2017-04-20

王馬小吉は断れない

王馬小吉は良くも悪くも嘘吐きだ。

徹底された嘘吐きは嘘が上手く、いかなる状況でも前述を"嘘"で説得力を持ってひっくり返すことが出来る。

そして、嘘じゃない事の弁明は許されない。

作中何回か、「それも嘘でしょ」と他キャラに振られるシーンがある。

徹底された嘘吐きキャラはそのフリを断れない。

そんなシーンにこそ、嘘吐きキャラ真実は隠されているように思う。

静寂はその名を名乗れば終わってしまうように

嘘吐きは真実を語れば終わってしまうから

徹底された嘘吐きキャラとして、王馬小吉存在した。

最初はその状況に半信半疑ながらどうにかしようとしていた。しかし何も出来ずにいた。

どうにかしようとした女の子犠牲になった。自分は何も出来ずにいた。

女の子はもう帰ってこない。そして自分はその状況から逃れられない。そしてこの状況はガチである

取り返しのつかない事態に悔やんでも悔やみきれない。自身の命も既に賭けられている。

王馬小吉は、ならばと自ら命を賭してでも全力を尽くそうと心に決めた。

しかし嘘吐きが辿るのは仲間の信頼を得るなどと言うものはなく、破滅的な道でしかない。

王馬小吉はこれを逆手に取った。

どうせ嘘しか騙れないのなら、自分を欺き、味方を欺き、首謀者に近付いてでも、首謀者の隙を突く。

嘘吐きキャラとして、命を賭けたゲームなどと言う、ふざけた殺し合いを全力で破綻させて終わらせる。

赤松楓の意志を、王馬小吉は王馬小吉なりに受け取っていた。

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