2016-10-09

自殺した後輩

数年前のこと。

納骨の案内が来て、大学の後輩が死んだことを知った。

病気事故かと思った。

だが実際は自殺だった。

もうすぐ社会人2年目になる頃だった。

世界的にも有名なメーカー総合職入社した彼女は、工場研修中の寮で命を絶ったという。

いじめがあったという噂を聞いたが、真実はわからない。

彼女の死はニュースにはならなかった。

素敵な女の子だった。

利発で多才、明るくて気が強くて、

いじめによる自殺

なんて言葉がまったくしっくりこない子だ。

物怖じしない性格で、帰国子女から、嫌なことには「ノー」と言えるタイプだと思っていたし、黙っていじめを受けるようにも思えなかった。

しかしたら私達のそんな「印象」も彼女を救えなかった理由かもしれない。

本当にいじめがあったのか、過労なのか、あるいはまったく別の理由かはわからないけれど、

まだ20数年しか生きていない、有名企業で働きはじめたばかりの女の子が死を選んでしまったことは確かだ。

今回の過労死ニュースを目にするたびに彼女の顔がちらつく。

もし社会人になる前の彼女に会えたら、

死ぬほど働くな」

と言いたい。

泣きわめいて助けを求めればいい。

助けてくれないならそんな会社辞めればいい。

クズみたいな会社も人もたくさんいるけど、そんなもののために犠牲になる必要はない。

狭い世界から飛び出してみたら、世の中捨てたもんじゃないと思うことも絶対にあるよ。

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