2016-04-30

平方数の数字根は必ず「1,4,7,9」になることの証明

各桁の和を求める操作を1桁になるまで繰り返したときの値のことを

数字根と言うそうです。

http://anond.hatelabo.jp/20160429165138

この記事の、

「平方数の数字根は 1, 4, 7, 9 の四通りの値しか取らない」ことの証明

以下のような感じになると思います

証明の前に、先に数字根の重要性質について述べておきます

進数場合、ある自然数 N の数字根は N%9 (ただし0のときは9) に等しくなります

(「N%9」の意味について補足しておくと、

「n%m」は、数学的には「mを法としたnの剰余」とか「n mod m」とか書かれますが、

書くのが手間なのでここでは「n%m」の表記を使います

要するに「nをmで割った時の余り」です。)

理由は大雑把に書くと次の通りです。

まず各桁に 9 や 0 がある場合、その桁は足す必要がないことが判ります

(例えば 19→1+9=10→1+0=1 とか 906→9+0+6=15→1+5=6 の様に 9 や 0 は消えます。)

さらに、途中で任意複数の桁の和が 9 になる場合もそれらの桁をスキップ出来ます

(例えば 12345→1+2+3+4+5=15→1+5=6 ですが 1+2+3=6 を計算するだけで良いのです。)

これらを一言で言うと上の再掲になりますが、

「十進数場合、ある自然数 N の数字根は N%9 (ただし0のときは9) になります。」

ということです。

ここで N を 3k, 3k+1, 3k+2 (k≧0 の整数) の三通りに場合分けして考えてみます

N=3k のとき(ただし k=0 の場合は除く):

平方数は Nの2乗 = (3k)の2乗 = 9x(kの2乗) なので、

平方数の数字根は (9x(kの2乗)) % 9 = 0 つまり 9 になります

N=3k+1とき

平方数は Nの2乗 = (3k+1)の2乗 = 9x(kの2乗) + 6k + 1 なので、

平方数の数字根は (9x(kの2乗) + 6k + 1) % 9 = 1, 7, 4, ... の循環になります

N=3k+2 のとき

平方数は Nの2乗 = (3k+2)の2乗 = 9x(kの2乗) + 12k + 4 なので、

平方数の数字根は (9x(kの2乗) + 12k + 4) % 9 = 4, 7, 1, ... の循環になります

従って「平方数の数字根は 1, 4, 7, 9 の四通りの値しか取らない」ことが判ります

(ついでに 149779419149779419 ... の循環数になっていることも示されました。)

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余談ですが、任意の桁数で連続する数字の平方数について次のような性質があります

ある一桁の整数 m が k 桁連続する場合、(例えば m=7, k=10場合7777777777)

「それの平方数を k 桁毎に分割して和を求め、結果が k 桁以内になるまで繰り返す」

という操作を行ったときの結果は、

「 (k x m x m) % 9 が k 桁連続した値」に等しくなります

または、

「k x m x m の数字根が k 桁連続した値」に等しいとも言えます

(ちなみに k x m x m の数字根は、先に k の数字根 i と m x m の数字根 j を求めて

i x j の数字根を求める手順にすると計算が楽になります。)

例えば m=7, k=10場合

7777777777 x 7777777777 = 60493827148395061729

6049382714 + 8395061729 = 14444444443 (これが 11 桁なのでさらに分割します)

0000000001 + 4444444443 = 4444444444 となりますが、

もっと簡単に

(k x m x m) % 9 = (10 x 7 x 7) % 9 = (1 x 4) % 9 = 4 なので

4 が 10連続することが判ります。(10数字根が1、7の平方数の数字根が4)

例えば m=7, k=2 の場合

77 x 77 = 5929

59 + 29 = 88 ですが

(k x m x m) % 9 = (2 x 7 x 7) % 9 = (2 x 4) % 9 = 8 なので 8 が 2 桁連続

例えば m=7, k=3 の場合

777 x 777 = 603729

603 + 729 = 1332

001 + 332 = 333 ですが

(3 x 7 x 7) % 9 = (3 x 4) % 9 = 12%9 → 1+2 = 3 なので 3 が 3 桁連続

例えば m=5, k=8 の場合

55555555 x 55555555 → 30864196 + 91358025 → 1 + 22222221 = 22222222 ですが

(8 x 5 x 5) % 9 = (8 x 7) % 9 = 56%9 → 5+6=11 → 1+1=2 なので 2 が 8 桁連続

例えば m=6, k=13 の場合

(13 x 6 x 6) % 9 = ((1+3) x (3+6)) % 9 = (4 x 9) % 9 = 0 なので 9 が 13 桁連続

もうここまでくると暗算で出来ますね。

奇数の積から偶数が出てきたり偶数の積から奇数が出てきたりするのが面白いですね。

これらは任意の N進数でも成立します。(n%9 の代わりに n%(N-1) を使います。)

16進数場合

FFFF x FFFF = FFFE0001 → FFFE + 0001 = FFFF ですが、

m=F, k=4 より (4 x F x F) % F = (3+8+4)%F = F なので F が 4 桁連続と判ります

8進数場合

666 x 666 = 566544 → 566 + 544 = 1332 → 1 + 332 = 333 ですが、

m=6, k=3 より (3 x 6 x 6) % 7 = (1+5+4)%7 = 12%7 = 3

(12 は 8進数表記であることに注意) なので 3 が 3桁連続と判ります

興味があるひとは是非他の値で実際に計算して確認してみてください。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

q23lfZvn.g

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