2016-10-07

DV野郎離婚して後悔しているたった一つのこと

私はバツイチである結婚期間は約三年間。

離婚理由は元夫の暴言暴力である

離婚して、現在、おもいきり日々を謳歌している。

誰の目も気にすることなく、自分自分人生を生きていると実感することができる。

結婚していた頃には考えられない感覚だ。

離婚してよかった。心からそう思う。

唯一つ、後悔していることがある。それは、ヤツに全ての貯金を渡したことである

もし、これからDV野郎離婚を考えている人がいれば、少しでも参考になれば嬉しい…

という大義と、「とにかく吐き出してしまいたい」という気持ちでもって、ここに私の経験を記したいと思う。

「元夫」と書くことすら抵抗感があるので、恨み辛みが表出していて格好悪いなぁと思いながらも、以降も「ヤツ」と記載させていただく。

ヤツと結婚したのは、私が三十手前で「そろそろ結婚したいな」と思っていた時期だった。

ヤツからアプローチがあり、数ヶ月の交際後、結婚するに至った。

当時から、ヤツのことを好きだったのかどうか、正直分からない。「この人と結婚したい」ではなく「いま結婚しとかないと誰ともできないかも」という気持ちが大きかった。

私のそんな気持ちは、態度にも表れていたのかもしれない。

ヤツは結婚後、共働き仕事後に取り掛かる私の家事について、そのクオリティにいちいち口を出すようになり、私が反論すると、激しい口論となって、挙句手を出されることもあった。

死ね!」は当たり前、「大した仕事もしてないくせに」だとか「親の人間性もクズ」と言われたこともある。

暴力」については、殴られたことはない。手首を捻りあげられて骨にヒビが入ったことが二回、首を絞められたことが二回(一度は屋外で締められた)、

髪をひっぱって引きずられることが数回、寝ているところを枕ごと頭を蹴り上げられたことが一回。あと、至近距離で思い切り食器をぶつけられたこともあった。


それらのキッカケは、先述の「家事が未熟である」だとか、「友人と一緒にいた際の俺への態度が気に入らない」といったことであった。

家事については、CookDoの利用を説教されたり、布団カバーを替えた時に窓をあけていなかったことであったり、急な雨で洗濯物を取り込んだ際に投げ入れたことについてであったりした。

あるときは、私の大切な友人数名との食事会で、同席した私の友人発言に対してキレてしまい、急に店を出て、追いかけた私をひっぱってシャツを破き、車道カバンを投げられたこともあった。


こうして書き出してみると、改めて「どうして我慢していたのだろう」と我ながら思う。

いや、実際には、黙ってただただ我慢していたわけではない。私は元来気が強く口が悪い。

「どうしてそんなことでキレられないといけないの」「私の友達の前でそんな態度しないで」と何度も言い返していた。結果、ヤツから言葉だけでなく力となって暴力が飛んできたのだ。

次第に私は自信を失っていった。自分をなんて駄目なヤツなんだと思うようになり、常にヤツの顔色を窺い、帰宅するとヤツが早く寝ることをひたすら願いながらやたらとニコニコしていた。

仕事が好きで、その仕事を頑張る自分を、ときには落ち込んだりしながらも「そんなに悪くない」と思い、充実した毎日を送る自立した社会人だったはずなのに。

転機は結婚して数年目に訪れた。商社に勤めるヤツが海外赴任となり、約半年単身赴任生活を送ることとなったのだ。

最初は、部屋に一人でいることが寂しく、早く会いたいと思っていた。

でも、一ヶ月ほど経つと、自由に友人と会い、自分生活だけを考えれば良い生活が、

罪悪感がありながらも楽してたまらなくなってきた。

そして数ヶ月が経ち、洗脳がとけるように私はハッと気付いてしまった。

旦那がいないときの私の方が、私自身、好きな気がする…」

そう、単身赴任中の一時的な気楽さだとか、人と一緒に住む難しさだとか、そんなことではなく、

ただ、ヤツと一緒にいない自分の方が、堂々としていて、思い切り仕事をしていて、自由意見発言している。そんな自分の方が好きだと思ったのだ。

そして約束半年が経過し、ヤツから「予定より一週早く、今日帰れることになったよ☆」とメールが来た日、

私は会社トイレで、おもいきり吐いていた。

家を片付けられていないのに帰ってきてしまう!明日仕事で朝早いのに帰ってきてしまう!あぁこれからまたあの生活が始まる!!

