2017-03-26

弁護士業務の密かな歓び「陳述書」

弁護士として仕事をしていて,楽しみな仕事が「陳述書」だ。

これは,当事者の言っていることを(訴訟に不利にならない範囲で)自由に書いて良い。

裁判所に対して主張をアピールするのは「準備書面」で,これには法的に理屈の通る主張や反論を書くことになる。

依頼者が主張したいことでも,なんでもかんでも書くと,法的に理屈が通ってないことにより却って不利になることもあるから

そういう場合には依頼者に対して「気持ちは分かります裁判に勝ちたかったらそれは言わない方が」とか「少し主張の仕方を変えて」とかサジェストすることになる。

当然,依頼者は不満をためるし,下手をすると「オマエは俺の弁護士だろ,俺の言うとおりやれ!」なんて依頼者もいる。

陳述書は違う。

明らかな嘘や,逆に正直すぎて決定的に不利な供述は書けないけど,そうでなければ依頼者の言うとおり書くことが出来る。

これが最高に楽しい

陳述書は,依頼者に話を聞いて,まとめたのを弁護士が作って,依頼者に見せて問題なければ署名押印をもらうという手順で作っているのだけれど,

依頼者に見せた段階で「先生,こういうことが言いたかったんだよ。上手くまとめてくれたね」なんて言われることがあって,密かに歓びを感じたりする。

まあ,陳述書で依頼者の好き勝手を書いているときってのは,もう訴訟では負け筋だからガス抜きしてるって場合も多いんだけどさ。

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