2016-08-16

おなら」の改まった言い方とは?

たとえば 「うんち」「うんこ」なら「便」「大便」「糞便」だろうし、「おしっこ」だったら「小便」とか「尿」だと思うが、 

おなら」となると、いま一つ思い浮かばない。

医者患者に話すときなんかは「ガス」という言い回しをすることはあるが、これはシチュエーション文脈があるから分かるのであって、

おなら」は、あくまでも「ガスの一種」であって、「ガス=おなら」ではない。

「液体=尿」ではないのと同様だ。


「屁(へ)」という言葉があるが、これはどちらかというと、「うんち」を「糞(クソ)」と表現しているのに近い。


おならをする」という動作については、かの有名な太宰の名作『富岳百景』に「放屁(ほうひ)なされた」という表現がある。

多分この、「放屁」が確立された表現なのだろう。

念のためか漢和辞典を調べてみると、「屁」の訓読みが「へ」、音読みが「ひ」らしい。

日本語では基本的に、音読みが「改まった表現」で使われることが多いし、

からこそ「放屁」は「ほうへ」ではなく「ほうひ」と読むのだろうが、しかし「屁」を単独で「ひ」と用例は、自分の知る限りでは見たことが無い。

そういえば「おしっこ」の場合は「しっこ」という言い回しもあるので、「お」は丁寧語を作るための接頭辞なのだろうが、

やはり「おなら」の場合は、そうではないのだろう。

おなら」のことを「なら」といっている人は見たことが無い。

にもかかわらず、なんとなく「おしっこから類推で、丁寧語っぽく見えているのも、話を複雑にしているような気がする。

にしても、誰もが生きていれば必ず遭遇するこのような事象について、改まった場所言及する際の一般的な語彙がないというのは、なんだか不思議な気もしている。

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