2016-11-25

ウェルク(WELQ)問題根本的な「医療×キュレーション」そのものにある

ここ近年、医療ベンチャーなども目立っており、同時に、健康情報サイトなども活気付いている。

いま問題となっているのが、DeNA運営医療キュレーションメディア『ウェルク(WELQ)』だ。

私自身、これまで、そして今も医学情報系のサービス立ち上げやメディア運営などにいくつか携わっているので、この問題がとても深刻なものだと思っている。

そもそも、医学健康情報系のサイトは以前から多く存在していて、アフィリエイト目的個人から企業まで多く存在している。

最近では医療ベンチャー運営し、医者監修のもとで提供しているメディアも増えているし、医療分野の専門家編集部に加えて、運営しているところも多く確認できる。

また、マネタイズを図っているところを見ると、やはりアフィリエイトでの広告収入タイアップ利益を作っているところが多く、DeNAのウェルクに関しても同じだと言える。

ただ一点、明らかな問題点があるとすれば「医療」という、扱うことに一際慎重さが必要とされる分野を「キュレーションメディア」としてやっているところだと考えている。


実際、多くの医療健康情報サイトでも、外部ライター頼みであったり、クラウドソーシング経由で医療従事者などから記事制作をおこなっているところもある。

私が今携わっている健康情報系のメディアサービスでも同様であるが、編集・公開などのその後のプロセスは必ず、医学精通している専属スタッフ陣が行い、すべてのコンテンツをチェックする運営体制に尽くしている。

その中で、スタッフ陣の中でも最近は「ウェルク」についての話が増えており、SEOコンテンツ面について様々な意見が外部の人も含め、盛り上がっている。

その話の中では、コンテンツのチェック管理体制SEOに関わらず、そもそも、根本的な問題として「素人」が医療医学関連の情報を書くべきではないという点に絞られている。

ここ最近のウェルクに対する批判の高まりで、複数記事が削除されており、ウェルクの運営側対応をおこなっている様子で、ウェルク編集部からのお知らせというページ(https://welq.jp/64151)では、今後のガイドライン設備などについて掲載されている。


だが、根本的な問題は「医療」をキュレーション(厳密に言えば転載)でおこなっているところに尽きる。ウェルクのコンテンツページを見ると、情報をどこの信頼元から持ってきているか記載も一切ない。

また、多くが、ほぼ全てが、どこかしらから転載であり、出典元の表記もない。これでは「著作権侵害」と言われても仕方がない。さらにその多くのコンテンツ医学情報としての信頼性に大きく欠けている。

調べてみると、コンテンツクラウドソーシング経由であり、社内でもコンテンツを量産できる体制を持っている可能性がある。医療情報毎日数百ページ生産し、どのように全てをしっかりとチェックできているのだろうかは、とても疑問なところ。

同時にウェルクはその場で誰でも記事制作し、公開できる仕組みになっている。これが近年、人気の「キュレーションメディア」であり、この仕組みは「医療」を扱う上で明らかにタブーなことだ。


本来インターネット上で情報を発信するメディアであれば、インターネットリテラシーを十分に熟知し、その専門性理解知識のある「ライター」などが行うべきであり、編集プロセスもしっかり行う必要がある。

これが「医学医療」の分野であれば、なおさらのこと。クラウドソーシングなどでお小遣い目的でおこなう素人」が医療医学に関するコンテンツを作るべきではないのだ。

すでに、ウェルクでは数万にも及ぶ大量のコンテンツが作られている。そのほとんどが「情報源は何で、どこから持ってきたものか、誰からの助言なのか」等の提示もなく、信頼性に大きく欠けており、何より、多くが転載コンテンツ可能性が高く、薬事法にも引っかかるものばかり。

今後、ガイドライン設備などを強化するとアナウンスされているが、その前に、いや、仮にガイドライン設備をしたとしても、「医学医療」をキュレーションメディアという形・仕組みで提供することは、それ自体に大きすぎる欠点と明らかな問題があり、モラルがある企業であるならば、決して手を付けてはいけないもの。ではないのだろうか?

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