僕は黙ってそれを受け入れる。
洗濯を畳んでいると、それはその畳み方ではないと怒られた。
先日までは確かにその畳み方だった。
当然事前に説明はない。
「地表みたいだね。」
そう口にすると、明らかに不機嫌な様子で「どういう意味?」と聞いてきた。
いつも同じように見えて知らず知らずのうちに変わっているものの例えだ。
何も答えずに黙々と作業を続けていると、突然烈火のごとく怒りだした。
「何か文句があるならはっきり言えばいいじゃない!大体あなたは、、、」
それから一通り罵詈雑言を並べると、煮え切らない様子で寝室へと引っ込んでいった。
溜まったマグマを吐き出すまで噴火は終わらず、それでいて奥底でたぎるマグマが消えることはない。
黙ってルールを変えるのはいわば噴火を知らせる予兆のようなものだ。
そうなってしまえば祈ろうが生け贄を捧げようがもう噴火を止めることはできない。
噴煙を上げる火山の前になすすべもなく立ち尽くす。