「これは自分がハマりそうだな」と思ったアニメが、最初こそ低評価で「世間がどう受け止めても自分が好きならどうでもいいか」と思っているうちにあれよあれよと大人気になってしまったのを受けて。
不快感の原因を考えるに、自分が好きだと思ったものが雑に触れられて雑に消費されている、という印象を持ったからだろうと思っている。
商業のアニメである以上、売れることは喜ばしいし(アニメ制作環境の問題点はここでは主題ではない)、そのためには人の口の端に乗らねばならないこともわかるが、愛のない消費のされ方はあまり好きになれない。
もちろん、愛があるとか、ないとかいうのも自分が計れる物差しでしか計れていないし、自分の愛だけが正しい愛であると言い張れるほどに純粋でもない。
今まで強烈にハマったアニメでは、ファンは小さいコミュニティばかりで(どうも似た属性の人が多かったらしく)イベントなどに行けば名前は分からずとも他のイベントでも見たことがある人ばかりであった。似たような消費の仕方をしていた親近感があったのだろう。つまりは今までとは違い明らかに属性の違う人間が同じアニメについて語っている環境に寂しさみたいなものを感じているのかもしれない。それも私が勝手に抱いている感傷に過ぎないけれど、この寂しさに近い感情は、このアニメが想起させる感情に通底しているような気はしている。アニメにおいてはそれは肯定的に描かれているが。
そして一方でこのアニメはいいものであるからもっともっと流行ってほしい気持ちもある。感情は簡単に割り切れるものではない。
もしかしたら喫茶店みたいなもので、客がいなくて潰れてしまうと困るけど、自分が行くときにはくつろげる程度に空いていてほしいのかもしれない。
話にまとまりはないが、心にささくれのようなものを抱いたままにアニメを見続けてはアニメを純粋に楽しめなくなりそうで、とりあえず書き捨てておきたかった。
どうせ雑な言及をしている者はまた別のミームに踊らされるし、そうでなくて本当に、今後自分の心に刺さる最後に至ったとすれば、他の声など気にならなくなるはずだから、再び各種の考察や雑な言及に心動かされずにただ「世間がどう受け止めても自分が好きならどうでもいいか」とアニメ視聴を続ける予定である。