瞑想とは何か?
一言でいうならば、「“いま・ここ”に全神経を研ぎ澄ます」ということになるだろうか。
人類は、過去を省みて言動を改め、未来を想像して予め備えるという能力を武器に、
あらゆる動物との生存競争に打ち勝ってきた。しかし、それは弱点を抱え込むことも意味した。
または、来るか来ないかわからない未来に必要以上に恐れを抱いてしまうこと。
これらは、“いま・ここ”ですべきことを疎かにしてまで、
偏執的に過去・未来に拘ってしまうこととなり、生きやすさを毀損する。
程度が過ぎれば、うつや不安障害などの精神疾患もありうるだろう。
瞑想は、通常ならば受け流してしまうような、かすかな音・感触を今一度大切にすること。
そのことによって、人間は改めてリアルな“いま・ここ”を取り戻し、
かつ、本当に取り組むべき人生を取り戻すのだ。
また、現在はストレス社会といわれている。ストレスは交感神経と副交感神経の
バランスを乱し、下痢を引き起こす。また長時間労働による食生活も乱れも、
それをより一層助長するだろう。
通勤電車といった閉鎖空間での腹痛は、他に例えようのない苦痛であろう。
しかし、よく考えてほしい。それは本当にリアルな苦痛なのだろうか?
起こるかどうかはっきりしない未来への不安によって引き起こされた苦痛ではないだろうか?
その脳が作り出したにすぎない苦痛が、さらにストレスを引き起こし、
そうならば、答えは一つである。瞑想である。“いま・ここ”に神経と研ぎ澄まし、
有りもしない過去や未来の想起を受け流すことによって不安を解消し、