俺はスペック的には映画をよくみる一般人。アニメはディズニーくらいしかみない。そんな俺が思ったシンゴジラ面白い/面白くない論争のこと。映画は月に20本くらいはみる。平日の夜毎日見てるから多分そのくらい。うちにTVないしやることもないからいつも見てる。とはいってもみてるのはハリウッドの有名ドコロが多い。
あまりにも周りで絶賛するひとが多いもんだから、シン・ゴジラを映画館にみにいったんだけど、正直俺としては大して面白いと思えなかった。邦画にしてはいいできだな、すごい、と思ったくらい。面白くなさについて細かいところはもう挙げられつくしているからざっくりというと。
人が死ぬ描写がない。描写ってのは別に死体を見せろ、ってわけじゃなくて、主人公(級の登場人物)の同僚やら友人とか家族が死ぬ所。ハリウッドとかだとそうやって観客を感情移入させるんだと思う。次に災害の規模も小さい。東京が破壊されるのはリアリティあるけど、前述のポイントがあって感情移入がそんなに進んでないのに東京がガシャガシャやられても、そんなに恐怖湧いてこないし、災害の規模も結局東京止まりなんだよな、って。俺は東京住まいだけど東京滅んでも京都あたりに首都移せばいいんじゃね、くらいの発想になっちゃうハリウッド脳。
この映画、全体通してとにかく絶望感が少ないと思う。絶望のインフレしたハリウッドのパニックアクション映画を見慣れていると、「このままでは復興にすごくお金がかかってしまう」みたいなネガティビティじゃ絶望感全然ない。2012とか世界だいたい滅ぶ。
地味すぎわろた。
とまあ俺はあんまり好きではなかったんだけど、それに対する問題は多分俺のみかたと事前情報にあったように思っていて。みんなが「絶望する!」「ゴジラ怖い!」って煽るもんだから、俺は(勝手に)シン・ゴジラを「できの良いパニックアクション映画」だと思ってみにいった。でも、フタを開けたら全然そんなことなかった。
ここ、大事なとこだと思うんだけど、シン・ゴジラのアクション要素ってすごく地味。自衛隊がバンバンやってたけど、リアリティ出すためなのか詳細な描写で引き伸ばしててむしろダレた。あとインデペンデンス・デイ(1)ならあの時点で核使って失敗して、絶望を煽ってる。
解決策が地味なのも、すんなりうまくいっちゃうのも、シン・ゴジラって映画にとってアクション要素によるエンターテイメント性が二の次だからだよな、って思っていて。今更だけどシン・ゴジラって、ゴジラという非日常に対して政治という日常的なアプローチで戦う政治家の姿を描いているんだよね。それは3/11への皮肉なのかなあ、とか考えたりするわけだ。重要なところを人の想像力に補わせるような、ストーリーラインを重視した映画とか、日本のアニメちっくなストーリーで作られてる感じ。「なにを今更」って言う人も多いだろうけど、ここが多くの論争のポイントなんじゃないかって思ってる。
だから、そういう意識で観客自身がストーリーとか意図を深掘りする気持ちで見に行けば、楽しく鑑賞できるんじゃないかなって思う。
率直に言って映画というエンターテインメント産業の中で考えると最高ランクの出来の映画ってわけじゃないと思う。とはいえほとんどの邦画はハリウッドのB級映画に遠く及ばない出来でつまんない。そういうその他大勢の邦画にくらべればすごく出来が良かったと思う。テンポが良くて、ダラダラするシーンが少なかったのはほんとに好印象。続編を作ってこの資産を活かすべきだと思う。
20日前に書き込めって言ってるだろうがクソ雑魚ナメクジ