2016-07-12

親がマルチ商法にハマった

親戚がマルチ商法にハマった。

ちょうど去年の今頃の話だ。

普段は連絡を取らない、同年代のいとこから連絡があった。

彼の母がマルチ商法にハマったらしい。

彼の母は、まず初めに自分の子供に対して勧誘をしたようだった。

マルチ商法といえば、怪しい商品に騙されていたりマルチ商法による儲けに目がくらんでいる連中が大多数だと思っていた。

だが、今回は違った。

いや、私は甘く見すぎていたのかもしれない。

その商品、そして理念、儲かるという根拠のない確信が、狂信者を生み出した。

何を言っても聞かない、会話は成り立たず、科学的な根拠を罵り捨て去り、とにかく強烈に勧めてくるのだ。

絶対に良い物だ。そして儲かる、と。

少しでも疑いの目を向ければ、狂ったように怒る。

普段は穏やかな性格が豹変する。

今まで見たことがないように、堰を切った様に喋りだす。


家族より、よくわからない商品を信じる心が上回った瞬間である

だが厄介なのは、親と子の縁は極めて強いということだ。

親がマルチ商法にハマった結果、金がなくなれば、子供に世話をする責任がある。

借金をすれば、子供に取り立てが来ることもあるだろう。

※詳しくないので不正確かもしれない。


なんとか穏便に話を片付けるために、まずは警察消費者庁へ問い合わせることも考えた。あらゆる手段を使って、牢屋にでもぶち込めれば目が覚めるのではないかという考えだ。

しかし、これは楽観的に過ぎた。

人を簡単牢屋にぶち込むことは出来ないのだ。

禁固刑懲役刑求刑できるだけの材料を揃えることも大変だが、執行猶予がつくだろう。

※こちらも専門外なので間違いがあるかもしれない。

マルチ商法に関して言えば、無限連鎖講の防止に関する法律適用され、罰則は以下のとおりである

第5条 無限連鎖講を開設し、又は運営した者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

第6条 業として無限連鎖講に加入することを勧誘した者は、1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。

第7条 無限連鎖講に加入することを勧誘した者は、20万円以下の罰金に処する。

http://www.houko.com/00/01/S53/101.HTMより抜粋

第5条はマルチ商法運営者に適用されるから、今回は適用されない。

第6条は「業として」つまり商売にしているかどうかである。これも適用されない。

まりマルチ商法の末端である彼女に対する罰則罰金のみである


それではどうしたか

理詰めの説得が通じないのであれば、感情論で攻めるしかない。

子供言葉よりも、年上の親戚や家族に頼むのが最適だ。

もっと良い手があったかもしれないが、これが最適だと思ったし、今もそう思っている。


子供が親に対して、商品や儲け方を完全に拒絶し、解決までの間、一切の連絡を絶つ

祖父母や親戚などに頭を下げ、親を叱りつけてもらう

実際に彼はほとんどこの通りにした。

私の両親へは、私から話をした。

まずは①により、「あんたは家族子供)よりもわけのわからない商品と金儲けを選んだんだ」という事実を突き付ける。

そして②により、近しい者達からの拒絶の意思を伝え、周りに味方がいないことを伝える。また、叱りつけることによって改心の機会を与える。


悪い言い方をするが、親にとって子はコントロールやすいし、自分の味方でいてくれるはずだという漠然とした思い込みがあると思う。

から彼女は一番に彼を勧誘したのではないかと考えている。

勧誘に対して、子供や身近な親類が曖昧な態度を示したり、受け入れてしまうと、改心は不可能だ。

特に子供が仲間になってしまえば、もう止めることはできないだろう。

一方で、親は子供からの直接的な叱責に対して素直に受け入れることができない。



子供としては親のために何かをしたいと思うだろうが、絶対に直接関わってはいけない。

拒絶し、連絡を絶ち、周りの大人(年上の親類)に頼るのが最適な対処である


私も私の両親も、明確な根拠はなかったが、実の子供が一番狙われやすい、彼が不幸になる、絶対に関わらせてはいけないと感じていた。

マルチ商法を完全に舐めていた。

ここまで危機感が募ることになるとは全く思ってもみなかったし、絶対当事者になりたくないと強く思った。





調べた限り、マルチ商法やわけのわからない商品に、死ぬまで騙され続ける人も少なくない。

このような対策をとったところで、もしかすると一生改心しないかもしれない。



しかし、狂った親に子が付き合い、子まで不幸になってはいけないはずだ。

私も、両親も、親戚たちもそう考えている。

から、少なくとも解決まで関わらないことを勧めた。

彼はその時すでに結婚していて、幸せな家庭を築き始めたばかりだったのだ。





彼女は、周りの大人からの叱責により、一瞬改心したかに思われたが、数週間で再発した。

周囲は彼女を見放し、私もその後の経過を知らなかった。

正確には説得を続けていた人もいたようだが、私と両親はそれっきりだ。

いい大人を叱るという行為狂信者との会話はとてつもなく心をすり減らす。

先日彼から連絡があり、1年経っても親子の関係が断絶したままであるそうだ。

彼女がどうしているかはわからない。

案外もう改心しているかもしれないし。マルチ仲間を見つけているのかもしれない。

いずれにせよ、その彼は彼女復縁する気はないらしい。

子より金とわけのわからない商品を選び、周りを巻き込もうとして、狂信者のようになった親の姿を見て、完全に見放したようだ。

少なくとも親から謝罪があり、完全に改心したことが信じられるまでは復縁するつもりはないようだ。

結果として親子の縁は断たれたままだが、最善の策だったと思う。

しろ、ほかに良い方法があれば、どんな方法でも知りたい。

親がマルチ商法にハマり、子もハマれば何事もなかったのかもしれない。(親戚からは見放されていただろうけど)

しかし、親がマルチ商法にハマり、子がそれを受け入れられなかった時の悲惨さといったら、ない。

彼は親元を離れて暮らしていた、彼の父は高校生の時に亡くなっていた。

しかすると、父が彼女の傍に居続けてくれれば、何か変わったのかもしれない。

所詮マルチ商法から、と気軽に見てしまいがちだが、本当に人を不幸にさせるのだ。







マルチ商法にハマった家族と縁を切る」

これを大袈裟などとは思わず、見誤らず、自分幸せを勝ち取れる人が少しでも増えれば良いと思い、知る限りのありのままを記すこととした。

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