2016-08-01

平成生まれ的、シン・ゴジラ感想ネタバレあり注意)

シン・ゴジラみてきた話

シン・ゴジラ。見てきました。

12年ぶりのゴジラ復活であり、エヴァなんかで有名な庵野監督であり、進撃の巨人やらかしたらしい(みてない)特撮監督であり、と。いろいろな意味キャッチ―な話題を振りまいてきたシン・ゴジラを、見てきました。

ファイナルウォーズで子供ながらにちょっとがっかりしたままゴジラと別れ、ちょい前のハリウッドゴジラで大興奮し、こんどのゴジラははたして大丈夫なんだろうかと個人的心配してたシン・ゴジラを、見てきました。

とりあえずの感想として、面白かったです。そこに嘘はないです。

ただ、見てる途中で引っかかる部分はあったし、あるシーンでは完全にがっかりしきってました。そこからテンションを持ち直せてよかった。

こっから先はネタバレを加えながら、具体的にどう感じたのか突っ込んで書いていきたいと思います

なのでここから先は、ネタバレOKな人のみお進みください。




平成生まれゴジラ

本題に入る前にもう一つだけ。この文章を書いてる人間ゴジラ歴、ゴジラ観(というほどのものでもない)を共有しておきます

まれて初めて見たゴジラは、ゴジラVSデストロイヤーで、4歳か5歳のころに映画館に連れられて見た記憶があります。話は覚えてません。父親が好きだったので、一緒に連れてこられただけという感じだと思います

ただ、幼少期にゴジラだったりデストロイヤーのおもちゃで遊んでた記憶はあるので、気に入ったんだとは思います

ちゃんと、映画館ゴジラを鑑賞したと自覚のある記憶は、「巨大イグアナNYに現る」が最初ゴジラ映画になりますね。これも小さかったので、なんとなく楽しんだ記憶はありますレゴで作ったビルゴジラフィギュアで貫通させて遊んだりはしてた記憶があります。と、いうわけで、本当にちゃんとゴジラを見たのはミレニアムからです。その後のいわゆる5代目ゴジラは大体父親と弟と一緒に映画館へ見に行きました。ハム太郎との同時上映なんかもありましたが、小さな妹もいた我が家的には、正直ちょうどいい組み合わせでした。そして、ファイナルウォーズを観てしょぼめのマトリックスみたいだなと思ったところで、一旦ゴジラが途絶えます

僕が見てきたゴジラってのは、結構イケメン顔でマッチョ体格なヒーロー怪獣なんですよね。日本にやってきて暴れますけど、結局もっと悪い怪獣が他に出てきて、そいつと戦うこと自体結果的日本を救ってたりすることもあるような。

そういうゴジラをずっと見てきて、それが普通だったので、ハリウッド版のゴジラ(ちゃんとしてる方)は正直大好物でした。興奮しまくって映画館で立ち上がらなかったのが奇跡レベルで。

ハリウッド完璧ゴジラ再現した!と思ってたところで日本ゴジラ復活、監督庵野

最初はあまり深く考えずに面白そうだねーなんてへらへらしてましたが、だんだん変なわけわかんない展開にならないだろうかと不安になったりもしました。

予習として、進撃の巨人を見ておこうかと思ってGEOまで行って、パッケージがなんか無理って思ってスパイダーマンを借りました。2回目はバットマン

そんな感じの、あまりがっつりゴジラオタクというわけではない平成生まれが見てきた感想です。

シン・ゴジラはクラッシック

まり事前の情報収集をしていなかったので知らなかったのですが、今回のゴジラはすごいネタバレ対策が徹底されていたとか。関係者試写会誓約書を書かされたとかなんとか。

パンフレットにも思いっきり「ネタバレ注意!」なんて帯が付いていましたし。

ただ、誤解を恐れずに言うのなら、映画の大筋自体には、ネタバレするほどの情報ドンデン返しもないよな、と思います

ゴジラが出てきて大暴れ。それに対して核攻撃したいアメリカ。何とかしてそれを阻止するためにゴジラを倒すぞ日本!すごくシンプルストーリーです。

そういうシンプルストーリーを、庵野監督が徹底的にリアリティにこだわって世界観を作ってゴジラというフィクションを成立させる。その手腕を楽しむという意味でクラッシック音楽いかな、と思いました。

