2016-08-14

シン・ゴジラ

シン・ゴジラがやたらと面白い。2回観たけど、こんな泣ける映画ほかにない。

けどこの面白さがなんなのかよくわからなくて、ネットで溢れてる賛否様々な批評に目を通してもわからなくて、まあそれこそがどっぷりハマりきっている状態なのかもしれないんだけど、考えるにつけやっぱこれってオタク向けなんだろうなと思う。


シン・ゴジラというより庵野の話なんだけど、トップしろエヴァしろSF考察がすごい。現実兵器は詳細だし、大嘘の部分はあたかも本当っぽくかつ冗談っぽくきっちり理論武装してひとつ世界を構築しているわけだからハードSF好きにはたまらない。

もし庵野作品がこれだけの要素で完結していたら、ほんとに真・オタク向け(歓喜)で、大抵の人は置き去りのまま、庵野メインストリームに登場することなく一介のアングラ作家という位置付けだっただろう。こんなに一般に受けたのは、妙なケレン味と、安っぽさが同居しているせい。


安っぽさというのは、ベースラインハードなんだから登場人物はオッサンだらけでいいのに、アイドル美人美少女が登場しちゃうところ。

ケレン味っていうのは、ゴジラ咆哮→放射というここぞの場面の演出とか、音楽の使い方が卑怯な感じでうまいこと。

で、この辺がおそらく日本人特有琴線に触れる部分なので、海外(っていうとアメリカかな?)のマッチョ文化には響かないんだろうと思う。


庵野はほんとに、ドメスティックオタク(もしくは庵野自身)だけをターゲットにすごい作品を作ってくれた。オタクかどうかを見分ける試金石的な作品なんじゃないかな。なのでこれが面白くなかったという人は、安心したらいいと思う。

  • ヲタクだけどそこまで面白くはなかった。ヲタクにも色々あるからな。EVAみたいな安っぽいSFは嫌いな層もおるんやで。

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