送別会、忘年会、歓迎会…色んな飲み会に参加するにつれ思うようになったことがある。それは酒は良くも悪くも人の距離を縮めるということだ。人はある程度酔うと気分が良くなって、普段より心の壁を少し取り除いて話せるようになる、そして飲み会では楽しそうに普段は話せないような深い話が各テーブルごとに繰り広げられているのだ。
そして自分はそんな光景を素面で傍観している立場なのだ。輪と同じテンションで溶け込めない。何故ならほぼ酒が飲めないからだ。
高校のパッチテストで腕が真っ赤になったのを皮切りに、ほろ酔いが飲み干せない、飲み会では一杯が限界、飲んでも動悸、皮膚が赤くなる、なんか眠くなる、といった症状が出るくらいなど「心地良い酔い」とは無縁の人生を送ってきた。まぁそんな生きてないが。
無理に飲んだら酔えるか?とも思ったが弱い酒2杯で気持ち悪くなって吐いた経験を思うと、命の危険とか人に迷惑をかける未来を感じてやる気にならない。
だから飲み会で周囲と話していても、時間が経ち皆が酔ってくるにつれテンションの差を感じてしまうのだ。元々文章から分かるだろうが明るい性格でないのも拍車をかける。頑張って周囲と同じくらいのテンションになろうと努力するが「1人だけ演技してる後ろ暗さ」をなんとなく感じてしまう。
幸い、今まで酒を無理強いする人達に出会わなかったので嫌な思いをしたことはない。が不幸なことに自分並みに飲めない人に出会ったこともない。そのため飲み会のたびに酩酊してる人の輪の中で、1人素面なことにかすかに孤独を感じる。
記憶を無くしてみたい…とは全く思わないが、恥ずかしい話をさらっと話せるような気分になるくらいには酔ってみたい、そしてあの何もかもどろどろになった輪の中に溶け込んでみたいとたまに思う。