2016-04-11

「1+1=2」であると僕は呟いた。

「1+1=2だ」と僕は呟いた。

「なるほど、あいつに話しておいてやるよ」と、それを聞いていた彼は言った。

いま思えばここで強引にでも止めるべきだったかもしれない。

翌日、あいつが話しかけてきた。

「よぉ、彼から聞いたんだけど2なんだって?」

僕は違和感を覚えたが、まだそれが何か分からず「ああ、2なんだよ」と返した。

翌日、周りがいつもより騒がしかった。

どうやら僕が「彼にした話」で持ちきりのようだった。

「2なんだって」「2だってよ」「2なのか」

この時点でさすがにおかしいことに気がつくべきだった。

いや、おかしいとは思っていたが、深刻だとは思っていなかった。

翌日、僕の話は必然的おかしな方向へと進みつつあった。

先生が、怪訝そうな顔をして話しかけてきた。

「おい、周りでお前が2×1=2だとか言ったって話になっているが」

さすがの僕もこのとき違和感の正体をやっとつかんだ。

1+1という計算がどこかで消えてしまっていたんだ。

そして2という数字けが一人歩きして、周りはそれだけしか知らない。

2という数字だけで話を正しく理解できるわけがない。

から、どこかで、誰かが言ったんだ「でもなんで2なんだろう」

そしてあいつがこう返した「2×1だからとかそこらへんじゃねえの?」

そして彼が適当にこう返したんだろう。

「だいたいあってる」

もちろん、僕は2という数字を言った。それは事実だ。

でもそれは2×1だからではなく、1+1からだ。

1+1から2を導き出したのに、2×1で2なんて言われたら、それは僕の言った2とは意味が変わってくる。

事態を重く見た僕は、急いで先生事情説明した。

「1+1=2」であるということだと、1+1が抜け落ちて伝わってしまったのだと。

先生は周りの人たちを集め、できる限り「1+1=2」であることを伝えてくれた。

先生はひたすら「1+1=2、2なんだぞ!」と熱く周りを諭してくれた。

僕の中では先生説明に不足はなかったとそのときは感じた。

だが、不足はしていなくても2という部分を強く主張しすぎていた。

それを聞いていた周りの何割かは、その2という数字が5だとか10と同じだと感じてしまっていたのだ。

大々的に僕の話を取り上げられて、このように解釈されたらもうどうしようもない。

話はすぐに広まり、僕は「1+1=100」だと言った人間だと周りに思われるようになった。

僕は周りの説得を試みたものの、ひたすら無理解翻弄され続けた。

「それだと掛け算とか割り算するとき問題が起きるだろ」

足し算の話をしているはずなのだが、なんでそこで掛け算とか割り算の話が出てくるのか。

「5+5=10だっていってるのと同じ」

同じじゃない、数字が増えてる。

それならまだ2×1=2だと思われていたほうがマシなくらいだ。

「要約すると、2だから3とか4はいらない子ってことね」

違う、あと要約しないでくれ。

2という答えが導き出されるという話で、他の数字存在のものを抹消したい意図はない。

「0.2が」

なんでそんな細かい話にまで広がっているんだ。

「1+1=3になるケースだってあるだろ」

算数の話をしているんじゃなかったのか。

あとイレギュラー反論材料にするな。

「それはそうと、お2-ちゃんって響きには憧れる」

「それだと某掲示板みたいな響きが出てやだな」

もはや議題に参加する気すらない。

先生×あいつ、或いは彼×先生、いや彼×あいつというのも」

から掛け算の話じゃない。

僕は疲れ果て、算数には関わらないようになった。

算数理解するのも、理解させるのも難しいのだ。

  • とりあえず 1+1=2 site:anond.hatelabo.jp でぐぐって出てきた中からそれっぽいのだと http://anond.hatelabo.jp/20160411213623 http://anond.hatelabo.jp/20141016115338 あたり?

    • そうその上のやつですありがとうございます。計算式の辺りが記憶あやふやで自信なかったので、足し算とか数学とか算数とか入れて上の検索欄で検索してました。 お手数おかけしまし...

      • 上の検索欄ってHatelabo::AnonymousDiary の右にあるやつ? あれだとキーワードとかカテゴリとかしか出てこなくない? 増田の個別記事(anond.haterabo.jp/ ではなくて個別の記事を表示したペー...

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