4年生のとき、当時M1だったAさんと同じ班員として研究をしていた。
そのAさんははっきり言って無能だった。4年生の4月に研究が始まって、1か月経つ頃には「この人を信用したら大変なことになる」と悟った。
というのも、Aさんが描いた図面をもとに部品を制作していたら、全然寸法が合わないので、よく調べたら全然違う寸法が入ってたり、実験ノートをフリクションペンで書いて、ちょくちょく消しながら実験してたり、そのせいで条件とデータの関係が分からなくなってデータを取り直しになる(しかもこれはAさんはやらないで自分がやらされる)とかそんなことばかりだったからだ。
しかもその上にいたM2の先輩も責任感のない人だったので、自分はすぐに相談にいけて、頼りになる存在がいないままだった。そんな状況で、大して知識や経験もないままやってるので、たまにある進捗報告で指導教員にボロボロに言われる。
結局、あまり価値のない卒論しか書けなかった。教員にも半ば放置されていたので、先輩や教員に厳しく指導されながら研究をやっている同期が、うらやましくて仕方なかった。それでも、当時はSTAP細胞問題が話題になってた頃でもあったので、コピペなどあってはならないという気持ちをもって卒論を書いた。
自分のいる研究室は「序論とか実験手法は過去の卒修論をコピペすればいい」みたいな風潮があって、実際に過去の人たちが書いた卒修論を読んでいると「ここは誰かの論文のコピペだな・・・」と気づいてしまうことがよくある。実際、実験装置などは同じものを使っているし、手法も変わらないので、結果的に同じものを書くことになってしまうこともある。だからといってコピペが許されるわけではないし、いくら研究室内で保管されるだけとはいえ、将来、誰かに読まれる可能性は高い。しかも、研究内容としては価値がない以上、自分で文章を書く、というところだけは譲らずに書こうという気持ちがあった。図や装置の諸元は引用したりはしたものの、基本的には自力で書いて提出した。
同じ研究室の大学院生になって研究を進めてくる中で、卒修論については上述のような事情があることは分かっていたので、昨年修了したAさんの修論を読んでみようなどという気持にはならなかった。ただ、自分と一緒に研究をしている4年生が、過去の卒修論の中で、役に立ちそうな論文としてAさんの書いた修論を持ってきていた。一応Aさんの修論発表は聴講しに行ったのだが、発表を聞きながら「これ、自分が卒論でやったこととほとんど変わらないじゃないか、こんなので修論として認められるのか」と感じていた。その修論が後輩の机の上に置いてあったので、どうせAさんのことだから大した出来ではないのだろう、と思って、目次をちらっと見てみた。
最初は、あれ、という違和感だった。「従来研究」として目次に書かれている論文が、自分が4年生のときに調べて卒論に書いたものと同じだったからだ。どんな風に引用しているんだろうと思ってそのページを開いた。
違和感は確信に変わった。手元にある自分の卒論のファイルと見比べてみると、一字一句変わっていない。「序論はコピペでいい」という論理で、後輩が過去に書いた卒論を、修論でコピペするなんてことがあり得るのか、と愕然とした。
しかし、そんなのはまだ序の口だった。さらにページを読み進めてみると、実験手法、解析方法、モデリング方法、計算結果、考察、結論、ほとんどが自分の書いた卒論のコピペだった。しかも、英数字のフォントが自分のものとは変わっていて、図表番号や設定条件などだけは置き換えられているので、「間違って使ってしまった」などということはありえない。さらに、自分の卒論と違う部分は追記されたりしているので、その修論を読んだだけでは誰かの論文をコピペしていたとは気づかないだろう。でも書いた本人が見ればすぐにわかる。こんなことがバレないとでも思ったのだろうか?
しかし、一つ違和感があった。というのも、Aさんに自分の書いた卒論のデータを渡した覚えがないのである。だからどうやってコピペをしたのかが不思議だった。
しばらく考えてから思い出した。自分がM1のとき、卒論を書いている後輩に参考資料としてデータを渡していたのだった。その後輩はAさんの近くで研究をしていたので、おそらく後輩がAさんにデータを渡したのだろう。その後輩は自分とは研究テーマが少し違っていたので、「せっかく卒論のファイルをもらったけど、あまり参考にはならなくて、引用もできなかった」と言っていた。
Aさんの修論発表を見ていたときに「自分の卒論とあまり変わらない」と感じたが、むしろAさんがコピペして修論を書いていたのだからそう感じるのも当然である。
Aさんがコピペしていたことに気が付いてすぐ思ったのが、どうしてこれで指導教員は何も言わなかったのか、ということである。「他の大学の研究と変わらない」「新規性がない」とかのレベルではなくて、「昨年の○○が卒論でやった研究と変わらないじゃないか」と一蹴されるレベルである。数年前のことならまだしも、1年前に卒論で書かれていた内容を忘れているはずがない。
これはあくまで推測なのだが、おそらく指導教員はAさんの指導を放棄していたのではないか。留年させても仕方ない、何も進めないなら叱ってでも何かやらせるけど、無価値な内容とはいえ修論を書いている(かどうかが怪しいのだが)し、修論発表も一応乗り切っているので、とりあえず修了させたのではないかと。
卒論をコピペされたことで頭に来ているのかというと、Aさんがいかに無能かはよくわかっているので、今更どう感じるわけでもない。ただ、コピペされた側として、このことについて指導教員に話をするくらいの権利はあるはずだ。
今は修論の審議がなされている段階なので、波風を立てるようなことはしないでおいて、修了が確定してから、訴えてみようと思う。
Aさんの修了は取り消すべきなのではないか、と。
決まる前は波風立てずに決まってから文句言うつもりwwwwwwwwwwwwwwwwwww リアルに頭悪くてワロタ 真面目さだけが取り柄のカスみたいな奴なんだろうなあ
で、なんで修了させてはいけないのかな?