そういった精神的なプレッシャートイレで吐瀉物にしながら、私は決心した。「もう無理だ。別れよう」と。

ヤツが帰国して三日後に、夜ご飯の品数の不十分さについてキレられた際に、私は離婚を切り出した。

「私はあなたにふさわしい奥さんになれない。別れてほしい」と切り出した私に、

ヤツは「納得できない!」と暴れまわり(文字通り暴れまわったので壁に複数の穴があいた)、

散々に詰ってきたが、これまでと違って私が決して折れないと気づくと、泣き落としにかかってきた。

「一緒に暮らすことを楽しみにこの半年頑張ったのに」「必ず変わるから信じてほしい」等々…。

ある日には、夫婦ぐるみで仲良くしていたヤツの友人に囲まれ、「なぜ離婚するのか」と責められたこともあった。

実はこれが一番キツかった。私も、ヤツがきっかけとはいえ、彼らとは友人だと信じていたし、私の話を聞いてくれるのだと思っていたのだ。

そこで初めて、上記の暴力について打ち明けた。人に話すのは初めてで、すごく勇気を出して話した。

ところがその結果は、数時間に渡って「考え直してあげてほしい」「どんなときも支え合うのが夫婦だ」と言われつづけるだけだった。

このときのことは、今も思い出すと辛い。

信じていた友人に責められたことで、自分が物凄く非情人間で、酷いことをしていると思ったし、誰かに話すと自分が責められるような内容なのだと思わされる出来事だった。

このとき、再度ヤツと話し合うことはした。しかしやはり私の決心は固かった。

そして遂に私はヤツに「二人で貯めた全ての貯金とこの家、それに家具家電も全部要らないから別れてほしい」と話した。

ヤツはかなりの守銭奴で、二十代でかなりの額を貯めており、結婚後も、給与共通口座に振り込むことが一日でも遅れると激昂していた。

ヤツの貯金や家へのこだわりを感じていた私は、それまでの「貯金の半分はほしい」という主張を取下げ、とにかく離婚を最優先にすることにしたのだ。

ちなみにここまで、ヤツは「そんなに怖がらせていたのなら変わるようにする」とは言っても、暴言暴力について謝ったことはなかった。

よく「DV野郎暴力の後急に優しくする時期がある」と聞くが、ヤツの場合は、そもそも自分のやっていることを悪いことなどとは露とも思っておらず、

自分が正しいことを証明するための手段であり、怒らせる私が悪い、これだけ怒らせたら暴力は当然だ、と思っているようだった。

そして、私が金銭や家の要求を取下げたことで、ヤツはようやく離婚同意した。

私の両親が結婚時に買ってくれた多くの家電もそのままに、結婚時に同一名義にした結婚前の貯金はもちろん、

この数年間に二人で貯めた数百万円のお金全てと引き換えに、私は自由の身となった。

離婚が決定となった頃、ヤツはかなり憔悴していて、愛情は全く無くなってもさすがに可哀想に思う気持ちも少しはあった。

しかし、家を出ようとした際にヤツに言われた一言で私に戦慄が走り、すぐに冷静になった。曰く、

「俺は100点満点を目指してほしかっただけなのに。」

この一言には、私の結婚生活の苦しさや、ヤツの全てが集約されているように思う。

ヤツは最後まで「帰国したら急に離婚と言われて可哀想な俺」と自分立場認識していたし、

私への暴力を悪いこととは思っていなかった。

それは、私が100点満点じゃなかったから。未熟な嫁が満点をとれるよう、一生懸命指導してきたら裏切られた、とでもいうような気分なのだろう。


『100点満点』って何だよ。

なんで毎日生活で満点とらないといけないのか。しかもそれを採点するのは誰なのか。


そうして、自由になった私は、いい歳して実家の両親の援助を受け、どうにか一人暮らしを再スタートしている。

しかし、当初は開放感と喜びでいっぱいだったが、さらに数ヶ月が経過し、生活が落ち着いてくると、だんだんと腹が立ってきた。

なんで私は全財産渡しちまったのか、と。

これは、お金が無い苦しさからだけではない。もちろんそれもあって、欲しいもの買えない!なんて時に「ヤツめー!」と腹が立つこともあるのだが、

お金が一銭ももらえなかったということは、ヤツは私を苦しめていたということを最後まで認めていないのだ。

しろ「俺は納得していないから、せめてお金はもらう」みたいなことを言っていたので、

慰謝料ももらったような気でいるのではないか

これが数十万でも「暴力を受けた分の慰謝料としてもらいます」と受取ることができていれば、また気持ちが違ったかもしれない。

そう思うと、腹が立って腹が立って仕方がなくなってくる。離婚の成立に焦らず専門家相談すればよかった!と思えてくる。


実際は、金銭で揉めていれば未だ離婚できなかったかもしれないし、

ヤツが逆上して刺されるようなこともあったかもしれない(離婚後、実家を急襲されないかしばらく怯えていた)。

DV野郎との離婚金銭要求は期待してはいけない、という話も見た。

それでも、私が「数年に渡って傷つき苦しんだ」という事実が、ないがしろにされているように思い、金銭を諦めたことだけは、今も時おり思い出して後悔することがあるのだ。

冒頭、「少しでも参考になれば」などと書いたが、これは「お金もらわなくて後悔しているから、そこは要求した方がいいですよ」という話として受取ってほしくない。

金銭でこじれてさらに困難な事態に陥る場合もあるかもしれないし、DV野郎とは、とにかく早く離婚することが第一だとは今も思っている。

ただ、「あまり離婚成立だけを優先し、何の謝罪ももらえないままだと、憎しみを引きずりますよ」とだけは伝えたい。

いや、伝えたいというよりは、吐き出したかった。

読んでくださった方を不快にしていたら大変申し訳ないけれど、こうしてこの場をお借りして吐き出すことで、私の中の黒くて暗い感情の塊が、

少しはトイレに流れていったように感じる。

今は、公私ともに充実し、前より自分を好きになり、毎日暮らしている。

私が抱えたままだった後悔は、友人(と思っていた人)を数人失ったことや戸籍にバツ印がついたことなんかじゃなく、

ヤツに怯えたままだったせいできちんとした謝罪要求できなかったこと。

あのとき理不尽な目に遭いながら主張できなかった自分を悔いている。でも、あのときはそれが最良の方法だったと分かっている。

悔しさは消えないけれど、「どうせなら謝らせたかったぜコンチクショウ!」と思えるくらい、

心が元気になったと信じて、また一歩前に進みたい。


余談だが、離婚後、暴力について他の友人に話した際、息を呑んで「殺してやりたい…」と言ってくれた人もいた。

というか、上記の友人数名以外は、皆一様に、こういったリアクションだった。

もし今悩んでいて、打ち明けた相手に「それでも簡単に別れたら駄目だよ」なんて言われた人がいたら、

安心していい。そいつは本当の友達じゃない。

たとえどんな場面でどんな理由があったとしても、暴力などという手段自分の主張を通そうとする人間のことは、全力で捨ててほしい。

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