たぶん、これが突拍子もないストーリーで、かつあのテンポで話を進められたらついて行けてなかったと思います

理解やすシンプルな話だからこそ、会議シーンみたいな細かい情報芸術を楽しめたと思っています

実際の日本ゴジラが出てきたら政府はどう対応するのか、を大真面目に検証した「空想会議読本」って感じでした。

そういう感じで、映画全体としては楽しませていただきました。

◆あの音楽の話とあのシーンの話

あの音楽の話です。巨災対チームのシーンで流れる、あのエヴァのやつです。正直、勘弁してほしかったです。結構何度もしつこく流れますし。

僕なんか、特撮おじさんの方々と比べたらゴジラファンなのかどうかも怪しい浅さですが、それでも、「ゴジラを見るために」映画館に足を運びました。

そこでこう、デンデンデンデン、デンデンとされてしまうと、どうしても違和感を感じたというか、冷めたというか。俺は今ゴジラを観てるのか、庵野を観てるのか。見たかったのはゴジラなんだけど、今見せられてるのは庵野なのではないだろうか、というか。別に庵野監督作品が見たくない訳ではないんですが、それはあくまゴジラの内側に収まる範囲の話であって、その音楽のせいで庵野ワールドへと飛び出し過ぎてしまってる感じがどうしても引っかかりました。

エヴァの人が監督からエヴァ音楽を使いました、じゃちょっとギャグになってしまう。シーンとしてはシリアスで、音楽意図シリアスさを出すためだったはずですが、映画への没入感が急激に薄れていきました。

同じ音源使いまわしでも、過去ゴジラシリーズのものはやはりゴジラの内側なので、しっくりくるんですよね。エヴァ音楽は単に庵野監督という存在のみをハブしている外の音楽ですから

正直、これは自分の中で予想外だったのでかなり面食らいました。そして、この後も何かやらかしてくるんじゃないだろうかという不安が、以後鑑賞中頭から離れなくなります。で、あのシーンです。放射熱線。

ゴジラ紫色に輝いて、放射熱線撃つぞってシーン。急にBGM声楽になって、なんかすっごいお洒落感出てしまいました。これは、正直覚悟してました。なんかそういう、山場のシーンでお上品な音楽は使いそうだなっていう勝手イメージ。絵がスゴイかっこよかっただけに、既にデンデンデン攻撃ちょっと冷めてたのもあって結構堪えました。これに関しては、ゴジラの内側外側とはあんまり関係ないので、単に好みの話だと思います。デンデンデンが無ければもう少し前向きに受けとれた可能性もあります。最終的にここは、「翼をください」が流れなかっただけよかったな。と思うことにしました。

個人的にはこの2か所が、この映画を観ていて引っかかった部分です。

ここらへんで結構下降してたテンションは、その後のゴジラとの決戦、新幹線爆弾ビル崩し、在来線爆弾といった最高の作戦によってみるみる回復しました。

こういう「現在日本でどうゴジラと戦うか」に対する回答はさすがに見事だなと思います

◆はじめて観たゴジラオリジンとしてのシン・ゴジラ

平成生まれで、特にシリーズ深追いすることなくなんとなくゴジラを観てきた僕にとって、初めて「世界ゴジラがいなかったゴジラ」の映画でした。

娯楽映画として楽しく、ゴジラが登場したらという思考実験として興味深い映画だと思います。全体として、庵野監督ものすごく誠実にゴジラに対して向き合って作った映画だとも感じます

からこそ、上記2シーンはやや誠実さに欠けた、監督エゴが行き過ぎた故に引っかかってしまったのかなと。

なので、ツイッターなんかで見かける「ここ10年で最高傑作邦画!」とか、そういう評価感想がどうしても行き過ぎてるように感じます。そこまでじゃない、とはとても言わないですけど、デンデンデン気にならなかった?あそこだけゴジラちゃうよ?と。「ゴジラはいいぞ」くらいならわかるけど、って感じで。

自分が慣れ親しんできたゴジラテンプレートに近い物、というひいき目こそありますが、ハリウッドゴジラの方が個人的には誠実なゴジラ映画だったなと感じます

良くも悪くも、庵野ワールド全開な映画だったということでしょうか。

ゴジラ庵野監督な僕としては、その分だけターゲットからズレていったんでしょうね。逆になにも知らなかったらそれはそれで素直に楽しめたんでしょうけど、浅いファン故に感じた違和感お話でした。

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