先日の話だ
仕事も終わり同僚と飲みに行こうかと話していた
そのとき同僚の一人がこういったんだ
「先輩、近くに料亭街があるらしいんですよ」
私は即座に察した
T新地だ
私はこういった
同僚はこう返す
「そうですね、世の中何があるかわからないので懐があたたかいにこしたことはないですね」
そして2人で新世界の方へと歩いていく
店の前できらびやかな衣装をまとい、まぶしいくらいの笑顔を振りまく仲居さんがずらっと並ぶこの光景
私たちは料亭街のメイン通り周りを一周し、ハズレの通りも見て回った
むしろメインディッシュレベルよりゲテモノのほうが多いくらいだった
料亭街につき30分程が経過したくらいだ
メインディッシュか青い春を味わおうとそう思っていたら、雨が降って来たのだ
「これはこまった、どこかであまやどりをしなければ」
と私は言う
「そうですね、これはふかこうりょくですね」
と同僚が返す
「すぐにでもどこかにはいらないと、しかしりょうていはせまいもんだ」
にやけて返す私
「ここでふたてにわかれましょう」
同僚もにやけて返す
そして二人揃ってこう呟いた
『ご武運を…!』
私は意を決して、通りを走る
あの料亭がよさそうだ
「はよきめてぇな」
そうのぼったのだ
20分がたっただろうか
雨が上がり、手元には飴
私は晴れやかな気分でホテルへ戻った
気分は、新たな大地へと飛びたった鳥のような気分だ
そして、こう思ったのだ