川上量生氏が、ラノベの主人公は努力しちゃダメなんです、と発言した件が話題に上がっている。
いやちゃんと努力してるじゃねーかなに見てんだ、という意見もある。
概ねその意見には同意する。というのもある作品が人気だからだ。
主人公は魔力量が低すぎて技の一つも満足に出せない。
彼が使えるのは、ある基本技を極限まで高めた必殺技のみ。
それを会得するまでにもかなりの修行を行ってきたようだ。
主人公がくっそ弱い状態から始まるマンガやラノベもあるのだろうし、そいつが強くなっていく
灰と幻想のグリムガルの主人公たちがそのパターンで、この作品もアニメ化されて人気だ。
読者を楽しませるための一つの方法が「俺TUEEEE」であるが、
この演出方法は「必殺仕事人」と同じ種類で、つまり「爽快感」が売りになっている。
ラノベ読者が爽快感やカタルシスを売りにする作品を読みたがる傾向にある、というならわかる。
だけど上述の作品たちも売れているのならば、努力しない主人公=人気作とはならない。
ようは書き方の問題で、延々と練習や訓練を描いたところで楽しくもなんともないわけ。
手っ取り早く結果を体感したいという欲求はどの物語にもついて回ると思う。
先鋭化された一つの答えが、努力を極限まで省いた作り方、なのだろう。