王馬小吉は良くも悪くも嘘吐きだ。
徹底された嘘吐きは嘘が上手く、いかなる状況でも前述を"嘘"で説得力を持ってひっくり返すことが出来る。
そして、嘘じゃない事の弁明は許されない。
作中何回か、「それも嘘でしょ」と他キャラに振られるシーンがある。
徹底された嘘吐きキャラはそのフリを断れない。
そんなシーンにこそ、嘘吐きキャラの真実は隠されているように思う。
静寂はその名を名乗れば終わってしまうように
最初はその状況に半信半疑ながらどうにかしようとしていた。しかし何も出来ずにいた。
どうにかしようとした女の子が犠牲になった。自分は何も出来ずにいた。
女の子はもう帰ってこない。そして自分はその状況から逃れられない。そしてこの状況はガチである。
取り返しのつかない事態に悔やんでも悔やみきれない。自身の命も既に賭けられている。
王馬小吉は、ならばと自ら命を賭してでも全力を尽くそうと心に決めた。
しかし嘘吐きが辿るのは仲間の信頼を得るなどと言うものはなく、破滅的な道でしかない。
王馬小吉はこれを逆手に取った。
どうせ嘘しか騙れないのなら、自分を欺き、味方を欺き、首謀者に近付いてでも、首謀者の隙を突く。