2017-01-30

毒親と気付いた時には遅かった。

恋人いない歴イコール年齢を更新し続けて何年経ったかからない。出会いがないのと他人に興味がないのと、という言い訳を繰り返していた。そんな折、友人の旦那の友人を紹介していただけるとのオファーがあった。こじらせ気味の自分は、恋人ができれば、だの結婚ができれば何か変わるんじゃないかなんて期待する。そして彼とLINEを交換した。頻度は高くなかったけどやりとりを続けてる間は楽しかった。2週間くらいして、食事に行きませんかと誘われ、私はとびつく。あまり背伸びしていない感じのレストランで閉店近くまでずっと話していた。彼の話はとてもおもしろく、仕事の話から趣味の話まで、すべてにオチがついているような感じで、ずっと私は笑っていた。とても、とても楽しかった。でもその食事の後、私に連絡をくれることはなかった。1週間くらいはもうこれを逃したら結婚できないかもしれないと焦った。ただひたすら焦った。何か、何か送らなければ。振り向いてもらわなければ、もうあとはない。もう私には彼しかいない。勇気を出して送ったLINE既読スルーを受けている。

理由はいろいろあるかもしれない。似たような業界で働いているため、仕事上の付き合いをするかもしれなくて面倒だとか、趣味あんまりあわないだろうとか。お金の使い方もちょっと私と違うかなとか。でもデートした日の自分の中での一番の違和感は、自分のことを話せないことだった。「増田さんはどう?」みたいな感じで彼は聞いてくる。「増田さんの趣味はなんだっけ?」「本結構読んでいるんだよね?」だとか。ほとんどの時間、彼が喋ってくれたのだけど、ときたま自分に与えられる質問を、なぜかうまく答えられない。やっぱり自分のことがそんなに好きじゃないから。自分は後ろめたい存在なんだと、迷惑存在なんだと、ずっと思って生きてきた。

私の家庭はいわゆる機能不全家庭で私の親はいわゆる毒親で私はいわゆるアダルトチルドレン子供の頃、父親に殴られて生活していた。しつけなんだろうと言われるかもしれない。でもなんで殴られるようなことをしたのかは覚えていない。自分がしたことの何が悪いかがわからないまま、殴られた記憶しかない。殴られずに済んだこともある。それは父の機嫌をとった時だけだった。母親母親で、頭も容姿も悪い自分をボロクソに言っていた、ボロクソに。なんの才能もないのに、容姿もよくないのに勉強すらできないとは。小学校くらいから言われていた。中学高校部活やらせてもらったが、部活大学行けるわけないじゃないの、と本気で言われたこともある。当然自分レベルなんて知っているけど。とまぁそんなわけで自己肯定感というものが私の中で育つことはなかった。

私は頭がいい方ではないので、高校大学も彼らの望むようなレベル学校ではなかった。就職活動も苦労したがなんとか今の会社入社することができた。そこは両親に文句を言われるような会社名ではなかった。私の存在会社名だけで決められている。たぶん私が会社をやめれば両親は悲しむだろう。会社を辞めたい理由なんてそんなものくらいだ。本当に辞めたい理由もなければやりたい仕事もない。

彼に振られたことで、自分のことを見つめ直したら、ここに行き着いた。今は会社福利厚生を受けてカウンセリングを受けたり、本やインターネット自分問題のヒントを探している。

自分のことを気づかせてくれた彼のことはますます好きになった。けれど、連絡はない。

両親には私の今までを、私の今までを返して欲しい。

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