するような人はそもそも相手にする必要はない。
議論というか、寄ってる方向としては演説テクだな