2017-01-06

ポピュリズムがなんでダメなのか

http://anond.hatelabo.jp/20170106192307

ポピュリズムがなんでダメなのか、ちゃんとブログに書いておいたのに誰も読まないからこんなとこに改めて書く。読みもしないで「なぜダメ説明しない」と仰る方のためにわざわざ出張ってくるのもなんなのだけど、今夜はちょっとだけ時間があるので。

まず、ポピュリストを支持しているのはアホな大衆であるという決め付けがこの方にはあるようだが、それは事実ではない。ポピュリストを支持するなかには、もちろんアホな連中もいるが、それはそれ以外の政治家であっても同じことで、アホはどこにでもいる。その一方、賢明である人々、賢明であるとされている人々の中に、なぜかポピュリスト積極的に支持する人々が少なくない。ポピュリストの人気は、むしろそういう取り巻き連中の言説によって確保されている。

で、なんでそういう有能な人々がポピュリストを支持するのかといえば、それは自分の主張する政策を取り入れてくれるからポピュリストというのは人気商売から、最大限に人気が確保できる戦略をとる。そして、知識人にとって政治家評価は、どれだけ自分が主張する政策を取り入れてくれるのかにかかっている。そういった評価を確保したければ、あらゆる政策を見境なしに取り込むのがベストだ。だからポピュリストは、進んでそれをやる。

それって民主主義じゃないのかと思うひとがいるかもしれないが、全ての人々の主張を全て取り込むのは混沌であって、民主主義ではない。あらゆる主張を取り込んだときに生まれるのはカオスしかない。政策というのは、そういったカオスを避けるため、なにがベストであるのかを議論し、利害を調整して、落とし所をつけていくことだ。ポピュリストはそれをやらない。そして、カオスの収拾がつかなくなってきたら、弱いところを攻撃することで多数派を味方につけ、形だけでも民衆の総意が得られているような演出をする。そうなっても、自分の主張が政策に取り込まれているという事実にしがみつく知識人どもは、眉をひそめながらも、ポピュリストへの支持を続ける。その支持が実際にはポピュリストのパワーの源だということを意識さえせずにね。

ざらっとしか書かなかったけど、「大衆バカだと諦めるポピュリズム批判」なんて、表層的なマスコミ言い草だということがわかってもらえただろうか。もっと緻密な議論を見たかったら、歴史関係論文でも読んでみたらいいよ。ポピュリストがどんなふうに実権を握っていったのか、実証的な研究はいくらでもあるんだから

記事への反応 -
  • 最近、世に溢れるポピュリズム批判を見ていると、馬鹿にされている気がしてならない。 批判する人間は、大衆はバカなものと言う前提で、批判する。一段上のエリートのつもりだから...

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