2016-10-23

話題時短について書いてみる

時短や定時退社の話が出ているが、根本的な部分での間違いがあるようなので、

生意気ながら僕の意見経験を書いてみる。

時短とは、定時退社できるように仕事量や業務プロセスの一部を単純に無くすことではない。

あくまでも企業の在るべき姿を模索する中での一つの方策

今風な言葉で言えばビジネスモデルの構築の一部分だ。

私は小さな会社経営しているが、ご多分に漏れ社員労働環境は良くなかった。

多くは無いが残業はあったし、社員有給が取れなかった。昼メシをゆっくり取れないこともあった。

この状況を何とかしなければと思い、時短を含む業務内容の改善ビジネスモデルの再構築に踏み切った。

まず行ったのは『あるべき姿』の具体化だ。

従業員数と経費、売上、それに伴う社員労働量など、会社にとって最もバランスの良い姿は何かを決めた。

そしてそれを取り組むべき項目に落とし込んでいった。

業務改善で行ったのは以下。

1つは日報廃止

これまでは各社員が1日の行動と内容をまとめて提出していた。

だが、日報と言うのはそこに書かれている内容の中から問題がありそうなことを

私と社員が話し合い、次のアクションに活かせてこそ役に立つ。

でも実際は提出で終わっていたし、各自取引先との打ち合わせで書いたものを再度書き直す手間にもなる。

時間けが取られるので廃止した。

代わりに行ったのがToDoの共有化だ。

改善の際にグループウエアを取り入れ、社員にはアイパッドを一人一台渡した。

朝出社(もしくは前日の退社前)すると、社員はまずToDoをアップする。

会社としての優先項目上変更をお願いしたいことは事前に伝え、無駄な行動を減らすことが出来る。

打合わせ先や内容によっては、今日はどういう方向で話すべきか、

先方の出方を何パターン予測して事前に対策を取ることもできる。

必然的に打ち合わせ回数を減らすことができた。

各自仕事量も確認できるので、何かお願い事をする場合も適切な量で行えるし、

各自が抱えている仕事から、配分を指示することもできる。

定時退社という枠の中で、仕事量の適切化が自然と行われるようになった。

グループウエアでは取引先ごとのページがあり、

打合せ内容は全てそこに書き込んで共有化した。

日報のような正式な書式ではないメモ書きなので時間もかからないし、

打合せ内容はいずれにしてもメモるので、日報のように重複しない。

共有化できることで、私が口を出さなくても社員間で助言のやり取りができるようになり、

必然的会議での内容は減少した。

取引先も整理した。

毎年値下げを要求してくる取引先があり、

取引額は年々増えているものの、このままでは利益幅の薄い取引先の為に、

社員を増やさないといけない。

そこで、これを機に取引を切らせて頂いた。

全売り上げの10%を占める大口だったが、このまま取引額が増えれば会社実体は今以上に悪くなる。

何より、切られる側になった時、その売上も含めて増員していたら会社の存続が危うい。

であるならば、切ってもダメージが少ない時に方向転換をしようと考えた。

問題はその売り上げを新規取引先で埋めるか、既存取引先への手厚いフォローに回すかだが、

社員とも考えた末、5%の新規取引開拓を目指すことになり、今2%まで来ている。

粗利益が増えたことと、既存取引先へのフォローが良い感じになったので、

今の状態新規開拓を止めようか思案中だ。

社員から意見アイデアを吸い上げる項目もグループウエアに設けた。

内容は些細な業務改善から会社方針に関わることまで様々だ。

私はそれを見てすぐ回答できるものは書き、

時間を要するものは保留して、書き込んだ者のToDoを見て、

時間がある時に概要確認し、内容によっては会議に諮った。

やりとりは原則共有化。

急がないもの各自がしばらく頭の片隅でぼんやりと考えて、

ちょっとした時間がある時に書き込んだ。

今、思い切って会議はやめてしまおうかと思ってる。

会社の特徴や業種によって時短方法は様々だが、

最近はてなtogetterで紹介されたケースは、どれも時短だけで完結している。

それでは無理だ。

会社ビジネスモデル文化、そういうものを構築し直す一環としてしか時短存在しない。

今は有給も取れるようになり、と言うより私から

『来週あたり一段落しそうだから有給取らないか』と言っている。

優しい訳じゃなく、そういう事実を作らないと、起こしたアクションの結果を実感できないからだ。

私は私で残業代は払わなくて良いし、社員が今までより良い状態取引先と接している安心感がある。

ギリギリ状態クレーム起こして切られるより余程良い。

大口取引先を切ったので、利益額は減ったが持続性を手に入れた感じだ。

もちろん、良い事ばかりじゃないし、色々問題もあったし今もあるけど、

今回言いたいこととは脱線するので省かせて頂く。

蛇足ながら、今回の件でもっとも割を食ったのは私で、

プレイヤーでもあったのでマネージメント業務がどえらい増えて、

一人だけ残業が増えた。

でも経営者から仕方ないと思ってる。

まだまだだけど、これからも頑張るよ。

anond:20161022131254

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