2017-01-28

キングコング西野氏の件からフリーミアム時代商法について考える

 キングコング西野氏の絵本が一部の界隈で物議を醸しています

 「曰く、価格を引き下げたら創作者は食べていけない。」

 「曰く、クラウドファウンディング悪用である。」

 この件につきましてちょっと思うところを書いておきたいと思います

 本件と違和感といたしまして、そもそも西野氏の絵本を書いた人はきちんと報酬を受け取っているという事実があるのです。

 そもそもクラウドファウンディングはなんのためにあるかを考えてみましょう。それは初期の持ち出しを先にいただくことで、創作者の財政破たんを防ぐ目的があるのですね。

 つまり創作者はまずは関係者に支払わないといけないんです。

 たとえば同人誌を作った時に印刷代は自分で出しますよね。印刷代って決して安くないですよね。

 当たり前だと思うかもしれませんが、それが負担だと思う人のためにクラウドファウンディングがあるのです。

 この場合印刷屋さんが作家としてください。お金を支払って、同人誌という商品を納品した段階で絵の所有権西野氏に移っている筈でですよね、

 それを幾らで頒布するかは作家さんにゆだねられるはずですよね。印刷屋が自分価値が下がるから幾らで頒布しろよとはいいませんよね。

 ましてや外野がそれをとやかく言うことはできないわけですね。

 この案件は二つのレイヤーにわかれているのだけど、批判している人は混同甚だしいので僭越ながらマーケティング立場から意見を述べると。

 ひとつ営業活動報酬問題、もう一つはフリーミアム時代商売の在り方の二点となる。

 前者は主に批判をしている人たちが話題にしている内容。フリーミアムにしたら自分たちお金が降りてこないから許せないというものなのですが

 この件については別分野で事例が存在しまして。

 http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/knp/column/20150123/689831/

 「図面作成営業活動」と設計料の請求を認めず 日軽アーキテクチャ

 

 図面作成デザインワークとして考えた場合、それが締結されなかったらお金が発生するのかという裁判なのですが。

 この件、裁判結果は営業活動における図面作成費用請求できないとある。これは当然の結果で、これがまかり通るとデザイン押し付けて金をせびる商法ができてしまう。

 それで納得いかない場合は次の弁護士事務所

 https://a-dreamlaw.com/business/building/blog/protect-unpaid-reward.html 

 建築設計報酬の不払いを防ぐ3つの方法 弁護士法人淡路島ドリーム

 にある 「1 建築設計契約である以上、契約書は必用です」を適用するしかない。

 ここで知ってほしいのはこの問題デザイン業界固有の問題ではないということ。ほかの業界でこのような判例がでていることを理解してほしいことです。

 もう一つのレイヤータイトルにもありますフリーミアム問題としてなのですが

 人は消費行動に出る際の判断基準として「安心」が大きな要素になるってことをもうちょっと理解してほしいということなんです。

 絵本は決して安くないです。1000円オーバーは当たり前で、これを子供がおいそれと買えるとは思えない。

 大人さらにそう。お昼二食分ではって思うわけですよ。

 そうなると内容がわからないものにおいそれとお金は出せないのです。

 

  内容がわかっているか安心して買えるって仮説につきましては

 https://togetter.com/li/1055708

 「Webで全編公開されてる漫画」を買う人は意外と多いが「中身が分からいから買って確かめる」という人は凄く少ないという話

 に仮説がありましてちょっと興味があったのですが

 内容が伴っていれば実はこれも商売になりうるのではと西野氏の動きを見てそう思ったのです。

 これができる人はある程度財力がある人に限られるし、やったことでこうした批判が集まるから創作者側も強度が必要だったわけですが

 西野氏がこれを行ったことで、ある程度仮説に結論が付きそうです。

 つまるところ、電子と紙書籍は別腹であり、電子無料で読まれることにより、この本にお金を出してもよいという安心感につながったのではと考えています

 この件についてはもう少しサンプリング数を増やしたいところですが、ほぼ間違っていないのではと考えています

 私どもといたしましては批判を行っている方につきましてはこの営業活動問題フリーミアム問題混同しないようにしつつも、自分の身を守る方法をもうちょっと考えていただきたい。

 無理筋批判よりももう少し物事を考えていただきたい。

 そもそも絵だけで商売を行うのではなく、絵を自分付加価値として別業種で利用するとかも考えてほしいという切なる思いでございます

 長々とご清覧いただきありがとうございました。

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