夜中、泣きながら飛び起きて目が覚めた。
とても切なく、あたたかな夢を見ていた。涙を拭いながら気持ちを整理する。
みるみる輪郭を失っていく夢の登場人物たちの記憶とは対照的に、ある思いが強く胸に湧き上がってきた。
うどん 食べたい。
そういえば夢の中にもうどんが登場したような。
確か、誰かと一緒に店の前でディスプレイを見て、昼食をうどん屋に決めたような。そんな気がする。
時計に目をやる。 午前3時31分、2時間ほどしか寝ていなかったようだ。
今からうどんを湯がくわけにもいかないので、息を整えて再度眠りについた。
そのようなわけで、今日は食堂でいつもの定食メニューに目もくれず、うどんを注文した。
ただのうどんなのだが、そのうどんの美味しいこと美味しいこと。染み渡るとはまさにこのこと。