2016-08-17

PCデポ詐欺商法は、あなた街の電気屋さん復権のチャンス

よくある高齢者向け詐欺ビジネスIT機器に持ち込んだ「PCデポ

PCデポ炎上している。

http://togetter.com/li/1012230

http://d.hatena.ne.jp/blueboy/20160815/1471260195

http://anond.hatelabo.jp/20160816110752

http://kabumatome.doorblog.jp/archives/65872118.html

高齢者コミュニティに少しでも関わっていると、

  1. 蛇口の修理を依頼したら、水回りが駄目になりかけている。このままでは水漏れになって大変なことになる、と言いながらシステムキッチンを売りつけてくる業者
  2. ドアの立て付けの修理を頼んだら、土台が腐っている、屋根を葺き替えろなどと言い出して売りつけてくるような者

といった話はいくらでも聞こえてくるのだが、そういう感じだなと思っている。

この手のごろつき企業は今さら驚くほどでは無いので、これを見てこんな商売があるのか、驚いた人は本当にありふれているので注意した方がいい。ただ、東証一部上場企業ってのはあまりにも酷いが。

街の電気屋さん商売とは

ただ、この件を聞いていてお思うことがある。個人経営の、あなた街の電気屋さんは復権のチャンスなのでは?

街の電気屋の商売というのは、基本

  1. 基本メーカ参考価格での販売。多少値引いても、値引き幅はネット安値はもちろん、家電量販店よりも低い。お値段は高い
  2. 一方で、取り付け工事費などは基本的に取らない事も多い。エアコンなど大規模な場合では部品代のみ。
  3. 頼めばLED電球一個から配達してくれて、お願いすれば取付交換までやってくれる。(さすがに自分でできない人限定だが)
  4. 相談にも乗ってくれる。
  5. 故障したときは、保証期限などケチなことは言わず、とりあえず来てくれる
  6. 操作方法なども教えてくれる。(基本無料

と言う商売である。ただこれだけじゃ定価販売していても利益は知れているので

  1. 親切にすることで次も買ってもらうようにする
  2. 顧客情報を把握しており、家庭の事情から、前回納入した時期などを元に売り込みをかける
    • 前買ってもらった冷蔵庫10年たってるけどそろそろ買い換えどう?と言った具合。
  3. 故障し呼ばれる時にはひたすら親切に対応し、同時に代替品を自分の所から買わせるのを当然として話を進めて確実に売る
  4. 家電量販店ネット販売商品の修理・設置業務などをメーカ経由で請け負い、フィールドサポートをで小遣い稼ぎも。(そのとき、あからさまにはできないので、名刺を置いていくという涙ぐましい営業を…)

と言う事をやっているらしい。

詐欺が発生すると言う事は需要がある。誰かこれをまっとうな商売でやる気は無いか

結局親切な仮面を被って売りつけるってことで、PCデポ商売と何が違うのかと言う議論はままあるとしても、このように、老人向けに親切にするなんてのは街の電気屋が商売にしていた分野である。にもかかわらず、PCデポのようなところが出てきたというのは、街の電気屋的商売が、家電量販店駆逐され尽くした結果、再び市場として盛り上がってきたって事なのでは?

今一度、街の電気屋さんという商売見直してもよいのではないかなあ。

もちろん時代に合わせた変革は必要だ。俺の知ってる電気屋は「Amazonとか通販で買ったものでも設置や修理が必要なら呼んでくれ」って言って回ってる。うちも関わりを持ったのはそれで、申し訳ないなと思いながら頼んだのだが、嫌な顔ひとつせずにやってくれた。そしてちらっと言ってく「今回設置工事に8千円いただいてるけど、俺の所で買ってくれたらタダでやってますよ。そこまで考えると通販と値段一緒ですよ」とか。まんまと新しいエアコンはその店で買った。価格comの安値に比べると設置工事込みで考えても2千円ちょい高かったが、仕事は丁寧だし、何かあったら呼んでくれと名刺を置いていったりで、まぁいいかなと言う気になった。

で、その電気屋は奥さんが自宅の2階でパソコン教室を開いていて、パソコンスマフォの基本レッスンで2万円、個別にも1回3千円でなんでも聞けるという商売をやっている。で、自前のシス管をおけないような、そして、大手通信屋じゃ小規模すぎてターゲットにもしないような中小企業にもパソコン教室をてこに入り込んで商売をやっているようだ。

