けものフレンズを見るとIQが下がる、などと言われているが、これはある意味で正である。
けものフレンズの平和な世界観、動物の生態・人類の知恵を学ぶことができる知育的な側面、ロードムービー的なストーリー展開など、基本的には子供向けの作品作りになっている。
これを素直に楽しむためには、子供の視点で見る、ということが最適である。そうすることで、微妙な間の悪さや声優の棒は気にならなくなるのである。
なので、けものフレンズの楽しみ方を自然と身に着けたユーザが必然的にSNSや動画サイトで盛り上げようとするため、「すごーい」「たっのしー」などといった発言しか見えないのであろう。
しかし、子供向けな作風である反面、この作品は要所要所で不穏な雰囲気が漂っている。
かばんちゃんは人間のフレンズとして認識されていない、セルリアンという明らかな敵が存在する、「パークの危機」、何があっても死なない、4話ツチノコの最後の発言、などである。
視聴者は自らを子供視点にすることで、この不穏な雰囲気を意識しないようにする。そうすることで、7話から最終回に訪れるであろう世界観の解説の際に大ショックを受けることになる。
けものフレンズを最高に楽しんでいる視聴者は、この大きなギャップを叩き落されるスリルを今まさに感じているのだと思われる。ぞくぞくします。