2017-01-12

うつ病「非」経験者がうつ病研究をしている話

いろいろな巡り合わせで,3年ほど前から研究分担者としてうつ病研究に関わっていた。

うつ病研究といっても,実際に患者を扱うのではなく,健常者に質問紙をとって,客観的に観察される行動との相関をみたりする理論である

自分は,研究代表者から,「研究分担者」兼「SE」兼「プログラマー」的な役割を求められていた。具体的には,参加者の行動を記録するためのシステム開発をやってくれという話だった。

要は,本当はシステム開発外注したいけど,予算がないし,研究に馴染みのない人に依頼するのはやり取りが大変だからシステム系に詳しいあんたがそこら辺まとめてやってくれ,ということだ。

見返りは,成果を論文にするときには,第二著者には入れてあげるよ(論文にはならないかもしれないけど)といった感じで,金銭的な報酬はなし。

ちなみに,ガチ外注すると,500万は下らない規模のシステムを求められていた。

割りに合わないなあとは感じていたけれど,そのシステムが完成した暁には,自分研究にも一部のソースを使いまわせそうだったし,必要とされるのは嬉しかったので,引き受けてしまった。

概ね3年計画研究スケジュール等を話し合って,1年目は順調に進んでいたのだが,2年目の中頃から,別の仕事きっかけで,どうしても気持ちが落ち込んで外に出られなくなった。

その時期,一体毎日何をして過ごしていたのかの記憶が,今となってはほとんど思い出せないのだが,とにかく指定された計画に間に合わせて,システムを完成させられなくなってしまった。

それで,ひたすら平謝りをして,何度か予定を伸ばしてもらったのだが,この間の研究代表者言葉が,ずっと気になっている。

具体的にはそれは,以下のような内容である

うつ症状を言い訳にするのなら,精神科に行って診断書を出してもらえ

診断書がないのなら,うつ症状を言い訳にはできず,納期が遅れるのはあなたの怠慢である

あなたを信用できない

・私は,ボランティアでこの研究をやっているのではない

・これ以上先延ばしが続くのなら,今回の研究計画は無期限で中止にする

私が一番ショックを受けたのは,いわゆるうつ症状と思われる状態に陥っていることを,いくら説明しても理解しようとしてもらえず,

診断書がないのであれば,それはあなたの怠慢であると言われたことである

理論系とはいえ,うつ病研究者なので,この辺りはきちんと症状を説明すれば,理解してもらえると思っていた。

でも,いくら説明しても,うつ病可能性は否定できないが,診断書がないのであればうつ症状を理由仕事先延ばしするな,

期日に間に合わないのは,うつ病ではなく,あなたの怠慢である判断せざるを得ないと,繰り返し言われた。

当時私は,研究員の身で,どこかに勤めているわけではなかったし,経済的に余裕もなかったので,高い受診料を払って精神科に行く気にはなれなかったし,

とにかく時間をとって静養するしかないと感じていたので(というよりもほとんど何も思考できなくなっていたように思う),

結局,精神科には一度も行っていない。

でも,今まで生きてきた中で一度も経験したことのないような,思考感情ゼロに近いショック状態に陥ってしまっていて,これがいわゆるうつ症状なのかもしれないとは感じていた。

そのような状態で,なんとか連絡をして,診断書が出せないのなら,あんたの怠慢だといわれたのは悲しかった。

正確には,そのときにはほとんど何も感じなかったが,今少し症状が回復してきて,徐々に悲しかったという感情が,出てきている。

診断書がないのなら怠慢だ」というような人が,果たしてうつ症状に関する研究を正しくできるのか,と疑問に感じはじめている。

臨床系ではないので,安易うつ病診断をしないという点では正しい判断かもしれないが,「診断書がない=怠慢」といった白か黒かという判断は適切とは言い難いし,

何より「うつ病である可能性は否定できない」というのであれば,もう少し,理解を示すような慎重な表現で応対してほしかった。

正直,なんで,どういうモチベーションで,この人はうつ病研究をしているのかと思った。

4番めと5番めに関しては,何を言っているのか未だによくわからない。

ボランティアで協力していたのはどう考えてもこちらの方だし,無期限で計画を中止にされたところで,私は何にも困らないので,何の脅しにもなっていない。

計画通りに行かないことがわかって,機嫌が悪くなっているのだと思うし,それは申し訳ないと感じる。

でも一方で,この人には,うつ病を論じてほしくないという感情が,日々高まってきている。

なお,特に深い意味はないが,私は男性で,その人は女性である

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