これで十分に喰っていけているみたい。もちろん爆発的に売れているわけでは無いようだけど。

PCデポの件も「身近に聞ける人がいれば」という心理を突いたものだと言う話のようだ。

これは商売のチャンスじゃ無いか詐欺的な商法にしなくても、地道にやっていればきちんと利益は出ている例があるのだから、まっとうな商売をやればよい。

追記:ブコメレス

コメントどうもありがとう

Win98のブームの頃にまさにそういう電気屋に勤めてたけどパソコンを他の家電製品のノリでアフターすると地獄になるのが徐々にわかってきて、仕方なく細かくサポート料金設定しはじめたっていう業界歴史があるんよ

http://b.hatena.ne.jp/entry/298252668/comment/dobonkai

ちょっと誤解があるかも。今回のPCデポの件は「有料でも需要がある」(もっと言えば、とんでもない暴利でかなりの金額でも受ける)という事を示してるので、そこが復権のチャンスなんですよ。

上で上げた地元の店も、パソコンについてはお金を取っているわけですし。

今時の街の電気屋さんの一体どれだけが戦略的にそれらの市場を掘り起こしていける体力を残しているだろう考えると難しそう。言葉はきついけど、大多数が瀕死状態よ…。

http://b.hatena.ne.jp/entry/298252668/comment/miraimemory

うん。ただし、数が適正化されてきて収益が出やすくなった、とも、言えるかなと思っています

妄想乙。大昔の家電個人でも修理可能な高額商品だった。そんな時代はとっくに終わり、家電使い捨てになった。○○の店員レベルが低い、は無限に蒸し返される話題だが、昭和的な「詳しい店員」など実在しえない。

http://b.hatena.ne.jp/entry/298252668/comment/cider_kondo

修理の話なんてPCデポの件も、このエントリにも出てこないけど…? 昭和的な詳しい店員って何のことですか?いきなり妄想乙とか言われても困るんですけど…。

必要なのはぱっと確認して修理が必要かどうかを判別すること、説明書を読み解いて教えてくれる人、自分の代わりにメーカの修理窓口に話をつけてくれる人、アドバイスをしてくれる人です。上でもこう書いてるし、PCデポもここの需要に付け込んでやっているようなので。さら街の電気屋さん簡単電気工事なども受けるのでもう少し幅が広いかも知れないが、修理ができるできないはこの話題には関係ないですよね。

ぶっちゃけこの問題を通じて、高齢者に対する「PC等の購入相談」や「PC設定等」のボランティア活動ってのは、これから社会ニーズありそうだなぁって思った。PCデポ商売邪魔するかもしれないけど。

http://b.hatena.ne.jp/entry/298252668/comment/dissonance_83

地域ボランティアみたいなので活動しているグループはいるみたいだ。家電修理ボランティアなんてのもある。他にも様々なボランティアが成立しているけれど、ただ多くはリタイアした老人達によって成立しているので、収益を上げるつもりのない金額で請け負っているから、PCデポよりも電気屋さんを含む、街の零細商店の敵になることが多いみたい。そしてトラブルになる事も多いので、商業ベースで回せるところは商業ベースで回すべきだと思う。

大手家電屋も最近この手の店の重要さに気づき再び取り込みに動いていたりするよな。ヤマダの専門会社コスモスベリーズや、エディオン小規模FC店募集とか。地域PC教室が地味に盛況なのもこういう背景があるのかも

http://b.hatena.ne.jp/entry/298252668/comment/TakamoriTarou

他に有名なのはアトム電気がありますね。

パソコン教室FCで数ばかり増えていますが、収益は高いとは言えないみたい。

  • むしろ街の電気屋さんが諸悪の根源だよ。本来金を取ってやるべきサービスをダンピングしてやってるんだから。

    • ちょっと違うね。しっかりお金は取られてるよ。 買ったエアコンでも、ネット安値より1万円ちょい高く、取り付け工事費が仮にその前のエアコンと同じ8千円だったとすると、2千円程度...

      • 問題はその上乗せされている金額とその後提供するサービスが釣り合っているかという所。

        • ダンピングというのは日本語では不当廉売といい、公正取引委員会の定義では継続して採算割れの状態で提供する事を言います。 件の電気屋はこれで十分に利益が出ていてずっと商売や...

          • ダンピングという言葉については了承。サービス価格を破壊しているぐらいの意味合いで使ってただけなので。 相場より高い金を払うのはその後のサービスの値段もこみだからという意...

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