小さい頃は誰もが同じ番組を見て、それがひとつの常識を形成していた。
思春期になると、そんな番組、特にバラエティ番組に違和感を覚えた。
一方で平等や差別撤廃を主張するが、その一方で真逆のことを行っている。
端的に言えば、容姿差別、年齢差別、性差別、人種差別、序列差別。
それをダシに笑いをとり、矛盾を指摘すると空気が読めないと言われ、
いつのまにか負の属性を持つ人はそれを受け入れざるをえない状況になっている。
それを跳ね返すほどの長所を持っていれば自己肯定もできるだろう。
幸い私はどちらかといえばかなり恵まれている部類ではあったので、
その負の影響を受けることはなかった。
だが、自身の中の正義感が、おそらく傷ついているあろう仲間たちの気持ちを想像するだけで悲しくなった。
もちろん、そんなものと独立しているコミュニティもあるが、テレビの影響力を考えると、
多くのコミュニティでその価値観が刷り込まれ、何の疑問もいだかない状況に陥っているのではないか。
そんな価値観を作ってきた人々が、今やテレビのご意見番となり、
イジメや不正を否定し、まるで神の啓示のようにありがたがられる状況に恐怖を覚える。
これほど思考停止な意見はないだろう。なぜ、下の世代に理不尽を残そうとするのだろうか。
幼少期はそうした価値観に影響を受けやすいので、私は子供にバラエティをあまりみせないし、
それらはヤラセで台本があり、独特の空間であることを定期的に強く伝える。