2016-04-05

地方公務員を勤続22年で退職した

平成27年度末をもって高卒採用22年で退職したのでぶちまけたい。

昔話をするつもりはないが、一時期盛んに行われていた公務員バッシングあおりもあってこの十年で随分と苦労が増えたんだよ。

採用された頃からすると職員数は30%ほど減ってるが仕事は倍以上に増えた。

8年前に昇任試験に受かって3年間の昇任待ちを経て、係長になったのは5年前のことだが、その時に税金徴収仕事を拝命したんだ。

採用直後のぬるま湯時代に一度やったことのある仕事だったが、なによりキツかったのが郵便誤配による個人情報漏洩

私の部下だけでも数千人単位の滞納者を抱える中で、アパートの新居住者名前確認せずに開封してしまう。

結果それは個人情報しか税金の滞納というデリケート情報漏洩ということで、そのたびにマスコミ発表や関係者への謝罪忙殺された。

税金を滞納するような輩は住民票も異動せずに転居しまくるので、アパートの新居住者手紙を開封しちゃうなんてのは昔からずっとあったんだが、

個人情報以外に何の財産も無いような底辺な輩ほどそれを騒ぎ立てる。

そしてその相手をするのは係長の俺なんだよ。

昨年は4回もその手の話で滞納者に延々と数時間なじられて脅され、上層部市長から個人情報流出を防げと無理難題を言われる。

その上に、通常教務で税金差押すればDQNが怒鳴りこんできてその対応もやらなきゃならない。

そして俺はうつ病と診断されて一ヶ月休業し、その後延長して都合三ヶ月休んだ。

正常な思考回路じゃないかもしれないが、もう公務員をこれ以上づづけたくなかったんだよ。

どんな仕事だって感謝されて自分仕事肯定される場面ってあるだろ?

でも俺の仕事にはそんなこと一つもないんだ。毎日苦情とトラブルの発生を恐れて、上層部から数字を出せと求められて、それでも残業はするなと無茶を言われ、

市民に接すれば税金泥棒だの、公務員は楽でいいだのとなじられる。

確かに俺のピーク年収だった一昨年の源泉徴収票は額面720万あるが、それに見合った仕事をしてきたつもりだ。誰にも恥じることはない。

でもな、四十年以上男をやってきて初めて人前で泣いたんだ。

この前滞納者と面談してる最中に不意に涙が止まらなくなったんだよ。

そいつはこう言ったんだ「お前ら役人は高い給料貰って貧乏人をいじめ税金ばっかりむしり取りやがる!お前らそれでも人間なのか!」

いつも言われてることだが、もう心のシールドがなくなってた俺にはもう耐えられなかった。

客に初めて言い返して洗いざらいぶち撒けて止めに入った課長に徽章をぶん投げて家に帰ったんだ。

もう俺は公務員を続けたくなかった。

誰かにありがとう笑顔で言って貰える仕事がしたかった。

胸を張って人前で自分仕事を言いたかった。

でも駄目だ。

何で俺は係長になんてなってしまったんだろう。

降格という方法もあるらしいがそんな生き恥は俺には晒せない。

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